『物憂げな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
物憂げな空
憂いを帯びた空模様
明るくも暗くもなく
しかしどこか侘しさを感じる
鳥たちもどこか悲しげで
落ち着きを見せない
どこかどんよりとさえ感じる
この世の儚さを憂いてるのかな?
それとも人の浅ましさに憤りを感じているのかな?
こんな空の下は何だか自分もどこか落ち着かない
人に囲まれていてもどこか何か足りなくて
どうか、この空が開けること願うばかりでである
雨が降る前の空、雪が降るときの空
これから天気が悪くなるような
色んな暗い色が混ざった
黒じゃない暗い物憂げな空も好き
雲の形がないほど淀んでても
雲がもわんもわん重なってできる色の空も
色んな形の空が好き
さっきまで、晴れて暖かいと思ってたのに、
だんだん暗くなってきて、
雨がポツリと、僕の頬に滴り落ちた。
ちょっと油断してたな。
灰色の、気分まで暗くなりそうな、
物憂げな空から、
あっという間に大粒のあめが、
今日は、この夕立がおさまるまで、
ここで、休もう。
『物憂げな空』
気分が沈むそんな日は空の色だけでなく空気も重く感じる。
雨が降りそうな空を見上げ雨粒が落ちるのをじっと待つ。
朝か昼か夜かわからないグレーの空の下を傘を持たずに歩く時、びしょ濡れになってもいいとさえ思ってしまう。
ポツリポツリ…
降りだしたことにも気づかず、川に架かる橋を渡る。
ふと川に目をやる。
水面に落ちた雨粒。
ポツリポツリ…
急いで帰ることもなく橋の上で立ち止まる。
川に写ったグレーの空、川に落ちた雨粒、
川の流れと一緒に沈む気分は流れてはくれない。
ポツポツポツ…
ザァー
物憂げな空
泣いている 雲が うねり
空が 昨日まで 隠していた 真実を
ふりつける 雨の音に 重ねているようだ
笑って この世界で 見つけたものは
まだ 丘を駆け上がる 空気みたいに 駆け抜けていく
それでも あなたを 想って 患って
物憂げな空から 降ってくる 思いはいつだって
湿った 体を 包む サラサラ 乾いた風が
いつかは 黒髪を 風へと 靡かせる
きらら きらりと光って
太陽に 透かした ステンドグラスのように 溶けて
昨日までの 体温を 変えていく
ぬくもりが かすかに 透き通って
やがて 僕の 心の 中には
コップに 溶け込んだ 光の 粒となって
洗い流す 涙が 音をなくして
軋んだ ときに 点滅する 儚さは
君を 大きくする
笑って 笑って 物憂げな空から
太陽が 差し込んだ この部屋は 美しい
物憂げな空
灰色の雲が広がり、青い空を隠す。
私の心を映しているよう。
空が淀み、頭上を覆う。
まるで僕の心境を映しているかのようだった
そんな空を君と一緒に見ている
君と一緒にいるだけで
この空がとても美しく見えるんだ
お題『物憂げな空』
空にも気分があって泣いたり笑ったり不機嫌だったり。
雨、晴れ、曇り。
色んな表情を見せてくれる。
でも最近はめっぽう物憂げな空だ。
いつも優しく照らしてくれるお日様を隠している。
そんな時は家でゴロゴロ過ごそう。
雨を弾く屋根の音。
水溜まりに沈んでいく雨粒の音。
そして雨の匂い。
ギリシャ語でペトリコールって言うんだって。
意味は「石のエッセンス」
なかなか洒落てるじゃん?
