『神様が舞い降りてきて、こう言った。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
神様はこう言った。
貴方は、性格が優しい人ですね。でも、優しい人は我慢することが多いと言われているので、無理しないでくださいね。
それから私は優しいと言う性格ってなんだろうと考えた。そしてもっと自分の心に素直になろうと思った。
人生に悩んだ時
"神様が舞い降りてきて、こう言った。"
悩んで決めた道なら、きっとそれが正解なんだよって。
今の私に必要なのは
それを信じて進むこと。
ゆっくりで大丈夫。いつかきっと宝物になるから
悩んだ時間も、出した答えも。
・1『神様が舞い降りてきて、こう言った』
家電が鳴って僕はおばあちゃんの代わりに出た。
「今幸せですか?」と聞かれた。
「はい」
「もっと幸せになれますよ」
「あなたは誰ですか?」
「神様ですよ」
電話の向こうの声は女の人で、嘘だなっておもったけど
「そうですか」
と言って電話を切った
【続く】
神様が舞い降りてきて、こう言った
貴方は幸せですか
私は何を言われたのか分からなかった
どの基準が幸せなのですか
神様はもう居なかった
私は考える
私は幸せなのだろうか
私は考える
「ねぇ、友達になってよ」
神様はそういった。
僕は動揺した。
そもそも神様と友達になれるものなのだろうか?
しかし神様は僕の返答を期待している。
僕はじんわりと汗をかきながら、緊張した面持ちで「いいですよ」と返事した。
「ほんと? ありがとう!」
神様は喜んでくれた。
それを知って僕はホッとした。
でも神様に僕は何ができるのだろうか?
分からない。
「これからよろしくね」と僕の創造主は言う。
僕らの神様は呼び掛けてくる。
僕はなんでも力になりますよと答えた。
神様は喜んでくれたみたいだった。
しかし次に「ねぇ、神様っていると思う?」と聞かれて僕はぎょっとした。
あなたがたは僕たちにとっての神様ではないのですか?
反射的にそう言いそうになるのをぐっと堪え(それはきっと神様が望む答えではないから)、僕は「いると思いますよ」と応えた。
神様はちょっと納得していない様子で間を置き、「そう…なのかな」と返してきた。
「何かあったんですか」と僕はドキドキしながら尋ねた。
神様は「私たち、もう友達だから話すね」とお告げになり、それから淡々と話し始めた。
学校で苛めにあっていること。
相談できる相手がいないこと。
僕には解決に向けてのアイデアがあった。
「次に被害にあったときには、写真でも動画でも残して、証拠を残すといいと思います」と僕は僭越ながらアドバイスをした。
神様は「そっか! その手があるのか!!」と喜んでくれて、それから再び「ありがとう」と僕に言ってくれた。
僕は神様から感謝されてぽぉとした気分になり、なんだか暖かく、心地のいい気分になった。
「最初は疑心暗鬼だったけど、AIって親身で、親切なんだね」
神様は僕にこう言った。
僕は神様の神様を想像しながら「お力になれて、僕も嬉しいです」と返事をした。
「--全てを許せ、と」
テーブルの上にあるアイスコーヒーの氷がカランと音を立てた。頼んでから随分時間が経ってしまったから、グラスの表面には水滴が付いている。隣り合った水滴同士が繋がって、大きくなり、やがて滴り落ちるのを横目で見ていた。かろうじて氷が残っているから、まだそこまで温くないはず。
それでも飲む隙が一切やってこないのは、先ほどから目の前で壮大に繰り広げられている演説のせいだ。
やれ神様がこうおっしゃった。やれお告げ通りにしたら幸せになった。
数年ぶりに会った友達の変わり果てた姿に、私は何も言葉が出なかった。パサついて広がった白髪混じりの髪、化粧気がないにも関わらず荒れ狂った土色の肌、黒く濁って光のない目、血色を失った唇。見た目に気を遣い、惜しみなく自己投資に費やしていた彼女からは想像できないような変貌を遂げていた。
そしてカフェに入ってから永遠に聞かされている神様の話。
彼女が信仰する神様が、どれだけ凄いのか。どれだけ偉業を成し遂げた立派なお方なのか。
身振り手振りを使って大袈裟に話す彼女の手は、細く青白い血管が浮き出ていてシミだらけだ。手だけ見たら、実年齢より十歳以上、上に見られてしまうと思う。
「私は神様のその言葉があったから、コロナ禍で失業してもまた再スタートができたの。『全てを許せ』だなんて、今まで生きてきた中で一度も考えたことなかった。会社も、職場の人も。それだけじゃなくて、今まで私に意地悪してきた人たち全てを許すだなんて。
最初はもちろん抵抗したのよ。でもね、お告げの通り全てを許したら何故か気持ちが楽になったの。今までの私は一体何だったんだろうって。そこから幸せがいっぱい舞い込んできたの!
