『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雨の日は決まって傘を忘れてくる君
それがわざとだったと気づいた頃
あの日まで二人分埋まってたはずの傘下は
片方欠けたきりずっと空きっぱなし
窮屈だったビニールの屋根が
こんなにも大きかっだろうかと気づいた
いつも見慣れたはずの帰り道
雨音がやけに耳に残る
#相合傘
【相合傘】
一緒に持った2人が入るにしては少し小さい傘。
当然、距離は近くなる。
触れる肩。
向かい合い、行き交う視線。
微笑みあって、
また前を向いて歩き出す。
これは私の遠い日の記憶。
彼はもういない。
彼が亡くなってから今日で早10年。
私はまだ立ち直れずにいた。
雨が降っている。
あの日も雨だった。
高校2年生。
はじめての恋人、はじめてのはじめての相合傘。
付き合いたてだったからあの日は彼も私も浮かれていた。
小さい傘だったから当然距離が近くなる。
触れ合った肩。
向かい合い、行き交う視線。
照れながらも微笑みあって、
また前を向いて歩き出す。
――赤信号に気づかずに。
そこから何が起こったかはわからなかった。
気がついたら病院にいた。
まさか自分がこのセリフを思う時なんて……と思ったのも束の間
隣には白い布を被った彼がいた。
私を庇うように抱きしめ、そのまま轢かれたらしい。
即死。
幸せな日々は壊された。
今日はこの日々を終わらせる。
あの日使っていた傘と同じ傘を手に持ち、
ベランダに出る。
……どうやら過去の記憶に馳せているうちに雨はやんだようだ。
嫌味ったらしい晴天が広がっていた。
まぁいいかと傘を広げる。
肩に何かが触れた。
そちらを見て、、、行き交った視線。
大粒の涙を目にため、精一杯微笑み、
前を向いて歩き出す。
――落ちる。
#相合傘
「雨だね」って言ってわざと1本しか持ってかないのもあり。
2人で傘を並べて、傘から落ちる雫に「もー!濡れちゃうじゃん!」って水かけ合うのもまた良し。
透明の水槽のよう 溺れそう
雨よりも濃い 距離の近さに
#短歌 #書く習慣 20230619「相合傘」
『相合傘』
わ、びっくりした!
突然教室の戸が開くもんだから……全く、ノックくらいしてよね。
……え? まぁ確かにね。自分のクラスの教室の戸をノックするヤツはいないわね。
アタシ、テンパってるのかも。アハハハ、ゴメンゴメン。
それにしても、なんでキミはこんな朝早くに登校してるの?
……なるほど、部活の朝練。野球部、もうすぐ大会だもんね。
アタシ?
決まってるでしょ。今日の日直、アタシなんだ。
ほら、黒板の日付を変えたり、学級日誌を準備したり。朝から面倒だよねぇ。
ま、キミは部活がんばってね。
……え? アタシがどうして黒板に張り付いているかって?
別に。特に理由はないわよ。
アタシの背中が黒板に当たってるって?
……なるほど、制服がチョークの粉まみれになる。確かに。
でも、大丈夫。それくらい、アタシが自分で払うから。
え? キミが払ってくれるって?
あー、大丈夫大丈夫。自分で……
ってうわ!
いきなり手を引っ張ったら……
……あー……
……キミも見ちゃった? その小さな落書き。
全く、誰が描いたのかしらね。勝手にアタシ達の名前を書かないで欲しいわよね!
アタシの声がうわずってる?
そ、そうかな? いいから、キミは早く部活行きなってば!
相合傘
突然降り出した雨を見上げてる生徒たちを横目に、
鞄にしまい込んでいた折りたたみ傘を広げる。
念のため入れてて良かった、と安心しているとクラスメイトの彼が雨を見上げていた。
いつも見ていることを気付かれないようにしていた、私の好きな人。
今は傘がなくて困ってるし、声をかけても良いかな。
いや、他の人もいるしあんまり話したことないのに迷惑かな。
そうやって悩んでいると、一人の女生徒が彼に話しかけた。
彼が頷くと、彼女の愛らしい水色の傘に二人が並んで雨の中を歩き出した。
彼が傘を持ってあげてて、彼女が濡れないように傘を少し傾けていた。
遠目からでも楽しそうな二人だった。
私は二人を見ないように傘を前に傾けて歩き出した。
歩くたびに、ぽっかり空いた相合傘は寂しさと恥ずかしさで埋まっていった。
#相合傘
相合傘ってさ、愛愛傘とか相逢傘って書くこともあるけど、人間は恥ずかしくないのかな。
ただひとつの傘をさすだけなんでしょ?
なんでわざわざ愛とか逢みたいな恋愛ごとに絡めようとするんだろう。
仲が良くないと出来ないからかな。
でも、仲が良いだけでいいならさ、別に友達同士でやってもいいんでしょ?
