『特別な存在』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『特別な存在』
愛別離苦を繰り返し、その中で君に出逢ったの。
僕らは友人同士の紹介からがきっかけで、
はじめましては君の方から。
少し照れたようにはにかむ君はどうかよろしくと右手を出し口許を緩めた。僕にとってそれは親愛にもまさる情が芽生えた瞬間だった。
そこからふたりで頻繁に逢ったりして言葉をやりとりして
気がつけば一緒にいる時間も回数も、考えてる時間もみんな、君が1番になった。
君が好きだった。
でも好きだなんて言ったって君は困ってしまうから、言わないままでいいと思ったの。墓まで持っていってしまおうと。
でもごめんね、そんな決心は固くなかった。
弱冠18にして癌が見つかった。
しかも既に身体中に転移しており延命は不可能に近いと言う。不思議としぬことがこわくなかった。ただ君に、逢えなくなることだけが心残りだった。
こんな時でも僕は相変わらず君のことが好きで、あんまりにも君が心配そうに僕の顔を覗き込むからキスをしてしまいたくなる。優しく手を握ってくれた君の手を縋るように握り返してしまいそうになる。
そんな顔を見ていたら、なんだか伝えたくなって、逸る胸を抑えゆっくり体を起こしてもらうと少し真面目な顔をして向き直る。優しく微笑みながら。
「君がすきなんだ」
ああ言ってしまった、いってしまった。
でもなんだかスッキリしてしまったんだ。
君のことを考えなくてごめん、自分の気持ちを楽にすることを優先してごめんね。
それでも君のことを特別な存在だと思ってる。
あいしてる。
驚きに見開かれた瞳には、大粒の真珠。
アップした写真を確認しにいって、自然と唇が緩んだ。
――今日も素敵な写真ありがとうございます。マジックタイムっていうんですね。なんだか夕日なのに夕日じゃないみたいな、不思議な感覚になる色合いですね。
コメントの横には「とおる」というニックネームが書かれている。いつものようにお礼コメントを書いて、ページを閉じた。
とおるさんは、半年前に写真の投稿を始めた初期から応援してくれている人だった。もちろん他にも応援してくれている人はいるけれど、とおるさんは特別。
敢えて言うなら、さりげなく背中を押してくれるような存在だった。
つらいことがあると、過去にもらったとおるさんのコメントを何度も読み返した。写真に関しての感想のはずなのにどうしてだろう、自分自身をも励ましてもらっているように感じた。
変な押しつけがましさがなく、ただ素直に自分の感想を綴っているのがわかるからかもしれない。
実際、どんな人なんだろう。何度か想像したことがある。
文面からは性別も年齢も読み取れない。
それでも、個別に連絡を取ろうと思ったことも、実際に会いたいと思ったこともなかった。
ネット上で、感想をもらい、返す。それだけの関係だからこそ、素直なやり取りができているのだと思う。
でも、実際の自分を見られてがっかりされたくないという理由もあったりする。
なんてとおるさんが知ったら、もっとがっかりされそうだ。
うっかり余計なことを考えてしまった自分に苦笑しながら、次の写真のネタに思考を切り替えるのだった。
お題:特別な存在
あたしね、べつに、あなたの特別になりたいわけじゃあないのよ。他の女に甘い言葉を囁いて、熱い眼差しを送って、深く唇を重ねていても、あたしちっとも気にしないわ。その手があたしの肌に触れるとき、燃えるような情熱がなくたって、嫌に思ったことなんて一度もないの。だってあなたはそういうひと。あなたに焦がれる女を前にしても、眉ひとつ動かさない冷たいひと。
いいのよ、あたし、あなたから何も貰えなくても。あなたの心が遠くにあっても。その冷たい横顔を好きになってしまったのだもの。
「ねえ、あなた」
あたしあなたの特別になんてなりたくないわ。ただ約束してくれたらいいの。あなたが誰かを愛しているとしても、この部屋にいるときはその姿を見せないでいて。この部屋であたしを抱くときは、どうかひどいあなたのままでいて。
「あたしが特別愛したあなたのままで、いてくださいましね」
ずっと1人で良いと思ってた。
あの日から俺の日常は変わっていった。
「おはよう」
そう声をかけてくれたのは君だった。
最初はイタズラだと思ってた。
こんな俺に話しかけてくる人なんて居なかったから