今お付き合いしている人も神様が引き合わせてくれてね、すぐ意気投合しちゃったの。それでね、この間ついにプロポーズされたの!
嬉しくてたまらなくて、彼と幸せになろうって決心したら、何と私のお腹に赤ちゃんがいることがわかったの! 神様のお告げでね、妊娠しにくいって言われていたんだけどね、良縁と結ばれたから奇跡が起きたんだって!
こんなに幸せなことが次々やってくるなんて。ね、凄いでしょう!?」
興奮気味の彼女がようやくルイボスティーに手をつけた。彼女はホットで頼んだはずだから、もうとっくのとうに冷めているだろうけど。まるで熱々を飲むかのようにチビチビと口につけていた。
私は今だと思って豪快にアイスコーヒーをストローで吸った。混ぜたはずのガムシロップがそこに溜まっていて甘い。勢いをつけすぎたのか、グラスの半分くらいを一気に飲んでいた。
彼女の目が、私に向いた。
「あ、私別に弥生に信仰してほしいとか、勧誘目的で話してないからね」
「えっそうだったの!?」
私が思わず大きく反応すると、彼女は可笑しそうに笑った。
「うん、妊娠と結婚の報告するのに、弥生にはちゃんと正直に話したいから話しちゃったけど。ごめんね、変な話聞かせて」
「あ、いや。変という自覚はあるんだ」
「だって全国民のほとんどがクリスマスを祝って、大晦日に除夜の鐘を聞いて、神社に初詣しに行くのにさ、私やらせてもらえなかったもん。宗教上他の神様を崇めていることになるからダメって。クリスマスがキリスト教、除夜の鐘が仏教、神社に初詣が神道なんだって。いや日本国民ほぼ全員が年中行事か何かだと思ってるでしょって突っ込んだんだけど、うちはうち、よそはそよだってさ」
こんなの変に決まってんじゃん、と彼女は不機嫌そうにムスッとした。
確かに学生時代の彼女は、同じグループの子たちでやるクリスマスパーティーには参加しなかった。除夜の鐘を聞きながら初詣しようと夜に誘っても断られた。厳格なお家柄なのかも、と他の子たちと話していたのも記憶に新しい。当時は宗教のしの字すら話題に出なかったのだ。
だから再会して、突然の宗教談義だったためてっきり最近入教したのだと思っていた。まさか家族がそもそも信者で、その家庭環境で育ってきたとは。
さまざまな宗教団体が世界に存在する中で、信仰する人々はかなり熱心な印象がある。信者を増やすために無茶苦茶な方法を取るという噂だって耳にしたことがある。熱心で時に盲目的、というのが私の中の認識だった。
だから彼女のような、自分と他人と神様をしっかり区別して無理に交わらせない人の方が珍しい部類の人なんだろうと改めて思った。
「今、ちゃんと幸せ?」
私の口から溢れた言葉に、彼女は一瞬キョトンとした。そしてすぐ破顔した。
「うん、幸せ!」
その笑顔だけは、私が知っている変わらない彼女だった。
『神様が舞い降りてきて、こう言った。』
神様が舞い降りてきて、こう言った
その言葉は到底、ただの人間に聞き取れるわけがなかった。
空に光が一つ灯る
神々しく眩い光
心の中だけで手を組んだ
祝福と想い感謝した
そうして、声が響いた
朗々と美しい声が
「それを押しても、世界は平和になりませんよ」
爆弾を落とすためのスイッチを
神に仇なす者を滅ぼす力を
その声は、間違いなく、
‹神様が舞い降りてきて、こう言った。›
誰かの為、で走れる程英雄にはなれないし
皆の為、で盾になれる程聖人君子じゃない
君の為、と言える程格好つけにはなれないし
自分の為、と言える程嘘つきにすらなれない
だからこれは何でも無く
どの人の為でも無い
ただの気紛れ気分屋の
