『永遠に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
小さい頃
死ぬのが本当に怖くて
永遠の命を本気で望んでた
永遠なんてこの世にない
永遠の愛を誰よりも祈り
誰よりも失ってきた
そんな貴方に
そんな儚い永遠の二文字を
心から誓いたいと願っている
きっとこの美しい響きの奥底にあるのは
終わりのない泥沼があって
途方もない絶望が続くのだろう
光の先には発光体あって
その先には暗闇しか待っていないのだから
その暗闇さえも
泥沼さえも
責任持って愛す覚悟があるのなら
たとえ永遠なんてものが存在しなくても
私の作る未来だけでも
その永遠を保証しよう
その一瞬一瞬は
紛れもなく私の魂が生きた瞬間なのだから
これは
私の胸に刻み込まれた
あなたという存在の愛は
私の意識が失せるまで
私にとって永遠に
絶える事なく最期まで
満ち満ちている
「次は、永遠駅(とわ)、永遠駅」
電車のアナウンスで隣りにいる夫と目を合わす。
今日は夫と二人で息子夫婦と孫に会いに来たのだ。
電車に緩やかに速度を落とし停車する。
ドアが開いたので降りようとすると、先に降りた夫が手を差し出す。
私は夫の手を借りながら電車を降りる。
夫は前にもここで転んだ事を覚えていたらしい。
そう、私たちがここに来るのは2回目である
永遠という地名には由来がある。
ここは地形の関係でいつも風が吹いているのだそうだ。
本当に“いつも”なのかは知らないが、私が前に来た時はずっと吹いてたし、今も穏やかに吹いている。
この地名が縁起が良いということで、よく観光客がやって写真をったりと、ちょっとした観光名所だった。
さらに何かシンボルを、ということで小さな鐘が設置された。
これが大当たりし、カップルや新婚がやって来ては鐘を鳴らして愛を誓い合うがブームになったのをよく覚えている。
もちろん私も結婚したばかりの時、夫と一緒に鐘を鳴らし、愛を誓った。
しかし、それは昔の話。
そんな鐘も誰も鳴らすものはいない
流行り物だったのもあるのだろうが、みんな永遠なんてないって分かったのだろう。
私たちもそうだ。
お互い愛するものは一人だけと誓ったというのに、愛するものが増えてしまった。
息子夫婦と孫の3人、愛すべき家族。
誓いは破ったが、悪くない気分である。
気づけば夫と一緒に鐘をぼんやり眺めていた。
同じことを考えていたかもしれない。
しばらく眺めていると、視界の隅にこちらに来る人の姿が見えた。
息子夫婦だ
「おじいちゃん、おばあちゃん、こんにちは」
息子に抱かれた孫が元気に挨拶してくる。
たしか五歳になるはずだ。
孫は私達の後ろにある鐘に気づいたようで、じっと見ていた
「それ、ボクもならす」
息子に催促して、鐘の前に移動する。
小さな手で鐘から伸びる紐を引っ張って、鐘を鳴らすと鐘の声が辺りに響いた
その音に満足したのか大きく頷いたあと、手を合わせ始めた。
「おじいちゃんとおばあちゃんがずっと元気でいますように」
134 「ずっと」は永遠ではなかった
大人の言う「今度」は永遠にやって来ないと早くに悟っていた。でも、「ずっと一緒に」の「ずっと」は人によっては「おはよう」の挨拶より軽いと知ったのは大人になってから。
お題:永遠に
そろそろスイッチ押しますよ〜。
人間なんて、今後一切見たくない。
水の惑星は、再出発です。
では。
【永遠に】
〚永遠に〛
私はこの世界が好きだ。
家族がいて、
友達がいて、
おいしい食べ物があって、
たくさんの喜びがあって、
そして、一生私を閉じ込めてくれて、、
私は永遠に大好きな世界に居られる。
