宮平和実

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「相合傘」

 学校が終わり、図書館で勉強していた私は、家に帰宅しようと図書館の出入り口で立ち尽くしていた。
 外を見ると、雨が降っていた。
「傘を忘れてしまった。雨宿りしよう」
 私は独り言を呟いた。
 私が雨が止むのを待っていると、「よぉ!」と声をかけられた。
幼なじみの君だった。
「もしかして、傘忘れたのか?」
「うん」
「俺の傘、貸すよ」
「いや、いいよ。君が濡れて風邪引くよ」
「大丈夫だって。じゃあ、また」
 君は、雨の中を走っていく。
 私は急いで、君から借りた傘を差して走り出した。
 「待ってー!」
 君に追いつき、君の服の袖を引っ張った。
「なんだよ。俺はこんな雨じゃ風邪を引かないから心配するなって」
 君は振り返って私に言った。
「心配だよ。相合傘をしたら濡れないからしようよ」
私は、提案した。
「相合傘なんてしたら、誰かに勘違いされるだろ?お前、迷惑だろ?」
「迷惑じゃないよ」
君の目を見て言った。
「本当?」
君は、首を傾げながら聞いた。
私は頷いた。
「だって、私、君の事が好き」
 私の体温が上がっていくのが自分で分かった。
「ありがとう。俺も、お前の事が好き」
 君は顔を真っ赤にして言った。
 私達は、両思いだった。そして恋人になった。
「相合傘、しよう?」
 私がもう一度提案すると、彼は頷いた。
 私達は、照れながら相合傘をしてお互いの家に帰宅した。


6/19/2024, 12:00:29 PM