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4/11/2023, 10:41:03 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第八十一話」

「スノーさん、本当にパズルを離脱しちゃったんだね」
キトンは私服姿のスノーを見て言いました。
「あの時は仕方無かってん」
「スノーさん、これからどうするんですか?」
スモークは、スノーに聞きました。
「うーん、私服じゃまともに戦えんし…かと言って、仲間の大半は二次元国やから会えるかどうか分からんしな……」
スノーは、考えていました。
「……なぁ、正式にお前らフロンティアウォーカーの仲間にしてもろうてもエエか?どの道、パズルは破門やし、行き場があらへんからな」
スノーは、フロンティアウォーカーのメンバー達にお願いしました。
「良いですよ。僕達と共に冒険しましょう」
スモーク達は、快くスノーを迎えました。
「…スマンな。オレの願い、聞いてもろて」
スノーは、正式にフロンティアウォーカーのメンバーになりました。

一方、林檎王子達は、全員集まって会議を開いていました。
「ううっ……俺以外、全員私服だよぉ…」
ガーネットは、涙目になっていました。
「まぁ、僕は警察官の制服ですけどね」
「ラピス、戻って来いやー!」
ガーネットは、ラピスの胸ぐらを掴もうとしました。
「ガーネット、止めなさい!」
「それもこれも全部、セラフィのせいだー!」
アメジストは、暴れるガーネットを制止しました。
「ガーネット、それぞれの事情って物があるぞ」
「別の目的が出来て、脱退する予定だったって人も居るだろ」
「僕は、流星部隊に入ったから、林檎は卒業ですけど……」
「メンバー全員が脱退を考えているってことは、林檎は実質解散だろ?」
アンバーとローズとラピスとシトリンは、次々に脱退や解散を示唆する事を言いました。
「俺は、脱退なんて考えて無いぞー!もう一度、林檎王子作れば良いだろぉー!」
ガーネットは、涙目でした。
「ガーネット、もし、もう一度結成するとしても、ラピスが脱退したから5人になりますが…宜しいですか?」
アメジストは、ガーネットに説明しました。
「ヤダ!6人が良い!」
一方、スノーは、遠くの方で様子を見ていました。
「あーあ、ガーネットのヤツ、駄々コねまくっとるな……パズルに置き換えると、アレは絶対スカイやな。俺の時も、モメるのは必須やな…」

「スノーさん、少し良いですか?」
ラピスは、スノーの所に来ました。
「貴方のお陰で、転職する勇気が出ましたよ。こうして、夢を叶える事が出来ましたから!」
「夢って、林檎の脱退か?」
「警察官になる夢です。貴方が脱退するって意思表示したから、僕も一歩を踏み出す事が出来ました!」
「…良かったやないか。オレはちょうど、あのグループ抜けて旅に出よう思ってたからな」
「旅って、カッコイイですね!」
ラピスは、目を輝かせていました。
「コレからは、オレ達は自由や。それぞれ、夢叶えたんやからな」
「第二の人生、スタートですね」
スノーとラピスは、心からの笑顔でした。

志那とカインドは、憩いの場の様子を見ていました。
「……カインド、本当にスノーさんを仲間にして良かったのかな?」
志那は、カインドに聞きました。
「良いんじゃないか?スノーさんは、フロンティアウォーカーに入りたいって言ってるしな」
「パズルの人達、どう思うんだろう…?逆恨みが怖いとか無い?」
「……あ、スカイさんは、拠点に残ったままだったな。他のメンバーは二次元国に行ったけど…」
カインドは、スノーと一番仲が良いスカイの事を気にしていました。
「スカイさん、一番仲が良いスノーさんが脱退したワケだから…」
「スカイさんにどう説明するかだな……」
二人の会話をこっそり聞いていたガーネットは、
「スノーと一番仲が良いスカイを連れて来れば、考え直すかも!」
パズルの拠点がある2.5次元国に向かいました。

