『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
人生で何度も入院をした。
大部屋は周りの人に気を使い家と同様に療養する事ができず十分な睡眠がとれない
テレビも冷蔵庫も有料な為、携帯か天井、同じ部屋の人の話を盗み聴き
ドラマの様な楽しくなんて過ごせない
病室と聞いて何が思い浮かぶ?
見舞いの花?ベッド?白いシーツ?
わたしはこの病院に入院している患者だ。この病院は庭がとてもきれいに手入れされている。ここの庭師さんとはよく喋る間柄だ。今日も、
「おはようございます」
「おー、おはよう。今日の体調はどう?」
「まあまあまです」
「まあまあかぁ、俺は元気だよ。見て、新しい
花が入った。これから植えるよ。」
と、まぁこんな感じで喋る。この人は新しい花が入ってくるといつもよりテンションが上がるんだった。にっこり笑顔になっている。新しい花はどうやらこの近辺で見る花ではなさそうだ。花の知識が皆無に等しいわたしはなんの花か分からなかった。ラベンダーとか植えてほしいと言ったら「それはありきたりだな」と言われた。多分今も植えられてないから却下されたんだろう。
正直になんの花か聞いてみることにする。
「今日はなんの花を植えていらっしゃるんですか?」
「んー、今日はウツボグサを植えるよ。」
その後少し喋ってお別れした。部屋の窓からはきれいに手入れされた庭が見える。花で色とりどりだ。
どうしてウツボグサを植えたのか聞けばよかった。
その2日後、この少女は死んだ。
静寂した部屋の中で、僕は窓越しに星空を眺めていた。
本当はもう眠らなければならない時間だけれど、僕はいつも夜ふかししてでも、この景色を眺めていた。
ここから出られない僕の、唯一の楽しみだから。
ー俺、ここよりももーっと綺麗に星が見える場所知ってるんだ!ー
向かい側に居た彼が、口にしていた言葉。
彼が来てから、一緒に夜ふかししながら見るようになった景色。
ーいつか二人で外に出て、この星空を眺めに行こうな!ー
そういう彼は、今は星のもとに居る。
星を見る度に思い出される彼の姿は、一番星より眩しい彼の笑顔は、もうここにはない。
数週間前まであった彼の温もりは、もうすっかり夜の空へと消えている。
僕にとって希望の星であった彼は、本当の意味で星になってしまった。
悲しいはずなのに、もう涙はもう出なかった。
僕ももうすぐで、彼と同じ星になれるから。
だから、涙は出なかった。
「大丈夫、僕もすぐに、おんなじ場所に行くからね」
微笑み星にそう呟きながら、真っ白な布団を被り、僕は目を閉じ眠りについた。
今度こそ、二人で同じ景色が見れるように、そう願いながら。
#病室
父の個室に足を踏み入れると
見慣れない大きなブロンズ像
壁には風景画
病室にこんなものなかったはず
一緒に訪れた母も驚いていたが
父が病床から百貨店の外商に連絡して
買い入れたものらしい
子どもだった私にその是非はわからなかったが
周囲がにじませる呆れた雰囲気は感じた
その後本人も美術品も病院から無事搬出され
武勇伝か笑い話のように扱われていたけれど
あれから程なくして世を去った父は
大勢で賑やかにするのが好きで
人一倍子煩悩で家庭を大切にしていた
いつも前向きで
悲観や無気力を嫌った
真っ白で殺風景な病室でひとり
運命を呪ったり自分を憐れんだりするよりも
美しいものを目にすることのできる喜びと
いま命がある幸運に感謝していたかったのか
ずっと理解できないまま
記憶の底に沈んでいたけれど
いつか入院したり施設に入ったりする時には
この絵とこの絵を部屋に飾れたらいいな、
などと考えていると
心の奥の扉が不意に開いて
あの時の父の思いが静かに胸を浸した
「病室」
#183
病室
この扉の向こうに、君がいる
僕は扉を叩こうとして逡巡する
今の君は、僕が知っている君ではない
そんな君に会うことを
君は許してくれるだろうか
気の強い君は僕を心配させまいと
無理をしてしまうかもしれない
弱っている君を見たくない
弱っている君をはげましたい
元気付けたい
心配させてほしい
やっぱり僕は君が好きだ
どんな君でも構わない
会いたい
だから、思い切って病室の扉を叩いた
空を見た、たくさんの人が慌ただしく動いている、小鳥が一生懸命に鳴いている、日差しがとてもが眩しかった。
「きっといつか退院できるよ」家族全員が目を真っ赤に染め、口を揃えて言うセリフ
「そうだね」と台詞を口に作り笑いをする私。
カレンダーが散るたびに心も体も消えていく。
恐怖に終われつつ、いつも笑顔を振り撒くよ
それが私が家族に唯一出来ること
親不孝者でごめんなさい
最後は笑顔がいいでしょう?
