『突然の別れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
友達が行方不明になった。
それは突然の出来事だった、つい数日前までは馬鹿を言えるくらいに悩みも何も無さそうに見えた友達が、
消えた。消えたのだ。
どうして? わかるはずがない。
さようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようなら
ひらり、ひらりと。
風に乗り、花弁が舞い踊る。
届かぬ想いを、望みを託され。行き場のない感情を乗せながら。
風の赴くまま、流れていく。
「郵便でェす」
誰にでもなく声をかけ、地に降りる。
カランコロンと一本歯下駄を鳴らしつつ、お目当ての場所へ。
「相変わらず、凄いねィ」
無数の風車が刺さる橘の巨木を見上げ、ほぅと息が漏れる。数を減らす事のない其れ等は、ある意味壮観ですらあるようで。
「また来たのか。閑人め」
「長サマの許可は取ってますよゥ。そんなに邪険にしなくてもいいじャあ、ありませんか」
背後の声を気にする事なく、取り出した巾着の口を開く。起こした風に中身を流せば、視界が極彩色に染まった。
「雑な仕事だ。これでは届くものも届かぬだろうに」
「大丈夫ですよゥ。子供騙しの呪いに縋るほど、焦がれた想いですからねェ。届けたい相手を間違う事はありません」
「そも、こんな無意味な労苦を行う意味がわからんな」
舞い上がる無数の花弁。誘われるように風車に触れ解けていく其れ等を見、此《コレ》を見下ろす声の主は無感情なままに呟いた。
これを無意味と断ずるとは常世に在るモノと現世に生きる者はやはり違うと、しみじみ思う。否、この男が特段に堅物なのかもしれないが。
「イヤですねェ。無意味と断じないでくださいな。其れ等はみィんな、“サヨナラ”と“逢いたい”の想いなんですから。風にも乗らない戯言も拾うほど此も節操なしじャあないですよゥ」
空になった巾着を弄びながら、くつくつ笑う。
「突然いつも通りが崩れて、お別れも出来なかった。この先をどうやって生きればいいのかわからない。苦しい。悲しい。寂しい。逢いたい。せめてさよならだけでも伝えたい…可愛い可愛い綺羅星達の望み。応えてあげないと」
返事は返せないけれど、さよならくらいは伝えてあげてもいいではないか。突然の死に別れに嘆く、数多の綺羅星達のせめてもの慰めになればいい。
ただでさえ刹那の生を燃やして駆け抜けているのだ。その輝きが少しでも曇らないよう、望みに応えるのが此の存在意義でもあるのだから。
「酔狂な事だ」
「綺羅星を娶るような、愚行を犯すモノと一緒にしないでほしいですねェ」
綺羅星は綺羅星だけで生きてほしい。その理を踏み越えた先にあるのは、破滅でしかないだろうに。
理を超えたモノ等を思い浮かべて、げんなりしながら戻りの準備をする。
見ればもう、片手で数え切れるほどにまで花片が解けてしまっていた。
「そろそろ戻りますねィ。それではご達者で」
最後の花片が解けたのを見届けて、男に背を向け翔び上がる。
風に乗れば常世は遥か下に。現世はすぐそこに。
「さァて、早く戻らないと」
何せ、綺羅星はすぐに消えてしまうのだから。しかも、ある日突然に消えてしまう綺羅星の何と多いことか。
一つ息を吐いて。
今この時も、想いを託され風に舞う花弁を拾い集めるために。まだ暗い空を駆け抜けた。
20240520 『突然の別れ』
〝突然の別れ〟
廃盤の文字に、在庫処分セール。
突然の別れは、人生を少しだけ貧しくする。
【突然の別れ】
登場人物
高峰桔梗(たかみねききょう)
樹 (いつき)
桜井華 (さくらいはな)
犬塚刑事
別れは突然訪れた。
学校からの帰り、家の回りが騒々しい。何かあった様だ。家に近付くにつれ人の数が増え、みんなが私を見ている。
家の前にはパトカーが止まっている。一瞬身動きが出来無くなった。
「キョーちゃん、家に入ってはダメ!」隣りのおばさんの制止を振り払い家の中に入った。
