『沈む夕日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
/沈む夕日
俺の、髪色は少し変わっている。
そのせいかよく、夕日のようだと例えられる。
沈んでいく西日と鏡で見る髪色は確かに似ているし、あれが似合うと言われる事に悪い気はしない。
だが、実際は俺よりもアイツのほうが、夕日は良く似合う。
もっと言えば、夕日が沈んで夜の間合いと溶け込む、絶妙な時間。
ビルの屋上のその縁に腰掛け、飛び降りるでもなく街を眺める目は真っ黒だ。
夕日のオレンジと夜の藍色が混ざり、紫のようなピンクのような不思議な色を空が描く。
その色があの黒に映り込むとまるで、この世のものではないかのような儚さを生む。
明日にでも存在そのものがなかったかのように消えていても、不思議には思わない。寧ろそれが本来の姿だとでも言うかのような、そんな雰囲気。
——そんなわけねぇだろ。
そう、自分に言い聞かせるために俺はアイツへ手を伸ばす。
「こんなとこで何やってんだ。さっさと帰るぞ」
シロツメクサの冠は、私の顔より円形に近い。
冠の窓の先で白いワンピースが蝶々のように舞った。
オレンジ色の向日葵と、黄昏色の麦わら帽子。
冠が映すともだちの色は、いつもより鮮やかだ。
振り向いた友達の顔は、逆光で見えない。
熟す前のサネカズラの実のように
白いワンピースは夕焼けに染まる。
さよならの色が、青じゃなくて良かった。
モンシロチョウが夕陽に向かって飛んでいく姿を
ともだちと二人で見送った。
明日はきっと晴れるから、向日葵も強く咲いていける。
ふたりで作ったシロツメクサの冠を、沈む陽にかざした。
「私とあなたじゃ住む世界が違う 第七十八話」
スノーが退院してから数週間後、志那は、マンションの自室でスマホを見ていました。ふと、窓の外を見ると、空白が空を浮いていました。空白は、窓をノックするなり、
「志那、開けて欲しい」
と、空白は、志那に窓を開けるように言いました。
「空白、どうしたのよ?窓からだなんて…」
「志那のバグを直しに来た」
「バグ?」
「志那が元男性だと言うデータだ」
空白は、志那をまっすぐに見ていました。
「……あの事ね…」
「安心して。志那は女性だから」
空白は、志那に説明をし始めました。
「志那を極地に連れて行った影響で、プロフィールバグが生じてしまった。性別違和でも無いのに性転換してるなんておかしい話だから疑った。調べた結果、バグだと言う事が分かった」
「やっぱり、私は元から女性って事?」
「そうだ」
「…良かったー!」
志那は、心から安堵しました。
「さぁ、戻すからじっとして」
空白は、そう言うと志那に修正術を掛けました。
「……コレで、志那のデータは直った筈だ」
「空白、ありがとう!」
志那は、笑顔で空白にお礼を言いました。
「じゃあ、帰らせてもらう」
空白は、そう言うと姿を消しました。
「空白って、突拍子に帰るんだね」
志那は、マンションの外に出ると、突然、ラピスが現れました。
「志那さんって、僕のファンですよね!覚えていますか?ラピスですよ〜」
ラピスは、そう言うなり志那に抱きつきました。
「ラピスて…ウソ?!マジで?」
志那は、顔を赤らめて、驚きと照れと嬉しさのあまり、どうすれば良いのか戸惑いました。
「あ、あの…ココで立ち話も何だから、マンションの中に入る?」
「良いですね!お邪魔しま〜す」
志那とラピスは、マンションの中に入って行きました。
「憩いの場があるマンションですか…良いですね!」
「ほぼ食堂も兼ねてるんだけどね」
「良いじゃないですか、多機能ホールですよ!」
ラピスは、食堂を見るなり話し始めました。
「……ココって、林檎の人達住んでますか?」
ラピスは、アメジストの部屋を見るなり言いました。
「うん、そうだけど」
「まさか、ガーネットも居るなんて事、無いですよね…?」
「今は、居ないみたいだけど…」
ラピスは、ガーネットが居ない事を確認するなり、話し始めました。
「警察官って、カッコイイですよ!悪を断ち、正義が勝つ!まさにヒーローですよ!」
「ラピスって、夢があって良いなぁ。私なんかは進路で毎日悩んでる位なのに…」
「夢があるのは良いですよ。夢に向かって突き進む!妨害して来る奴は…うちのグループに一人居るんですけどね」
志那は、ガーネットの事だなと一瞬で分かりました。
「ガーネットは、仲間意識が強いのかなかなか脱退に賛同してくれないんですよね…」
「脱退?」
「僕、林檎を脱退しようと考えているんですよ。流星部隊に入って、第二の人生、警察官を歩むんですよ!」
