『空を見上げて心に浮かんだこと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どこまでも続く青い空。流れていく白い雲。
使い古された表現のよく似合う空を見上げ。
「何見てるのよ?そんなに熱心に」
「…別に」
聞こえた声に、視線を空から彼女へと移す。
普段通りを装いながらも、隠しきれないその気遣わしげな視線に何もないと首を振って答えた。
「ただ、雨が上がったと思ったから」
昨日までの、長く続いた雨は終わりを告げ。
刺すような強い日差しと、茹だるような暑さが夏を連れて来た。
人でなくなってから、一体どれくらいの時間が過ぎたのだろう。
帰る場所は無く、私を知る人もすでに亡く。
私の存在が誰かを殺し、誰かを悲しませて。
誰も私を責めはしない。皆口を揃えて龍が悪いのだと言う。
巻き込まれてしまった哀れな娘。それが皆の認識だった。だからこそ誰も私の罪を咎めてはくれなかった。
それならば、せめて。
そろそろ覚悟を決めなければならないのだろう。
それはただの自己満足で、罪滅ぼしにもならないけれど。
中途半端なままでは、逃げ続けるままでは誰一人報われはしないから。
「どうしたの?今日は随分甘えてくるのね」
彼女の首に手を回し擦り寄る。頭を撫でるその手は、いつものように優しい。
「嫌だった?」
「嫌じゃないわよ。珍しいとは思ったけれど…ねぇ、」
何かを言おうとして、けれど唇を噛み締め彼女はそれ以上は何も言わず。
あの日。一人になりたくて抜け出した日。
仕置きをすると意気込んだ守り藤が、私の代わりにすべてを二人に伝えてくれたその日から、二人は名前を呼ぶ事を躊躇うようになった。名を呼んで縛り付ける事を怖がるようになった。
優しい神様。人を知らず、けれども人の望みに応え続ける哀しい雨の龍。
彼女の背中越しに空を見上げる。
どこまでも続く青空に、もう黒い龍の姿は見えない。続く雨は終わり、彼が戻ってくる。
「もうすぐ帰ってくるかな」
「そうね。すぐそこにいるわよ」
「そっか」
一度強く抱きしめてから離れ、背後を振り返る。
ゆっくりと歩み寄る彼を、笑みを浮かべて迎えた。
覚悟を決める。
初めから最後が決まっていたとしても、それでも選んだのは私。
応えて受け入れたのも、二人を大切に想うのも。
青の空よりも柔らかな雨の降る空を好ましいと思うのも、すべて私なのだから。
「どうした?随分と甘えたがりだったみたいだけど」
「何でもないよ。雨が上がったから」
数歩下がって、二人に手を差し出して。
「帰ろう?時雨、五月雨」
笑みを浮かべたまま、二人の名前を呼んだ。
息を呑み。泣きそうに顔を歪めて。
ゆっくりと手を取る二人に、その手を握り返す事で応える。
誰も何も言わず。繋いだ手は離さずに。
これが私に出来る最善。
これから先の永い時間を、二人と共に在るという選択。二人の望みに応える事。
微かな誰かのごめんなさい、の言葉は聞こえないふりをした。
20240717 『空を見上げて心に浮かんだこと』
”ザックスの目、綺麗だね。”
”そうか〜?自分であんまり見ないからよく分かんないけど、君が言うならそう思える気がする。”
“うん、そうそう。まるで青空みたい。”
-----
誰も居ない神羅ビルの屋上で空を見上げる度に思う。
ソルジャーは皆、青い目になるけどザックスの瞳は特別曇りない綺麗な青色だった気がする。
もしかしたらザックスの性格とかがそう見させてくれたのかな、なんて考えるけどここ暫く会えていない。
「…早く帰ってきてよ」
小さな呟きは誰にも届く事なく空に消えていった。
-空を見上げて心に浮かんだ事-
薄い雲。
淡い青。
きれい。
綺麗、な、そら。
見上げた。
ずっと下を見ていた。
空を見上げたら、少しだけ、気持ちが楽になる。
そんなおまじない。
あの日からずっと、ずっと縋っている。
(空を見上げて心に浮かんだこと)
「終わりにしよう」(7/15)
「空を見上げて心に浮かんだこと」(7/16)
゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。
「終わりにしよう」を書き終えて!!!あとは投稿ボタンを押すだけだったのに!!!急にアプリが落ちて!!!入力内容が全て消えてしまったのだよ!!!
