『物憂げな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
物憂げな空
今日も"何もしない"をする
毎日見ているWebサイトを覗き
ほぼ定型化されたスマホゲームをこなす
ひと晩経って回復している漫画アプリも忘れない
テレビをつければ
お馴染みのタレントが知らない町を旅していたり
がやがや盛り立てる芸人が出るバラエティだったり
どこも同じような話題ばかりのワイドショーだったり
気の向く頃合いで散歩に出る
いつもと同じような道のりを歩いては
ショッピングモールで買う気もない商品を眺める
眩しい空にくしゅんとくしゃみをする
お天道様はとても晴れ晴れとしている
でも私にはどこか物憂げな空に感じる
どこか遠くへ旅行に出掛けたら
友人とわいわい遊んでみたら
宝くじで3億円当たったら
気分は晴れるのだろうか
でも残念かな
"何もしない"という予定でこの先の休みも埋めている
明日は仕事だ もう寝よう
なにかで蓋をされたように、無理やり持ち上げたやる気が逸れてしまう。
窓際の一席は、そんな溜め息の音ばかり溢れていた。
せっかくの休日も、このままでは勿体ない。
あの重たげな暗い雲が流れたら。
どんよりと滅入っている今の気持ちごと、パッと晴れやかな色に変わってくれるのかな?
【物憂げな空】
青木くんは少し変わった子だった。
青木という名前なのにとにかく赤いものしか持っておらずみんなからは赤木くんと呼ばれていた。でも僕は赤を見ていると目がチカチカするようで赤が苦手だったから青木くんと呼んでいた。
授業中の青木くんはそれはもう見応えがあった。青木くんは授業を聞くなんてことする暇があるならもっとマシなことするよ!と言っていたぐらい勉強が嫌いだ。なのにいつも中の中ぐらいの成績を取っているのだからすごい。
青木くんは授業中いつも工作をしている。今日は折り紙で鶴を折っていた。だれか病気なのかな。
次の日青木くんは初めて学校に青い服できた。いつも笑みを浮かべている青木くんの顔は暗い。予報では快晴だった空も暗く沈んでいるようだった。
青木くんはその日早退した。クラスのみんなはいつもあんなに元気な赤木が…とか今日は服青かったけど何かあったのかなとか青木くんの話で持ち切りだった。
昨日折っていた折り鶴、何か関係があるのだろうか。
今日の青木くんの顔が忘れられなかった。
物憂げな空
物憂げな空
私は昔から心配性だった。
石橋を叩いて叩いて、叩き壊してしまうほどに。何度も何度も繰り返し繰り返し確認して確認して、やっと半歩進むような性格だった。
今日の面接もしっかり準備して臨んだ。
志望動機、質問と返答、自分の長所、短所、就活用のメイク、表情、目線にすら気を遣って。なのに、失敗した。
——最近嬉しかった事などを教えてください。
アドリブへの対応力がなかった。というか、そもそも最近嬉しかった事がなかった。学生のままでいたかったし、働きたくなんてなかった。将来の夢なんて、小学生の頃でさえ思い浮かばなかったくらいだ。卒業文集には「六年間の思い出」という題で下手な文を書いた。
ため息を空に吐いた。すると、最近は空を見上げることもなかったな、とふと思い出した。空は分厚い雲に覆われていて、今にも雨が降り出しそうだった。
空を見上げるのは幸せな証拠だと思っていた。晴れやかな気持ちで笑顔を送るものだと。でもそれは私の、勘違いだった。
私が生まれるよりずっとずっと昔からこの空はあるのに、それでさえ曇ることがあるんだ。だから大丈夫。暗く重たい空に励まされているような気がして、なんだか笑ってしまった。
「帰ろう」
そう空に告げて、躓かないように足元を見て歩いた。
物憂げな空って、どんな空だろう。
私はベットに寝転がって天井をぼんやりと見つめながらそんなことを考えていた。
灰色の雲で覆われた空かな。もしかしたら、夕暮れ時の紫色に染まった空かもしれない。
でも、それは昨日までの話。
君が死んでしまってから、雲ひとつない気持ちのいい空も涙を流しているように見える。
なんで死んじゃったのかなあ。
今日は快晴。
でも、私の心には光なんて一筋も差していなかった。
2024.2/25 物憂げな空
名前が決まりました
どうも作者です
最近どうもマルハラという言葉が流行っているらしいので句点を使わずに話します
私の名前は「らの」ですGooglepixelは使っていません
ということで、今日から私は「らの」です
よろしくお願いします
急に名前を変えて皆さんに「誰だこいつ」ってなられると悲しいので明日変えます
やっぱり句点って便利ですね
ついつい入力したくなります
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
やっぱりいいですね。
マルハラなんて言う句点アンチに負けずにこれからもどんどん句点を使いたいと思います。
現場のらのからは以上です。
物憂げな空
教室の窓際の席から見上げた空は
なんとも物憂げで、
まるで私の気持ちを映し出したかのようだった。
遠くで雷がなっている。
あ、傘持ってないや。
カリカリと問題を解く音が響く生ぬるい教室で
配られたプリントに数式を書きながら余計なことを考える。
朝の血液型占い最下位だったし、、
教科書に目をやる。
数式は間違ってない。
次の問題に取り掛かる…と、
バリバリバリバリバリドドーン!!!!!!!!