それとも、私たちはこんなに愛し合っているのよ!って見せつけたいのかな。そういう人間たちほど別れるくせにね。
うーん、愛、かぁ。僕には分からない感情だよ。
ねぇ、博士。僕にも分かるかな。
――これは産まれたばかりのロボットが、まだ見ぬ恋に焦がれるお話。
相合傘
友だちと相合傘しながら帰った。
私は体が大きいから友達の方に傾けて私の肩は濡れてた。
昔から自分が被害にあえばいいと思ってた。
みんなが嫌がることはできるだけやろうって。
子供の時からそうだなんて、
可哀想なやつだ。
数十年ぶりの同窓会
場所は 3-3の教室
久しぶりに彼の顔を見た
年相応に重ねていても
面影はあの時のままね
ふと思いだした
あの頃に書いた相合傘を…
放課後の教室で
誰にも見つからない場所に書いた
彼と私の相合傘
何気に見てみると
薄れて誰と誰の相合傘か
分からない
それでいい
もう思い出の中にあるのだから…
朝の雨で湿った傘を閉じたまま、雨の中屋根のあるここから出る。
濡れたい訳でもなければ、濡れるのを気にもしないほどの何かがあった訳でも無い。目的はあの子の傘の下。
いーれて。そう言って笑うと、傘持ってるじゃん。と言いながらなんやかんや入れてくれる。同性間での恋愛的な意味を持たない相合傘。だが、理由ならある。雨の日は寒かったり、ジメジメしていたり、多様ではあるが私にとっていつも気分が上がるものではないのは確かだ。そんな中で傘をさすと、距離も空いて話も聞こえ難い。それなら一緒に入ればいいと思ったのが最初だった。いいじゃん、減るもんじゃないんだし。なんて言って、人肌恋しい気持ちを言い訳でコーティングして渡すのが雨の日の日課みたいなものになった。
さっきまであんなに晴れていた空は
今やその面影もなく
大粒の雨を降らせていた。
「傘…忘れた…」
昇降口に立ち尽くして
ポツリと呟く。
ゲリラ豪雨とか夕立とか言われる突然の土砂降り。
夏の空は気まぐれで困る。
どうしようか…と空を睨んで考えていた私の視界に
チラッと赤い色が過ぎる。
「良かったら、入ってく?」
真っ赤な傘を広げ
こちらを見てコテンと首を傾げるクラスメイト。
これがただのクラスメイトなら
即座に頷くところだが…。
「えっ…と、イインデスカ…?」
片思いの相手となれば
仲良くなるチャンス!という期待と
ほとんど密着して歩くことになるという緊張と
ヘマして嫌われたらどうしようという不安で
ドギマギしてしまうのは仕方のないこと。
その日の帰り道の私の顔は
意中の子の傘に負けないくらい
真っ赤だったに違いない。
太ってるから相合傘なんかしたらはみ出ちゃうよ(笑)
相合傘
いつもは病み病み文章なので今日は明るくて楽しい文章にします。
今日は心理学の教師と沢山お話をしました。
私は男の人が苦手なので結婚できませんし、もちろん子供もいない人生で親孝行が出来ないです……!
と話したところ
25、6 で結婚するね
子供は男の子一人だね
と言われました
一般的にみてイケメンではないね、けど相性はバッチリだね〜
𓏸𓏸さん(私)は本の少し、本当に若干Sだから相手の人は同じく若干Mだねー
と、、、年上がいいんです!!と話したら
うーん年上も可能性的に無くはないけど同い年か年下だね、𓏸𓏸さん(私)が考えがしっかりしてるから相手は少し子供っぽいね、でもそれを許してるから上手くいくんだよ〜
怖かったです、、、大体私の性格まで言い当てられて占い師ではなく心理だ……と感じました笑
結婚出来るんだ、子供いるんだ、という安心が凄かったです。未来の旦那の仕事はリーマンらしいです。
お給料の安定している公務員が良かったです。わがままを言うなって感じです。
いいんです私が稼ぐので、
一般的に見たイケメンではない
ということは私から見たイケメンはいるということになりますよね、、、きっとそうです私が好きになった人なのだからかっこよくて優しい人です……
正直顔はどうでもいいと言うほど中身重視したいのでお願いします誠実で優しい人が旦那様になりますように。
運命などない。必然なんだ。と強く強く感じ、心理学……面白すぎだな、学びたいな、と思いました。
将来の夢は漫画、小説家、兼臨床心理士です。
今日、夢がひとつ増えました。私に未来が出来ました。
相合傘
お店から出ようとしたら、小さい子が店の前でできたら雨宿り。
見ると友達の子供だった。話を聞いた。
話を聞くとこによると、お母さんが駅で待っているらしい。
じゃあ、そこまで一緒にいこうかと声をかけた。
その前に友達に連絡。
ありがとうとすぐに返事が返ってきた。
雨が降っている、私は傘を広げ、子供と一緒に相合傘をして駅に向かった。
相合傘
もう君とは出来ないかもしれない
でも、君のおかげで雨は好きだよ
距離が近い