生き物と同じで空にも気分がある。
それは私たちには変えられない。
いつも眩しく私たちを照らしてくれてるからたまには雨でもいいじゃない。
作物も育ててくれる雨だしさ。
とことん付き合ってあげようじゃない。
私はそんな雨が好き。
物憂げな空が好き。
もちろんお日様も大好きよ。
【物憂げな空】
今日はドラムのを腕前披露があった。自分なり練習したが全然ダメだった。やってきたことの30%も出せず落ち込む。へたくそ加減に呆れて、無意識に頭を垂らす。会場の片付けを終えた時に、先生から声かけてもらう。夕方から雨が降ってきますので送って行きますよ。ふと空を見上げると物憂げな空が広がっていた。どんよりとして厚い雲で今にも振りそうだ。
ありがとうございます。けど私は歩いて帰りますよ。
どんよりとした曇り空。今日はあまりいい日じゃなさそうだなぁ、と傘を振り回しながら思う。
「降るのかなー……降らないと良いけどなぁ」
雨が降ると髪の毛がくるくると暴れまくるから、雨の日はあまり好きじゃない。このまま曇り空でいてくれたらいいんだけど。
「痛っ」
ぼんやりしていたら、傘が誰かに当たった。
慌てて傘を握り直して、後ろを振り向く。
「先輩!?」
「よ。なんか楽しそうに傘振り回してたから、声掛けようと思ったんだけど……」
「な、なんですぐ声掛けてくれなかったんですか! 当たったところ大丈夫ですか?」
「へーき」
先輩は私に被さりながらニヤリと笑う。
この先輩、割とこうしてベタベタしてくることが多い。私の名前をようやく覚えた頃から、増えた気がする。
「で、先輩は何の用なんですか?」
「んー? 別になんもないよ。あえて言うなら、傘にいれてもらいたかった?」
「雨降ってませんけど」
「降ったらの話」
だから、それまで話そ。まるで雨が降ることが分かっているかのように、先輩は私の隣に並んだ。
空を見上げる。さっきより雲が厚くなった。なんとなく、もうすぐ降りそうな気がする。
雨は嫌いだけど、先輩と一緒に傘に入るのは好き、かもしれない。
「仕方ないですね」
降り出しそうな空の下、私たちは他愛のない会話をしながら歩く。今日はちょっぴり、いい日になりそうだ。
どんよりと
重たい雲に覆われて
空が大号泣
きっとこの世の中で
あまりにも
理解しがたい事ばかり
次から次に起きていて
そんな地上を見下ろす空の
心、鬱々…
空だって泣きたくもなるよね
もう少しもう少しだけ
幸せが溢れる世の中に
なればいいと
物憂げな空は思う
もの憂げな空、ですと?
…さあ、行きますよ。
そんな「シケたツラの空」なんて見たことない。
見える空に気分を投影する表現はたくさんあるし、それ自体は見る人それぞれの感覚の自由だと考える。空を言い表すときにどれほど「修飾」を付けようと、楽しく感じられるならそれが良いと思う。グリーンゲイブルズのアンなら、あらゆるものごとを荘厳に修飾するだろう。
じゃあ自分はそうするかと言うと、しない…。
自分の目でどう見えるか、それによって自分の気持ちはどう、とは表現するけれど、同意は求めない。個人的なものだからだ。
空自体が「もの憂げ」に見えたことが無いんだが、晴れた空をそのまま「晴れやか」だと感じることはたくさんある。子供の頃は晴れた空を見て何故か寂しい気持ちになったりした。自分の気持ちが悲し寂しの夕方に夕陽がほんのり温かくて(赤外線)、更に哀しくなったこともある。ぜんぶ自分自身の心だ。自分の胸の内が、それらの在処だった。
空は空だ。たまに「励ましが降ってくる」けれど、中途半端に「もの憂げ」なところを見たことはない。
物憂げな空
生憎ながらその日は、朝からどんよりとした灰色の雲が空を厚く覆っていた。
本格的に雨が降り出す前にと牧場牛の乳を搾っていた娘は、ふと何かに気がついたように被り布に手を当てて、彼女の持つ奔放な巻き毛そっくりの仕草でぴょこんと顔を上げた。
