相合傘』の作文集

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相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

6/19/2024, 12:27:09 PM

『約1時間後に雨は止むでしょう』

スマホの画面にはそう書かれている横に、雲と雨のマークが書かれている。雨が降るのは夜だと聞いていたから、私は傘を持っていない。

1人、教室の隅っこの席で時間を潰していると、その隣の席に1人の女子が座ってきた。

「どうしたの、今日は部活ないんじゃないの?」

ニヤニヤしながらそう言うこの人は、私の友達。多分、私が傘を持っていないということを分かっていて、わざと聞いてきたんだろう。

「別に。そっちこそ、まだ帰ってなかったの?」

「部活あったんだけど、顧問が用事あるらしくて部活なくなってさ。今から帰ろうとしたら、貴方がいた訳」

「ふぅん……」

「で、私に何か言うことあるでしょー?」

いやらしくそういう貴方は、とても可愛らしくて、どこか憎めない。

「傘を貸してください」

「しょうがないなー!じゃあ今日は相合傘だね!」

「小学生じゃないんだから……」

「えー?私は相合傘好きだけどなぁ。青春って感じがするじゃん」

「意味わかんないし。ほら帰ろ」

私はすぐに立ち上がって、荷物を持って教室を後にした。彼女は待ってー!と言いながら後ろから着いてくる。

彼女の手には、私とお揃いで買った色違いの、水玉模様の傘が握られていた。

6/19/2024, 12:24:22 PM

相合傘

子供の頃
両思いだった君と自分の名前を
相合傘に書いたっけ

いつしかお互い違う人と付き合って
連絡もしなくなったりして…

無邪気で楽しかった思い出を
ふと思い出しちゃって
元気にしてるかな…
時々子供のままの姿の君が思い浮かぶよ

何年も経って
いい大人になって
連絡先も分からなくなったけど
君はSNSを辿って私に連絡くれて
再会したね

お互い忘れた事はなかったと
答え合わせの様な話をして
また会う約束ができた

雨が降っていたのに
傘を持ってない君と
本当の相合傘

6/19/2024, 12:24:20 PM

相合傘に使われると少しドキドキするんです
一人の子が何も言わずに少し肩を寄せるのが
もう一人の子が握る柄の部分的からじわじわと手汗が伝わるのが
それに雨が止んでも傘をさされていては
唐傘お化けも堪ったもんじゃありませんね

6/19/2024, 12:23:27 PM

"相合傘"

 ハナの散歩中、休憩がてらベンチに座って飛彩と話していると、雨がパラパラと降り出してきた。
「うわ、やっぱ降ってきた……」
「折り畳み傘は?」
 そう問いながら、傍らに立て掛けていた傘を開いて雨を遮った。
 さりげなく俺の頭上にも傘を差してきて、恥ずかしながら『本当紳士だな、こいつ』と改めて感心する。
 ハナが濡れないよう抱き上げて、ハナも傘に入れて答える。
「昨日風強かっただろ。帰って中に入ろうとした時突風にあおられて壊れて、今日辺り新しいの買おうと思ってたとこだったんだけどよ」
「早朝に降る予報だっただろう」
「そうなんだけど、降水確率低かったし大丈夫だと思ったんだよ」
 そしたら案の定これ、と空を指しながら言うと、飛彩が小さく吹き出した。
「んだよ」少し怒りながら言い放つ。
「なんでもない」
 そう言いながらも小さな笑い声が混じっていて、唇を尖らせる。
「済まない。医院まで送ろう」
 笑いが落ち着いたようで少し息を吐き出して、そう言った。
「いいのかよ」
「時間に余裕があるからな。それと、お詫びと軽いウォーキングを兼ねて」
「まだ鍛えんのかよ」
「継続は力なり。一日でも怠ると、いざと言う時困るからな」
「真面目だな」
 ふは、と吹き出して言うと「それは貴方も」と返された。
「あ、傘俺が持つ。俺の方が背高いし」
 そう言って傘の柄を持とうとする。
「そこまで身長差は無いだろう。大丈夫だ。気持ちだけ受け取っておく。それと、ハナを抱きながら相合傘は安定しないだろう」
 『相合傘』という言葉にドキリとする。
 確かにこの状況は相合傘だ。言葉にされて気付いた瞬間、心臓が早鐘を打ち始めた。
「今更ドキドキする事か?」
 付き合って何年経つと思っている?、と微笑みながら言われた。
「うっ……るせぇなっ、悪ぃかよ!」
 思わず切れ気味に言い返した。
 その声にハナが驚いたのか「んみゃあ」と俺を見上げながら鳴いてきた。
「あ、悪い……。驚かしたか?」
「んみぃ」
 驚かしてしまったお詫びにハナの頭を撫でる。気持ち良さそうに喉を鳴らして擦り寄ってきた。
 すると一連のやり取りに、飛彩が微笑ましそうに小さく笑い声を漏らし、言葉を続けた。
「早く帰ろう」
「あぁ、そうだな」
 一つの傘の中、雨音を聞きながら歩き出した。