私は玄関先で氷付いた。
床も壁も天井も真っ赤に染まっている。モニターやスクリーン越しにしか見たことのない景色が現実のものとして、私の瞼に焼き付いた。
もう一歩も動けない。
後のことは覚えていない。
気が付くと、隣りのおばさんの家で横になっていた。
「お気付きになりましたか」婦人警官に声を掛けられた。
「何が、何があったんですか?父は母は、弟は無事なんですか?」
30前後の男が割って入ってきた。
「落ち着いて下さい。
私は捜査一課の犬塚といいます。今から事件の経緯を説明します。今日1時半ごろ、お宅に空き巣が入ったようです」
「私が、ガラスの割れるような音を聞いたのよ」と、隣りのおばさんが口を挟む。
「そこに運悪く、お父さん達が帰ってきて鉢合わせになった様です。残念ながらお父さんとお母さんは胸や腹などを刺されお亡くなりになりました」
「そ、そんな。弟はどうなったんですか?」
「弟さんは病院で治療を受けています」
「無事なんですね」
「かなり厳しい状態だと聞いています」
「私を病院に連れて行って下さい」
何とか一命は取り留めたものの予断を許さない状態で、今夜が峠だと言われた。
犬塚刑事が、その後の操作内容を説明したくれたが、何を言っているのか、まるで頭に入ってこない。犯人はまだ捕まっていないことだけは理解できた。
どれだけの時間が流れたのだろう。
看護師さんに体を揺すられ我に返った。
「先生からお話があるそうです」
「樹は?」
「峠は超えました。もう大丈夫です。弟さんはよく頑張りました」
「先生ありがとうございます」
涙が溢れて止まらない。
事件後、初めて泣いた事に気がついた。
そのまま意識が遠くなり、深い眠りに落ちた。
どのくらい寝ていたのだろう。
目を覚ますと、そこは病室のようだった。
一気に記憶が蘇る。
夢だ。今までのは全て夢だったのだ。
自分にそう言い聞かせたが、病室にいる理由が見つからない。
その時、看護師さんが病室に入って来た。
「気付かれましたか。今、先生を呼んできますね」
「弟は、樹に合わせて下さい」
「落ち着いて、先生を呼びますから」
「具合の悪いところは無いですか?あなたは2日間眠っていたのですよ」
「2日も、私は大丈夫です。弟に合わせて下さい」
「弟さんはまだICU(集中治療室)にいます。命の危機は脱したのですが、意識が戻らないのです。しばらく様子を見ましょう」
私は樹の手を握り話しかけた。
「樹もう大丈夫よ、何も心配する事はないわ。後はお姉ちゃんに任せて、ゆっくりお休みなさい」
その後、若い刑事さんと一緒に事件後初めて自宅へ帰った。
「あまり部屋の中は見ずに必要なものだけ持ち出すようにして下さい」
そうは言われても、余りにも大量な血痕は嫌でも目に入ってくる。やっぱり現実なんだ。堪え切れず溢れる涙を拭いもせずに鞄に荷物を押し込んだ。
外に出るとそこには、婦警さんがいた。最初にあった婦警さんだ。
「私は桜井華。しばらくの間、私があなたを預かる事になりました」
家族以外身寄りがないのでお願いすることにした。
「遠慮しないでね。私は母とふたり暮らしで部屋もひとつ空いてるから自由に使ってね」
「いらっしゃい。大変だったわね。内ならいつまで居てくれても構わないからね。遠慮しないでね。お腹空いたでしょ、それともお風呂が先かしら?」
「ありがとうございます。では、お風呂頂きます」
「ゆっくり温まってね」
考えれば考える程、現実の事とは思えない。どうしても受け入れられない。今は樹の回復だけを考えよう。
「ご馳走様でした。とても美味しかったです。片付けは私がやります」
「いいのよ、そんな事はあたしがやるから」
布団に入ったが、寝られるはずがない。
「桔梗ちゃん、まだ起きてる?」
「はい」
「ちょっと話せる?」
「事件の進展があったんでか?」
「白昼堂々の犯行なのに、目撃情報がまるで無いんだ。それに、強盗犯の線と、怨恨の線でも捜査をしている」
「怨恨だなんて、そんな」
