ころあね.

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#突然の君の訪問

コンコン…コン…コン
それは春先の暖かく気持ちのいい日だった。

お昼寝でもしようか

そう思ってソファに横になり、ウトウトしだした時、
窓に何かが当たってるような音が聞こえた。

カーテン越しに薄っすらと見えるシルエットを見て私は驚いた。

「鳥だ…!!!」

慌ててメガネをかけてベランダに走る。

「きっと迷子になった飼い鳥に違いない!ええ!どうしよう!」

鳥さんがびっくりしないようにそっと窓を開ける。
そこで私は驚いた。

なんとそこにいたのは、パンツ。

正確に言うと、干し場所がなくなり、
ハンガーにかけられた旦那のパンツと洗濯バサミ。
落ちないように洗濯バサミで留めたのだった。

それがどういうわけだか視力の悪い私には、
鳥のクチバシに見えたらしい。

「うそやん……」

関西人でもなんでもない。
私は東北出身だ。

「そんなことあるぅ〜?」

誰に言うわけでもなく、ただ呆然と立ち尽くす。

コンコン…コンコン

そしてまたあの窓を叩くような音が聞こえた。

どこから聞こえる?
音のする方向を探る。
こっちか…?

私は驚いた。本日三回目。

はい、うさぎです。

ペットのうさぎ。

空っぽになったご飯入れを歯でコンコンして遊んでいる。

「君はキツツキなのかい?」



今日のお題は、"突然の君の訪問"
こんな体験を思い出した夏の暑い日。


                  ころあね.







8/28/2023, 4:15:51 PM