Frieden

Open App

「終わりにしよう」(7/15)
「空を見上げて心に浮かんだこと」(7/16)

゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。

「終わりにしよう」を書き終えて!!!あとは投稿ボタンを押すだけだったのに!!!急にアプリが落ちて!!!入力内容が全て消えてしまったのだよ!!!

爆烈ショックでふて寝してしまったが!!!号泣するのを我慢しながらも!!!ちゃんと書き直したよ!!!めっっちゃくちゃ長いが許してくれたまえ!!!

「あー、こいつこの文量を書き直したのかー。ふーん。」と思って読んで頂ければと思う!!!
それじゃあ、そろそろ本編に移ろうか!

この不穏なテーマをもっと上手く扱いたかったよ〜!!!

゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。

「終わりにしよう」

「前回までのあらすじ」────────────────

ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!

調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!

それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!

……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!

そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!

……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!

それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、お覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。

もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。

どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。

それと、整備士くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かった。712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くして

ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!

調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!

それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!

……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!

そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!

……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!

それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。

もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。

どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。

そうそう、整備士くんや捜査官くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かったよ。

712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くした彼は、ただただ泣いていた。ずっと寂しかったよね。今まで助けられなくて、本当にすまなかった。

ようやくきょうだいは泣き止んだ。そろそろ事情聴取が始まる時間だね。無事に終わるといいが……。

────────────────────────────────

「ほらほら、もうあっちにいる捜査官のお姉さんにお話を聞いてもらう時間だよ?」
小さな兄は、「なにおはなちするの?」と聞く。

「そうだなあ……今までで覚えていることや、旧型───あの空間を作った彼女と一緒に外に出た理由などなど、いろんなことをお話するのさ!」

「ね、ね!⬛︎⬛︎ちゃんもいっちょにおはなちだよね?」
「ボクは外で待っているよ?何せ事情聴取だからね。」

「やだ!⬛︎⬛︎ちゃんといっちょじゃないの、やだー!ボクおはなちしないもん!」
ほっぺたをぷくぷくさせて怒っている。

「……ねえ捜査官くん。この空間を少し広げてもいいかい?透明で音を通さない仕切りを作って、そこからボクがきょうだいを見ていても良いだろうか?」

「こっちの会話が聞こえなかったら別になんでもいいよ。」
「無理を言って済まない。何せ兄は年齢が2歳で止まっていて少々わがままだからね……。」

「ほら、⬜︎⬜︎、ボクは向こうで見ているから大丈夫だよ───おっと、ちょーっと大事な連絡が入ってしまった!すぐに戻るから安心したまえ!」

「いってらっちゃーい!」

+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+ +.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+

-マッドサイエンティストの研究室にて-

「やあ、ボクのスペア256号くん!!!久しぶりだね!!!突然だがキミに頼みがある!!!」

「あー!!!アレだね!!!データはきっちり共有されているから分かっているよ!!!……ようやく『時期』が来たってことだね?!!」

「そう!!!本日、公認宇宙管理士のタマゴたちを制御するシステムにウイルスが送り込まれた!!!全く、とんでもない連中だ!!!」

「だが!!!ボクの構築した最強のセキュリティシステムのおかげで!!!実害はないうえ実行犯とその位置情報まで割り出せた!!!素晴らしいね!!!」

「本来であればボク直々に連中をちょーっと壊滅させる手筈になっていたのだが、急遽きょうだいの事情聴取を見守らなくてはならなくなった!!!」

「しかもさあ!!!ヤツら現在進行形でカメラ越しにこっちを見ているんだよ?!!通信は秘匿化されているから我々は余裕で安全だが……。」

「お気の毒なことに!!!向こうの情報はふっつーにダダ漏れなんだよねえ!!!」

「というわけで……256号くん!!!代わりにキミが行ってくれたまえ!!!」
「了解!!!」

゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚

あぁ、画面の前のキミたちを驚かせてしまっただろうか?なんせ急にボクが2人出てきたからね、無理もない。

スペアのボクが本体の代わりに説明しよう!
いくらボクが宇宙管理機構一可愛くて優秀でも、今ある宇宙の大半を管理するなんてことは到底不可能!

それを可能にするためにボクはボク自身を沢山増やしたのさ!!!おかげでより多くの仕事と研究を!!!よりきめ細やかにすることの実現に成功したよ!!!