志那とカインドの所にアメジストが来ました。
「志那、俺の頼みを聞いてありがとうございます。お陰で全員助ける事が出来ました」
「ほとんど、アメジストさん達の力じゃないですか…」
「君が居てくれたから解決出来た事も多いんですよ」
カインドは、二人の会話を聞いていました。
「…俺、お邪魔か?」
アメジストは、志那に
「そろそろ、志那を現実世界に返そうと思います」
と、言いました。
「あ…お別れか…」
「ちょっと待って下さい」
突然、志那の目の前にターキーが現れました。
「男に戻って、僕と戦え!」
ターキーは、志那に勝負を挑みました。
「男に戻るって…無理だよ!私、女だもん」
「あの興奮と感動が忘れられない!」
「志那、コイツとは俺が戦う」
ターキーとカインドは、戦闘態勢に入りました。
「本当はあの少年と戦いたかったんですけどね…」
「お前の相手は俺で十分だ」
カインドは、闇覚醒を使ってマーリドを召喚しようとすると、体に異変が起きました。
「ウッ、マズいな…ウワァァ……!」
「魔物化か?」
カインドは魔物化して、ターキーはカインドを攻撃しようとしますが、制止出来なくなる程強力な魔物にターキーは押されていました。
「一気にトドメを刺しますか」
ターキーは、カインドを一撃必殺しようとすると、カインドはどこかへと飛んで行きました。
「ウワ、逃げましたね…」
「カインド…」
志那は、カインドの方を見ていました。
「あの方角だと、夜月島の方角に逃げましたね」
ターキーは、カインドの後を追いました。
「夜月島?」
「空島の事ですよ。空に浮いている島の一つです」
アメジストは、志那に説明しました。

「志那、コレからは危ない戦いになります。一般人の君を危険に巻き込みたくありません」
アメジストは、そう言うと現実世界への入り口を開けました。
「仲間達を助けてくれて感謝しています」
アメジストは、志那を抱き抱えてホールに入れました。
「ちょ、ちょっと!」
志那は、現実世界に帰りました。
「……え?」
志那は、公園に居ました。そして、スマホを見ました。
「全然、時が進んでない。アレって、夢…?」
現実世界は、志那が空想の世界に入った時の時間でした。今までの事が嘘だったかの様な……


                    ―完―

4/10/2023, 11:32:01 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第八十話」

「ラピスが警察官になってから、ガーネットは犬みたいに毎日吠え続けてるんだよね…って、最初会った時は犬だったけど」
志那は、マンションの前でアイスティーを飲んでいると、セラフィが遠くの方でこっそりとこちらの様子を見ていました。
「ラピスの呪いも解除しちゃうなんて〜。ラピスだけは、呪いに掛かったままが良かったのにぃ。ナイトメア様が邪魔者のガーネットを極地に封印して、残りみーんなをセラちゃんの物にすれば、ラピスが手に入るってアドバイス下さったから、その通りにしたのよ!でも、コレじゃ全然上手く行ってないみたいじゃない……」
セラフィは、涙目になって悔しがっていました。
「……でも、ナイトメア様はこの状況も想定内って言ってたから、きっと、ラピスはセラちゃんの物になるわよね!かーえろ」
セラフィはどこかへと行ってしまいました。
「…?今、そこに誰か居たような……」
志那は、セラフィが居た所の方を見ました。
「志那さん、この前はどうもありがとうございます」
ラピスが、志那の前に現れました。
「ラピス!」
「おや?今、ガーネットは…」
「朝、マンションから出てどこかへ行くのを見たけど…」
「なら、大丈夫ですね!」
ラピスは、一呼吸置いて言いました。
「お願いします!シトリンも助けてやって下さい!」
ラピスは、お辞儀して志那にお願いしました。
「ええっ?!……良いけど、どこに居るの?」
「三次元国の拠点に居ます」
「三次元国にも拠点があるの?」
「三次元国だけでなく、世界各地に林檎の拠点がありますよ〜」
「世界各地にって、それだけ人気があるって事なんだね。林檎王子だから、当然って言えば当然か…」
志那は、林檎王子の財力に圧倒されていました。
「どうか、よろしく頼めないでしょうか……?」
「勿論、良いよ。……戦力的にフロンティアウォーカー達で行けるかな?」
「出来れば林檎の人達もお願いしますよー…あ、ガーネットは抜きで。後々足手まといになるので」
「じゃ、呼んで来るね」
志那は、フロンティアウォーカーと林檎王子のメンバーを呼びました。
「ラピスの頼みか…」
「俺達も協力するぜ」
「フロンティアウォーカーさん、林檎の皆さん、ご協力ありがとうございます!」
「君と言えど、元々は仲間だった者同士ですから」
「じゃあ、行きましょう」
一行は、三次元国の林檎王子の拠点に向かいました。
「ココですよ」
「スゲェな…まるで中世ヨーロッパの城やんか!」
林檎王子の拠点は、中世ヨーロッパの城の様に壮大で美しい建物です。庭は手入れされていて、迷路のようになっています。
「まさに、王子様の住処だね」
フロンティアウォーカー達は、林檎王子の財力に圧倒されていました。