「お父さんやお母さんが誰かに恨まれてる事はないか?逆恨みかもしれない。怨恨の線が消えない限り、君の身も危ない。だから内で預かる事になったんだ」
「父はとても誠実な人です。恨みを買うことなんてありません。母だつて同じです」
「樹君が眼を覚ましてくれれば、犯人の顔を見ているかもしれないのに」
桔梗は毎日、樹に会いに行った。
事件から1週間が経つのに意識が戻らない。
「先生、樹はどうして意識が戻らないのでしょうか?」
「余りにも残酷なものを見たせいで、自ら殻に閉じ籠り、拒否しようとしているのかもしれません」
桔梗は樹の手を握り話しかけた。
「樹、眼を覚まして、お姉ちゃんをひとりにしないで、お願い」
桔梗の眼から一筋の涙が樹の頬に落ちた。
その時、微かに樹の指が動いた。
「先生、樹の手が!」
樹がゆっくりと眼を開けた。
「樹、お姉ちゃんよ。分かる」
「お姉ちゃん、ここ何処?」
次の日、犬塚刑事が事件当時の様子を聞きに来た。
「ボク、犯人の顔見たよ」
「それは、知ってる人だったかい」
「隣りのおばさんの弟だよ」
樹の供述により犯人は逮捕された。
調べによると、被害者の高峰家の裕福さを妬み、金品を奪う目的で強盗に入ったところ、高峰一家が帰宅し顔を見られたので殺害に及んだとの事である。犯人の姉は弟を庇う為に嘘の供述をしていた。
「華さん、おばさんいろいろと有難う御座いました。これからは樹とふたりで頑張っていきます」
「何言ってるの?住む所はどうするのさ」
「施設に入ることになりそうです」
「ここに居ればいいじゃないの。
物置部屋を片付ければ何とかなるよ」
「母もそう言ってるんだ、そうするといい。私も賑やかな方が好きだ」
「ボクもここがいい」
「決まりだね」
私に第2の家族が出来た。
おわり
ご飯茶碗が新しくなっていた。
大学の講義が終わり、帰宅して、親の用意してくれた夕食を食べる。いつも通りのなかにひとつだけの違和感。そう、ご飯茶碗が昨日までと違うのだ。
予告も無しにニューフェイスがしれっと登場している。なんだ、誰だお前は。
母に訊くと一言、「前のは欠けてたから捨てた」とのこと。まあ、そうでしょうね。そりゃ仕方ない。ところで今日の味噌汁しょっぱくない?
別に今まで使っていたお茶碗に大した思い入れはなかった。前のお茶碗が割れたからとその日のうちに近所のホームセンターに行って数分で選び買ってきたものだ。そのはずなのにどうも落ち着かない。反面、生姜焼きはいつ食べても美味しい。
お茶碗が視界に入るたび、持ち上げるたびに湧き上がる違和感は、先代お茶碗を十数年使ってきたことが原因なのだろう。手に馴染んだ形や重さは一日二日で更新できるものではな……いやちょっと待ってこの豆腐すごい繋がってるんだけど。逆に器用じゃん。
たがが茶碗。されど茶碗。
意識もしていなかったが長年寄り添ってくれたお茶碗様にせめてありがとうの一言ぐらい言って別れたいところだ。
というか一応私のものなのだからひとこと言ってくれてもよかったんじゃないか、母よ。代替わりを知っているのといないのとでは心持ちがまるで違うぞ、母よ。実家暮らしで親に世話してもらってる以上あまりわがままは言っちゃいけないが、母よ。
明朝のゴミ集荷は割れ物・危険物……だったはずだ。
手遅れになる前に食べ終わったらすぐにありがとうを言いにいかなければ。
今日もご飯はおいしい。
お題:突然の別れ
突然の別れは悲しいな
できれば別れたくないな
また会えると良いね
待ってるよ
別れない方法の知識を持ってれば大丈夫かな
それでも無理なら仕方ない
1『突然の別れ』