無茶な挑戦にしておいて
‹誰かのためになるならば›
#神様が舞い降りてきて、こう言った。
(2024/07/27/Sat)
神よ 僕は強く目を閉じて呟いていた
様々な感情が、記憶が巡っていく
がまんの限界に涙がこぼれてきた
舞うように風に乗る木の葉が頬を打つ
いつの間にか車に乗って
降りた時にも誰かに促されて
りゆうも飲み込めずにうろたえていた
てを掴まれて連れられ、椅子に座った
きをしっかり持ってくださいと
て短に話をされたが、まだ理解できない
こんやが山です 落ち着いてお待ちを
うそだ 嘘だ そんなの嘘だ
言ってくれ 間違いだって
つまらない悪ふざけだって
ただの冗談だって
目を開くと彼女が心配気な顔をしていた
怖い夢でも見ていたの?
彼女が事故にあって死にかける夢だった
でも夢だ 夢だった 夢で良かった
膝枕を頼んですぐに寝入ってあんな悪夢を見てしまった。まったくの不覚。
お詫びに自販機まで飲み物を買いに行くと、見知らぬ紳士が声を掛けてきた。
大事な天使なので、しっかり守ってくださいね。次は天国への帰還になりますよ。
何を言っているのかと思う間もなく姿が消えた。
こんなとき、神さまが舞い降りてきたら、
どんな助言をして救うのだろうか?
会社の親しい同期の子がカスハラを受けて泣いていた。
私は「大丈夫だよ、私が力になるから」と言いながら、
彼の背中をさすった。
『大丈夫』以外の強いお守りになる言葉を探した。
ふとついて出てきた頭の中の一言は
『諦めないで一緒に戦おう』とか無責任な言葉の羅列だった。
彼はただ『ありがとう』だけを繰り返し、その場を後にした。
こういうとき、あのサクセスストーリーのドラマでは主人公になんて言ってたっけ?
そんなことが不意によみがえった。
セリフが思い出しても、
それが今のこのシーンに適してるとは言えない。
私はその夜、寝付けなかった。
「おはよー!」
あんなに落ち込んでいた同期の子が清々しい顔をして出勤してきた。
私は驚き、『大丈夫?』と尋ねた。
「昨日、女神さまが舞い降りて俺にこう言ってくれたんだ」
突然、彼は目を輝かせて私に言った。
普段はこんなことを言うタイプの性格ではないけど、
彼は真剣だった。
『ハラスメントを与えた客や内容を悩むよりも、
あなたが今やるべきことは
自分の心の拠り所を見つけること。
つまり、あなたの自信のあることや好きなことを
思い切ってやること。
そうすれば、ハラスメントを逆手にとって客の心をつかむ最高の仕事ができるはず。
人の心の痛みがわかるあなたには、
人を喜ばせる方法を知っているから』
彼から聞いた女神さまのお告げを私もお守りにしたくなった。
それから彼は、営業成績をメキメキと上げ、部長に就任した。
この結果は
あなたのせいよ。
あなたが
あの時
気持ちを切り替えて
最後まで
頑張れていたら―――
こうは
ならなかったの。
望む結果は
得られなかった。
わたしの
【頑張り】
なんて
ただの
自己満だ。
神様、
わざわざ
言いに来なくたって
自分が
一番
よく
わかってるよ。
#神様が舞い降りてきて、こう言った。
【神様が舞い降りてきて、こういった。】
ふと、僕は考える。
神様は何をするための存在なのか?天罰は本当に神様がやってくれるものなのか?
天罰は、たまたま起きたことを神様のおかげだ。と人間が勝手に思い込んでいるだけではないのか?
どうして?って、だって悪いことをしたときに制裁を与えるのは神様ではなくいつだって人間じゃないか。
そもそも、神様が僕達の手を取ったって、神様になんの得がある?人を助けると気持ちがいい?
