青木くんは少し変わった子だった。
青木という名前なのにとにかく赤いものしか持っておらずみんなからは赤木くんと呼ばれていた。でも僕は赤を見ていると目がチカチカするようで赤が苦手だったから青木くんと呼んでいた。
授業中の青木くんはそれはもう見応えがあった。青木くんは授業を聞くなんてことする暇があるならもっとマシなことするよ!と言っていたぐらい勉強が嫌いだ。なのにいつも中の中ぐらいの成績を取っているのだからすごい。
青木くんは授業中いつも工作をしている。今日は折り紙で鶴を折っていた。だれか病気なのかな。
次の日青木くんは初めて学校に青い服できた。いつも笑みを浮かべている青木くんの顔は暗い。予報では快晴だった空も暗く沈んでいるようだった。
青木くんはその日早退した。クラスのみんなはいつもあんなに元気な赤木が…とか今日は服青かったけど何かあったのかなとか青木くんの話で持ち切りだった。
昨日折っていた折り鶴、何か関係があるのだろうか。
今日の青木くんの顔が忘れられなかった。
物憂げな空
2/25/2024, 2:37:31 PM