6/19/2024, 12:22:10 PM

No.7【相合傘】

皆さ昔相合傘ってしなかった?
相合傘って可愛いよね。見てるだけで
癒されちゃう。昔はいつも
してたなぁー…っ
て、好きな人も愛して
るひとも居ないけど。そんな私も
ようやく愛してる人が出来ました。

答えは縦読みだよ。

6/19/2024, 12:20:47 PM

傘は大きい方がすき
濡れないから
ドームみたいになってるやつ
すっごい濡れるから嫌い
いつか傘忘れた友達と
はいる?って一緒に駅まで歩いたな
元気にしてるかなぁ
相合傘かー
恋人とか出来たことねぇや
虚しいねぇ

6/19/2024, 12:20:31 PM

心の距離があるから
君と私は互いに、互いにつつき合うだけ
飛沫を散らしながら、上品さを保ちつつ
おふざけを繰り返す
壊れてくれれば、私は懐へ飛び込めるのだろうか

でも、傘に空いた穴は、治らないから慎重に
買い換えたくない、お気に入りの傘
今日はやけに鮮やかに見える
濡れているのは私の



相合傘

6/19/2024, 12:17:53 PM

相合傘
部活の大会の日はいつも雨
2人だけの先輩は相合傘をしていた。
私もあなたに傘を差し出したかったけれど
基本的にしっかりしているあなたは
ちゃんと傘を持っていた
めずらしく傘を忘れた日があっても
私が濡れちゃうからいいよって傘に入ってはくれない
友達だよね。別に男女の中ではないのだから
気づいていないよね。
どうしても意識してしまったあの雨の日

6/19/2024, 12:16:58 PM

《相合傘》
それは、通り道にある喫茶店でお茶を飲んでいた時の事だった。
バラバラバラバラ…外から屋根を叩きつけるような音が始まった。
雨が降ってきたみたい。どうりで今朝から空気がずっしりと重かったわけだ。
念の為に傘を持ってきておいてよかったな。そっとミルクティーを口にしながら考えていると、店の入口近くから声がした。
「雨ふってきちゃった。」
「どうしよう、ママ待ってるのに。」
男の子と女の子がガラスの向こうの雨を見ながら途方に暮れていた。
その手にはこのお店の袋が下げられている。ここはテイクアウトの商品もある。おそらくパンが入っているのだろう。
私もつられて空を見る。どっしりとした雨雲が空全体をまんべんなく覆っている。しばらくは止まないだろうな。

よし。

「ねえ君達。よかったらこの傘使って。」
そう言って、私は彼らに自分の傘を差し出した。
だって、ねえ。
お店に子供は彼らだけ。このまま雨が止まなければこの子達は動けなくて不安も増すばかりでしょう?
急な雨でお母さんも心配してるだろうし。