日常、いつも通る山道を通り学校へと向かう。山道を通るといった時点でなんとなく予想はつくだろうが、俺が通っている「私立佐々木ヶ原高等学校」は山の中の中の中の奥とでも言わなければならないほど山の中にある。こんな山の中の学校でも、3月の受験者の数は例年300人を超える。俺も初めは、友達が受験するっていったとき、あんな山の中で不便ところなんで受験するんだろうって思ったさ。でも、それでも受験したいそう言って友達はきかなかった。俺がこの学校に入学したきっかけは一人の少女だった。10月の少し肌寒くなってきた頃だった。夕方もえ暗い頃、だいたい5階建ての建物(ビルみたいに大きかった)その屋上に俺と同じ年ぐらいの少女がいた。なぜ少女を見つける事ができたのかは、その日遅めの花火大会が行われていたからだ。ドカーンと音が鳴ったものだから驚いて上を見上げた時に少女に気づいた。もちろん俺は街道にいた。それなのに見えたってことは......そう屋上から飛び降りようとしていたんだ。俺が気づいたのとほぼ同時に彼女は落ちた。そのすぐあと、俺は夢中で走り彼女を受け止めようとした。だけど間に合わなかった。しかし代わりに街路樹が受け止めてくれたおかげでまだ生きてはいた。その時みんな花火に夢中で俺しか周りにいなかったもんで俺しか助けられる人間はいない!!って必死に助けようとした。いくら街路樹が受け止めてくれたとはいっても5階建ての建物から落ちたんだただじゃ済まない。俺はすぐ救急車を呼ぼうと携帯電話をポケットから出そうとすると、少女が小さな弱々しい声でこう言った。「もっと普通に行きたかった」 俺は少しの動揺があったがすぐに救急車を呼び救急搬送される彼女を見送った。その後は警察に事情聴取されたり、親にちょっとだけ褒められたりされたけど、彼女の言葉がずっと頭から離れずその日は眠れなかった。翌朝、彼女が搬送された病院に向かうと、彼女はドラマでよく見るようなマスク?みたいなの呼吸するやつ?をつけていた。あまり医療には詳しくないが、間違いなく彼女は苦しんでいた。誰かそばにいてやってほしいと思ったが親はいないらしい、身元も不明だった俺は無力感に押しつぶされそうになり、その日から毎日とはいかないけど、できるだけ彼女のそばにいることにした。1週間たっても2週間たっても彼女は目を開けなかった。しだいに彼女を助けたい、この子を幸せにしてあげたいという気持ちが強くなり進学先も医療学科があるの私立佐々木ヶ原高等学校に入学を決意したってわけ。ロマンチックだろ~。
今も彼女は眠り続けている、早く助けてあげたいその気持ちで今はいっぱいだ。そんな気持ちを抱え俺は登校した。校門をくぐったその時「うわ~遅刻~遅刻~」そんな声が聞こえた。俺にとってはいつものことだった。声の主は入学式の新入生入場のときに盛大にずっこけた神永小雪である。おっちょこちょいな彼女だが元気で明るい良い子だ。「おーいもう授業始まるぞー」彼女は時計を見て「えー!!嘘!!!」と驚く。こうやってからかってやると彼女は大慌てで校舎に突っ込む。俺も遅刻するとまずい彼女に続くとしよう。教室に入ろうとすると、騒がしい声が聞こえる。どうやら小雪がなにかやらかしたらしいが俺はそれを無視して自分の席に鞄をおろし座る。すると隣の席から声が聞こえる。「おはよう」俺もおはようと返す。このいつもおはようと声をかけてくれる男は手塚健なかなかにイケメンだ。イケメンはイケメンだが残念なイケメンだ。どうやら男子にしか興味が無いらしい、襲われないように気をつける必要がある。でもそんなこと忘れてしまうぐらいに良い奴だ。そんなことをしているぐらいにチャイムがなる。しばらくして先生がやってくる。ホームルーム長が始めの挨拶をする、俺もそれにつづく。始めの挨拶が終わると先生が「今日は大切なお話があります。佐藤将くんが先日亡くなりました。」つづく
「突然の別れ」
幼い頃は、お伽話や絵本が好きだった。
いつの日かあんな世界で暮らしたいって、そう思っていた。
いつの日だっただろうか。まだ自分が小さい頃の話だ。
絵本を読んでいたある日、誰にそうされたかは忘れてしまったが、誰かに絵本を取り上げられ、こう言われた。
「こんな場所があるって信じてんの?笑える!いつまでも夢見てずにさぁ、漢字の一つでも覚えたほうがいいんじゃない?そっちの方がよっぽど役にたつでしょ?」
その言葉は幼い自分の胸に深く突き刺さった。
もう夢なんて見ても仕方がないの?