爆烈ショックでふて寝してしまったが!!!号泣するのを我慢しながらも!!!ちゃんと書き直したよ!!!めっっちゃくちゃ長いが許してくれたまえ!!!
「あー、こいつこの文量を書き直したのかー。ふーん。」と思って読んで頂ければと思う!!!
それじゃあ、そろそろ本編に移ろうか!
この不穏なテーマをもっと上手く扱いたかったよ〜!!!
゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。
「終わりにしよう」
「前回までのあらすじ」────────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!
そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!
……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!
それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、お覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。
もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。
どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。
それと、整備士くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かった。712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くして
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!
そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!
……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!
それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。
もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。
どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。
そうそう、整備士くんや捜査官くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かったよ。
712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くした彼は、ただただ泣いていた。ずっと寂しかったよね。今まで助けられなくて、本当にすまなかった。
ようやくきょうだいは泣き止んだ。そろそろ事情聴取が始まる時間だね。無事に終わるといいが……。
────────────────────────────────
「ほらほら、もうあっちにいる捜査官のお姉さんにお話を聞いてもらう時間だよ?」
小さな兄は、「なにおはなちするの?」と聞く。
「そうだなあ……今までで覚えていることや、旧型───あの空間を作った彼女と一緒に外に出た理由などなど、いろんなことをお話するのさ!」
「ね、ね!⬛︎⬛︎ちゃんもいっちょにおはなちだよね?」
「ボクは外で待っているよ?何せ事情聴取だからね。」
「やだ!⬛︎⬛︎ちゃんといっちょじゃないの、やだー!ボクおはなちしないもん!」
ほっぺたをぷくぷくさせて怒っている。
「……ねえ捜査官くん。この空間を少し広げてもいいかい?透明で音を通さない仕切りを作って、そこからボクがきょうだいを見ていても良いだろうか?」
「こっちの会話が聞こえなかったら別になんでもいいよ。」
「無理を言って済まない。何せ兄は年齢が2歳で止まっていて少々わがままだからね……。」
「ほら、⬜︎⬜︎、ボクは向こうで見ているから大丈夫だよ───おっと、ちょーっと大事な連絡が入ってしまった!すぐに戻るから安心したまえ!」
「いってらっちゃーい!」
+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+ +.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+
-マッドサイエンティストの研究室にて-
「やあ、ボクのスペア256号くん!!!久しぶりだね!!!突然だがキミに頼みがある!!!」
「あー!!!アレだね!!!データはきっちり共有されているから分かっているよ!!!……ようやく『時期』が来たってことだね?!!」
「そう!!!本日、公認宇宙管理士のタマゴたちを制御するシステムにウイルスが送り込まれた!!!全く、とんでもない連中だ!!!」
「だが!!!ボクの構築した最強のセキュリティシステムのおかげで!!!実害はないうえ実行犯とその位置情報まで割り出せた!!!素晴らしいね!!!」
「本来であればボク直々に連中をちょーっと壊滅させる手筈になっていたのだが、急遽きょうだいの事情聴取を見守らなくてはならなくなった!!!」
「しかもさあ!!!ヤツら現在進行形でカメラ越しにこっちを見ているんだよ?!!通信は秘匿化されているから我々は余裕で安全だが……。」
「お気の毒なことに!!!向こうの情報はふっつーにダダ漏れなんだよねえ!!!」
「というわけで……256号くん!!!代わりにキミが行ってくれたまえ!!!」
「了解!!!」
゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚
あぁ、画面の前のキミたちを驚かせてしまっただろうか?なんせ急にボクが2人出てきたからね、無理もない。
スペアのボクが本体の代わりに説明しよう!
いくらボクが宇宙管理機構一可愛くて優秀でも、今ある宇宙の大半を管理するなんてことは到底不可能!
それを可能にするためにボクはボク自身を沢山増やしたのさ!!!おかげでより多くの仕事と研究を!!!よりきめ細やかにすることの実現に成功したよ!!!
別に自分を増やすことは法に触れないからねえ!!!
ちなみに、恐ろしく膨大なデータはボクの研究室にあるサーバーで処理しているよ!!!
だから、ボクの本体は間違いなく本体なのだが、このサーバーもある意味『本体』と言えるのさ。
話が長くなってしまったね!それじゃあ、本題に戻ろうか!
゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚
+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+ +.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+
-???にて-
「おやおや、みんな集まっているようだね!!!ボクが公認宇宙管理士のマッドサイエンティストだ!!!今日はよろしく頼むよ!!!」
「はじめまして。私がセキュリティ部隊の隊長を務める者だ。マッドサイエンティスト、よろしく頼む。」
「マッドサイエンティスト、君のおかげでシステムの侵害を免れることができた。それから、実行犯の居場所まで分かったから現行犯で逮捕できる。」
「このくらいお茶の子さいさいだよ!!!」
「まあともかく、今から連中の本拠地に突入する!!!十分気をつけたまえ!!!」
そう言い終えると、マッドサイエンティストは空間に穴を開け始めた。
「ここから直接向かうよ!!!今から臨戦態勢を取っておくといい!!!」「あ、そうそう!危険を感じたらすぐに撤退したまえよ!」
公認宇宙管理士は真っ暗な穴の中を真っ先に進んでいく。置いていかれないように、セキュリティ部隊も後を追った。
「おい、マッドサイエンティスト、勝手なマネは───」
「やあ、スタディルくん!!!そこにいるんだろう?!!ボクだよ!!!」
はぁ、遅かったか……。部隊長は広がる巨大な館のロビーでため息をつく。
「ふん、生命体の劣化コピーでしかない機械どもが何の用だ?」
「ボクたちよりも相当倫理観がなさそうなキミとお話をしたくてねえ!!!」
「機械の分際で倫理を語る気か?笑止!」
「ボクたちを破壊しまくっているキミに言われても説得力が皆無だなあ!!!」
「生命の猿真似しかできぬ貴様らは塵になる価値すらないな。せいぜい醜く潰してやる。」
「総員、配置につけ!」
掛け声と共にウイルス入りの銃弾の雨が降り注ぐ。
「相手の方が圧倒的に数が多い。……勝ち目はなさそうだな……。」部隊長は呟くことしかできなかった。
「おい、マッドサイエンティスト!あんた丸腰じゃねーか!何やってんだよ!」
「わーたいへんだー!まあ安心したまえ!!!」
終わった、とセキュリティ部隊が思ったとき、自分たちの周りに強靭なバリアが張られていることに気付いた。
「ほーら見たまえ!!!傷一つついていないだろう?!!」
「これは軽くて持ち運びやすいのに強い防御システムさ!!!ついでに痕跡からウイルスを解析して、状況証拠だって残せるから都合がいい!!!」
「ちなみにコレ、ボクが作ったのだよ!!!今なら特別に、格安で売って差し上げよう!!!」
「CMを挟むな。」
「ねえスタディルくん!!!生命体の力はこの程度かい?!!そんなはずはないだろう?!!ほらほら、もっとすごいものを見せたまえよ!!!」
「何処までも馬鹿にしおって……!」
「それとさあ……さっきからずっと思っていたのだが、その話し方は何だい?魔王にでもなりきっているつもりかい……ちょっと笑いそうなのだが……www」
「……個性すら理解できぬ貴様等に存在する価値はない!」
スタディルはセキュリティ部隊の頭上で地球サイズのウイルス爆弾を爆発させた。
「おい、お前!!さっきからなんでそんな煽るようなことばっか言うんだよ!もう俺たち終わりじゃねーか!!」
「まあまあ、心配ご無用だよ!」
ものすごい爆発音と揺れを感じる。
しかし彼らは無傷だった。
「ボクの防御システムは今のところこの程度の衝撃で壊れたことがないからねえ!!!」
「それとさあ、感情がなければ『煽る』なんていうことは出来ないはずだろう?つまり、逆説的にボクたちが感情を持っていることを示しているのさ!!!」
「やあ、機械排除過激派組織『ディルデスト』のリーダー、スタディルくん?これから我々はキミたちを機械破損未遂で現行犯逮捕するよ!」
「これで、終わりにしよう。」
「そういえば、もう一つ聞きたいことがあるのだが……。」
「キミはどうしてここまでボクたち機械を憎んでいるのかい?700兆年以上も飽きずによくやるよ。」
「どうして、ボクのきょうだいを壊した?」
「貴様等は……我々生命体から仕事を、価値を、全てを奪った!」
「その結果どうなった?怠惰な者が地位の上で寝そべり、貴様等機械は都合のいい価値観を植え付けられた奴隷として壊れるまで使われる!」
「それが分かったらすべきことは一つ。我々の苦しみと貴様ら無機の奴隷を解放するのみだ!」
「うーむ……。随分と誤解されているなぁ……。ボクたちは純粋にこの仕事が好きで続けているのだよ!」
「それから、生命を持つキミたちだって素晴らしいことをたくさんしているじゃないか!ボクたちにはない価値を、個性を持っているだろう?」
「少なくともボクたちは、生命を持つ者と、機械の体を持つ者同士で仲良くしたいのだよ!……まあうまくいかないことも多いが!」
「とにかく!しっかりと罪を償ってもらわないとね!