「いいの?」
男の子が目を輝かせて聞く。すぐに帰れるかもと嬉しそうだ。可愛いなぁ。
「もちろん、いいよ。」
答えて傘を差し出そうとすると、
「でも、おねえちゃんはどうするの?だいじょうぶ?」
女の子が私の手元の傘を見て聞いてきた。気付いて心配してくれてる。優しい子だなぁ。
「うん。ここの紅茶がとっても美味しいからお姉ちゃんもっと飲んでいたいんだよね。だからもうしばらくお店にいようかなって。」
二人の頭を撫でながら傘を手渡すと、女の子がそっと受け取った。
「ありがとう、おねえちゃん。」
はにかみながらお礼をしてくれた。すると男の子も、
「ありがとう!」
元気なお礼。二人ともぎゅうぎゅうに抱きしめたいくらい可愛い。
「どういたしまして。水たまりに気を付けて帰るんだよ。」
ドア口で手を振り見送れば、
「うん!おねえちゃんまたね!」
「またねー!」
小さな手のひらがぶんぶんと大きく振り返される。
そして、二人の身体はすっぽりと大人用の傘に収まってトコトコと仲良く路地を歩いていった。

「ふあぁ。可愛い相合傘だなぁ。」
うっとりしながら店に戻る。店主に席を離れたお詫びを入れて、椅子に座る。
ミルクティーは、残り半分。
さて、飲み終わるまでに降り止めばいいけど。
止まなかったら走って帰ればいいかな、とミルクティーを飲みながらぼんやり窓を眺めていると、窓の外、大きな傘を差して歩いてきた彼とバッチリ目が合った。

あ。

胸がとん、と跳ねた。
そしてドアベルが鳴る。
入店する、閉じられた大きな傘と、大好きな笑顔。
そうだ、さっきの可愛い二人の話をしよう。
雨の中でも明るく見えた、元気で愛らしい相合傘の話を。

6/19/2024, 12:16:11 PM

傘を忘れた放課後に
教室の隅で雨宿り

ノートの隅に描いた落書きを
魔法の消しゴムでこっそり消した

使い切ったら 想いが届く と
君の名を綴じ込めた 真新しい消しゴム

早く使い切りたくて

何度も何度も
描いては消す



傘の下に並ぶ
あたしときみの名前



【相合傘】





大きめの傘に二人で入るとき
背の低い私に傘を持たせてくれるわけもなく。
片手に荷物、片手に傘を持つから
あなたの両手が塞がる。

私の手は寂しがって
家に着く前に我慢できなくなって。

その手が傘の柄をぐいっと引けば
30cm上にあったあなたの顔が
傘と一緒に私の目線まで下がってくる。

驚いて見開いたあなたの瞳と
近づいて閉じた私の目。



大丈夫。

ちゃんと隠せてる。

重なったくちびるは、傘に。
このドキドキは、雨音に。

6/19/2024, 12:12:56 PM

4限目の講義を聞き終え大教室を出たところで、「今日はもう帰るだけでしょ?僕も傘に入れてってくれない?」とヒカルが僕の腰に抱きついてきた。「人が見てるから」、と腕をほどきながら僕は彼に「自分の傘は?」ときいた。
「貸した。」
「貸した?自分も必要なのに?」
聞けば、傘の骨が折れて困ってたやつに貸したらしい。傘はきっと返ってこない。
「デートに間に合わないって焦ってたからさ。」
彼は息をするように、当たり前に親切ができる。こういうところ、尊敬するし惚れたきっかけでもある。

「どれくらい待った?ラインとかメールとかしてくれれば。」と言う僕の言葉を遮るように「もー、好きな人のこと考えて待つ時間は、幸せ時間なんだよ。」と彼は少し拗ねて言った。その仕草も可愛くて見つめてしまう。
僕は何とか視線をそらし、「じゃ駅まで行こうか。」と言って、僕は彼と並んで歩き出した。
すると彼が「駅までじゃなくて、僕のアパートまで送って。お願い。」と言った。