私は、どこに行けばいいの?
学校にも家にも安心できる場所がなかった。
だから自分だけのおとぎの国に逃げて、心を守っていた。
だけど、それももうできないような気がして。
ただただ、何にもない、狭くて仄暗い心の底に閉じこもった。
これが、自分のおとぎの世界との突然の別れだ。
華やかな生き方も、ハッピーエンドも、所詮は作り話。
孤独であろうが、苦痛まみれであろうが、バッドエンドであろうが、どうだっていい。
錆びついた無抵抗の自分を、ただただ見つめているだけで充分だ。それでいい、どうだっていい。
もうどうにでもなればいい。
「そんなこと思わずにさ、」
「もうちょっと、柔らかくというか、自分に優しく、気楽に生きたまえよ。」
「キミは少々肩を張り過ぎているんじゃないかい?そんなに他のニンゲンの言うことに従わなくたっていい、苦しまなくたっていいんだよ。」
「誰かの言うことに従ったからといって、自分の気持ちに蓋をしたからといって幸せになれるわけじゃない。キミも自分の見たい夢を見たらいいじゃないか。」
「ボクが存在する理由が分かるかい?ボクはね、全ての宇宙の、全ての存在が、幸せにその生を全うするのを見守るためにいるんだよ。」
……。でも、見送ってばかりだと辛いんじゃないのか?
「まあね。今までずっと、生まれては見送っての繰り返しだからいろんな何かに置いて行かれているのかもしれない……見送る時になにも感じないといったら嘘になるね。」
「それでも、それでもボクは満たされているんだ。だって、彼らが最期に見せた安らかな感情がちゃんと分かるからね。」
「ニンゲンのことを十分理解しているとは言えないかもしれないが、ボクはキミにもちゃんと幸せに暮らしてほしいのさ!」
「とにかく、一日一日の小さな幸せを大切に生きてくれたまえよ!」
「それじゃ!!!お昼ご飯にしようか!!!今日はちょっと高級なカップ麺だよ!!!」
……自分の幸せを願ってくれている誰かがいるっていうのは、こんなにも嬉しいことなんだな。
せめて、あんたとの突然の別れを迎えないように、いや、迎えても悔いのないように大事に生きないと。
そう思って、自分は背筋を伸ばした。
ついさっきまで
かんがえていたのに
かなしいね
とつぜんのわかれ
あなたがいなくなったって 別に、眠れるよ
明日が来たら、ちゃんと起きてご飯を食べるよ
顔も洗うし、学校にも行って友達とも話すよ
そうやってると、少しづつあなたがいなくなる
ふと思い出す瞬間さえ、なくなる
いなくなる、いなくなる
その自覚さえない
お題 突然の別れ
別れは突然やってくる
人間の命なんてとても儚い
生きていることの方が奇跡である
だってそうだろう?