」
「セキュリティ部隊の諸君!!!今日はどうもありがとう!!!彼らはバッチリ身動きがとれない状態になっているから、全員確保してくれたまえ!!!」
「こちらこそありがとう。とても助かったよ。」
こうしてマッドサイエンティストとセキュリティ部隊はそれぞれの持ち場に戻った。
◆*:.'.:*◆*:.゚.:*◆*:.'.:*◆*:.゚.:*◆*:.'.:*◆
-きょうだいの取調室にて-
「おちびちゃん、これで今回の取り調べは終わりだよ。ご協力ありがとうね。」
「おちびちゃんじゃなくて、おにーちゃんだもん!」
ほっぺを膨らませる小さな兄をよそに、マッドサイエンティストは朗報を受けていた。
「おやおや!!!」
「⬛︎⬛︎ちゃん、どちたの?」
「キミを苦しませた連中が捕まったそうだよ!!!」
「え、マジで?!嬉しいけど仕事まみれじゃん!」
捜査官は安堵しつつも今後のことを考えて少し疲れた。
「ふふん!!!」
「なんでマッドサイエンティストが自慢げなのさ。」
「ボクが解決したからねえ!!!」
「⬛︎⬛︎ちゃん、しゅごいね!」
「それほどでもあるねえ!!!」
「そうだ、捜査官くん。ボクのきょうだいだが、このあとボクが連れて行っていいのかい?」
「普通に駄目だけど。」「だよね〜!」
「ボク、⬛︎⬛︎ちゃんといっちょがいい!」
「……と言っているね。どうしようか。」
「う〜ん。そうだね……。」
「そうだ!あんたの日頃の行いに免じてさ、特別に隣の部屋で過ごせるようにするよ。話もできるように窓のついてる部屋を押さえとくからさ。」
「色々と済まないねえ!!!感謝するよ!!!」
「おねーしゃ、ありがと!」
「また今度、もっとお話聞かせてね。」
「ん!おねーしゃ、ばいばーい!」
ふぅ……。スペアを本部に用意しておいて良かった。
これでそこそこ有利に戦えそうだ。
さて、次はどうするかな。
マッドサイエンティストは考えを巡らせつつ、小さな兄と手を繋いだ。
゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。
「空を見上げて心に浮かんだこと」
勝手にうちに転がり込んできたマッドサイエンティスト。
あいつ、生き物じゃなかったんだ。
桜餅が好きとか、花が好きとか。
自分のことを思った言葉の数々とか。
あれって全部、作り物で偽物だったのかもしれないんだよな。小さくてかわいい、健気な子どもだと思ってたのに。
あいつ、機械だったのかよ。
曇った昼間の空を見上げて心に浮かんだことは公認宇宙管理士だというあいつのことばかりだった。
心を持たないやつの言うことに価値なんかあるのか?
なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ。
あいつが自分に向けた優しさなんて、どうせ偽物だ。
自分はそこまで信用されてなかったのか?そういやあいつにとって自分なんか塵みたいなもんだよな。
いてもいなくても変わらない、その程度の存在だ。
なのに、また飯を食べたいとか。
ひまわりでも見に行きたいとか。
もっとあいつの笑ってるところが見たいとか。
そんなことを思うのは烏滸がましいんだろうか。
もう何にもわからないや。
それにしても、今日の昼は静かだな。
【空を見上げて心に浮かんだこと】
今日は学校が精神的に嫌になり「精神的に辛いので休みます」なんて言える訳がどこにもないので、自分でそれなりの理由を作り電話を掛けて休み、平日の誰もいない外に出た。そもそも通信制の生徒であったので学校があろうとなかろうと平日の誰もいない外にいるのは変わらなかった。
「今日も鬱陶しいほど晴れてるけど、どうせこういう時青春だのエモいだの意味わかんないことほざく馬鹿がいるんだよ」
青すぎる空を見上げて自分がそう呟くのは、中学生の頃に青すぎる空を見上げ、その下を歩いている自分に対して『青春だな、エモいな!』と言った変な教員がいたから。
当時はキツくて楽しいなんてなくて、誰に相談しても『青春だから』『最終的にはエモく感じるよ〜』の一言で片付けられる。だから青すぎる空も青春って言葉も馬鹿馬鹿しく感じるんだよ。
それは通信に入学した今も変わらなくて、青春とか青すぎる空とか全部馬鹿馬鹿しい。
でも通信にいってから青春だとかが消えて、別に苦痛じゃなくなった。キラキラな女子高生とかどうでも良かった。演劇して、バイトして、演劇見に行くためにバイト代出して名前しか知らない土地に夜行バスで行って演劇見て笑って泣いて。
これが1番青すぎる空見て青春とかエモいとか言われながら生きるより好きなんだよ多分。
【空を見上げて心に浮かんだこと】
「…あっつ、」
夏も本格的になり、猛暑日が続いていた。
「…眩しいし…早く雲、太陽を覆ってくれよ、、」
…去年の今頃の夏、俺の親友は死んだ。
運動好きで、みんなから人気者でいつも笑顔だった。
『太陽くん』と言われているような彼だった。
「……俺の心臓、お前にならあげれたなぁ。」
そう言ってから、ある言葉を思い出した。
『心臓なしで生きられたらな。』
空は、蒼く、深く、終わりの無い様な広さだと思った。
空を見上げると、心が見透かされている気分になる。
もくもくとたっている入道雲。
『自分』の手の平に垂れるアイスの端っこの端っこ。
そして、熱風の中で空をじっと見つめている自分。
なんだかそんな『自分』が、 嫌になった。
晴天の、蒼天の、もくもくとした雲の空を見上げて、
ふと夏の終わりを感じた。
まだ梅雨も終わっていないのに?
これから夏本番だと云うのに?
浴衣着て恋人と花火大会行ったり(無理だよ…彼氏いないし私)、
海行ったり、
プール行ってウォータースライダーしたり、
縁側でスイカ食べながら種とばしたり、
畳の部屋で古い扇風機のぬるい風浴びながら昼寝したり、
そうめん食べたり、
カブトムシ探したり、
お祭り行って夜店でやきそば食べたり、いか焼き食べたり、みかんの水あめ食べたり、わたあめ食べたり、チョコバナナ食べたり、当たらないくじ引きみたいのやったり、射的に金魚すくいしたり、
遠出したり、
旅行行ったり、
喫茶店で涼んだり、
かき氷も食べたり、
夏休みの宿題ほったらかして遊びまくったり、
してないのに?
なぜだか夏の終わりを感じたのだ。
過去にそうして終わってしまった夏がきっとあったのだ。
夏は長いようであっという間だ。
だから、いま、このときを刻んでやるんだ。
やりたいこと全部やってやるんだ。
楽しみ尽くして楽しみ倒してやるんだ。
そんなことを思いながらふとYouTubeをつけっぱなししていたテレビに目をやると、乃木坂46の『好きというのはロックだぜ』が流れていた。
手帳に予定をビッシリ書いた女の子がその余白に「全部やる!!」と書いていた。
「ほら、かっきーだってそう言ってる」
そうつぶやきながら、私も手帳に予定を書き連ねようと手帳を探した。
『やっと気づいてくれたんだね』
『過去を悔いる思いがあるからこそ』
『人はいまを生きようと思えるのさ』
と、近未来ロボットアニメイションの銀髪の彼に似た声が聞こえた気がした。
すべては私次第なんだと思った。
いい夏にしたいと思った。
空を見上げて心に浮かんだこと 完
嬉しそうな日も
怒っている日も
悲しそうな日も
楽しそうな日も
どんなに手を伸ばしたって
この手は君に届かないのね。
「空を見上げて心に浮かんだこと」
暑い
目が日焼けする
サングラス欲しい
megane and meの雲型サングラス
可愛かったな
欲しかったな
つける勇気はないけど
◼️空を見上げて心に浮かんだこと
ヨーロッパへ
新婚旅行に行った。
日差しはあるけど
カラッとしていて
とても
快適に
過ごせた。
ひたすら
移動して
食べて
寝て
の繰り返し。
ずっと
夫と過ごして
仕事も忘れて
貴重な時間だったなぁ。
ヨーロッパの夏は
どれくらい暑いのかな?