ラピスは、嬉しそうに話していました。志那は、少し複雑でした。
「まぁ…ラピスの夢だから応援するよ!」
「志那さん、ありがとうございます!ところで、ご協力の程を…」
「何とかしてみるね」
志那は、フロンティアウォーカー達を呼びました。
「…ラピスの夢か」
「勿論、応援するよ。でも、大丈夫?呪いとか掛かってない?」
カインドとキトンは、志那に聞きました。
「うーん、話している限りはそんな事無いと思うんだけど…」
「気をつけた方が良いぞ。今は通常でもいつ覚醒するか分からんからな」
ガバードは、志那に念押ししました。
「まぁ、夢があるんだったら、叶えてあげた方が良いと思うよ?林檎の人だったら悪い人じゃ無さそうだし…」
スモークは、ラピスの夢に賛同しました。
「でも、いつ呪いが発動するか分からんで?大丈夫なん?」
ロードは、ラピスについて疑問に思っていました。
「その時は、皆さんの力を合わせて何とかしましょう!」
ピエロは、フォローしました。
「いざとなったら、オレが居るから安心し!」
スノーは、どんと構えていました。
「じゃ、皆で流星部隊の所へ!」
「皆さん、本当にありがとうございます!」
ラピスは、フロンティアウォーカー達に感謝しました。
一方、遠くの方でこっそり聞いていたガーネットは、
「後を着けよう…」
フロンティアウォーカー達を尾行する事にしました。
志那達は、ベガ達警察官の寮の前に来ました。
「ココですね!」
「あのお巡りさん達って、流星部隊って言うグループなんだ…」
志那は、何かと何かが繋がった気がしました。
「君達、ココに何の用かね?」
警察官の一人が、志那達に職務質問をしようとしました。
「あの、流星部隊の人達に会いに来ました」
「いつもお世話になってるので、そのお礼を言いに来ました」
スモークと志那は、警察官に事情を説明しました。
「入隊希望者か…流星部隊に交渉してみる。中に入りたまえ」
志那達は、寮の中に案内され、食堂で待つ事になりました。
「志那って、今でもラピスのファンか?」
カインドは、思った事を志那に言いました。
「それ、前の話だよ。大丈夫、今はカインドのファンだからね」
その会話を聞いたラピスは、激昂して痣が体全体に広がりました。
やがて終わるのが嫌なら掬いなさいと、ささやいた声は悪意を孕んでいた気がする。だけどそれでいい。良い。
家の裏手から伸びる道は背の低い木々に挟まれていて、生ぬるい風に尖った葉を揺らす。時おりそれが影の笑い声か、四足の獣の唸り声に聞こえる。ひとりで歩く若い女を脅して遊ぶ質の悪さを纏う。前方から吹く風は、早くこっちへいらっしゃいと誘うしるべのようだ。彼女が好きだと言った、そうしたくて伸ばしているわけではない髪を柔らかくくすぐる。
好きだと、その指で耳にかけてくれたから、ハサミをいれるのをやめた。それなのに、わたしの気持ちを切るという。今さらどうにもならないくらいに伸びて、重くなって、視界をさえぎるこれを、家が決めたことだからと切るという。ひとしきり泣いて罵って、だから今は笑っている。ハミングしながら、両手をぶらつかせながら、調子の狂った下手くそな踊りみたいに、小道をゆく。
両側から木々が消えて、目の前がひらける。砂浜があらわれると、途端に波の音がうるさくなった。本当はもっと前から聞こえていたけれど、わたしの耳は彼女の最後の言葉でみっちり詰まっていた。
どうしても行くと言うのなら。
どうしても切るのなら。いい。
わたしも切ろう。あの囁きの悪意に身を投げて。
沈む太陽を掬った海水は、明晩、彼女の人生を没す。
夕日のように激しいこの髪に、似合の末路だろう。
沈む夕日に照らされて空が青から朱へのグラデーションを見せる景色にふと泣きそうになって、ああまだ生きていける、と思った数年前の春
沈む夕日
小さい頃に
家族で夕日を見た
水平線に沈んでいくのを
見ていると父が
夕日が沈む時には
ジュッと音がすると言った
その音を聞こうと
じっと耳を澄ませていたが
聞こえないまま沈んでしまった
聞こえなかったよと言うと
聞こえなかったかぁと
父が笑っていた
沈む夕日を見ると
その時のことを思い出す
夕日を背に受けながら、ふたりで歩いている。
「今日が終わったら、オレはまた、おまえを忘れる」
「ああ」
オレの記憶は、一日でリセットされてしまうのだ。
「このオレとは、さよならだな」
正直、オレは悲しい。離れ難いと思う。けれど、時は容赦なく進み、セピア色の思い出すら作らせてはくれない。
「永遠に、さよならだ…………」
「……寂しくなるな」
おまえも、同じ気持ちでいてくれるなら、オレは嬉しい。
こんな別れを、オレたちは何度繰り返してきたのだろう?