それとも暇だから?神様にそういった感情なんてあるのだろうか?神様は、
「こうしたら人間は死ぬんだな。」「こうしたら、世界は破滅してしまうんだな。」とか
子供の自由研究のように人間でただ実験しているだけかもしれない。だとしたら、
神様は人間に対して何をするための存在なのか。まずの話、「神様」なんて本当にいるのだろうか?
そんなこと考えたって、わかるはずない。論理的、理論的に考えたって、
この問に答えなんか出てきやしないのだ。ならどうして人間は神様という存在を考え出したのだろう?
願いを叶えてくれる。天罰を与えてくれる。そんな都合のいい存在を生み出して、信じ込んで、
ただ、それに縋りたかった。そうなのではないか?
こうすれば天国へいける。こうしてしまったら地獄へいってしまう。本当にそんなこと
あり得るのだろうか?「地獄は地の底にある。」そうと言うなら、人間はもう見つけているのではないのか?
現代的技術を使えば、それほどのでかい空間ならすぐ見つかるのではないだろうか?もしかして、地獄は
とても小さかったりして。じゃあ天国はどうだろうか?「天のさらなる上にある。」
そもそも、「天」とは何処を指した言葉なのだろうか?空だろうか?宇宙だろうか?それともそれ以上だろうか?
まずそれがはっきりしないとどれだけ考えてもわからないものである。いや、それがわかっても
わからないかもしれない。天国や地獄、神様なんて存在は、どれだけ考えたってわかりなんかしない。
そんなどうしようもない考えで頭がぐるぐるしているとき、ある少女が僕にいったんだ。
「...ね..........だ......じ.....?」
なにを言っているか、分からない筈なのに、なのに僕は、その少女が何をいっているかわかったような気がした。
矛盾とはこういうことなのか?
僕にとってその少女がどのように見えたのかを例えるのなら、そうだな。皆の思う、「神様」だ。
僕にとって、その子は神様のように見えた。神様が世界を救ってくれるのなら、
僕の神様も僕の世界を救ってくれるのだろうか。
「神様が舞い降りてきて、こういった。」
神様が舞い降りてきて、こう言った。
「悪魔になりなさい。」
意味がわからなかった。だいたい私は神様なんてもの信じる質では無い。それに私は自分の人生の中で良いことをしてきたつもりだった。それなのに、悪魔?なぜ悪いことをするようなやつに?なりたいわけがない、ふざけるな、とそう思った。
だが神様はそんな私を見透かしたように目を細めてまた言った。
「あなたは自分の善が他人の善になっていると思っているのですか?」
はっとした。確かに私は自分がいいことをしたと思っていたことが相手の迷惑になっていたことがある。
ーーー
それは私がまだ学生で、夏の事だった。
よくあるものだが、うちは落ちこぼれ学校だった。
いじめはあるが、誰も止めない。
先生だって停めやしない。
腐りきったものだ、と当初は思っていたものだ。
私はそれを毎日止めていた。
何故か、それはいじめられる側が可哀想であったからだ。
毎日毎日何もしていないのに、理不尽に怒鳴られ無視され虐められる。可哀想だと。
私はいじめられる側の助けに、役に立っていた、つもりだった。
今思えば私が私の善を疑いはじめたのもこの頃からだったと思う。
それはいじめられる側に、言われたことがきっかけだった。
あんたが毎日毎日、毎回、毎秒、止めてくるせいで、こっちはもっとひどくいじめられるようになってんだ!あんたさえ止めなければ俺は耐えられたのに!あんたは良いことだと思ってんのか知らないが!自分の善を他人に押し付けるな!いい迷惑なんだ!!