「おはよう」
そう返すと君は嬉しそうに笑って
話しかけてくれるようになった
最初はただのクラスメートだった
いつからか君は俺にとって
特別な存在になっていた
俺も君にとって特別な存在にいつかなれると良いな
─────『特別な存在』
特別な存在
私には、特別に想う人がいる
その人とは、会ったことはない
でも、連絡は取り合うし、電話もする
言うなら、好き。
最近はずっと、何かあればその人の事を考えてしまう。
私だけに向けてくる独占欲も
甘えてくる言葉も声も
男らしさに溢れる姿も
意地悪な所も全部大好き
でも、私だけが特別に想っても
貴方は振り向いてもくれないの
特別な存在じゃなくても
君の中で
大勢の大切な人達に
なれたらいいな
お題
特別な存在
語りかけても
寄り添っても
同意を得られるものではない
自分が大事と
思えた理由が
頭に浮かんでいるだけで
特別な存在
特別な存在
なんと言っても、私の愛読書だ。若い頃はその数も少なく、特に問題はなかったが、歳をとるにしたがってその数も増え、本の管理が難しくなった。時に何処かへしまった本を探して見つからず、それが気になり、心ここにあらずでずいぶん危険なめにあったこともある。執着を離れることがいかに大切かもその時しった。本に関する出来事は読むことだけではない。
うららかな春の早朝である。
8階建てのワンルームマンション。大通りに面したベランダで、青年は下を見下ろしながら溜息をついた。
「……どうしたものかな」
眼下の通りを挟んで向こうには公園があって、そこを囲むように植えられた桜はじわじわと蕾を綻ばせ始めている。
――こんなはずじゃなかったのに。
はー、と深い溜息をついて、呼吸してからしまった、と思う。冬とは違うぬるい空気と、花の香りの混じる風をまともに吸い込んでしまった。このなんとも言えない匂いが、青年は好きで、それでいて苦手だった。
ひとを、殺したくなるからだ。
青年は殺人を犯している。それも、一件だけではない。
怨みが動機ではない。むしろ逆だ。彼は気に入った人間を殺めては、その体の一部を手元に置く癖があった。この癖のせいで同じ場所に長居はできない。
被害者たちと面識はない。こうやって高層階から獲物を物色し、「好ましい」と思ったターゲットの何人かを毎日観察して、……この人が、いつか自分の目の前に永久に現れなくなったら嫌だな、と思った人を襲う。青年は人好きのする容貌と清潔感の持ち主で、だから、困った顔で声をかければ大抵の被害者はほいほいついてきた。両親のことは大嫌いだったが、そういう造形をもたらしてくれたことについて、青年は感謝していた。
いつもは、1年経たずにこの「癖」を暴走させて、新しく増えた「同居人」といっしょに引っ越すことを繰り返していた。なのに、このマンションには気づけば2年暮らそうとしている。
近くに、彼女が住んでいるからだ。
彼女はおそらくこのあたりに住む少女で、毎朝この家の前を通る。この近くにある高校の制服を着ている。学年や年齢はわからない。名前も知らない。いつものことだ。青年は被害者の名前と年齢を、引っ越した後ニュースで知る。
もう随分前に青年は彼女を唯一のターゲットとして絞り込んだ。しかし――ターゲットが目の前に二度と現れない恐怖がなけなしの自制心をあっさり叩き壊して犯行に及ぶ、いつもの波が、延々とやってこなかった。
毎朝、タバコを吸うふりをしながら、普通の子よりも早く登校していく彼女を見送るのが日課と化している。背中に通学用リュックと竹刀を背負って足早に歩いて行く彼女を眺めて、青年はしばらく不味い煙を吸い込むのを忘れる。
殺すのが惜しい、と思ったのは初めてのことだった。毎朝毎朝、目の前を通過していく彼女が視界から消えてしまうことの方が嫌だった。動かない彼女の一部を手元に置いて一生愛で続けるのはきっと楽しい。楽しいが――それまでだ。二度と彼女の軽快な足音は聞けない。毎朝時報みたいに同じ時間に、同じ歩調で歩いていく彼女を視界の端に捉えて心を躍らせることは二度とできない。
そろそろ捕まるのかもしれない、と思う。
周りを警察と思しき人間が嗅ぎ回っている。引っ越した方がいいと頭ではわかっている。この場所で何もせずに済んでいるうちに行方をくらますべきだ。……でも、そうしたら彼女が歩く姿は二度と見られないわけで。
「……君が僕を止めてくれるのかな」