歩みを止めないまま、僕は彼を見ずに言った。
「君ねぇ、迂闊過ぎない?その上無防備。この間のチューのこと忘れたの?あの時もヤリタイコトとか言って、僕を煽って。」
僕が立ち上まると、ヒカルも歩みを止めた。
「僕がこのまま君の誘いに乗ってアパートにまで行ったら、何もしないで帰ると思う?今度はチューだけじゃ止められないよ?僕は君をこんなにも求めてる。気付いてるでしょ?」

頬を赤く染めたヒカルは一瞬ひるんだけれど、すぐにきっぱりとこう言った。
「信じてる。」

信じてるって何を?
あぁだからうさぎちゃん、僕は隙あらば狙っているオオカミなんだよ。今日はレポートの〆切もない。この件に関しては信じられても困る。僕のオスの本能が理性に圧勝するに決まってる。

けれど。

「あー、まー、送ってくよ、ヒカル。」再び僕は歩き出した。
クソ、どこまで理性が保てるかなんて知ったことか。惚れた弱みだ。ガツガツしすぎだ。

2,3歩遅れて歩き出したヒカルが、ハッとして僕を見た。僕に追いつき抱きつくと「い、いまヒカルって呼んだ?名前呼んでくれたよね?嬉しくて死ねる…もう1回お願い。」
ふんっ、不意打ちをしてやった。僕の気持ち、伝わったか?でも。

「お願い何個するんだよ。僕のお願いはきいてくれないのに。」今度は僕が拗ねたふりをした。ヒカルは僕の持っていた傘を傾けると、電信柱と傘にかくれて僕にそっとキスをした。
2人に雨粒が落ちてくる。
「濡れちゃうね。」ってヒカルが言うから、僕は
「いろんな意味でいろんなところがね。」と答えた。
それにしても、可愛くてずるいな。

「好きだよヒカル。」

そう言って今度は僕からキスをした。
僕は今にも飛んでいきそうな理性を必死につなぎ止めていた。


お題「相合傘」

6/19/2024, 12:12:30 PM

お題《相合傘》





玉響の時を想い紡ぐ。

6/19/2024, 12:09:28 PM

【 相合傘 貴方のためならいくらでも雨に濡れる⠀】


2人お互い傘を持って来てるのに
わざわざひとつの傘に入った

やっと想いが伝わって、
ずっとお互い大好き同士だったのに
いつからだろう
心が離れていってる貴方
体だけでも傍にいたくて、
傘の中で雨のせいにしてぎゅっとくっつく