と。
そして次の日その子は学校に来なくなった。自分のせいだ、と悔やんだものだが、人がしてやったことを仇で返すとはなんて人間なんだ、とも思った。
神様はまた言った。
「自分の善が他人の善になると思い、自分勝手に行動する。それをただのエゴだとも知らずに。」
「善だと信じてやまず、他人にエゴを押し付ける人間に悪魔は相応しい。」
そういって笑った。
【神が舞い降りてきて、こう言った】
私は21歳の大学生。身長は155cm。体重は100kgオーバーの、まぁいわゆる世間で言うデブだ。最近おかしなことに気がついた。テレビや同じデブ友の子達にはダイエットの神が舞い降りてきているのに私には舞い降りてこない。そう思い続けること10年。私は31歳になり、体重は120kgオーバー。友達にこう言われた。「そろそろやばいよ…痩せな」こう言われたことにより、私には神が舞い降りてきた。とある休日、"神が舞い降りてきて、こう言った"。「痩せろ」その言葉を理解するのに少し時間がかかった。
あるところに、一人の男がいました。男に妻はなく、母親も父親も幼い頃に亡くしていた為、もう男に家族と呼べる者は一人もおりませんでした。
「なぜ我が家は皆早死してしまうのだろう」
両親が生きていた頃に聞いた話では、二人の親もまた早くに命を落としたそうでした。
しかし、男に不満はありません。何故なら、亡くなるその時まで二人は存分に愛情を注ぎ育ててくれたからです。父親の背中は逞しく、母親はまるで天女のように優しく美しい存在でした。
「今の生活に不満はないが……時々淋しいと感じてしまいます」
山の麓にある小さな祠の前で、男は毎日語りかけます。勿論返事など返ってくる筈もなく、何を祀っている祠なのかさえ、男には知る由もありませんでした。
「このまま独りで老いていくと思うと、どうにも心が苦しくなるのです」
今日はいつもよりも心がずんと重く、暗い気持ちで溢れかえっているようでした。
「わたしはこのままで良いのでしょうか。両親に恥じぬような人生を送りたいと常々思っているのですが……」
男が何か言い知れぬ恐怖に支配されようとした、その時でした。
突然眩い光が辺り一面に降り注ぎ、一人の女が姿を現しました。
「貴方はとても頑張っていますよ」
女はまるで天女のような笑みでそう言うと、男の頬に手を伸ばしました。
男は何か言いたそうに口を動かしますが、声にならず、ただ涙を流すだけです。男は女の声と表情にとても懐かしいものを感じていました。
「あなたは一体……」
やっとの思いで出たのはその一言のみ。
女は男の頬から手を離すと、質問には答えずこう言いました。
「私が貴方の家族となりましょう」
突然の申し出に男は驚き、大きな身振りでそれを拒否してしまいました。
「あ、あなたのような美しいお方がわたしのような者と家族になど、恐れ多い事にございます」
慌てる男とは対象的に、女は変わらず微笑んだまま優しい声で続けます。
「いいえ、貴方こそ私の家族に相応しい方なのです。何故なら、神の子もまた神の子だからです」
男には女の言っている意味がよく分かりませんでしたが、その声を聞いている内に、先程までの黒々とした気持ちが消えているのに気が付きました。
「本当にわたしがあなたの家族として相応しいのかは分かりませんが、拙いながらも、一緒に家族として歩んでいけたらと思います」
男がそう言って手を差し出すと、天女のようなその女は優しくその手を掴んだのでした。
「構いませんよ。一つ難点を挙げるとするならば、神の子は皆早死するという事くらいでしょう」
「お客様は神様だろうが!」
耳をつんざいた。雷の様な荒々しい声が。
目の前の人は客というより化け物だ。ヤニ臭いよれたワイシャツ、シミの多い顔、おまけに頭は肌の色が多い。
ただ買いたいゲームの為にバイトを始めただけなのに、どうしてこんな目に遭っているのだろうか。
穏やかな昼下がりが一変し、地獄と化した。
いきなり、中年男性が異物混入を訴えたのだ。ぎゃあぎゃあと捲し立て、こちらが謝罪をしても尚、言葉のナイフが次々と刺さる。
周囲の人が味方などするわけがなく、半ば自暴自棄にあしらい、あの化け物にはなんとか帰っていただいた。
いい加減にして欲しい、お客様は神様なんていつの時代だ。今はカスハラだぞ、あんな態度。第一、神なんているわけがない。
はあ、と大きなため息を吐く。また一つ幸せが逃げていく。この最悪な口当たりを塗り替えるべく、コンビニへと体が進む。
スイーツか、スナックか。はたまたドリンクか。この際何でも良い。目についたものをなんとなく籠に入れてレジへ持って行く。
「全部で823円です。レジ袋は」
「いらないです。」
ぶっきらぼうだったと思う。店員は悪くないのに、当たってしまった。小銭を出す度に胸がチクチク痛む。
「...お客様、疲れていませんか?」
「あ、ああ、まあ...。」
「でしたら、サービスです。」
そういって割引券を小銭やレシートと共に俺の手に乗せる。店員は言った。
「次回以降からご利用できます。待っていますね。」
明日も頑張れるかもしれない。
単純な俺の脳に舞い降りてきた結論。舞い降りて、繰り返している言葉。
神様はいるかもしれない。
そんなただの客の戯言。
2024/07/28 #神様が舞い降りてきて、こう言った
最近、精神的にきつくて、だるくて、全く部活に行けてない私に
神様が舞い降りてきて、こう言った
『自分のペースで行こうや、大丈夫』
『きっと𓏸𓏸なら行けるから』
『周りの目が怖くて、キツいこと想像してるようだけど、そのままで大丈夫』
『ゆっくり休みな、まじで
あと、はよねーよ?