別に自分を増やすことは法に触れないからねえ!!!
ちなみに、恐ろしく膨大なデータはボクの研究室にあるサーバーで処理しているよ!!!

だから、ボクの本体は間違いなく本体なのだが、このサーバーもある意味『本体』と言えるのさ。

話が長くなってしまったね!それじゃあ、本題に戻ろうか!

゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚
+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+ +.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+

-???にて-

「おやおや、みんな集まっているようだね!!!ボクが公認宇宙管理士のマッドサイエンティストだ!!!今日はよろしく頼むよ!!!」

「はじめまして。私がセキュリティ部隊の隊長を務める者だ。マッドサイエンティスト、よろしく頼む。」

「マッドサイエンティスト、君のおかげでシステムの侵害を免れることができた。それから、実行犯の居場所まで分かったから現行犯で逮捕できる。」

「このくらいお茶の子さいさいだよ!!!」
「まあともかく、今から連中の本拠地に突入する!!!十分気をつけたまえ!!!」

そう言い終えると、マッドサイエンティストは空間に穴を開け始めた。

「ここから直接向かうよ!!!今から臨戦態勢を取っておくといい!!!」「あ、そうそう!危険を感じたらすぐに撤退したまえよ!」

公認宇宙管理士は真っ暗な穴の中を真っ先に進んでいく。置いていかれないように、セキュリティ部隊も後を追った。

「おい、マッドサイエンティスト、勝手なマネは───」
「やあ、スタディルくん!!!そこにいるんだろう?!!ボクだよ!!!」

はぁ、遅かったか……。部隊長は広がる巨大な館のロビーでため息をつく。

「ふん、生命体の劣化コピーでしかない機械どもが何の用だ?」

「ボクたちよりも相当倫理観がなさそうなキミとお話をしたくてねえ!!!」

「機械の分際で倫理を語る気か?笑止!」
「ボクたちを破壊しまくっているキミに言われても説得力が皆無だなあ!!!」

「生命の猿真似しかできぬ貴様らは塵になる価値すらないな。せいぜい醜く潰してやる。」
「総員、配置につけ!」

掛け声と共にウイルス入りの銃弾の雨が降り注ぐ。

「相手の方が圧倒的に数が多い。……勝ち目はなさそうだな……。」部隊長は呟くことしかできなかった。

「おい、マッドサイエンティスト!あんた丸腰じゃねーか!何やってんだよ!」
「わーたいへんだー!まあ安心したまえ!!!」

終わった、とセキュリティ部隊が思ったとき、自分たちの周りに強靭なバリアが張られていることに気付いた。

「ほーら見たまえ!!!傷一つついていないだろう?!!」

「これは軽くて持ち運びやすいのに強い防御システムさ!!!ついでに痕跡からウイルスを解析して、状況証拠だって残せるから都合がいい!!!」

「ちなみにコレ、ボクが作ったのだよ!!!今なら特別に、格安で売って差し上げよう!!!」
「CMを挟むな。」

「ねえスタディルくん!!!生命体の力はこの程度かい?!!そんなはずはないだろう?!!ほらほら、もっとすごいものを見せたまえよ!!!」

「何処までも馬鹿にしおって……!」

「それとさあ……さっきからずっと思っていたのだが、その話し方は何だい?魔王にでもなりきっているつもりかい……ちょっと笑いそうなのだが……www」

「……個性すら理解できぬ貴様等に存在する価値はない!」
スタディルはセキュリティ部隊の頭上で地球サイズのウイルス爆弾を爆発させた。

「おい、お前!!さっきからなんでそんな煽るようなことばっか言うんだよ!もう俺たち終わりじゃねーか!!」

「まあまあ、心配ご無用だよ!」
ものすごい爆発音と揺れを感じる。
しかし彼らは無傷だった。

「ボクの防御システムは今のところこの程度の衝撃で壊れたことがないからねえ!!!」

「それとさあ、感情がなければ『煽る』なんていうことは出来ないはずだろう?つまり、逆説的にボクたちが感情を持っていることを示しているのさ!!!」

「やあ、機械排除過激派組織『ディルデスト』のリーダー、スタディルくん?これから我々はキミたちを機械破損未遂で現行犯逮捕するよ!」

「これで、終わりにしよう。」