穏やかな陽の光。手入れのされた観葉植物。甘い化粧品の香り。優しく頭を撫でるエイミーの手。時折意地悪にキスをしてくれるエイミーの唇。包み込むように抱きしめるエイミーの体温。
それらが、マールの世界の全てだ。
昼過ぎにぼんやりと起きるマールにエイミーは「おはよう」と微笑む。起きてすぐはいつも動きの鈍いマールに怒りもせず、エイミーは手ずから食事を与え、それが終わると顔を洗わせ歯を磨かせた。うさぎの耳の生えた柔らかでふわふわの髪に櫛を通し、最後に「今日もかわいいわね、マール」と抱きしめてくれる。
マールはとにかく生きるのが下手な生き物だった。
鈍臭く、話すことが苦手で、なにをしても失敗ばかり。そんなマールに呆れるばかりか、関わる少女は必ず怒って去ってしまう。
いっそこの耳の通り、うさぎであればかわいいだけでいられたのに。ふわふわとかわいいだけの、なにもしなくていい存在でいられたのに。
そのマールの悲しみを、叶えてくれたのがエイミーだ。
エイミーはマールに怒らない。どれだけ服を破いても、どれだけ食器を割っても、どれだけ何も出来なくても。なんでもしてあげると優しく囁いて、甘やかすだけ。
エイミーの膝枕で昼寝をして、とろとろと甘やかされているのが好きだ。きっと彼女なしでは生きていけないし、永遠に二人きりでいられたらいいのにと思う。
悲しいことは嫌。苦しいことは嫌。怒られることは嫌。エイミーがいなくなってしまうのは嫌。
マールには嫌なことがいっぱいで、それは部屋の外には常にあるものだ。
だから、マールは食事時が大嫌いだった。
「マール、そろそろご飯を探してくるわ。いい子に待っていられる?」
「うん……」
二人きりで閉じこもっても、食事はどうにかする必要がある。だからその時間になるとエイミーは部屋から出ていってしまう。
暮らしている館を探せば食事は見つかるから困ることはないが、探しに行く必要はどうしてもあるのだ。そして部屋から出るということは。館に住む他の少女とエイミーが出会うということになる。
エイミーはかわいくて、美人で、優しくて、品がある。
そんな彼女が他の少女と話したら、きっと少女はエイミーを好きになってしまうだろう。そうしたらエイミーだって、こんななにもできないマールよりその少女の方が気に入るに違いないのだ。
恐ろしかった。エイミーがマールから離れるのが。
恐ろしかった。エイミーがマールから奪われるのが。
毎日のように送り出す、その背中に手を伸ばしたくてやめる。エイミーをこれ以上困らせたくない。
でもなにかしたい。マールの平穏のために。マールがエイミーを引き止めるために。
胸が苦しい。なんの取り柄もないマールには引き止めるための材料もない。ただ愛玩動物として飼われることしかできない。材料がないからエイミーに近づく少女をいなくならせるしかない。でもそんな度胸もないし、バレてエイミーに嫌われるのも嫌だ。
そうしてその日も、苦しみながら膝を抱えてエイミーが戻ってくるのを待っているはずだった。
「……あれ…………?」
ふと、床に落とした手に違和感があった。
ベッドに置いたクッションの下。
手を入れて引き出してみると、ずるり、と。
大振りの包丁が、姿を現した。
※世界観設定……少女展爛会より
お題 永遠に
永遠に残っていてほしいものを探し続けて旅をしてきた。だが永遠なんてモノはこの世に無いようだ。生まれたものは消滅する。人の命、動植物の命、モノだって時が経てば風化していく。この世に永遠のモノなんて無いんだ。
溜息をついた。何が永遠だ。そんなのまやかしだ。存在しないモノを探し続けた僕の半生は何だったのか?