「どこ行けば、中に入れるんや?」
スノーは、庭を散策し始めました。
「あ、侵入者除けのトラップがあるので、俺達が案内します」
「迷わないように気を付けて」
林檎王子達は、志那達を城まで案内しました。
「デカい扉やな…」
「開けますよ」
アメジストは、城の扉を開けました。中は、調度品や家具が荒らされている状態でした。
「ど、泥棒に入られたのですか?!」
「コレは酷いね……」
フロンティアウォーカー達は、空き巣の仕業かと疑いました。
「シトリンに何かあったら…」
ローズは、不安になりました。
「シトリン!」
アンバーは、城中の扉を開けて行きました。
「シトリンを探しましょう」
アメジストを始めとする志那達も、シトリンを探し始めました。
「何処だろう…?」
「居たぞ!大広間だ!」
アンバーは、皆に大広間に集まるように叫びました。
「ウワッ……」
大広間では、痣だらけのシトリンが佇んでいました。
「シトリン、痣だらけじゃないですか!」
シトリンは、警察官の制服姿のラピスを見るなり、
「ラピス、裏切るなよ……ガーネットが可哀想だろ」
と言って、襲いかかって来ました。

シトリンは、闇覚醒を発動させて、城全体に電気を纏わせました。
「い、痛い!」
「コレは、無闇には動けなさそうだな…」
志那とカインドを始めとする一行のほぼ全員は、電気のせいで動けなくなりました。
「僕なら戦えるかも…」
キトンは、電気を交わしてシトリンに近づきました。そして、闇覚醒でヒョウに変身しました。
「グルル……」
キトンは、シトリンに噛み付いて、左腕の肉を引き剥がしました。だけど、すぐに再生してしまいます。
「獰猛な獣だな、だけど、再生は可能だ」
シトリンは、キトンに帯電網を貼り付けました。
「ウグっ……痛い!取れない!」
「電気が張り付き、痛みが延々と続く技だ。相手は脱退者と弱小グループだからこの程度で十分だろう」
「章司君を呼んだ方が良いかな…?」
志那は、スマホで章司を呼びました。
「俺も応戦するぜ!」
ガバードは、闇覚醒で背中に大きな翼を生やしました。そして、羽ばたいて空中に浮きました。
「シトリン!コレでどうだ!喰らえ、凄惨なる針の雨!」
ガバードは、シトリンの所まで飛んで行き、大量の羽根の針の雨を降らしました。
「クソっ、建物の中じゃ無かったら地震で何とか出来たのによ……」
アンバーは、悔しがっていました。

羽根の針の雨の威力は、周りの物を破壊する程の威力だったけど、シトリンは、何とか持ちこたえて攻撃を再開しました。
「……万事休すか?」
「遂に、この時が来やがったみたいやな…」
スノーは闇覚醒を使いました。
「奴に電気抵抗を無くして動けなくすればエエんやからな。まずは、水と鉄が電気を通しやすい物質や」
スノーは、志那とロードの方を見ました。
「トーチャフィールド!」
志那は、闇覚醒でシトリンの動きを封じようとしました。
「ウーワっ、危ねえ刃物だな……」
シトリンの動きが少し鈍くなりました。
「コッチも使わせてもらうで。海流龍王!」
大広間に海が出現して、龍の形をした水流がシトリン目掛けて突撃しました。
「海水言うたら、塩水やな!タダの塩水ちゃうけどな」
シトリンの服に掛かった海水が、酸で服を溶かしていました。
「太古の海水は、物凄い酸の毒水みたいやな!」
「クッ、危ねえ技だな……」
「後は、氷漬けにして動けなくすると……」
スノーは、闇覚醒を使いました。
「超低温領域」
シトリンは、−200℃の冷気で氷漬けになってしまいました。シトリンが放った電気は、全て本人の所に戻って行きました。
「ヒギャ……!」
シトリンは、倒れてしまいました。スノーは、一般人の姿に戻りました。
「スノーさん……」
「パズルには、掟があってな……闇覚醒使うたら破門、つまり、契約解除や」
「志那ー!怪我人は何処ですか?!」
「章司君、皆介抱してあげて」
章司は、救護術を使って城に居る全員を介抱しました。
「ん……?」
「シトリン、目を覚ましましたね?」
シトリンが目を覚ますと、ラピスが目の前に居ました。ラピスは、シトリンに回帰光玉を抱かせました。
「僕達、林檎を終わりにしよう……」
眩い光を放った後、シトリンは一般人の姿に戻りました。