何かを探すように細めた両目が、空から降り注ぐきらきらした橙の色彩を見つけてみるみる大きくなる。キャストペリンは虹よりもダイヤよりも尊いこの瞳の輝きを何よりも美しく思い、愛していた。娘は大きく両手を空に上げ、振り回す。
「おーい!春告さーん!」
つられて牛たちも空を見上げる。飼い主そっくりの動きに、キャストペリンも思わず笑った。
「今年もよろしくね、キャシー!」
曇天すら振り払う眩い笑顔のシーカシーナ、唯一無二の人間の友人に、キャストペリンも空から飛び降りながら、飛びっきりの笑顔を返す。
「会いたかったよ、ぼくのそばかすさん!」
物憂げな空、私は意外と好き。快晴な空を見ていると希死観念が襲ってくるのだ。
完璧なものを見ると、自分が惨めに見えるそういう原理なのだろうか。よく昔空が青いのは海が青いからだという人がいた。私が知る海はあんなに綺麗な青ではない、そう思った。今の自分は本当に心が荒み、物憂げな空が味方してくれているように思える。
またいつか快晴の空がこちらに微笑んでいるように見えるように私も変わらなくてはいけないのかもしれない。
海の底で
僕は、海の中に漂う精霊の一人だった。クリオネのような小さな姿をしていて、いつ消えてもおかしくない深海を生きていく小さな命の一つ。何も思うことなく水底で、ゆらゆらと海月のように、眼前を泳いでいく魚たちを見つめていた。
「君は知っているかな。この暗い海の上、水面の向こうには暖かな橙と暗い青を混ぜ合わせたような物憂を帯びた美しい空があることを」
「……知らない」
ある時、とても綺麗な人がそんなことを言ってきた。長い水色の髪にシンプルな白いドレス。澄んだ青い瞳を持った彼女は、後に海の魔女と呼ばれる彼女は当時、セイレーンという海の魔物だった。
「君、セイレーンでしょ。どうしてここにいるの。僕のような精霊を気にかけてどうしたいの」
「うーん……そうだなぁ。寂しそうに見えたから、それでは理由にならない?」
僕を手のひらに乗せて、指先で頭を撫でてくる。その青い瞳はとても優しそうに、愛おしいものを見るように細められていた。
「……寂しそうだったとしても、僕はそう長くは生きていられない。君とお別れをしたら、多分直にこの暗い海と一つになる」
僕の言葉に彼女は優しく笑った。
「なら、私と契約を交わしてよ。君に人魚の姿をあげる。代わりに君はずっと私の側にいるんだ」
「どうして……」
「私が寂しいんだよ。君みたいな子が側にいてくれたら、この先の命も楽しめると思う」
「……」
僕は少し考えた後、ふよふよと泳いで彼女の眼前に立つ。
「なら、君がさっき言った空を見せて」
「空?」
「セイレーンなら水面まで泳げるでしょ?僕たち精霊は移動するだけでエネルギーを使うんだ。その分、寿命も短くなる。だから、生まれたら生まれた場所から動くことはまず無いよ」
「その空を見せたら、側にいてくれるの?」
「……約束は守る」
僕の言葉に彼女はふわりと笑った。あどけなさの残る可愛らしい笑顔だった。彼女は両手で僕のことを包み込む。
「こっちだよ」
彼女の足が美しい青色の尾鰭へと変化し、水面へ向かって上へ上へと泳いでいく。しばらくして、ざばりと水が消えた。僕の頭上には、深海とはまた違った暗い青が広がっている。そして、その中にぽかりと丸い何かが浮かんでいる。
「君の上にあるのは夜の空。深海とはまた違った暗いものだよね。そして、そこにぽかりと浮かぶのは月と呼ばれるものだよ」
「これが……空」
その時の衝撃は今でも覚えている。とても綺麗なものだった。どんな言葉にも形容しがたい、見ていると物悲しくなり、幻想的で美しい空が。
「……綺麗」
「そうでしょ?それからね」
彼女は呪文を唱え、僕の頭に再度口付けを落とした。すると、僕の身体に変化が起こる。視線を落とせば彼女と同じ青い尾鰭を持ち、彼女よりもしっかりした手と腕があって、胴体がある。手で顔と思しき場所を触れば、感触があった。