前までは必ず傘を持ってくれてた貴方
濡れないように私を見てくれる貴方
もうあの頃の貴方は居ない

だんだん冷たくなった肩が哀しかった

近いのに遠い貴方がもどかしい
本当は今すぐ傘なんて捨てて抱き締めたいの

ずっと、ずっと待ってるから
いつか貴方がまた振り向いてくれるまで


晴れるまで、この雨にうたれながら
いつまでも待ちます
ただ一緒にいたいだけなの

6/19/2024, 12:06:15 PM

雨が視界を遮断する。同時に今しがたまで交わしていた会話も遮断された。
「うわ、すげえ降ってる」
「傘は?」
「持ってきてない」
 彼の視線が私の手元、色気も可愛げもないとよく言われる私の真っ黒い紳士用の傘に向けられた。気が重くなっているのを悟られないよう苦心する。
「じゃあ、」
「ごめんだけどちょっと貸してくんない?」
 入っていく、と尋ねるつもりの言葉を遮って、彼は「そこのコンビニで傘買ってくるから」と外を指差した。
「え、う、うん」
「ありがと! 助かる〜」
 思わず差し出した傘を広げて、彼が雨の中に滲んでいく。想定外の展開だ。
 肩が濡れるから。そう言うと、おまえは気を使いすぎなんだと軽く笑って、責めている自覚もなく責められるのが常だった。
 本当は距離の近さがもう嫌だ。一人分を想定したスペースに身を寄せ合って無理やり二人で入ること、それを美しいと感じる心自体が私には合わなかった。でも好きな人との相合傘なんて“喜んだり照れたりするのが正しい”もので、相合傘をしたくないから雨が嫌いだなんて思う私がおかしいのだった。
 少なくとも、今まではそうだった。
 十分も経たずに透明なビニール傘を差した彼が戻ってくる。丁寧に閉じられた私の傘が返された。
「先週見たときは今日晴れるって言ってたのになぁ」
「……先週」
「天気予報に嘘つかれたわ」
 なんて世知辛いと大袈裟に嘆くものだから少し笑ってしまった。私も傘を差して、今度は二人で雨の中に出る。
「傘ってクオリティ低いと思わん?」
「ちょっと思う。横からも下からも濡れちゃうし」
「それな。あとすれ違いにくいし、ぶつかるし、気を使わせすぎなんだよな」
 傘って、すっごい日本人って感じ。
 よく分からないような分かるような表現がすとんと腑に落ちた。だから、気が抜けて言ってしまった。
「私、相合傘って嫌いなんだ」
 黒い傘に隠れて彼と目が合わない。適切な距離が保たれる。傘はそのためにあるべきだと私は思う。少し遠くから彼の声が聞こえる。向こうの通りを見ているのかな。
「二人で入るんだったら二人用の傘を売るべきだよな。お、信号変わりそうだからゆっくり歩こ」
「うん」
「バック・トゥ・ザ・フューチャーでさ、天気予報は発達してるのに雨具が何にも進化してないの、俺は絶望しました」
「んー。そんなシーンあったっけ」
「あったんだよ。スイッチ押したら全身バリアで防水加工してほしい」
 未だに江戸時代と変わらんような形状の道具で雨を避けている人類に未来はない。なんて、見えないけれど、きっと真顔で言っているのは分かった。
「無理に距離縮めて気を使わせるより、君の肩が濡れるのやだから今日はさっさとうちに帰ってゴロゴロしよう、って言うほうがイケメンだと思うのね俺は」
「イケメンかどうかは知らないけどそっちのほうが好きだと私は思います」
「それはつまりイケメンってことになると思います」
 彼が憂鬱を晴らしてくれるから相合傘は必要ないようだと安堵する。これから、雨を嫌う気持ちが少し変わっていくかもしれない。そんな気分になった。

6/19/2024, 12:05:30 PM

相合傘


ノスタルジー
この一言に尽きます。

このワード、最後に聞いたのも言ったのもいつだったでしょう。学生時代には間違いないのですが、覚えていないのでこれ以上は無理みたい。残念。


話はそれますが、学生時代って、楽しかった事とそうでない事が半分くらいかと。

初恋や両想い、失恋を味わったり。友情が育ったり、ケンカしたり、笑って怒って泣いて。今ならきっと半日も持たないであろうハードな日常を送っていましたね。若さってやつですね。

たとえハードだとしても、もう一度あの日々をやり直せたら、と思う私もいたりして。

部活したいなぁ、彼氏作りたいなぁ、勉強ももっと頑張りたいな。もっと頑張る事が出来たんじゃないかな。

いけない、ノスタルジーから“おセンチおばさん”になってしまいます。

身体を動かしに“ジムおばさん”に変身してきますね。


end

6/19/2024, 12:03:22 PM

私は雨に濡れるのが好き。
雨に濡れて、びしょびしょになった髪が好き。
体全体が濡れても、止まらずに体を濡らし続けてくれる雨が好き。

「なぜ好きか」と言うと具体的には思いつかないが、心のモヤモヤややるべき事を、全て忘れられる気がするのだ。


小学生を卒業してから、雨を見る度に「ずぶ濡れになりたいな」と思うことが増えた。
小学生の時は、大雨の中傘を刺さずに帰る人が7,8人ほどいたが、中学生にもなると、傘を刺さない人はほとんど居なくなってしまった。
そりゃあ精神も大人になってくるので、「わざわざ傘を刺さずにずぶ濡れになりたい」と思う私はかなり少数派だろう。
雨に降られてずぶ濡れになっていた日を思い出すと、懐かしいという思いと共に、寂しいなという思いも浮かんできた。