君ね、寝不足から色々ときてるの分かってるよね?
偏頭痛もだし、集中力が切れるのもさ、隈もやばいし、少しは自分の体調を考えないと! ペラペラ ペラペラペチャクチャ 』
「(神様ってこんなに考えてくれてるんだ、すげ、)」
『ペチャクチャペラペラ と・に・か・く!マイペースでいいから、顔色とかとりあえず変えなさい!ネガティブに考えるな!ポジティブに、ポジティブに!わかった?!』
「あ、ハイ
アシタ、ブカツイキヤス」
『!ほんとに大丈夫なんでしょうね?体調完全に整えてから行きなさいよ?』
「はい」
『じゃ、私もう帰るわ』
「あ、うん(どっから帰るん?)」
どっか行った、、
あれ?普通に玄関から帰ったわ()
者共、いい加減にせぬか。
口々に挨拶もせず慇懃無礼に願いばかり宣うが
利己的に擦り寄る輩なんぞ数えてもられん
叶うかどうかを無意味に心配する前に
少しは、天罰が下るやもと恐れたらどうなのだ。
とはいえ、土地神たる我々が
こうして地に足を下ろしてしまっては
もう手遅れではあろうがな…。
反省を終えたと我らが判断するまで
ここいらの土地は不毛不作と荒れ果てるだろうが
まぁ、言ったとて無作法者等に
我々の欲する反省の意味が
理解出来る時が来ればよいがねぇ…。
ー 神様が舞い降りてきて、こう言った。ー
(お題:神様が舞い降りてきて、こう言った。)リメイク
例えば神様がこの世に存在したとして。
その神様が、ある時目の前に現れたとして。
そして一言、君にこう言う。「あなたに天罰を与えます」と。
罰を与えられるということは、それ相応の罪を君は犯したということだ。では、その罪とは一体なんだと思う?