それでも、何度でも、オレはおまえに会いたい。
沈む夕日は好き、夜が始まってくれるから
でも登る朝日は嫌い、夜が終わってしまうから
沈む夕日。届かない声。これはブラコンな私のとあるお話である。
私は兄が大好きだ。いつもじゃれあって、いつも仲良し。当然のこと。だが、周りはそうではないらしい。じゃれ合わないどころか、口も聞かないことが多々あるそうだとか。私たちは特別なんだと、ずっとこのまま続くんだと思っていた。
それは間違いだったらしい。兄は、この街を出て、この県を出て、望む大学に行く。私は兄の望む事だから素直に認めた。これからの日々を大切にしていく他ないと。私はその日から兄と長く居られるように時間を調節した。毎日少しずつ時間が長くなって私は満足していた。早く家に帰れば兄と一緒に走りに行った。たくさん散歩もした。
沈む夕日に向かって歩く兄に私は呟いたんだ。
ー隣町の大学とかじゃダメなの?行かないでー
私の声は届かなかった。けれど、兄は私に振り返ってくれた。それだけで十分だった。ずっと、このままだったら…良かったのに。
そして兄は旅立った。私も兄のアパートまで見送った。引越しの準備も手伝った。別れの時は不思議なほど、涙が出なかった。兄がいなくなって、私が使うことになった部屋。私も自分の引越しをすることにした。兄の部屋に私のモノが溢れていく。私の部屋になる。兄の部屋には何も残ってはいなかった。ゴミひとつさえ残してはいかなかった。残っていたのはただただ嗅ぎ覚えのある私の大好きな兄の匂いだけ。こっそりと私の机に飾ってあった兄との写真。兄の姿を見ると今もまだ涙が止まらないんだ。
夏の沈む夕日を眺めるのは1年の楽しみ。
1人で旅行に行って夕日を眺める。
それが1年の楽しみ
【沈む夕日】
朝焼けに染まる空を
沈む夕日が茜色に染める世界を
満天に輝く星空を
最後に見たのはいつだったか。
空を見上げることもなく、
忙しない毎日に押しつぶされている。
刹那的な世界の美しさを
次に目にするのはいつの日か。
『沈む夕日』
「あの山の
お家に帰る
夕日さん」
色づく空に
手を振る我が娘(こ)
沈む夕日は、
美しく、哀しい。
熱が消えていくのが、寂しい。
夜空のほうが、
その哀しさを感じないのが不思議だ。
でも、
消えていくものだからか、
心を奪われ、目を離せないのだ。
#沈む夕日
[沈む夕日]
沈む夕日が、広場を照らしている。
遊具はない。誰もいない。
ただ、左側に小さな舞台がある広場。
そんな、淋しくも温かみのある絵は、音楽室の隅にひっそりと飾ってあった。
誰も居ないと思っていた舞台の影に、小さな人影があると気付いたのはいつだったか忘れたけど。ピアノの練習をする僕を見てくれているような気がして、少し嬉しかったのを覚えている。
放課後。夕陽に照らされた音楽室で、僕はピアノの練習をする。
たったひとりの小さな観客に、僕の拙い音はどう聞こえているのだろう。
分からないけど、いつまでも沈まない夕日は、僕の音を静かに受け止めてくれた。
「今日も聴いてくれてありがとうね」
僕は、絵にお礼を言って帰り支度をする。
外はすっかり暗かったけど。いつの間にか舞台の端に座ってこっちを見ている少年は、今日も暖かな夕日に照らされていた。
なんだか絵の淋しさが減った気がする。
それが僕のピアノの影響なら、ちょっと嬉しい。
金曜の夕方。
初夏に差しかかると、仕事が終わるころもまだ明るい。
珍しく定時に会社を出ると、周りはまだ日暮れになっていなかった。
金曜がまだ半日残っているような錯覚に陥る。
金、土、日の二日半、自由を得た僕は、
早々に帰宅すると、シャワーを浴び、休日モードになる。
スーパーにでも行こうか。
車に乗って、食料の買い出しに向かった。
週末の夕方、国道はひどく混む。