ちょうど3ヶ月前まで病室にいた。
空にいちばん近くて、海の底のようだとも思った。
生と死と、ふたつの静けさがまざりあった場所だ。
点滴やら何やらの管に繋がれた写真を送ると、
「薄幸美少女じゃ~ん」と友だちからからかわれて、それがちょっと面白かった。美少女といわれて悪い気はしない。私の脳味噌の構造はいたってシンプルだ。自分にとって都合のよろしい単語だけをピックアップして生きている。
そう、生きているってすごいってこと、入院生活で実感した。痛くて辛くて苦しくて、心はもう無理だと嘆いても、身体は生きたいと叫んでいる。この
矛盾に身悶えしながら、それでも私の身体が点滴を吐き出すことなんてなかった。
動くことも食べることもできずにいたあの病室で、
生きているって凄まじいなあと、他人事のように思っていた。
ここは病室。それも、精神科棟らしい。
少なくとも、自分はおかしくないのだが。
自称医師からすると、自分はパーソナリティ障害、
その中でも妄想型らしい。認めないが。
そもそも、ここに来るまでの記憶が朧気なのだ。
自分が真面目で優等生で人気だったこと、
前の場所で命を絶とうとしたことは覚えているが、
その理由がどうしても思い出せない。
自称医者__イナ先生は何か知っているっぽいが。
考えてても仕方がない。
せっかくだから、愉快な仲間たちを紹介しよう。
隣の部屋で毎晩叫んでいるのはパニック障害の男性。
よくわからないが、夜になると窒息しそうになって、
息をするため、助けを呼ぶために声を出すらしい。
朝と昼は気の良い男だから、
少しの騒音はまあ我慢しよう。
毎晩、就寝時間後に徘徊するのは、夢遊病の女性。
あの部屋の扉は何個も南京錠が付いているが、
何故か彼女は全て開けて部屋から出ていく。
今週もまた鍵が増えるのだろうか。
うざいのは、自己愛性パーソナリティ障害のあいつ。
くくりが同じ病名なのが腹が立つが、
更にこいつの自慢話が耳障りでしょうがない。
この病棟に入るなら、絶対関わるなよ。
奴と行動するのは、パーソナリティ障害依存性の女。
迂闊に関わるのはやめとけ。
イナ先生が手を焼くぐらいだ。
関わったら最後、
地獄まで追いかけてくる勢いだぞあいつ。
あ〜後は影が薄すぎたり、
軟禁中だからわかんないが…
そうだそうだ、イナ先生を紹介しよう。
この病棟で自分と同じまともな人間で、
自分たちの治療をしているらしい。
らしい、というのも、
検診だと世間話くらいで何もしないからだ。
たまにバツの悪そうな顔をしているのが気になるが。
うん。
本当はみんなちょっとわかってるんだぜ。
この施設の、本当の役割。
軟禁中になったあいつらは絶対帰ってこない。
だから、自分達ができるのは、
「私達はまともですよ。」
とカウンセリングで話すくらい。
今日も、4人で生き残ろうね。
「あなたの分まで生きる」
なんて聞き慣れた言葉はきらいだ。
あなたに生きてほしかったんだ。
「また来るね、」
と言って後ろは振り向かずに
病室をあとにする。
病室からは海が見える
母の目線まで落とすと
ちょうどそれは見えない
母はもう、海を見ることは
できないのだ。
病室
子供の頃は病院が家だった
病室から午前中だけ小学校へ通ってた
父が毎日車で送迎してくれた
大変だったろうと思う
「バイバイ!」と手を振りながら
父の車を降りて病室に戻り
翌朝運転席の父に
「おはよう!」と言うのが日常だった
今まで考えたこともなかったけど
入院していた長い間
私は家にはいなかったんだ
あの家は家族4人で暮らしてたんだ
いつも病室の窓から外の景色を見下ろしていた
あまりに長い間そうしていると
道行く人も車も、天気でさえも
自分がリモコンか何かで動かしてるような感覚になった
そのうち視線を部屋の中に戻しても
ベッドに横たわるこの人達も
看護師さんも先生たちも付き添いの人たちもみんなみんな、
自分が創り出して、自分で動かしてるのだとしか思えなくなった
だってどう考えたってゲームの画面と同じじゃん…って
人は思ってないことを言うと、顔が黒っぽくなるんだ
同じ色の丸で囲まれた看護師さんと先生がいる
その怪我は事故じゃない。でもその子は自分に起きたこと全てを受け容れている。落としたお母さんを恨んでいない。
退院して普通の生活に戻ると
いつの間にかその感覚は消えていた
今ふと思う
自分で創ったゲームなら
楽しいのにすればよかった
…ああそうか!