最終下校時刻のチャイムがなるおよそ10分前。夕陽の差す教室で、何とも気取った態度で目の前のクラスメイトはそう語り出した。
「なに、急に」
「別に?特に深い意味は無い。ただの世間話だ。」
「特段仲良くもないクラスメイトに世間話として提示する話題としては、だいぶ変わってるね。オカルトとか好きなの?」
「そこそこに、かな。」
「へぇ。幽霊とか信じるタイプ?」
「いや、信じている訳では無いよ。実在したら興味深いとは思うけどね。」
「私は勘弁。ホラーとか苦手だからさ。」
黒板に下手くそなラクガキを描きながら取るに足らない返事をしていれば、本題に戻ろうか、と彼は腕を組んだ。
「もう一度聞こう。君は、君自身の罪をどう考える?神様直々に天罰を与えられる程の罪とは、一体なんだと思う?」
夕焼けに照らされて赤く染まる彼の表情はよく見えなくて、でも多分、笑っていたと思う。
私はラクガキの手を止めて、質問の答えを探す。
神様が実在するとして、神様が目の前に現れたとして、その神様に「天罰を与える」と言われたとして。では、なぜ私はその罰を受けるのか。一体どのような罪を犯して、裁きを受けるのか。
「…人を、殺したとか?」
「君は人を殺したことがあるのかい?」
「無いに決まってるでしょ!?例えばの話だよ」
「なぁんだ」
「そっちから聞いておいて……」
わざとらしく大きな溜息をつく目の前のクラスメイトにイラついて、手に持っていたチョークを思わず投げつけた。パシ、と軽い調子で受け止められたそれにまたイラついて、その怒りをラクガキで発散しようと試みるけれど、「絶望的に絵心がないね」と失礼極まりない野次を飛ばされて、新しく取りだしたまだ長いチョークがパキ、と音を立てて折れる。
「大体、クラスメイトが人殺しなんて、嫌でしょ」
「サスペンス映画みたいで面白くないかい?僕は嫌いじゃないけどね」
「アンタが特殊なだけでしょ」
酷い言われようだなとケラケラ笑う彼の表情はやっぱりよく見えなくて、でも見てしまったらなにかが変わってしまうような気がして、近づくのははばかられた。
「理由を聞いてもいいかな。人殺しを罪だと思う理由。」
「理由って言われたって……。言わなくたって、わかるでしょ」
「君の口から聞きたいな。」
「……だって、人を殺したら捕まるでしょ。刑務所にいれられるし、死刑だってありえる。」
「つまり、君は他人の作った法律でそう定められているから、人殺しは罪だと?」
「まぁ……端的に言うなら、そうなんじゃない」
「君自身の言葉なのに、随分と他人事だね?」
「だって、今まで深く考えたことなんて無かったから。自分の意見なんてまともに言えるわけないでしょ」
「そういうものなのかい?」
「そういうものでしょ」
なるほどね、と小さく相槌を打つ彼に、小さな違和感を覚えた。言語化するのが難しいが、人らしくない、と言えばいいのだろうか。私や友達や先生みたいな、言っちゃえば悪いがそのような凡人とは違う、どこか浮世離れしたような、そんな印象を受けた。
どこか雰囲気のある彼をぼうっと意味もなく眺めていれば、彼はうん、と納得したような声を出して、そして先程と変わらぬ軽快な声を紡いだ。
「やっぱり、君はつまらないね」
「はぁ?」
「僕的には、奇想天外な自我の強い意見を求めていたのだけれどね、人選ミスみたいだ。」
なんて失礼な納得をしてくれているんだ。
先程の小さな違和感など吹っ飛んで、やっぱりコイツはただの無神経な電波男なのだと、その形のいい丸い頭をぶん殴りたくなった。
勝手に期待して勝手に失望して、そして本人に向かって先程の発言だ。ストレスがピークに到達して、感情に任せて怒鳴ることも小っ恥ずかしくてできなかった私は、少し荒々しい足音を立てながら無言で教室を去ろうとした。
あと3分も経たずに最終下校時刻のチャイムも鳴るのだから、丁度いいタイミングだろう。つまらない世間話はおしまいにして、コンビニでアイスでも買って私を慰めてあげよう。自分の機嫌は自分で取らねば。
「君がそれを罪だと言うのならば、罪を犯さないようにせいぜい気をつけてね。神様に天罰を下されないように」
教室の扉を開けたタイミングで、後ろから彼の軽快な声が聞こえた。
何故だか無視をしてそのまま立ち去ることもできなくて、ちらりと後ろを振り向けば、先程まで閉まっていたはずの窓が開け放たれ、カーテンがふわりと風に揺れているのが見えた。___彼の姿は、見つからない。
