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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第七十八話」

スノーが退院してから数週間後、志那は、マンションの自室でスマホを見ていました。ふと、窓の外を見ると、空白が空を浮いていました。空白は、窓をノックするなり、
「志那、開けて欲しい」
と、空白は、志那に窓を開けるように言いました。
「空白、どうしたのよ?窓からだなんて…」
「志那のバグを直しに来た」
「バグ?」
「志那が元男性だと言うデータだ」
空白は、志那をまっすぐに見ていました。
「……あの事ね…」
「安心して。志那は女性だから」
空白は、志那に説明をし始めました。
「志那を極地に連れて行った影響で、プロフィールバグが生じてしまった。性別違和でも無いのに性転換してるなんておかしい話だから疑った。調べた結果、バグだと言う事が分かった」
「やっぱり、私は元から女性って事?」
「そうだ」
「…良かったー!」
志那は、心から安堵しました。
「さぁ、戻すからじっとして」
空白は、そう言うと志那に修正術を掛けました。
「……コレで、志那のデータは直った筈だ」
「空白、ありがとう!」
志那は、笑顔で空白にお礼を言いました。
「じゃあ、帰らせてもらう」
空白は、そう言うと姿を消しました。
「空白って、突拍子に帰るんだね」

志那は、マンションの外に出ると、突然、ラピスが現れました。
「志那さんって、僕のファンですよね!覚えていますか?ラピスですよ〜」
ラピスは、そう言うなり志那に抱きつきました。
「ラピスて…ウソ?!マジで?」
志那は、顔を赤らめて、驚きと照れと嬉しさのあまり、どうすれば良いのか戸惑いました。
「あ、あの…ココで立ち話も何だから、マンションの中に入る?」
「良いですね!お邪魔しま〜す」
志那とラピスは、マンションの中に入って行きました。
「憩いの場があるマンションですか…良いですね!」
「ほぼ食堂も兼ねてるんだけどね」
「良いじゃないですか、多機能ホールですよ!」
ラピスは、食堂を見るなり話し始めました。
「……ココって、林檎の人達住んでますか?」
ラピスは、アメジストの部屋を見るなり言いました。
「うん、そうだけど」
「まさか、ガーネットも居るなんて事、無いですよね…?」
「今は、居ないみたいだけど…」
ラピスは、ガーネットが居ない事を確認するなり、話し始めました。
「警察官って、カッコイイですよ!悪を断ち、正義が勝つ!まさにヒーローですよ!」
「ラピスって、夢があって良いなぁ。私なんかは進路で毎日悩んでる位なのに…」
「夢があるのは良いですよ。夢に向かって突き進む!妨害して来る奴は…うちのグループに一人居るんですけどね」
志那は、ガーネットの事だなと一瞬で分かりました。
「ガーネットは、仲間意識が強いのかなかなか脱退に賛同してくれないんですよね…」
「脱退?」
「僕、林檎を脱退しようと考えているんですよ。流星部隊に入って、第二の人生、警察官を歩むんですよ!」
ラピスは、嬉しそうに話していました。志那は、少し複雑でした。
「まぁ…ラピスの夢だから応援するよ!」
「志那さん、ありがとうございます!ところで、ご協力の程を…」
「何とかしてみるね」

志那は、フロンティアウォーカー達を呼びました。
「…ラピスの夢か」
「勿論、応援するよ。でも、大丈夫?呪いとか掛かってない?」
カインドとキトンは、志那に聞きました。
「うーん、話している限りはそんな事無いと思うんだけど…」
「気をつけた方が良いぞ。今は通常でもいつ覚醒するか分からんからな」
ガバードは、志那に念押ししました。
「まぁ、夢があるんだったら、叶えてあげた方が良いと思うよ?林檎の人だったら悪い人じゃ無さそうだし…」
スモークは、ラピスの夢に賛同しました。
「でも、いつ呪いが発動するか分からんで?大丈夫なん?」
ロードは、ラピスについて疑問に思っていました。
「その時は、皆さんの力を合わせて何とかしましょう!」
ピエロは、フォローしました。
「いざとなったら、オレが居るから安心し!」
スノーは、どんと構えていました。
「じゃ、皆で流星部隊の所へ!」
「皆さん、本当にありがとうございます!」
ラピスは、フロンティアウォーカー達に感謝しました。
一方、遠くの方でこっそり聞いていたガーネットは、
「後を着けよう…」
フロンティアウォーカー達を尾行する事にしました。

志那達は、ベガ達警察官の寮の前に来ました。
「ココですね!」
「あのお巡りさん達って、流星部隊って言うグループなんだ…」
志那は、何かと何かが繋がった気がしました。
「君達、ココに何の用かね?」
警察官の一人が、志那達に職務質問をしようとしました。
「あの、流星部隊の人達に会いに来ました」
「いつもお世話になってるので、そのお礼を言いに来ました」
スモークと志那は、警察官に事情を説明しました。
「入隊希望者か…流星部隊に交渉してみる。中に入りたまえ」
志那達は、寮の中に案内され、食堂で待つ事になりました。
「志那って、今でもラピスのファンか?」
カインドは、思った事を志那に言いました。
「それ、前の話だよ。大丈夫、今はカインドのファンだからね」
その会話を聞いたラピスは、激昂して痣が体全体に広がりました。

4/7/2023, 10:51:13 AM