最近、親しい友達と近くでやっていたお祭りに行った。
天気は快晴。特別な日に快晴になると実に気分が良かった。
しかし、祭りの終盤ら辺で雨が降ってきた。
最初は気にならない程度だった雨も、だんだん勢いを増し、いつしか祭りに来ていた人がほとんど帰っていく始末。
さすがに傘をさすか、となったが、傘は私が念の為持ってきた折り畳み傘一つ。
しょうがないので相合傘をして雨宿りの場所を探した。

雨宿りの場所を探して五分ほどだった頃、何故かどうしょうもなくうずうずしてきた。何だろうな、と思ったが、過去の体験から「ああ、雨の中に行きたいのかな」と思った。
「流石にダメか」とも思ったが、人もほとんどいないし、たまにはいいか、と思い、友人に傘を預けて雨の中に踏み出した。

途端に、たくさんの雨粒が私に降ってきて、傘や浴衣を濡らした。
「あぁ、この感覚だ…!」
私はとても楽しかった。
久しぶりの感覚に、体が喜んでいるような気がした。
私は手をいっぱいに広げ、雨を感じた。
涼しくも暖かくも感じる雨は、勢いを無くさずに降り続けた。


友人と別れ帰宅すると、母が「なんでそんな濡れてるの!?傘持ってってなかったっけ…?」と心配してきた。
流石に「自分から雨に降られた」とは言えないので、傘を落としてしまったが、見つけて帰ってきた、と嘘をついた。

ベッドに入った後も、久しぶりに子供心が爆発してしまい、ずっとドキドキしていた。

また機会があったらずぶ濡れになりたいな。




「相合傘」というお題要素薄めですみません> <

6/19/2024, 12:02:26 PM

「あんた今日傘忘れたんだってねw」
君は僕を必要以上に煽ってきた。数十秒ほど前のこと。僕は学校の靴箱で絶望感に浸りながら外を見た。外は土砂降りでとても帰ることもできないような状況だった。もう何かの注意報が出てもおかしくないほどの雨が降っていた。仕方なくずぶ濡れになりながらでも帰ろうとした時、後ろから馴れ親しい声がした。違うクラスのなぎさだ。なぎさは僕を嘲笑うようにちょうど自分一人と少し入るくらいしかない小さな傘をクルクルと回しながら話しかけてきた。
「これからどうやって帰るのよ?」
僕は必死に平常心を保ちながら答えた。
「それがわかったら苦労しないよ」
それを聞いて調子に乗ったのか、なぎさは先ほどにも増して煽ってきた。
「帰れないなんて可哀想だな〜」
なぎさは煽っているつもりだったんだろうが僕にはさっきからなぎさは少し照れて言っているように感じた。すると彼女は先ほどまでとは打って変わって優しい声で急に話を振ってきた。
「・・・今日一緒に帰れる?」
その言葉を聞いて僕は確信した。なぎさは照れているなと、決まりつけは僕が「良いよ」と答えると喜んでいることを隠すかのように少し後ろを向いた。でも困ったことに外は土砂降り。傘は一本。となると相合傘をするしか術はない。僕がふと、なぎさの方を見るとなぎさはこうなることを願っていたかのように微笑していた。僕はなぎさと相合傘をすることが嫌というわけではなかったしむしろ嬉しかったがそのことをなぎさに悟られないように数十秒ほど頭を抱えているふりをして僕達は相合傘をして帰ることにした。僕が一歩歩き出すとなぎさは生意気にこう言った。
「傘はあんたが持って」
僕はほんの一瞬で芯まで濡れてしまった靴と前髪を無視してさりげなく傘となぎさの手を取った。
【相合傘】