4/9/2023, 10:47:10 AM

「子羊ちゃんと悪魔の巣」

 子羊ちゃんは、どこにでも居そうな普通の女の子です。子羊ちゃんは、群れの中の子羊くんに恋をしています。子羊くんは、いつもどこかへ行っていたので、子羊ちゃんは、子羊くんの後を追うことにしました。

 子羊ちゃんは、子羊くんの後を追うと、子羊くんは、大きな洞窟の中へ入って行きました。子羊ちゃんは、興味本位で洞窟の中へ入って行くと、そこにはたくさんの悪魔が居ました。
悪魔達は、子羊ちゃんを大きなソファーに座らせると、歌を歌ったり、ダンスをしたり、子羊ちゃんをお姫様の様に扱って、楽しいお話をして楽しませました。子羊ちゃんは、悪魔達と夢のような時間を過ごしました。

 子羊ちゃんは、
「子羊くんはどこに居るの?」
と、悪魔達に聞きました。悪魔達は、知らないと答えると、子羊ちゃんは子羊くんを探してると悪魔達に言いました。悪魔の一人が
「探すのを手伝うよ」
と言って、探すのを協力してくれました。洞窟の中をくまなく探しましたが、子羊くんはどこにも居ませんでした。

 子羊ちゃんは、帰る時間になったので、
「今日は、どうもありがとう」
と言って、悪魔の巣を出ました。子羊ちゃんは、群れに戻ると子羊くんがちゃんとそこに居ました。
次の日、子羊ちゃんは、子羊くんに昨日はどこに行ってたのか聞くと、子羊くんは、
「洞窟の向こうに抜けた所のラズベリー畑に行ってた」
と、子羊ちゃんに言いました。子羊ちゃんは、昨日の事を話すと、子羊くんは驚きました。
「あの洞窟、通り抜け出来るよ?」と。

 夜になって、子羊ちゃんは眠っていると、一人の悪魔がやって来ました。子羊ちゃんの側に来ると、子羊ちゃんを食べてしまいました。

4/8/2023, 10:58:38 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第七十九話」

「僕のファン、取らないで下さいよ…!」
ラピスは、カインドに攻撃を仕掛て来ました。カインドに氷水のような水流を浴びせると、
「お前のせいで、僕は志那さんに忘れ去られてしまったんだからな!」
「オイオイ、逆恨みか?」
カインドは、タジタジになりました。
「緊急事態発動!直ちに食堂に集結せよ!」
寮の館内アナウンスが流れる中、流星部隊は、いち早く駆けつけました。
「何がありました?」
ベガ達は、食堂に集まると、フロンティアウォーカー達がラピスと戦っていました。
「お巡りさん、気をつけて下さい!林檎のメンバーです!」
「林檎って、強すぎるな…6人がかりでやっとか…」
フロンティアウォーカー達は、林檎王子のメンバーであるラピスに苦戦していました。
「水技ならば、蒼魔の迷宮へ誘いましょうか?」
ピエロは闇覚醒を使い、食堂に居る人達を藍色のゴシック建築の城の中に移動させました。
「自分の繰り出す水技が、呪界の住人になって術師本人に攻撃し、呪う城です」
「フフフ、僕の闇覚醒も似たような物ですよ?」
ラピスは、
「アビスコールドルーム!」
と、唱えました。
「暗いし、寒くない?」
キトンは、突然、暗く寒くなった城内を見渡しました。
「アビスコールドルームは、海の底のような気温環境です。暗く寒い世界ですよ?」
「マズいな…って、出られへんようになってる!」
ロードは、城中の出入り口が開かない事に気付きました。