僕の姿を見た彼女は恍惚とした表情で呟く。
「君はその姿でも綺麗だね。人魚の姿を与えて正解だったよ」
「僕が……人魚に?」
信じられなかったけれど、僕の姿は彼女と似ていた。ほんの少しだけ違うのは体格と髪と瞳の色。
「今はセイレーンだけれど、私は近いうちにこの海で最も力を持つ魔女として名を馳せる。その時にずっと君が側にいてくれたら、嬉しいんだけど」
はにかんだ様子の彼女を僕は気がついたら抱きしめていた。この手で彼女を抱きしめることが出来る。彼女はとてもあたたかった。心臓の音が聞こえた。
彼女の為に、尽くしたいとそう思った。
「側にいるよ。そういう約束だから。だから、魔女様も僕の側にずっといてよね」
それが、海の小さな命の一つだった僕と魔女様のはじまりだったんだ。
今にも雨が降りそうな重苦しい空を見上げる。少し、悲しいことがあったせいか物憂げな空にも見える。
恋人と別れてからも、私たちは友達として新しい関係を再構築していた。それでも、時折蘇る恋心に苦しくなったりもした。かっこいいなとか、この表情好きだなとか、楽しそうでよかったとか。
それでも、付き合っていた頃とは違う距離感で接せなければならないことがつらかった。
今日、珍しく彼はおしゃれな髪型をしていた。セットをしたのではない。いつも通っていた千円カットではしてもらえないような、今時の男性といった感じで後ろを刈り上げて、前髪をセンター分けにしていた。どうしたのかと聞くと、今は美容院に通っているのだという。別れてからの変化が私はこわかった。
新しく好きな人ができたのではないかと、気が気じゃなかった。自分から別れを告げておきながらも、彼に新しい恋人ができるのはどうしようもなく嫌だったのだ。
だから、冗談めかして「恋人とか好きな人でもできたの?」と聞いてしまう。私の影響で変わることなんて、一切なかった彼が、誰かの影響で、誰かのために変わろうとしていることを知りたくなかった。
違うよと否定されても、安心できない。どんな心境の変化で変わろうとしているのかを知りたくてたまらない。でも、そこまで踏み込める距離感じゃないこともわかっている。もどかしくなりながら、会うたびにおしゃれになっていく彼を見つめていくのが苦しかった。
別れ際、いつものようにハグをしてバイバイしようとすると、断られた。
「そろそろ、俺から離れないとな。じゃあ、バイバイ」
そのバイバイに、次がないような気がした。なにそれと笑いながら、私もバイバイと言った。姿が見えなくなった瞬間に溢れた涙を止められなかった。こんなにも好きなのに、ただ苦しいだけ。
それでも、付き合っていた日々に戻りたいと思えないのは、もう人を愛する勇気を失ったからだろうか。
どの国にも空はある。陸続きの国に海はない。あるところでは海面の上昇で陸を失い、またあるところでは陸を人の手でつくる。
空は不思議なことに、青くとも赤くとも美しい。それに対して海が赤いのは異常を感じるし、陸が赤いのは赤土がむき出しになっているようで悲しいし、美しいとは程遠い。空だけは赤くなろうとも自然がつくり出す絶景である。
しかし、その空に戦闘機が旋回する様子を想像したとき、空の色を考えるだろうか?黒い鋭利な影と恐ろしい爆音だけが思い浮かぶ。ありのままの空はきれいなのに、人の醜い心が非情な背景をつくり出す。この一瞬も非道な現実の背景と化していることを忘れてはならないし、私たちは過去の戦争も忘れてはならない。
テーマ「物憂げな空」
いつからか、嫌いな雲がある。
出来損ないの積乱雲みたいな、中途半端に大きな雲が出てきて、空が汚くなると、胸がギュッと締めつけられる。その雲を過去に見たときに、ちょうど不快なことがあったんだろうか。具体的には思い出せない。子どもの頃は、空をただ眺めるのが好きだったのに、それが今の私にはできない。
私は今、小さな遊園地の、うさぎの着ぐるみの中にいる。