窓ガラスが震えるほどの音で
雷が鳴った。
ビクッと身体が揺れる。
「きゃーーー!!」
「うぉーー!びっっくりしたーーー!!!」
「えー⁉近く落ちたんじゃね⁉」
一気に教室が湧く。
少し、心臓がドキドキしている。
びっくりした、、。
友達と目を合わせニヤッとする。
窓の外はいつの間にか真っ黒の雨雲に覆われていた。
私の心はなぜか
少し晴れていた。
物憂げな空
空を見上げると、灰色の雲が広がって…今にも溢れ落ちそうな、そんな感じが、何となく心と同調しているから…
ここ暫く、心が晴れなくて…勿論、その理由は判ってる…判っているのに、どうしようもなく、唯独りモヤモヤするだけで…憂鬱な雲で覆われて何もかもが…
物憂げな空は
あの人を思い出す
優しい伏せたまつ毛
物憂げな表情
細長い白い指
静やかな所作に隠した野心
情熱を隠した薄い唇
あの人は今
どこの空
不穏な場面や哀しい場面では物憂げな空がセットだ。
けれど現実ではどんなに悲しくったって空が一緒に泣いてくれるとは限らない。
どうしたの。
今日はなんだか
悲しそうね。
今にも泣き出しそうね。
小さい頃は
今より背が低くて
遠かったはずなんだけど、
育った町では
君が広くに見えて
今より、近くにあるように感じていたよ。
大人になって
背も伸びて
近くなったはずなんだけど、
立ち並ぶビルの隙間からは
君があまり見えないんだ。
どんなに高い建物の最上階に行こうとも
ますます遠ざかっていくみたい。
遠くなってしまったの。
手を伸ばしても届かなそうで
撫でてあげられそうにない。
ごめんね。
だからずっとそんな顔をしていないで
悲しい時は泣いて教えて
いつか、笑って
透き通るような青色を見せてほしい。
「物憂げな空」
物憂げな空の下 汚ねえ残雪
足元濡れてバカムカつく
道路に出たい車のための小走り
少しイラつく
見透かすような鴉 変な鳴き声
変な迷信思い出して舌打ちする
勝手にバッドなもんでごめんね
アガペーとセルフラブと
ため息で散らかってる心境
しんどくなって立ち止まってみても
雨が降るから急いで走り出すことになる
気づいたら家に着いてた それだけ
ずっとこんなんなんだろうね どうせ
空を見て、思い出す。
かつての、もう忘れる事の叶わない、貴男方に先立たれた日のよう。
貴男方には、恩が有った。
でも、恩を返すことは叶わなかった。
その前に、貴男方は……。
分かっていた、覚悟していた、はずなのに……。
政とは、こういうものだと。
……貴男方を、助けたかった。
なのに、私は何も知らなかった、何も為せなかった。
どうして、貴男方が……死なねばならない。
……どうして、いつも、私は……何も、出来ないのだろう。
……どうして、いつも、私ばかり……生き残ってしまうのだろう。
嗚呼、貴男方に何と詫びれば、良いのだろうか。
「物憂げな空」
扉を開けると
ぶぁっと熱気が襲ってくる
空を見上げると
満面の笑みでも浮かべているように
照りつける太陽があった
最近の夏は暑すぎる
ほんとに暑い
家から出ただけで、
首や背中に汗を感じる
それと同時に
エアコンというものの素晴らしさも感じる
学生時代は
部活が終わるとすぐに
友達と近所のコンビニでアイスを買って、
直射日光に照らされる屋根の下
溶けかけのアイスを
2人で笑いあって食べたなぁ
そんな懐かしい思い出にひたりながら
でもやっぱり、
この暑さは僕の顔を物憂げにする
バスを待つ彼女の横顔はいつも物憂げで、その横顔に僕は恋をしていた。
醸し出される大人の雰囲気。
そこはかとない色気と、妖艶さまでを感じるほど。
クラスの女子には感じたことのない女性そのものを、彼女は身にまとっていた。
恋は実らずに、僕は社会人となる。
仕事はキツく、ミスを繰り返しては怒鳴られ、プライドを削り取られてゆく。