「暗くなって来たな…ラピスはどこだ?」
カインドは、姿をくらましたラピスを探し始めました。
「コイツラ、テキダ」
城に居た魔妖精達は、フロンティアウォーカー達を攻撃し出しました。
「ちょっと、多くない?」
スモークは、魔妖精の多さに目が点になっていました。
「ご安心を。私の戦闘人形で応戦すれば楽に倒せます」
ピエロは、術で戦闘人形を大量召喚して応戦しました。
「ナンダ、コイツラ…!」
「ヤッツケロ!」
「……こんだけ暗かったら、迷っちゃうんだけど…」
志那は迷っていたら、現実世界の出入り口を発見しました。
「出入り口?」
「志那、私ですわ」
梨々華が入って来ました。
「梨々華、ダメだよ!城の中に入っちゃ…」
「後からガーネットも来るから大丈夫ですわ」
「……あの犬も来るの?」
志那は、少し引きつっていました。すると、背後から男の子の声が聞こえて来ました。
「行かないで、一人は嫌だよ…」
「よく見たら、この子…ラピスに似てない?」
志那は、男の子をよく見たら、ラピスを子供にした姿に似ていました。
「あら、本当ですわね。ボク、どうなさいました?」
梨々華は、男の子に話しかけました。
「ずっと、ココに居て。僕を閉じ込めないで…」
「安心して、出口はすぐそこだから」
志那はそう言うと、男の子は姿を消しました。
「あれ?」
「まぁ、コレ…入口専用かしら?出られませんわ…」
梨々華は、自分が入って来た入口から出ようとしましたが、出られなくなりました。
「お父さん、お母さん!僕を閉じ込めないで!」
少し離れた所から、ドアを叩く男の子の声が聞こえて来ました。
「ひょっとして、あの男の子って…ラピスの子供時代じゃない?」
志那は、男の子の正体に気付きました。
「ラピスの幼い頃は、軟禁状態だったのではないでしょうか?」
一方、魔妖精と戦っているフロンティアウォーカー達は、
「ラピスは、どこ行ってん!?」
ラピスを探していました。
「キリ無いなぁ…この数」
スノーは、魔妖精を氷漬けにして行きましたが、延々と魔妖精が増えて行く為、終わりのない戦いを強いられていました。
「ククク……ハハハ!」
ピエロは、闇覚醒の使い過ぎで魔物化してしまいました。
「早く、ピエロを止めろ!」
ガバードは、電磁網をピエロに仕掛けましたが、いとも簡単に破ってしまいました。
「オイ、どうする?敵ボス2匹と戦うモンだぞ」
カインドは、ピエロを止める方法を考えました。

「まーったく、どいつもこいつも弱っちいねぇ~。弱小グループじゃ全員がかりでうちのメンバー一人に手こずってるってか?」
ガーネットが空中に出入り口の穴を開けて、城の中に入って来ました。
「ガーネット!」
「一般人の馬鹿は、どこぞの分からん幽霊に手こずってるんかよ……ハァ、情けな」
「馬鹿って失礼ね!私ならともかく、ファンの梨々華にまでそんな酷い事言うなんて!」
「ファンなんて、覚えきれない位居るから、いちいち把握仕切れねーよ…ったく」
「アイツ、ガーネットカ?イマノウチニシトメテヤルカ…」
魔妖精の親玉は、ガーネットに目を付けました。
「お前、半人前の癖にいっちょ前に闇覚醒使うから、メモリーオーバーしちまうんだぞ。ドラゴニックインフェルノ!」
ガーネットは、ピエロに攻撃して暴走を止めました。キトンは、ピエロに駆け付けました。
「ピエロ、大丈夫?」
ピエロは、元の姿に戻って気絶していました。
「ガーネット、トドメダ……!コレでスガタソンザイユガンデシマウ」
魔妖精の親玉は、ガーネットに気圧縮を仕掛けました。ガーネットは、元の人間の姿に戻りました。
「やったー!人間に戻ったー!何でか知らんけど」
「ナ、ナニ?!」
「ト・ド・メ♡」
ガーネットは、魔妖精の親玉を一撃でやっつけました。
「ガーネットは、歌い手の中では強さランキング上位一桁台。圧倒的強さだ……」
スモークは、ガーネットに圧倒されていました。