そうしたんだった
そうして私は退院したんだ
これからはどんなゲームにしようかな
目が覚める。天井も壁紙も、カーテンにベットシーツも真っ白の部屋にいた。わたしは、眩しくて目を細めた。手をみると、包帯が巻かれており、この色もまた、白かった。ベットから降りたくて、靴を探していると床だけは茶色いことに気がついた。ここだけは、眩しくなかった。
靴を履いてみると、ふかっとして驚いた。踵のない変わった形をした靴。
そっと、カーテンを開けた時だった。
白い女の人が居た。ラベンダー色の目をしたきれいな女の人で、まつげまで真っ白だった。
「目が覚めたのね。良かった。」と、微笑み、わたしの頭を優しく撫でてくれた。
わたしは、嬉しくて笑い声が溢れた。
その女の人は、それから毎日、来てくれた。一緒にいる時間は短いけど、凄く嬉しかった。
女の人の娘になった。女の人は、わたしより年上の何人もの子どもが居た。
みんなは、女の人のことを『お母さん』と呼んだ。
わたしも『お母さん』と呼びたくて、でも、なんだか恥ずかしくて。
でも、今日は勇気を振り絞って「お母さん」と呼んだ。
すると、女の人は涙を流しながら笑っていて、「ありがとう。」と言ってくれた。
わたしは、お母さんが悲しいのか、嬉しいのか、分からなくて聞いてみた。
「お母さん、大丈夫?なにか、悲しいことあったの?」って。
「ううん、お母さんはね、とても嬉しいと泣いてしまうの。」って。
「そうなの?お母さん、大好き!」って、言って、お母さんを抱きしめたの。
「お母さんもあなたのこと、大好きよ。」と言って、抱きしめてくれた。
#病室
ドラマとかの人の臨終シーン
長く言葉を交わしながら静かにガックリと…
これ嘘でした〜
亡くなる時は
最期に一度
大きく息を吐いて
そして動かなくなるのです…
喋ってる暇なんかない
最期の一息で
魂を吐き出すんですね…
ふぅ~っと魂を吐き出すと
魂の重さだけ体重が減るとか…
本当かな?
魂の重さは
貧富の差も人種の差もなく
ほぼほぼ同じ…
だからさ~
憎み合ったり戦争とか
もう止めませんか?
人間
皮を脱げば
誰だか分からなくなるくらい
似たりよったりなんだからさ〜
嗚呼…
人間ってつまんねぇ~なぁ〜
生きてるうちに小さくてもいいから
爪痕残せたらいいね(≧∇≦)b
🌈黒猫のつぶやき🌈
最期の最期まで
慌てず静かに見送る…
それが究極の“思いやり”かもしれないね
( ꈍᴗꈍ)♡
あの冷たい白が苦手だった
青白い病室に全部のまれて無かったことになるんじゃないかと感じて
陽射しが降り注ぐ場所へ
とても とても
恋しかったし無性に帰りたかった
ずっと、病室にいる。
小さい頃からずっと。
ママとお姉ちゃんたちの顔を見るのが辛くなってくる。
お見舞いなんて来なくていいよ、私が悪いから。
そんな事言えずに今日も面会の時間を待つ。
ドアのノック音。
「どうぞ」
久しぶり。
そう言って君はベッドの横の椅子に腰掛ける。ゴミ箱に捨てられた私の抜け落ちた髪を一瞥して。
「今日学校は?」
君は少し頬を膨らませる。
「いつも行ってないみたいに言わないでよ。今日からテスト期間なの。」
それはごめん。
「そうなんだ」
それから少し君と話をした。
少しずつ強まってくる吐き気。
思わず唾を飲み込んだ。
「体きつい?」
取り繕うこともできなくて小さく頷いた。
「見ないで」
こんなところ君に見せたくないから。こんな見苦しくて汚いとこ。
「わかった。ナースコールだけ押すね」
そっとナースコールが押された。
君は出ていく。
安堵からかベッドを汚した。
ゴミ箱間に合わなかった。
看護師さんが入ってきた。
早く、楽になりたいな。
ねぇ、今でも葉っぱ仕掛けに来てるんでしょ?