そんなある日、初めて美容院デビューしたお店で、バス停で見かけなくなって久しい彼女に出会う。
彼女は美容師として働いていた。
でも、あの頃の面影はまるで無く、満面の笑顔で接客する彼女は、まるで別人のようだった。
偶然彼女は僕の担当となり、僕はドギマギしながらも、鏡越しの彼女に当時のことを話す。
「朝のバス停で、あなたをよく見かけてました」
「そうなんですか。もう何年も前ですよね。私が、前の会社に勤めてた頃のことですもんね」
「会社、やめられたんですか」
「ええ、あまりにも仕事がキツくて、毎日のように怒鳴られて。朝のバス停じゃ私、死んだ魚みたいな目をしてなかったですか?」
大人の色気と妖艶さを持った、死んだ魚だったのか、あの当時の彼女は。
憂いにあふれる朝を繰り返す彼女にとって、物憂げな雰囲気が横顔に滲み出ることは必然だったようだ。
今、こうして僕の髪を切る彼女は楽しそうで、接客中であることを差し引いても、前の会社をやめたことは彼女にとって正しい選択だったのだろう。
アンニュイな横顔に惹かれていた僕にとっては複雑極まりない展開だったが、当時の思い出を楽しそうに話す彼女の笑顔も、色気と妖艶さは無くとも、恋が芽生えそうなほどの魅力を含んでいた。
店を出ると、物憂げな空が広がっていた。
あの頃の彼女に似合う天気だった。
僕はといえば、明日の仕事に対する不安な気持ちと、また次回の美容院で彼女に会える期待が入り混じって、気楽に考えていいのかな、いざとなったら別の道だってあるんだ、と自分に言い聞かせながら、家路を歩いた。
あのバス停の前を通り過ぎる。
物憂げな空の雲の隙間から、ゆっくりと太陽の陽射しが差し込むのが見えた。
いつもは空なんて見上げないから
だから勝手に、
見上げたら大体青いだろうと、
太陽なんかが見えるだろうと、
こっちの心なんて関係ないだろうと、
そう思っていた。
「今から雨が降りますよ」
とでも言いたげに
物憂げな空がこちらを見ている
物憂げな空。
毎日、只々たらたらと平凡に繰り返し、見つめ直すことすら億劫になっている日々。そんな日に見上げた空は、何故か輝いて見えた。
僕が遊びに誘った映画の日には、全く魅せなかったあの笑顔が気になる。あなたと決めた映画は、どうにもつまらなかった様で、当たり障りない感想のパレードが行われた。
私が手伝ったプレゼンの資料では、上手くいかなかったけれど、君の見せた微笑みと、悔しそうな瞳がどうにも辛い時間で、私も目を逸らしてしまう。
どうにも上手くいかない日ってのは、いつも付いて回る。自分の影のように後ろを伝っては、消えない意思だけがハッキリとしている。
今日も、昨日も、一昨日も、明日も、明後日も、今この時間だって、少し下を向けば涙を落とせる。そんな毎日。
だけど、少し頑張って、見上げた空の美しさは、背筋と肺に穴を空ける程、澄んで見える。
今日の空は綺麗だった。
明日の空も、見上げてみたい。
「お母さんが子供だった頃、空はとっても青かったのよ。」
病院の一室。ガラス窓の外には物憂げな灰色の空が広がる。母親はベッドに横たわり、見舞いに来た兄弟と話をしていた。小学生の兄・タカシと幼稚園の弟・サトシは信じられないといった面持ちで、ガラス越しに空を見上げた。
「あなた達は青空を見たことがないのね。」
母親は力無く笑った。
タカシが生まれた年、富士山が破滅的な噴火をした。噴出した灰色の火山灰は上空一万メートルまで舞い上がり、十年経った今も空を覆い尽くしている。
「もう一度、青空が見たい…」
か細い声で呟くと、母親は眠りに落ちた。
「お母さんに見せてあげようよ。青空。そしたら元気になるよ。」
家に戻った兄弟。無邪気に騒ぐサトシを横目にタカシは考え込んだ。
どうやって?空に絵具なんて塗れない。折紙なんて貼れない。どうしたらいい?