この世にはまだまだ解明されてないことが多くある
そんな未知で不安定な世界で今日も生きている
不安定な世界で今日も明日の奇跡を信じて生きている
テーマ 突然の別れ
「...」
静かな部屋には乱雑に置かれた絵の具やキャンバス。筆は左手に持っていた。
ーー 一週間前 ーー
「..あとこれだけか」
キャンバスや絵の具が不足してきたから、右手にバッグを持って街に出て買い物をしていた。
「..何処がいいかな」
キャンバスにも種類はある。悩みながら歩道を歩いていたら、
「危ない!」
誰かが叫んだ。何事かと思ったらこっちに車が来ていた。幸い大事には至らなかったが、大切なものを失った。
いつの間にか、本物ではない手が右で動いていた。
おわり
「突然の別れ」
作¦村村真琴
彼女は寝たきりのまま息もせず、さようならと。
言って天国への階段を踏み外した。
「飴、どうぞ」
カラカラとキャスター付きの椅子が近づく音が側で止まると、スマートフォン片手にお昼ご飯を食べていた私の前に飴が差し出された。
ピンクと金色の小花柄の包装紙に包まれた四角い飴だ。
「ありがとう。あ、この飴昔よく食べてました」
様々な花に彩られた黒いパッケージは、子どもの目には少し背伸びをした可愛さとして映り、よく親に買ってとせがんでいたのを覚えている。
子どもの頃は、今目の前にあるものと同じ、甘いバター味が好きだった。自分で買うような年齢になると、それより少しさっぱりしたヨーグルト味を好んで食べるようになっていた。
思い出したら食べたくなってきた。今日の帰りにコンビニにでも寄って買って帰ろう。
「この飴大好きで、切らさないように家に絶対1つはストックしてたんですけど」
背もたれを抱えるようにして座る彼女は、そこでこちらの反応を窺うように言葉を切る。
思わず少しだけ身を乗り出した私に、彼女は深刻そうな表情で告げた。
「生産終了しちゃったんです」
「ええっ」
手元のスマートフォンに商品名を打ち込むとサジェスト欄に生産終了の文字が表示されている。
一縷の望みをかけて検索ボタンを押すと、そこには数ヶ月前に生産終了した旨の情報が並んでいた。
「どうりで最近あんまり見かけなかったんだ」
思わず頭を抱えてしまう。もうあの味を食べることができないなんて。
「本当にこれもらっちゃっていいんですか? 貴重な1個なんじゃ」
「いえ、生産終了のお知らせが出たときにまとめ買いしてるんで大丈夫です」
彼女はわざとらしくきりっとした表情で、飴を返そうとした私の動きを押し留めた。
それならばと絶対に噛まずに舐めきることを心の中で誓い、飴をポーチに仕舞った。別れを惜しむのは家に帰ってからゆっくりとしよう。
「今いろんな人にこの飴配ってるんですよ。そうすれば思い出してくれるじゃないですか」
彼女はもう一つ飴を取り出すと、包みを開いて口に入れた。
じっくりと味わうように一度目を瞑る。手元は小花柄の包装紙についた皺を丁寧に伸ばすよう動いていた。
しばらくして、呟くように言葉を続ける。
「似たような味の飴は確かにありますよ。でも同じではないんですよね。形とか、溶け方とか、鼻に抜ける匂いとか。やっぱりなんか違うなってなっちゃうんです」
ずっと食べ続けてきたからこそ、僅かな違いが気になってしまうのだという彼女の表情は、寂しさの中に誇らしさに似た感情が浮かんでいるように見えた。
それから丁寧に伸ばされた包装紙を手のひらに乗せ、こちらに見えるように差し出される。
「この見た目も好きなんです。こんな可愛い包み紙のお菓子ってあんまりないじゃないですか」
「ああ、わかります。子どもの頃はこの包み紙集めてましたもん」
「あ、それ私以外にやってたって人初めてです」
照れくさそうに実は今もちょっと集めてるんですよ、と彼女は続ける。動画サイトやsnsを参考にしながら小物を作ったりしているそうだ。
見せてもらった写真に映る小物はどれもよくできていて、それをそのまま伝えれば、彼女は抱えた背もたれを左右に揺すりながら更に照れくさそうにしていた。
「いやあ仲間に会えてよかったです。折角なんでもう1つどうです?」
魅力的な誘いについ伸びかけた手を引き戻し、そのままぐっと握り拳をつくってみせる。
「いや、頑張って店で探してみます」