成りゆきで始めた着ぐるみバイトだったが、私にとってはありがたいことがあった。着ぐるみの中からは、空が見えない。お客さんのことは見えるし、ステージの様子は分かる。割と遠くも見えるけど、上の方の視界が狭くて、どんなに嫌な空も見なくて済むのだ。学校とかオフィスみたいな建物の中で過ごすのも向いてない、でも外で空も見たくない、そんな私にはぴったりの仕事。
人の悪口が苦手だ。
遊園地の経営者の間瀬さんは、バイト仲間のユウキくんのことが嫌いらしい。何かトラブルがあるとすぐ彼のせいにする。ユウキくんは前に働いてた愛子ちゃんのことが嫌いだったらしい。愛子ちゃんに小馬鹿にされたことがあったと彼は言っているが、よくわからない。私は特定の人のことが嫌いとかはあんまり無いけれど、私が雲を嫌うように、みんなそれぞれ嫌うものがあるんだろう。
人の嫌悪に触れると、また逃げたくなる。着ぐるみの中に逃げても、私の周りには嫌な人間関係があった。
最近、私が高校生の頃にはあんまりいなかった、「逃げてもいいんだよ」と言う人が増えた。そういう世の中になってきたんだろう。でも、私はまた逃げていいんだろうか。逃げれば逃げるほど、視界が狭くなっていく。使える五感が減っていく。
着ぐるみを外して、少しだけ空を見ようと思い立ったときには、もう日は落ちていた。
梅雨が明けたというのに、今日も空は相も変わらず分厚い雲を纏って物憂げな表情を見せている。
ああ、もう! 梅雨はとっくに終わったの! アンタがそんなだと、いつまで経ってもアタシが地上を照らすことができないじゃない!
太陽が苛立たしげに胸の内で毒づいた。
けれど、苛立つ原因は他にもある。
こともあろうか空は人間の娘に恋をしてしまったのだ。
その日を境に、空はその娘のために天候を好き勝手に操り始めた。
たとえ予報が晴れだとしても娘が雨を望むなら雨を降らせ、一日雨の見込みという予報でも、娘が晴れないと困るというならば雲一つない快晴にする、という具合だ。
たった一人の娘のために、太陽も雲もさんざん振り回されることになり、太陽はそれがたまらなく悔しかった。
けれども、当然と言えば当然だが空の恋は成就することはなかった。
娘に恋人ができたのだ。
失恋してしまった空はショックで塞ぎ込み、ずっと気が滅入るような空模様を作り上げていじけている、というわけである。
密かに空を愛している太陽は、彼が恋する娘に嫉妬している。
その娘のどこが好きなのか──その理由を訪ねてみたことがある。
笑顔がとても素敵なんだ。見ていると温かい気持ちになる……まるで陽の光のような温もりのある笑顔に、僕は惹かれているんだよ。
空が幸せそうに答えたのが憎らしかった。
何よ、陽の光のような……って。
本物の太陽であるアタシが、こんなにもアンタを愛しているっていうのに気づきもしないだなんて……!
太陽の中で悔しさと哀しみが逆巻いている。
そして、相も変わらず分厚い雲を纏って物憂げな表情を見せている空を睨みつけた。
テーマ【物憂げな空】
なんで今日学校あんの?
午前中の授業が終わり家に帰る途中、
「うっわ…雨降ってるし」
ちょうど電車を降りて駅から出てきたら雨が降っていた。
ますます気分が落ち込んだ。
そのとき、スマホから何か通知が来た。
「学校お疲れ!もう終わった?今みんなでカラオケきてるんだけど、
あんたもこない?」
そんなメールと一緒に中学からの友達三人が写った写真が送られてくる。
…行けないことはない。むしろ遊びたい。
けどそれ以上に家で寝たい。
「ごめん!今日はちょっと無理そ!またいつか遊ぼ!」
ちょっとの罪悪感は感じるが断っておいた。
さて、帰ったらなにをしようか。とりあえずお昼を食べてちょっと寝よう。
それからゲームもしたいな。
灰色の雲の下、折りたたみ傘を広げて帰る。
これから何をするか考えると少しは気持ちも晴れそうだ。