遠ざかっていく彼女の背中を眺めながら、青年はぽつり、と溢す。
特別な存在なんていないし誰にとっても特別な存在ではない。そんな私でもヴェルタースオリジナルを食べれば特別な存在になれるのです。
ヴェルタースオリジナルのCMはなぜかめちゃくちゃ心に残ってる。印象的なCMだねあれは。
あのCMを見てずっと気になってたけど子どものころから飴って好きじゃなかったから飴を買うという発想と選択肢はなかった。
でも酒をやめてダイエットを始めてからやたらと甘いものが欲しくなるようになった。それで経緯は覚えていないが飴を食べるようになった。
飴はダイレクトな甘味が楽しめて美味しい。そして安くて量があって長持ちするのに一個あたりのカロリーは15程度というなんともコスパに優れた商品だ。
なのでいろいろな商品を試そうと商品棚を物色しているとヴェルタースオリジナルを見つけた。確か二種類あったので両方買った。
どんな味か期待しながら飴を口に運んだ。外国の飴って感じであまり好みの味ではなかった。両方とも美味しいとは思わなかったので買ったのはそれっきりだ。
まぁ、なんだろうな。期待値が高すぎたというか、子どものころの記憶補正で美味しいものと思い込んでいた分がっかり感がはんぱなかった。
特別と聞くと今でもヴェルタースオリジナルを思い出す。だからそれにまつわる話を書いただけの今日。
私は特別な存在。
だって、私は世界に一人しかいないから。
だけどそれと同時に不必要でもある。
なぜなら、私がいなくても地球はまわるから。
けどそんな事実を知っても悲しくなるだけ。
そんな時間、無駄でしかない。
だけどついそんなことを考えてしまう私は、暇人なのだろう。
…特別ななにかになりたい。
特別な存在____
ストップ!私のお話を聞いてくれませんか、?
今回は本が死ぬほど嫌いだった私を
変えてくれた先生のお話をしたいと思います。
昼の自分を一生懸命演じて、
夜になると普通じゃない自分に戻る。
そうやって生きていた。
昼間普通でいるためには夜泣く時間が必要で、
それは段々と不眠症へ変わっていった。毎日毎日、昼普通にできているか不安で苦しい日々を送っていたとき、学校から図書カードが配られた。
私は、中学生になった今でも絵本しか読んだことがなく、本が大の大嫌いだった。だから、その図書カードも雑誌かな何かに使おうとしていた。
人生で2回目の本屋。紙の匂いに包まれながら雑誌コーナーへ向かう。だが、視界に青く恐ろしいものが映り込んだ。
「よるのばけもの」
それは、学生の男女が夜の学校で向き合っているただの少しきれいなイラスト。でも、何よりも目に止まったのが、月の光で机にできている影だった。
男子は、恐ろしい化け物に。女子は、にんまりと気持ちの悪い笑顔を浮かべていた。
私は、ゆっくりとその本を手に取りレジへ持っていった。なぜ買ったかはわからない。ただ、今の私にはこの本が必要な気がした。
初めて小説を読んだときの感動は今でも忘れられない。私は、部屋で涙を流しながら何度も何度も本を読み返した。感動するお話ではない。でも、涙は止まらなかった。苦しい日々が続いていた私はこの本にとても救われたのだ。
図書カードをくれた人は宮下先生といい、約350人以上の全校生徒に、1000円分の図書カードと何百万という本の寄付までしていた。
お礼を言おう。次の日、私は担任の先生に宮下先生へお礼を言いたいと伝えた。
「宮下先生は亡くなったんです」
そう、言われた。その後じっくりと宮下先生について教えてもらうことができた。
先生は、私が入学すると同時に入院したらしい。国語を担当する宮下先生は、本が大好きで、入院中もずっと本を読んでいたとか。そして、最期に考えた自分にできること。それが、すべての貯金を使い果たし、この中学校に本の寄付することだった。
数日経ってそれは、新聞やテレビで放送された。私は、大好きだったテレビを見つめ、宮下先生の授業をしていた写真や先輩たちのインタビュー、先生のお母さんの話を聞いた。
そして、一番最後には真っ白な画面に
小さな文字が表示された。
「1人でも多くの人が、
本を好きになってくれれば私は満足です」
これが先生の最期の言葉。
伝えたかった。
小説を好きになるきっかけをくれて、
本当にありがとうございましたと。
伝えたかったな。
ここまで読んでくださった方本当にありがとうございます。本の素晴らしさを教えてくれた宮下先生は私にとって特別な存在です。