「お、修羅の道を行きますね。私でさえ最近は全然見つけられませんよ」
「見つけたら1個あげますね。今日のお返しに」
楽しみしてます、と笑って、彼女はカラカラと音を鳴らして元の場所に戻っていく。
それを見送ってから急いで残り少ないお昼ご飯を食べると、ポーチからもらった飴を取り出す。
家でゆっくりと味わうつもりだったが、話していたら今食べたくなってしまったのだ。
包み紙を丁寧に剥がす。ふわりとバターが香るそれを口に入れれば、過去の記憶よりもずっと甘く感じた。
ティーカップの中の紅茶を口に運ぶ手が止まった。
フリーズというやつであるが、今まで実体験などしてこなかった。
「おひい様は……昨日、午後頃に…」
そんな私を察したか恐れたか、メイドは気まずそうに目を泳がせた。
「伝達ご苦労。行きなさい。」
ティーカップを置いた。陶器の食器特有の音がした。メイドは失礼しますとだけ言って、私に背を向ける。私をメイドの顔など確認せず、反対の窓の中の空を見た。
もう何も考えられない。
最後見た笑顔だけがまだこの目に焼き付いてる。
あの時ちゃんと引き止めればよかったんだ。
僕のせいだ。
僕が君を殺したも同然だ。
神様、僕を代わりに連れてってくれよ。
それ以外はもう、何も望まないから。
突然の別れ
別れというのは人だけでなく、どんな生き物にも訪れるものだ
そしてそれは突然やってくる
だから、いつ来てもいいようにお互い後ろ向きな言葉を与え合うのではなく、前向きな言葉を与え合った方がいいのではないか
#突然の別れ…
ー恋の別れは、突然だったー
約5年前の話だ…私は、当時、ダンス部の仮入部の頃から気になっていた好きな先輩がいた。二つ上の貴方は、私から見るに、例え、初対面でも分かる程、ダンス部の中のムードメーカーだった。一人だけが盛り上がり過ぎてまるで貴方だけ浮いている様にさえ見えた。そんな貴方に惹かれる様に、久々にダンスをやりたいと思った。そして、予定通り、ダンス部へと入部。あの頃の事は、もうあまり覚えていないが、ただただ貴方が好きで、色んな方法でアタックしていたのは、覚えている。何度も告白をしては、振られを繰り返していた…沢山話してるうちに、何時の間にか、貴方は、卒業の日。彼とは、訳有りで、高校時代、色々、大変だった。でも、卒業しても会いたい気持ちも好きな気持ちも変わらなかった。とある日、まだ学生の頃、たまたま高校で仲の良い友達と遊ぶ事になった。すると、何人かいるうちの一人が、「一人は、男の子、欲しくない?」と話になり、私は、「そうだ!」とひらめき、貴方が卒業する際に貰った連絡先へと電話をかけた。すると、貴方は、電話に出てくれて、私達の元へと駆け出して来てくれたね。そんな貴方に余計に好意を抱いていった。その日の遊びの最中、皆でプリ撮って、その後、私は、もうそろ誕生日だからと言う理由で、貴方に二人でプリを撮ろうと誘ったね。すると、貴方は、私の好意も知っているはずなのに、すぐに許可したね。そして、二人で撮ったプリ。その頃、私は、女の子と以外、プリを撮った事が無く、自ら誘った癖に、顔が強ばっていた。初めて、男の子とプリ撮ったのに。初めて、好きな人に勇気を出して誘えたのに。貴方が肩を、コツンと私の肩に触れる様にプリに映るから。緊張し過ぎて、凄い顔になってしまったの。そしてその日の帰り道。私は、女友達皆に、「ちょっと、彼に話が有るから、先言ってて。」と告げ、私は、彼の元へ。勿論、話は、告白。「ねぇ。そろそろ付き合ってよ〜🥺」と告げると、彼は、「え〜!どうしようかな🤔」と言い、「考えとくわ。」「どうしたら、付き合ってくれるの〜?」と本気で彼を好きだったあまり、流れで聞くと、彼は、「🤔俺、ロングヘア好きだから、𓏸𓏸がロングヘアになったらな」と言われ、その日から、必死になって、髪を早く伸ばす努力をしていたとある日の私の住む児童養護施設。夜、いつも通り、親友とワイワイガヤガヤ盛り上がっていると、一本の私宛の電話が…職員から渡され、誰からか、聞くと、まさかの彼からだった。内容は…「俺は、正直、付き合うか、付き合わないか、どっちでも良いけど、どっちが良いの?」と。私は、その言い方、気に食わなかったが、それよりも今しかチャンスが無い!