傘を持つ君の手が
少しずつ私の方に傘が傾く
濡れないようにしてくれてるんだね
嬉しいけど君の肩が濡れる
私がそっと押し戻しても
また傾いて
押し戻して
その繰り返し
*相合傘
相合傘をした日、彼の肩が濡れていた。わたしはちっとも濡れていなかった。
なんてことない顔しながら、なんて優しいことをしてくれていたのだろう。
「ありがとう。」
わたしの突然の言葉がなにに向けたものなのか分からなかったらしい彼が首を傾げる。
「風邪ひかないように気をつけて。」
「え、ああ、うん。君もね。」
きっとわたしは風邪なんてひかないだろう。あなたがちゃんと守ってくれたから。
そう言いたかったけれど、とても照れくさくて迷っているうちに、彼は駅の改札を通り抜けていく。そして、振り返ってわたしに手を振ってくれる。周りの目を気にしてか、胸の前で小さく。そんなところもとても好きだと思う。
彼の背中に知らない背中や顔がたくさん重なっていく。しばらくすると、遠くから電車の発車メロディーが聞こえて、わたしは鞄の中を漁った。奥底から出てきたのは折り畳み傘。本当は持ってたんだよ。そう言うタイミングを逃してしまったけれど、言わなくてよかったと思う。
彼の肩に触れるたび、胸が高鳴った。彼がさりげなく車道側を歩いてくれて、歩幅もわたしに合わせてくれた。そして気付かないうちに鋭い雨からわたしを守ってくれていた。
なんて優しい人だろう。
雨が降りしきる中、傘を開いた。一人で使う傘は広く余裕があるけれど、先程と比べると少し寂しい。
早く帰ろうと思った。彼の温度が肩に、彼の優しさがくれた温もりが心に残っている間に。
私は幼い頃、一人の女の子と、相合傘をしたことがあると、その相手の女の子(妻)が言っていた。
私は全く覚えが無いのだが。
放課後。エントランス。雨を見上げて立ちすくんでいるあの子がいた。ツンと整った綺麗な横顔。黒髪のポニーテールが溌剌とした彼女によく似合っている。手にしているのは鞄が一つだけ。たぶん、黒猫のキーホルダーがついたやつだ。
僕はちょっと周りを見回した。誰もいない。それから自分の傘を見つめた。傘があった。黒い傘。あの子には無い傘。
どういうわけか蘇ったのは、進展とかないから、という自分の声だった。つい最近のことだ。部活の帰りに友達とだべっていた時の記憶。好きだとか好きじゃないとか、火遊びみたいな会話をしていた。知ったようなふりをして、その実自分のことは何も知らない奴ら。その一人に過ぎなかった僕は、あの時も本心から逃げた。大体、話しかけるキッカケとかないし。キッカケあれば話せんのかよ? 当たり前だろ。ホントかよ。ホントだって。
言い逃れ。後ろ向きな本心を隠すための言い訳。勇気がなからキッカケのせいにしていた。ずっと。これまでは。
雨音がする。弱まる気配はない。あの子が立っている。人の気配もない。鼓動が騒いでいる。喉が渇いている。右手を握りしめる。傘がある。黒い傘が。
あの子が振り返る。
僕は小さく息を吸う。
傘って嫌いだ。
手が片方塞がるし、完全に濡れないわけじゃない。
畳んだあとも、濡れたソレの扱いに困る。だから、重要度低くて、電車の中にビニール傘を忘れてしまうんだと思う。
「マジかぁ」
シトシトと降る雨に、このまま走って家まで行くか、コンビニで買って帰るか悩む。
「なにやってんの?」
後ろから声をかけてきたのは、小学生からの知り合いで、特に仲良しでもない部類の人間。お調子者で、私はぶっちゃけ苦手な奴。
「……電車に傘を忘れまして、悩んでいるところです」
「へー」
傘を畳みながら、特段興味もなさそうな返答に、イラッとして、さっさと行け!消えろ!なんて心の中で悪態をつきつつ、また空を見上げる。
「ん、貸してやるよ」
「は?」
目の前にぶら下げられた男物の傘は、長さから言っても申し分ない大きさに広がるだろうな。なんで貸してくれようとしてるんだ。と考えつつ彼の様子を見た。
「家近いから貸してやるよ。俺は走ればそんな濡れないから。ほら」
そう言いながら、傘を開き押し付けてくる。慌てて、受け取ってしまったので、「ありがとうございます」と渋々例を言っておく。
そのまま互いに家に向かって別れて歩いて行くと、嘘ろからバシャバシャと走る音。
「やっぱり家まで送るわ」
「え?」
彼は傘をひったくり隣に並んだ。貸してもらった手前何も言えず、この先コンビニなどはないし、黙って横で歩き出すしか無かった。
お互い黙ったままの静かな状態が続く。
いつものトーク力はどうした?なんで喋らないの?とか考えながら彼を横目で見る。
彼は傘をこっちにかたむけつつ持ってくれていて、肩が濡れてしまっている。
「……ふーん、紳士じゃん」
ボソッと呟いた声は彼には届かず、時折触れる腕が、熱を持った気がした。