何故そこまで追い詰めてくる?
暇だから?
楽しいから?
憎いから?
貶したいから?
あれ程、放っておいて。と言っているのに、
これ以上何求めてるの?
何を期待してるの?
私たち親子は紛れもない、ただの親子。
これ以上視界に、境界線に、この町に、踏み込んでこないでもらえるかな?
世界征服しようとしてる。なら、話は、別だけどね。
どうぞ、ご勝手に世界征服していれば良い。
そちらも立派な親子生活しているのだから、
楽な考え方して自分の好きな道を歩めば良いのに、
私たち親子を消しておいて。
もう一度、言うけど、、、
これ以上、何求めてるの?
あぁ、私はここにきて約半年、ずっとまだか、まだかと毎日のように心の中で唱えながらベッドに身を納めている。とても孤独な毎日だ。
みんなも孤独なのかな…。私と同じ部屋にいる誰かは何の病にかかっていて、どういう経路でここに来たのだろう。来たくてここに来ている人はいるのだろうかと毎日、毎日同じ事考えている。みんな色んな不安な気持ち、後悔など持ってこの病室という名の場所から出られる日を待って静かに身を納めているはずだ。
私は、いつかあの太陽のひかりのように輝く未来がやってくるのだろうか。そう考えながらまた静かに身を納めた。
【病室】
朝
いつものように看護師さんが、紙皿に乗ったご飯を持ってきてくれた。
「いただきます。」
声は相変わらず出なかったけれど、ちゃんと言おう。
ご飯を食べて、いつもの日課の窓の外を眺める。
鳥が空を自由に飛んでいて、私はいつ出れるのかなって思ってた。
また、看護師さんたちの噂話。
〝あの子、気味が悪いわ。〟〝そんな事言わないの。国から援助が来なくなるわ。〟〝そうだけど……〟
あの子、は、私のことね。
私は、奇病患者らしい。生まれつきこの身体だから、周りに言われるまでわからなかった。
……というのは嘘ね。目から真っ赤な花が咲いてるなんて…私だけよ。
でも、毒がなくて綺麗な花だった。なんだろうって調べたけどわからなかった。病院の図書室の本なんて、娯楽程度のものしかないから、わからない。
両親は、私をここに置いて新しい人生を始めたらしい。
〝あなたは今日から…いいえ、今から私の子どもではないので、関わらないでくださいね。〟
それが最後の言葉。
ガラッと音をたてて、扉が開いた。
検査の日でもなんでもないのに、そう思って扉を見つめると看護師さんが慌ただしくベッドを私の隣に用意して布団と枕と色んな準備をしていた。
その後ろに年上の男性が下を向いて立っていた。
〝入って。今日からここが貴方の部屋です。〟
そう言って男性を部屋に入れて、バタンと扉が閉まった。
『……君も奇病患者さん?』
そう言ってゆっくりと顔をあげると、私と同じような花が咲いていた。
私と違うのは、真っ白の花。ツタのようなものがあること。だった。
『ぁ、ごめんなさい。嫌だよね。黙るから。』
私は、慌ててメモに
「大丈夫です。声出ないだけです。」
と書いた。
男性は、ミナトというらしい。
ミナトは、突然変異でこうなってしまって、びっくりした事を私に伝えた。
『僕ね、高校2年の終わりに突然なって。家族全員、心配してくれた。けど…さっきの…最後に見た家族ね、疲れた顔して、安心したような…そんな顔してた。僕、本当はいらないんだなって思った。』
ミナトは悲しそうに下を向いた。
「私は、家族に捨てられた。最初は…産まれた時は、つぼみのような感じだった。5歳頃には、もう真っ赤な花が咲いていた。その頃には、声も出なくなった。養分とられてるのかなって思う。けど…もう、いいや。生きるの疲れた。」
その紙を見せたら、ミナトは、ボロボロと泣いてしまった。
『ごめんなさい…つらかったよね。さっき、看護師さんや先生が言っていたのは、君なんだね。』
「悪口?」
『そう…なのかな…。あのね、もうひとつ、聞こえたことがあって…僕、昔から耳がよくて……君、実験されるって本当?』
「初耳です。でも、あなたが助かるなら、実験されてもいい。誰かの役に立てるならそれでいい。」
『そんな…僕の方が年上だよ。君には、もっともっと生きてほしい。』
生きるなんて…興味無い。って言ったら怒るのかな。怒るんだろうな…それかさっきみたいに、泣くのかな。
『君は…君の花は、毒があるの?』
「無い。」
『じゃあ、僕の方が実験に向いてるよ。僕の花は毒があって、進行も早い。だから…』
勢いよくカーテンを閉めた。
そんなの…知らない。実験は、私。明日の朝の診察でわかる。
もう、夜の22時になっていた。
寝ないと。
『うぅぅぅ……はぁ…はぁ………』
ミナト?