普段ならイライラを募らせるが、今日は余裕だ。
カーラジオからは、週末の催し物を伝えるアナウンサーの声。
数週間後の父の日に贈るプレゼントの商戦が始まっているようだ。
ふと、父親のことを思い返した。
定年を迎え、悠々自適に余生を過していた父が、ガンで亡くなったのが、3年前。
葬儀の後、母と共に実家で遺品を整理していたら、
たくさんのキャンプ用品が残されていたのが印象的だった。
定年後に趣味として始めようと買ったのだろう、
使い込まれていないまだ新しい品々に、胸が締め付けられる思いだった。
あのキャンプ用品、そのままにしてたな…
気がつくと、高速の乗り口へ。
実家方面へとハンドルを切っていた。
沈む夕日を背に、一路。
週末は、ソロキャンプと洒落込むことにした。
沈む夕日
ある日の仕事終わり、トボトボ歩いているとふと眩しい夕日が目についた。
周りからの重圧と仕事量に押し潰されそうになっていた、そんな疲れ切った週末の帰り道だった。
ふと見上げた空はとても澄んでおり、青とオレンジのグラデーションが綺麗で、なぜか涙ぐんでしまった。
最近は空を見上げる余裕すらなかったからだ。
こどもの頃に見た夕日は、帰りを急かされるような寂しいイメージだった。
いつしか大人になり、沈む夕日は、家に帰れるホッとした気持ちにさせてくれるものに変わった。
わたしも大人になっちゃったなぁ。
君と海に来ていた。
少し肌寒く感じるが上着を貸すのも違う気がした。
「あのさ・・・。」
「もうすぐ日が沈むね。」
「そっそうだね。」
「波の音も日中聞くにはリラックスするのに夜になると怖くも聞こえるなんて不思議ね。」
「うん。」
「凄く悲しいときは景色がいつもより鮮明で多分この夕焼けは忘れられなさそう。」
「ごめんな・・」
「仕方ないよ。海外事業部で転勤決まったなんて応援しないわけにはいかないよ。」
やけに波音がうるさい。彼女の声が消え入るようだ。
本当はついてきてほしいとも思ったが彼女は家族を置いていける環境ではない。
なんて言って良いか分からず夕日は闇まであとわずかになった。
「最後にキスして良いか?」
「うん」
彼女の顔を見ながら数々の思い出が浮かび上がる。
感謝を伝えたいけど言葉に出来ずそっと唇に触れて
今までありがとうと思った。
「行こうか。」と海岸を歩き始めた。
もう暗闇が後ろから追いかけて来たがコンビニの明かりを目指して車まで戻った…
『沈む夕日』
書く習慣/3日目。
沈む夕日、
あれって海辺で見ると、
はっきり沈んでる所見れていいよね。
そしたらボブが言ったんだ
ボブ「失恋したお前の心は沈むが、相手は次の朝日スーパードライ↑の奴と行ってるからよ」
私「それは聞きたくなかった」
ボブ「今日が終わっても明日が勝手にくるさ、元気出せよ。」
私「〇〇[奇声]〜!」
……あ、忘れてた。
ボブもリア充でしかも明々後日には結婚式をする事に、
『あれ?招待状もらってないが』
私は本当に沈む夕日だ。
私「チクショー」コウメ太夫かな?
沈む夕日を眺めながら、目を瞑る 過去の思い出が蘇る
楽しかった思い出、悲しかった思い出 色々あったなぁ
そういう思い出を噛み締めながらあの子の事を思い出した
あの日、この場所で、彼女に告白した 彼女は笑って言った
「今は何も言えない、だけど大人になったらまたここで答えを言うね」 20歳になった俺はまた戻ってきた 彼女はいない (そりゃ、そうだよな) 俺は今日
この場所で飛びたったあの子のように 宙を舞う 今いくね
生前、彼女は言った。「私ね、鳥になりたいの」(なんで?)「だって、鳥は自由だからさ」(へぇ、)
あの日
「私、空飛ぶんだ」(え?どういう意味?)「えへへ」
バイバイ、愛してるよ
沈む夕日に向かって
二度と昇ってくるなと願っても
どうせまた
いつもと同じ
朝が来る。