死にたい少年と、その相棒

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  /沈む夕日

俺の、髪色は少し変わっている。
そのせいかよく、夕日のようだと例えられる。

沈んでいく西日と鏡で見る髪色は確かに似ているし、あれが似合うと言われる事に悪い気はしない。
だが、実際は俺よりもアイツのほうが、夕日は良く似合う。
もっと言えば、夕日が沈んで夜の間合いと溶け込む、絶妙な時間。

ビルの屋上のその縁に腰掛け、飛び降りるでもなく街を眺める目は真っ黒だ。
夕日のオレンジと夜の藍色が混ざり、紫のようなピンクのような不思議な色を空が描く。
その色があの黒に映り込むとまるで、この世のものではないかのような儚さを生む。

明日にでも存在そのものがなかったかのように消えていても、不思議には思わない。寧ろそれが本来の姿だとでも言うかのような、そんな雰囲気。
——そんなわけねぇだろ。
そう、自分に言い聞かせるために俺はアイツへ手を伸ばす。

「こんなとこで何やってんだ。さっさと帰るぞ」

4/7/2023, 10:54:49 AM