「さ、ラピス。帰るぞ」
ガーネットは、ラピスを連れて帰ろうとしました。
「ガーネット、ラピスの呪いは解けていないよ?」
キトンは、ガーネットに忠告しました。
「呪い?セラフィのか」
ガーネットの表情は変わりました。
「ガーネット、僕はセラフィが好きで忘れられません」
「あーあ、全身痣だらけってヤツ?」
ガーネットは、ラピスを睨みつけました。
「だけど、それ以上にシリウスさんが好きです」
「良い加減にしろ!!」
ガーネットは、闇覚醒してラピスに一撃喰らわせました。
「ヘルフェニックス!」
ラピスは、気絶して倒れてしまいました。アビスコールドルームは解除されました。
「やっと、出られる…」
蒼魔の迷宮も消え、元の寮の食堂に戻りました。
「さてと、ラピス。帰るぞ」
ガーネットは、気絶しているラピスを引きずって行こうとしました。
「ドリームナイト」
ガーネットの後を追っていたアメジストは、ガーネットに催眠術を掛けました。ガーネットは、眠ってしまいました。
「コレで大丈夫ですね。ラピス、起きて下さい」
アメジストは、志那達の前に現れました。
「アメジストさん!」
「……ん?アメジスト?」
ラピスは、目を覚ましました。
「ラピスに回帰光玉を渡します。コレで一般人に戻って下さい」
「…良いんですか?僕が警察官になっても…!」
ラピスは、涙目になっていました。そして、回帰光玉を使い、一般人に戻りました。
「アメジスト、ありがとうございます!」

「ベテルギウスさん、お願いがあります。僕はもう林檎王子のメンバーじゃありません。流星部隊のメンバーにして下さい!その為に今日ココに来ました!」
ラピスは、食堂にいたベテルギウスに入隊祈願をしました。
「えーと、リーダーは俺じゃなくてベガなんだよ。それに俺の色、分かってるよな?」
ベテルギウスは、少し困惑していました。
「ま、まさか……僕は、水色なりますから、ベテルギウスさんは青で……!」
「ラピス、君が青でいてくれるなら、俺は群青になるよ」
ベテルギウスの意外な返事に、ラピスは感極まりました。
「入隊OKって事で良いんですよね?!」
「ラピス、今日から我々流星部隊の一員です」
ベガは、笑顔でラピスを迎えました。

マンションに帰ったガーネットは、
「ラピスはどこだー?!」
ラピスが居ないので騒いでいました。
「ガーネットに何て説明する?」
志那達は困惑していましたが、
「ガーネットには、俺達が話して置くよ」
と、ローズを始めとする林檎王子のメンバー達がガーネットに説明すると言いました。
「今は分かってくれなくても、いつか分かってくれますよ」

4/7/2023, 10:51:13 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第七十八話」

スノーが退院してから数週間後、志那は、マンションの自室でスマホを見ていました。ふと、窓の外を見ると、空白が空を浮いていました。空白は、窓をノックするなり、
「志那、開けて欲しい」
と、空白は、志那に窓を開けるように言いました。
「空白、どうしたのよ?窓からだなんて…」
「志那のバグを直しに来た」
「バグ?」
「志那が元男性だと言うデータだ」
空白は、志那をまっすぐに見ていました。
「……あの事ね…」
「安心して。志那は女性だから」
空白は、志那に説明をし始めました。
「志那を極地に連れて行った影響で、プロフィールバグが生じてしまった。性別違和でも無いのに性転換してるなんておかしい話だから疑った。調べた結果、バグだと言う事が分かった」
「やっぱり、私は元から女性って事?」
「そうだ」
「…良かったー!」
志那は、心から安堵しました。
「さぁ、戻すからじっとして」
空白は、そう言うと志那に修正術を掛けました。
「……コレで、志那のデータは直った筈だ」
「空白、ありがとう!」
志那は、笑顔で空白にお礼を言いました。
「じゃあ、帰らせてもらう」
空白は、そう言うと姿を消しました。
「空白って、突拍子に帰るんだね」