6/19/2024, 12:01:00 PM

6月19日(水)

僕には恋人がいた。
らしい。
表紙の破られた日記帳が語ることには

白雪のごとく美しい肌と
アーモンドブラウンの髪が
彫刻のような顔立ちに相応しい
美しい人だった、そうだ。

僕はきっと彼女の記憶を取り戻せない。
むしろ、取り戻そうとしないほうがいい。
それは医者からも明言されていることだった。
僕にとってのトラウマ
僕にとっての捨て置くべき記憶だそうだ。

大理石の塊を見て
ミケランジェロは言った。
「私は石の中に天使を見た。
 天使を自由にするために掘ったのだ」

僕も予感がする。
石ノミを持ち、ハンマーを握ると
誰かがよぎる心地がする。
しかし何度も何度も何度も何度も
その姿を追うたびに
逃げ、隠れ、形にならない彼女を
思って、気を狂わせてしまう。

僕にとってのトラウマが
僕の最高傑作になるその時まで
この手を止めるわけには行かない。
そう、確信している。

日記には彼女との記憶が
克明に記されている。
彼女の最後の言葉は
「わたしを忘れないで」
その手に握られた花の名を
まだ思い出せずにいる。

6/19/2024, 12:00:29 PM

「相合傘」

 学校が終わり、図書館で勉強していた私は、家に帰宅しようと図書館の出入り口で立ち尽くしていた。
 外を見ると、雨が降っていた。
「傘を忘れてしまった。雨宿りしよう」
 私は独り言を呟いた。
 私が雨が止むのを待っていると、「よぉ!」と声をかけられた。
幼なじみの君だった。
「もしかして、傘忘れたのか?」
「うん」
「俺の傘、貸すよ」
「いや、いいよ。君が濡れて風邪引くよ」
「大丈夫だって。じゃあ、また」
 君は、雨の中を走っていく。
 私は急いで、君から借りた傘を差して走り出した。
 「待ってー!」
 君に追いつき、君の服の袖を引っ張った。
「なんだよ。俺はこんな雨じゃ風邪を引かないから心配するなって」
 君は振り返って私に言った。
「心配だよ。相合傘をしたら濡れないからしようよ」
私は、提案した。
「相合傘なんてしたら、誰かに勘違いされるだろ?お前、迷惑だろ?」
「迷惑じゃないよ」
君の目を見て言った。
「本当?」
君は、首を傾げながら聞いた。
私は頷いた。
「だって、私、君の事が好き」
 私の体温が上がっていくのが自分で分かった。
「ありがとう。俺も、お前の事が好き」
 君は顔を真っ赤にして言った。
 私達は、両思いだった。そして恋人になった。
「相合傘、しよう?」
 私がもう一度提案すると、彼は頷いた。
 私達は、照れながら相合傘をしてお互いの家に帰宅した。

6/19/2024, 12:00:29 PM

相合傘って画期的だよね。名前も愛が詰まった感じだし、実際に友達としたことがあるが恋人としたらドキドキするんだろううなって思った。雨自体に世界と自分を切り離し易いという効果があるのだから、カップルの世界を作るのなんて造作もないだろう。しかも傘で隠せると来た。もう最高じゃん。二人横に並ぶことになるから、狭い道をゆっくり歩くとかはしたらダメだと思うけれど、大通りとか他の人が追い越す幅が確保されてる道なら全然あり。でも過度なイチャイチャは見てて恥ずかしいからやめて欲しいかな。でも初々しいのは見てて微笑ましいからどんどんやれと思う。ちなみに見て欲しくないとかの苦情は一瞬見るだけだし、それも嫌だと言うのならするなと言いたい。ごめんな。見てまうの。相合傘を恋人とした事ない人からしたら夢の話で見てて幸せそうだなって思うのよ。いつかやりたいなぁー。

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