私はゆっくりとカーテンをあける。
その光景は…なんて言ったら……ミナトの目の花が…ツタが…ウネウネと動いていた。
私は、慌ててナースコールというものをとって、マイクの部分に指をあてて、2-5-2とコツコツと叩いた。
もしものSOS。本を読んでいてよかった。
看護師さんもわかったみたいで、きてくれた。そして、叫び声をあげて逃げた。
当たり前よね。これは、びっくりする。
私は、慌ててミナトに近付くと
『来ないで………はぁ…はぁ…あと…看護師さん呼んでくれて、ありがとう……これは、もう少しで…終わるから……迷惑…ごめんなさい…』
そう言って気絶をした。
翌日、ミナトの声は出なかった。
『君とお揃いだね。』
と紙を見せた。
ミナトの身体は、ツタが多くなっていて、ツタからも花が咲きそうになっていた。
ミナトは……ダメなのかな。
『心配しないで。僕は、大丈夫。』
顔の前に紙を見せてきた。
その後、ミナトと私は仲良くなった。
外の世界を教えてくれた。虹は見たことあるけど、おーろら?なんて知らない。
海を教えてくれた。飲めない水なんて…そこで遊んでるなんて、変なの。
それから3年後、ミナトは動けなくなった。
花やツタは動き回っていて、ミナトの養分をとっているみたいだった。
ミナトは、もうひとつの目でこっちを見ては、申し訳なさそうな目をしてくる。
その1ヶ月後、ミナトは居なくなった。
ミナトの身体はあるのに、ミナトが居ない。
草花が生き生きと咲いていて、ミナトは、居なくなった。
その頃には、ツタも花も動かなくなった。
ミナトのお見送り会。
参加者は、私だけ。
ミナトの家族は、連絡取れなくなったらしい。
静かに箱に手を当てて
「すぐ、行くから。待ってて。」
そう、伝えた。
書く習慣/120日目。
「 病室 」…
真っ白な空間、
特殊なニオイ、
その静けさは、
安心と不安を提供する、
たった1人の、病室
そこに置かれた四角い箱は、
…◯の心拍を測り出す。
〈ピッ〉
︿╱﹀╲/╲︿_ღ__/╲_︹_/︺\_
〈ピッ〉
√﹀\_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿
〈ピッ〉
_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\
突然、看護師すがたの天使(幼い子)がやってきた
天使「お◯◯ちゃんが、げんきになるように
クッキーもらったよ」
ツンデレ「別に…お前のために……
作った…」
天使「はい、あ〜ん」🍪
あぁ…なんか、
胸がドキドキして苦しい…
そして、目の前が真っ白になった。
〈 ピーーーーー 〉
_____________________
🪦💤
2023/08/02 19:30
🏥典明 尊院。にて、
リタイア(再起不能)
死因…
クッキーが絶望的に不味かったが、
まぁ…嬉しいかったのでヨ死。
← < To Be continued \]
では、また明日…
元気で健康に生活するのが大事。
( 医療費💸 )
病室
「はやく、早く起きてよ。そうちゃん。
もう事故があってから1年経ったよ?
ずっと私待ってるんだよ?早く起きてよ。」
私は1年前から変わらないそうちゃんの姿を見ながらそうちゃんに話しかける。
1年前、そうちゃんは私を庇って車に轢かれた。
それからずっと目を覚さないままだ。
1年前からずっとこの病室に通い続けている。
私はいつもいつもここにきてそうちゃんに話しかける。
やっぱり覚さないか。
「じゃあ、また明日来るからね。そうちゃん。」
そう言って家に帰った。
次の日も次の日もいつになってもそうちゃんは目を覚さない。
私は今日もそうちゃんの手を握って話しかける。
「そうちゃん?今日はねー」
「愛菜?」
えっ?
そう、ちゃん?
私を呼ぶそうちゃんの声が聞こえてそうちゃんの方を向くけどそうちゃんは目を閉じたままだった。
何だったんだろう?気のせい?
不思議に思いながらそうちゃんの顔を見つめた。
『病室』 No.109
夜の病室でひとり
窓の外を見ていた
ぎんいろの優しい月光が
霧のように揺れるカーテンを通り抜け
ベッドへ降り注ぐ
月光の差すところへ
試しに手をあててみても
暖かくは、なかった