考えあぐねるタカシ。その目に母親に買って貰った昆虫図鑑が飛び込んで来た。タカシは図鑑を手に取ってパラパラとめくると、あるページで手を止めた。
これならうまくいくかも。
数日後、兄弟は母親を車椅子に乗せ、病院の中庭に連れ出した。中庭には沢山の子供達が集まっていた。子供達は手に手に箱を抱えていた。
「開けて!」
タカシの号令で子供達は一斉に箱を開けた。箱から青い蝶が飛び立った。蝶は次から次へと飛び立ち、中庭は蝶で埋め尽くされた。
「…あぁ…」
母親は目を見開き、無数の蝶の舞を見つめた。
やがて蝶は群れとなり、中庭の上空に舞い上がって青い光となった。それは雲の合間から覗く青空のように見えた。
「オレとサトシで捕まえたんだ。学校のみんなも手伝ってくれて。」
蝶の群れは西の空へと消えていった。
空を見上げる母親の目から涙がこぼれ落ちた。
「…ありがとう…」
声にならない声で母親は言った。
「…きれい…とっても…こんな…こんなきれいな青空…見たことない…」
翌日、母親は兄弟に見守られながら息を引き取った。
「お兄ちゃん、あれ…」
サトシは顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら病室のガラス窓を指差した。その先には、一匹の青い蝶が止まっていた。兄弟は涙に濡れた目でガラス越しに蝶を見つめた。
おもむろにタカシが蝶に近づいた。
「あっ…」
蝶はふわりと飛び立ち、物憂げな灰色の空に舞い上がった。
物憂げな空抱きしめて心解く
同じ鈍色溶け合う昼間
〈物憂げな空〉
窓を開けると、冷たい空気が喉を刺す。眠気が吹っ飛び、全身に血が駆け巡るのを感じる。ベッドに戻りたい煩悩なんて忘れて、一気に目が覚める。そして、身を切るような寒さに体を震わせる。
毎日、毎日、これを繰り返している。朝日を浴びると体にいいだとか、新鮮な空気を部屋に取り込むべきだとか。自分磨きにハマった時にネットの情報を鵜呑みにして、何となく始めてみた。それが今も続いている。
本当にこんなことに意味があるのだろうか。文明が生み出した温かい空間を捨てて、毎朝こんな寒空に一人佇んでる。風邪をひいてしまったら元も子もないじゃないか。頭の中で、意地悪な声が語りかけてくる。確かにその通りだ。でも……
「こうしてると、まだ君と繋がってる気がするから……」
君がいなくなってからもう2ヶ月と少し。僕は毎日空を見てる。ベランダに出ると、目が勝手に君を探してしまう。太陽よりも明るい笑顔で「おはよう」って言う君の顔を。
「いい加減成長しろよ」
呆れたように自分にそう言って聞かせる。多分、まだ変われないだろうなって、わかってるけど。
軽い溜め息を吐いて、ノロノロと部屋に戻る。太陽のいないベランダは、今日もどんよりとした曇り空だ。
『物憂げな空』
きっと、貴方の瞳もそうだった。
あの人の大きな手も、大好きだったその人の音も。
皆、みんな優しかった。
いつか戻ってくるのだと思っていた。
微笑みをうっすら浮かべて、前の様に。
優しく、包み込んでくれるのだと、思っていた。
錯覚していた。
ところが、ところが。
何時まで立っても、あの優しさが戻って来る事はありませんでした。
まぁ、分ってはいたんですよ、でも、でもね。
ほんの少し、一握りの可能性。
信じていなかった訳がなかった。
――嗚呼、空よ。
ワタシ達を見つめ、流れる者よ。
そんな憂いを帯びた様な顔をしないで下さい。
ワタシは貴方と同じ、周りに誰もおらず、愛されざる者
なのです。
貴方の気持ちが痛い程に良く分かります。
貴方の側に居ますから。
貴方は、この貴方と同じ、憂いを顔に浮かべた、愚かな
人間と一緒に居て下さい。
ほんの少し。一時の間で良いのです。
ワタシの側に、居て下さい。