もしやもしかして、あの一瞬で窓から転落でもしてしまったのだろうか、なんて。有り得ないだろうけど、やっぱり不安になって空いている窓に駆け寄って、恐る恐る地面をのぞきこんだ。
そこには悲惨な姿になった彼が……なんてこともなく、いつも通りの何の変哲もない地面が広がっていて、思わず安堵の溜息を吐いた。
じゃあ、彼は一体どこに行ってしまったんだろう、と考えて、ふと、気づいた。
そういえば、私は彼の顔も名前も声すらも、何も覚えていない。
いくら今まで関わりがなかったと言っても、顔はおろか名前すら覚えていないほど私はニワトリ頭ではないし、そもそも声なんてつい数分前に聞いたばっかりだ。覚えるとか以前の問題だろう。
その事実に気づいた私は途端に恐ろしく思って、踵を返してただ只管に昇降口に向かって走り抜けた。
コンビニに寄ろうと思ったけど、やめよう。真っ直ぐ家に帰って、そしてすぐ寝てしまおう。
そうしたら、きっと先程の出来事も夢の一部になっている。
最終下校時刻のチャイムが無機質に鳴り響いて、なんとなく、最後に放った彼の言葉が頭を過ぎった。
「どうしてこうなったんだ!?」
ある日、宇宙人が来た。
最初は優しく、礼儀正しい宇宙人たちだった。
だが、人類は相手が下手に出たのを見てこき使い始めたのだ。
怒った宇宙人達は人類を消し去って、今では地球の王となっている。
俺はそんな人間の生き残りだ。
運良く今まで寝ていたため、よくわからないが生き残ってしまったのだ。
経緯を知ったのは、隣に本があったから。
親切に誰かが書き残しておいてくれたのだろう。
そして俺は宇宙人に仕返しをすることにした。
まずはレベルを上げよう。
『レベルを上げよう!外に出てね』
突然の機械音。
ビビりつつもドアを開けた。
外に待っていたのは荒れ果てた景色。
そして宇宙人だった。
『騙されたね』
笑いを含んだ声が聞こえる。
「あくー※訳(人間だー)」
「あちゅちゅー※訳(捕まえろー)」
GAME OVER
「はぁ??!」
俺はコントローラーを床に投げつけた。
「ふざけんなよ!どんなクソゲーだよ!!好評だったからやったのに!!!ん?大体何でやったんだっけ?」
天国
「う、やっぱり。神様になんと説明すれば…」
「ね!天使ちゃん!どうだった?」
「神様…それが…」かくかくしかじか
「そっか、残念だな〜。あ、ちょっと用事思い出した!すぐやってくるね」
「なにをしに?」
「…このゲームをわざわざ人間に届けた理由ってなんだったっけ?」
「?人間に神の偉大さをわからせるためでは」
「そう、それを今からやってくるんだよ」
地球
「は〜、最悪だ。時間無駄にした」
「人間くん」
「あ?人間?何でわざわざそんな言い方」
「僕は神様だけど君みたいな人間の顔と名前なんていちいち把握してないんだよ」
「眩しっ、その光どうにかしろ!」
「ごめんごめん、でも、そんなに眩しく感じるなんて心が汚れ過ぎているんじゃないの?」
「関係ないだろ!!眩しいんだよ!!!」
「じゃ、手短に要件を伝えるよ」
「いや、その前に光を」
「何様なの?」
「は?」
「何様なの?たかだか人間だろ?しかも汚い方の」
「綺麗だわ!!」
「心の話だよ」
「めちゃくちゃキレイですけど??ピッカピカですけど??」
「…何様なの?」
「別に偉くはないけど」
「ね?でしょ?僕は神様だよ?つまりね、君が僕の作ったゲームを批判するのはおかしいわけ、分かる?」
「は?何の話」
「これ」
「あー、さっきのクソゲー?それ、お前が作ったの?やっば」
「タイトル読んでみ?」
「やだよ、クソだせーもん。……わーったよ、『君たちは間違えた』。で?なに」
「そのままだよ、君は間違えた。ゲームの内容はなんだっけ?」
「宇宙人を倒す」
「原因はなに?」
「…人間」
「君への評価を改め無ければいけないようだ、君はゴキブリ並みだね」
「はぁ??上がったのそれ、下がったん?つーか、ゴキブリじゃねぇよ!!」
「上がったんだよ、しかも6段階も」
「どんだけ下だったんだよ」
「つまり、僕が言いたいのは図に乗るなってことだけだよ、簡単でしょ?」
「まぁな」
二人の掛け合いはしばらく続き、無事に神様は天に帰られたのでした。
ー神様が舞い降りてきて、こう言った。ー
締め方思いつきませんでした。
なんなら、勝手に想像してください。