「そういえば、もう一つ聞きたいことがあるのだが……。」
「キミはどうしてここまでボクたち機械を憎んでいるのかい?700兆年以上も飽きずによくやるよ。」

「どうして、ボクのきょうだいを壊した?」

「貴様等は……我々生命体から仕事を、価値を、全てを奪った!」

「その結果どうなった?怠惰な者が地位の上で寝そべり、貴様等機械は都合のいい価値観を植え付けられた奴隷として壊れるまで使われる!」

「それが分かったらすべきことは一つ。我々の苦しみと貴様ら無機の奴隷を解放するのみだ!」

「うーむ……。随分と誤解されているなぁ……。ボクたちは純粋にこの仕事が好きで続けているのだよ!」

「それから、生命を持つキミたちだって素晴らしいことをたくさんしているじゃないか!ボクたちにはない価値を、個性を持っているだろう?」

「少なくともボクたちは、生命を持つ者と、機械の体を持つ者同士で仲良くしたいのだよ!……まあうまくいかないことも多いが!」

「とにかく!しっかりと罪を償ってもらわないとね!

「セキュリティ部隊の諸君!!!今日はどうもありがとう!!!彼らはバッチリ身動きがとれない状態になっているから、全員確保してくれたまえ!!!」

「こちらこそありがとう。とても助かったよ。」

こうしてマッドサイエンティストとセキュリティ部隊はそれぞれの持ち場に戻った。

◆*:.'.:*◆*:.゚.:*◆*:.'.:*◆*:.゚.:*◆*:.'.:*◆

-きょうだいの取調室にて-

「おちびちゃん、これで今回の取り調べは終わりだよ。ご協力ありがとうね。」
「おちびちゃんじゃなくて、おにーちゃんだもん!」

ほっぺを膨らませる小さな兄をよそに、マッドサイエンティストは朗報を受けていた。

「おやおや!!!」
「⬛︎⬛︎ちゃん、どちたの?」
「キミを苦しませた連中が捕まったそうだよ!!!」

「え、マジで?!嬉しいけど仕事まみれじゃん!」
捜査官は安堵しつつも今後のことを考えて少し疲れた。

「ふふん!!!」
「なんでマッドサイエンティストが自慢げなのさ。」
「ボクが解決したからねえ!!!」

「⬛︎⬛︎ちゃん、しゅごいね!」
「それほどでもあるねえ!!!」

「そうだ、捜査官くん。ボクのきょうだいだが、このあとボクが連れて行っていいのかい?」
「普通に駄目だけど。」「だよね〜!」

「ボク、⬛︎⬛︎ちゃんといっちょがいい!」
「……と言っているね。どうしようか。」
「う〜ん。そうだね……。」

「そうだ!あんたの日頃の行いに免じてさ、特別に隣の部屋で過ごせるようにするよ。話もできるように窓のついてる部屋を押さえとくからさ。」

「色々と済まないねえ!!!感謝するよ!!!」
「おねーしゃ、ありがと!」

「また今度、もっとお話聞かせてね。」
「ん!おねーしゃ、ばいばーい!」

ふぅ……。スペアを本部に用意しておいて良かった。
これでそこそこ有利に戦えそうだ。
さて、次はどうするかな。

マッドサイエンティストは考えを巡らせつつ、小さな兄と手を繋いだ。

゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。

「空を見上げて心に浮かんだこと」

勝手にうちに転がり込んできたマッドサイエンティスト。
あいつ、生き物じゃなかったんだ。

桜餅が好きとか、花が好きとか。
自分のことを思った言葉の数々とか。

あれって全部、作り物で偽物だったのかもしれないんだよな。小さくてかわいい、健気な子どもだと思ってたのに。
あいつ、機械だったのかよ。

曇った昼間の空を見上げて心に浮かんだことは公認宇宙管理士だというあいつのことばかりだった。

心を持たないやつの言うことに価値なんかあるのか?
なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ。
あいつが自分に向けた優しさなんて、どうせ偽物だ。

自分はそこまで信用されてなかったのか?そういやあいつにとって自分なんか塵みたいなもんだよな。
いてもいなくても変わらない、その程度の存在だ。

なのに、また飯を食べたいとか。
ひまわりでも見に行きたいとか。
もっとあいつの笑ってるところが見たいとか。

そんなことを思うのは烏滸がましいんだろうか。
もう何にもわからないや。

それにしても、今日の昼は静かだな。

7/17/2024, 11:26:54 AM