と思い、先を急ぎ、私は、思わず、「付き合お!」と、即答。すると、彼は、呆気なく、「いいよ〜。そしたら、今日から宜しくねー」と。私は、思わず飛び跳ねそうになった。それ程、彼をずっと愛していたから。でも、これは、地獄の始まりだった…と言うのも、私は、高校時代、彼の事を、一度、精神状態に陥らせた経験が有り、それなのに、そんな簡単に上手すぎる良く出来た話だとは、思ってた。そして、まさに私の鋭い勘は、大当たりに過ぎなかった。その日から、私達は、仕事終わり、毎日、電話をする事を欠かさなかった。例え、何があっても、必ず毎日電話していた。どんどん私の誕生日が近付き…とある日に、彼から、「映画デートをしないか?」と初デートのお誘いをされ、浮かれていた。二人で観る映画を話し合った結果、最終的に、実写版のアラジンを観る事になった。私は、それに向け、毎日、ウキウキ状態。その先に何が待ち受けているかも知らずに…映画デート予定日の一週間前。幸せの絶頂だったはずの私の身に、突如、不幸が舞い降りる…いつも通り、仕事終わりの電話をして、映画デートの日程をそろそろ本格的に決めようと話そうとして、彼の携帯に電話をかけた…すると、何度かけても、かれは、電話に出ない所か、「おかけになったお電話番号は、現在使われていないか、電波の届かない所にいます」のアナウンス…楽しみにしていた、彼との初デート…そして、今まで彼氏がいても、デートまで行かなかったから、尚更、初めてで楽しみにしていたのに…彼は、突如、音信不通になり、私の前から、何事も無かったかのように空気の様に消えて行った…それから、毎日、授業も頭に入らないし、一日ボーッとしたりする事も増え、泣く事も増え、毎日、泣き叫ぶ日々…親友に聞くと、どうやら、彼は、私と付き合ってたはずの時期から、まるで私を騙す様に、他の女がいたようだ。悲しいけど、これで終わりなんだ…と毎日、心を閉ざす日々…そして、傷心の心を更に傷付ける様に、更に、不幸は、舞い降りる…とある日の放課後…担任二人に呼び出しを受けた。その内容は…「お前が付き合ってると話してたアイツ、この前、お前が実習行ってる最中に学校に来て、『俺と𓏸𓏸は、別れました。𓏸𓏸を好きだった時期も付き合ってた時期も有りました』とだけ、私達、お前の担任二人と、アイツの元担任二人に、伝えて、帰ったが、お前は、どう思ってるんだ?」と…突如、知らされる不幸に涙目になる私…それでも、傷心の心になっていると知っているはずなのに、容赦無く、問う担任達…あー。私には、味方一人もいないんだ…と…泣きそうになるのを耐えながら、私は、答えた。私の思ってる事、私の意見全てを…「私は、正確な別れ話は、されてません。確かに交際二日目で冷めちゃったみたいな話されたけど、その後も二人で笑ってたし…」「でも、それが彼の本音だったのに、お前が引き止めたんじゃないのか?」と。「そんな事してません!てか、大体、好きだった時期も付き合ってた時期も有りましたって何ですか?私、一度もあっちからそんな話された事も無いですよ?」と言い、諦めた。突然の別れだった…彼といるのが楽しかったから、彼の本音にしか気付けなかった…でも、やはり有るはず無かったんだ…私が精神状態に陥らせてまでも実る良く出来た話なんて…私も、油断してたな…これは、私に対する自業自得の罰だ。昨年、久々に高校の文化祭に行くと、その彼の姿が有り、私は、未練を晴らす為にも、思ってる事全てを彼にぶつけた。そして、二人は、5年越しに和解し、何とか、私も心の中のわだかまりが無くなり、何となくスッキリして、彼と離れる事が出来た。
時がすぎるのはとても早いものだ
今、高1の俺だが、去年はとても短ったように感じた
クラスメイトと毎日のように笑った日々は一瞬にして
過ぎ去ってしまった、クラスメイトとの別れ
それは突然の別れのようだった
そのくらい楽しく感じた1年は忘れられない
最近調子が悪いので
少しお休みを戴いておりました
夜の夢で月の下
愛しい御方と戯れておりました
真黒な燕になって
猫に食まれておりました
暗く深くどこまでも沈んでおりました
赤い月を未だ見ないので
愛しい御方の御子に逢えるやもしれません
夜の月の下ぽつぽつと輝く花畑
白詰草の季節です。