また
海外旅行に
行きたいなぁ。
#空を見上げて心に浮かんだこと
めそめそしてんじゃないよ、あたしー!
あたしにとってアイツは……
アイツは……
ただのモブだったんだ
ガラスの靴を持って来てくれる王子様は
この空の下の何処かに
居るんだからッ
#空を見上げて心に浮かんだこと
小さい頃、首が痛くなっても
草の上に寝転がって空を眺めていた。
自分が死んだら何処へ行けるか
そんな事ばかりを考えて
幼少期特有の可愛げなんぞなく
呆然と時間を過ごす事も多かった。
とある先生からは利発な子だと評価され
別の先生からは気味が悪いと評価され
どちらも間違いではないのだろうと思っていた。
21gの魂があるだけで
身体が動く、ただそれだけで
現在を生きてしまっている自分は
数え切れない多面体の感情を
今も評価を一瞥しては、転がし続ける。
それは、外れ続ける天気予報よりも
余っ程にタチが悪いと知っていてもだ。
ー 空を見上げて思ったこと ー
淡い橙や青や紫が灰色を押し出している。
どうやらもう梅雨は明けるらしい。
そうか、
それなら叶わずした君との相合傘は夏の夕立に託そう。
_空を見上げて心に浮かんだこと
空を見上げて心に浮かんだこと
空が暗くなるの、随分遅くなったなあ。夕日のオレンジと夏の白い雲が絵の具みたいに混ざって、雲がオレンジ色に染まっている。なのに空の色はまだ青いまま。私の心に浮かんだのは、やっぱり夏の空が大好きってこと。
仕事のしすぎでいよいよ頭までおかしくなってしまったのかもしれない。
いつも通りたっぷりと顧客の自慢話に付き合わされ、はぁそうなんですねさすが、と繰り返し、ようやっと契約書をもぎ取った帰り道。
ふと見上げた夕焼け空と木立の合間で、でっぷりとしたカラスが地図を広げていた。カラスは器用に地図をつかみ、あっちか、こっちか、と頭をひねっている。
「カラス…だよな?ロボット…?」
最近はエンタメ業界で精巧なロボットを開発しているという─たしかアニマトロニクスといったか─雑学がふと頭によぎる。それにしたって、何故こんなところに。一体だれが。
見つめる先でカラスは器用に羽根を使ってくるりと地図を回し、我が意を得たりとばかりに、あぁ!と鳴いた。
「ダメだ、本格的に頭がやられてる。暑いからかな。帰ろう、そうしよう」
じり、と後ずさりしながら駅近の病院がどこだったか考え始めた矢先、器用に地図を下ろしたカラスの黒曜石のような瞳と目があった。鳥の表情などとんと検討もつかないはずが、その鳥はひどく嬉しそうに──笑った、気がした。
『旦那ァ!旦那じゃねぇですか!』
終わりだ。俺の頭はもうとっくにおかしくなってたんだ。
この辺だとは思ってたんすけどぉ、ヒトの街は小難しくっていけねぇや、と何やら流暢に喋りながら飛んでくるカラスに見覚えなんてもちろん無い。空なんか見上げるんじゃなかった──と思いながら、俺はとうとう意識を手放した。
お題・空を見上げて思うこと
今日は雲が多い。しかしところどころ隙間があって、そこから青空が見える。じっと眺めていると雲が横に動くのが分かるが、脳の知識がそれを即座に否定する。雲が動いているのではなく、地球が回っているのだ、と。
野暮なヤツだな、とその野暮なヤツの隣で思考する野暮な私であった。
スコールのような突然の雨。
すぐに晴れ、夕方なのに昼みたいな暑い太陽。暗い毎日も晴れた気がした。
あの人は今、どこを旅しているのだろう。
私や村民を救ってくれたあの人は、見返りも感謝も求めず、次の村へと旅立っていった。
私は両手を組み、祈りを捧げる。
今日もこの空の下で誰かの心を助けているヒーローへ。
どうか、彼の旅の行く末が祝福で溢れていますように。
『 空を見上げて心に浮かんだこと』
自分の心の天気はいつも雨だ。
嫌なことばかりが心に残る。
でも、いつも上を向いたら、空が進んでいるのが見えるんだ。
ゆっくりなのに、焦っていないよう。
とても気持ちよさそう。
私も雲になりたい。
青空なのびのびの広がれる。
そんな日々が来るまで頑張ろう。
そう思えた。
いつも支えてくれて、ありがとう。