小説を好きになってからたくさんの本を読んできましたが、私の中で今のところ、住野よるさんの「よるのばけもの」を超える作品はありません。
ぜひ読んでみてください。
特別な存在
それは『あなた』だよ
鏡の中の自分を見つめて呟いた
私が私を生きるのに『あなた』は必要不可欠
私は思考、感情を司る心
『あなた』は魂を持つ肉体
切っても切り離せない
特別な存在
特別な存在になりたかった、だけど
わたしはずっとそう思っていたから絶対にそうなれなかった
、ってわかっていたのに
やっぱり普通の女の子は嫌だよーとずっと思ってるの
普通より何か違う特別がほしい
でもそう願った瞬間特別じゃなくなったし
たぶんわたしは誰よりも普遍的なのに
(特別な存在)
好きな人ができたら
行けなかった学校に行けるようになって
性格が明るくなった
守らなければならない人が居るって自覚したら
時間を大切に感じるようになったし
我慢ができるようになった
特別な存在は
自分をいい方向に導いてくれる
誕生日には、プリンを作る。
たまごと砂糖、牛乳に少量の香料を混ぜて、お鍋でじっくり湯煎。
できたてホヤホヤの熱いプリンにカラメルソースをかけて、スプーンで薄く掬って食べる。
口の中でトロリととろける、甘くて少しほろ苦い味に「また一つ、年をとった」と口が綻んだ。
おやつにと買っておいたデニッシュにプリンをたっぷり乗っけて頬張る。
太るよと幻聴が聞こえたが気にしない、今日はめでたい日なのだから。
追いカラメルソース、嗚呼なんて良い響きだろうか。
溢れないように少しだけ上を向いて口に運ぶ。
毎年、誕生日には母がプリンを作ってくれた。
台所で母と二人ならんで、鍋の火を見ていた。
でも、今年は自分で作った。
母の手つきを声を匂いを思い出しながら、じっくりと丁寧に。
何で誕生日にプリンなのかは知らないし、母の作るような味にはならなかった。
「わあ、プリンつくったの?やったー!」
ソファに寝っ転がっていた母が、鍋の中のプリンを見るやいなや小躍りをし出す。
その母の喜ぶ様を見て悟った。
テーマ「特別な存在」
「あなたは神様が私のために遣わしてくれた子で、天使の生まれ変わりで、一番新しく作られた魂で、頭が良くて特殊な力があって、他の人が持ってないものを持ってるの。それに、あなたはお母さんのところに生まれたいと思ったから生まれて来たのよ。
だからお母さんの言うこと、なんでも聞いてくれるよね?」
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特別な存在
この手が押したのだ。
君の人生を変えたのだ。
ないものとしてしまったのだ。
本当はずっと離したくなかったのに。
ずっと持っていたかったのに。
幸せを優しさを形で証明する君の声を匂いを肌をずっと感じていたかったのに。
汚れた手を隠す訳でもなく、群衆に混じるのはとても背徳に感じた。
別れも出会いの一部なのだと思い込み歩いた。
だけど、どうしようもなく君に会いたいよ。
断ち切ったのは僕なのに。
真っ直ぐに窓ガラスの向こう、刷毛で塗ったような青空へと美しいグリーンとゴールドが混ざり合う瞳を向ける姿は美しかった。
艶やかな白く長い毛足をそっと指先で弄ぶと、ゆるりと振り返ってこちらを見返して、なあにと問うような眼差しを向けてくる。
どうしてこんなにも美しいのか。
神様が創り上げた最高傑作。
自然発生したなんて信じられない。
ガラス玉のようでありながら潤みのあるぱっちりとした大きな両眼も、小さな鼻と小さな口も愛らしい。
愛らしくないわけがない。
邪魔をしてごめんねと謝りながら手を離すと、すぐに興味が外へと向かう。
そういう素っ気ないところだって好きでたまらない。
外を飛ぶ鳥を追いかけてゆらりと揺れる長い尾にくふりと笑みながら、愛らしい子をもうしばらく見つめることにした。
#特別な存在
特別な存在に順位をつけることはできないししたくない
よくある例え話になるが
大事な二人が助けを求めている、どちらか一方しか助けることはできない
これに対して悩むなんてことはせずに
二人とも必ず助けると我が儘を貫けるようながむしゃらな人になりたい
こだわりが少なく人の好みに合わせがちだからこそ
ここぞという場面ではしっかり自分を出せるように心構えをしておきたい
特別な存在と自分の想いを守るために