志那は、マンションの外に出ると、突然、ラピスが現れました。
「志那さんって、僕のファンですよね!覚えていますか?ラピスですよ〜」
ラピスは、そう言うなり志那に抱きつきました。
「ラピスて…ウソ?!マジで?」
志那は、顔を赤らめて、驚きと照れと嬉しさのあまり、どうすれば良いのか戸惑いました。
「あ、あの…ココで立ち話も何だから、マンションの中に入る?」
「良いですね!お邪魔しま〜す」
志那とラピスは、マンションの中に入って行きました。
「憩いの場があるマンションですか…良いですね!」
「ほぼ食堂も兼ねてるんだけどね」
「良いじゃないですか、多機能ホールですよ!」
ラピスは、食堂を見るなり話し始めました。
「……ココって、林檎の人達住んでますか?」
ラピスは、アメジストの部屋を見るなり言いました。
「うん、そうだけど」
「まさか、ガーネットも居るなんて事、無いですよね…?」
「今は、居ないみたいだけど…」
ラピスは、ガーネットが居ない事を確認するなり、話し始めました。
「警察官って、カッコイイですよ!悪を断ち、正義が勝つ!まさにヒーローですよ!」
「ラピスって、夢があって良いなぁ。私なんかは進路で毎日悩んでる位なのに…」
「夢があるのは良いですよ。夢に向かって突き進む!妨害して来る奴は…うちのグループに一人居るんですけどね」
志那は、ガーネットの事だなと一瞬で分かりました。
「ガーネットは、仲間意識が強いのかなかなか脱退に賛同してくれないんですよね…」
「脱退?」
「僕、林檎を脱退しようと考えているんですよ。流星部隊に入って、第二の人生、警察官を歩むんですよ!」
ラピスは、嬉しそうに話していました。志那は、少し複雑でした。
「まぁ…ラピスの夢だから応援するよ!」
「志那さん、ありがとうございます!ところで、ご協力の程を…」
「何とかしてみるね」

志那は、フロンティアウォーカー達を呼びました。
「…ラピスの夢か」
「勿論、応援するよ。でも、大丈夫?呪いとか掛かってない?」
カインドとキトンは、志那に聞きました。
「うーん、話している限りはそんな事無いと思うんだけど…」
「気をつけた方が良いぞ。今は通常でもいつ覚醒するか分からんからな」
ガバードは、志那に念押ししました。
「まぁ、夢があるんだったら、叶えてあげた方が良いと思うよ?林檎の人だったら悪い人じゃ無さそうだし…」
スモークは、ラピスの夢に賛同しました。
「でも、いつ呪いが発動するか分からんで?大丈夫なん?」
ロードは、ラピスについて疑問に思っていました。
「その時は、皆さんの力を合わせて何とかしましょう!」
ピエロは、フォローしました。
「いざとなったら、オレが居るから安心し!」
スノーは、どんと構えていました。
「じゃ、皆で流星部隊の所へ!」
「皆さん、本当にありがとうございます!」
ラピスは、フロンティアウォーカー達に感謝しました。
一方、遠くの方でこっそり聞いていたガーネットは、
「後を着けよう…」
フロンティアウォーカー達を尾行する事にしました。

志那達は、ベガ達警察官の寮の前に来ました。
「ココですね!」
「あのお巡りさん達って、流星部隊って言うグループなんだ…」
志那は、何かと何かが繋がった気がしました。
「君達、ココに何の用かね?」
警察官の一人が、志那達に職務質問をしようとしました。
「あの、流星部隊の人達に会いに来ました」
「いつもお世話になってるので、そのお礼を言いに来ました」
スモークと志那は、警察官に事情を説明しました。
「入隊希望者か…流星部隊に交渉してみる。中に入りたまえ」
志那達は、寮の中に案内され、食堂で待つ事になりました。
「志那って、今でもラピスのファンか?」
カインドは、思った事を志那に言いました。
「それ、前の話だよ。大丈夫、今はカインドのファンだからね」
その会話を聞いたラピスは、激昂して痣が体全体に広がりました。

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