「愛は永遠よ」
そう言って旅立ってしまった僕の妻の命だって永遠じゃなかった。そんな僕ももうすぐ逝く。永遠の命など無い無に還るんだ。あるとすれば僕という存在は無くなるんだ。
永遠に……
『永遠に』
この幸せが永遠に続けばいいのに…
なんて言葉、テレビでも耳にするし
少なからず思ったことがある人がほとんどだろう。
恋愛や友人関係、親との関係。
だが大抵そういうものは叶わない。
幸せだと思っている時はそんな事思わない。
その幸せが無くなりそうだからこそ願う願いなのだから。
永遠なんて続かない。命に限りがあるのだから
人間に永遠なんて不可能だ。
ただ限りある永遠に縋って生涯を迎えるんだろう。
私のきっとその1人だ。
生涯を迎えた後、輪廻というものがあるのなら転生などせずに輪廻の輪の1部で永遠に過ごせたらいいのにと思う。
いつもの帰り道、いつもの交差点。
いつもの信号につかまる。隣を見ると夕陽に照らされたキミがいつものように穏やかな顔して立っている。
全て、いつも通りの日常。
なのに突然不安になった。
いつもと変わらずキミが隣りにいること。
果たしてそれはこの先も約束されてることなのだろうか。
信号はまだ変わらない。僕は隣のキミの肩を抱いた。歩行者は他にも沢山いるというのに。構うことなくキミの体を引き寄せた。
「わっ。どしたの」
「何でもないよ」
「何でもなきゃ、こんなこといきなりしないでしょ」
「……別に。何でもないんだ、ただちょっと考え事してて嫌になっちゃっただけ」
「どんな?」
「キミがこうして僕の隣にいることは、当たり前じゃないから」
「……なにそれ」
訝しげな顔をされた。彼女はしっかりと僕に向き直って、僕の額に手を当てる。別に熱なんかない。
「じゃ、変な宗教にでもつかまった?」
「そんなんじゃ、ないよ」
そんなんじゃないけど、不意に不安に襲われる時ってあるでしょ。そう言ったけど、彼女はいまいち分からないという反応を見せる。キミは生きてる上で悩むことがないのか。羨ましいな。
「この瞬間は、永遠じゃない。言い換えるならば、この幸せな時間は永遠に戻らない」
何を詩人みたいなことを言ってるんだと自分でも思った。けど彼女は笑わなかった。真剣な目で僕を見つめ返してくる。もうとっくに信号は青になっていて、立ち止まっているのは僕らだけだった。
「永遠じゃないから、幸せなのよ」
「……どういう意味?」
「楽しいことがずっとずっと続いたらそれは当たり前になるの。嬉しいことが突然起こったら幸せ。何回か連続したらラッキー。それ以上続いちゃったら、感動しなくなっちゃうでしょ?」
だからいーの、永遠に続かなくて。
彼女の持論を聞いたけど、僕はあまり納得できなかった。
「じゃあ、キミと一緒にいられることは幸せなことだから長く続かない、って言うの?」
「……あのさ、ほんとに何かあった?幸せって、あたしたちのこと、考えてたの?」
「そうだよ」
「なんで?なんか嫌な思いさせた?あたし」
「違うよそういうんじゃない。ただ不意に思っただけだよ、幸せなことっていつまで続くのかなぁって」
「ハアァァァーーー……。えいっ」
「んぐっ」
大きな大きな溜息を吐いたかと思うと、彼女は僕の首根っこに抱きついてきた。それはなかなかの勢いで首が締まるかと思った。
「もーそんなこと考えてたの?くだらない。そんなことに脳みそ使わないの。禿げるよ」
「くだらないなんて……そんなふうに思わないでよ」
「あたしはね、今が楽しければそれで良いの。いつまでも、とか永遠に、とか考えない。未来ばっか想像したってどうせ見えないんだから無駄でしょが。だったら今を楽しむのっ」
「あいだっ」
最後に強めのデコピンをお見舞いされる。彼女は僕から離れて1人で先に横断歩道を渡りだした。
「ほらっ、置いてっちゃうよー」
「待って――――」
信号は点滅しかけていた。僕は慌てて走り出す。彼女が向こうで両手を広げて待っている。人目も気にせず、その小さな体に抱きついた。
夕陽が綺麗だ。
いつもどおりの景色。
いつもどおりの彼女からする柔軟剤の匂い。
今日も1日が平和だった。
それは明日も約束されているのか。
明日も彼女は僕に笑ってくれるのか。
時々そうやって不安になるけど、そんなことを考えるのはもうやめた。
今が楽しい。今日が幸せ。
なら、明日だって絶対幸せに決まってるんだ。
永遠に╱11月1日 水曜日
私たちが出会って、もう7年。
時間が経つのは早いね。
時には傷つけあって、離れた時期もあったけど、結局仲良しに戻れた。
たくさんの人がいるのに、お互いを好きになって、両想いになれた。
当たり前になりすぎて忘れてしまいそうになるけど、今までの事、全部奇跡なんだよ。
特別なんていらない。
出会えたこと自体が奇跡だし、特別だから。
永遠に、あなたとの日々が続きますように。
「僕だったら、君を永遠に幸せにするよ」
『どうしたの、急に。』
「僕は君に夢中なのさ」
『本当にどうしたの?』
「そんな心配しないでよ…悲しくなるじゃないか」
『…』
「え、ちょ…引かないで?!」
『ふふ、
…で、どうしていきなり私なんかにそんなことを言うの?』
「…さあ」
『さあ、って』
「あ、怒らないでね?」
『怒らないよ(内容によるけど)』
「…そっか」
「…さっきも言った通り僕だったら、君を幸せにするよ?」
『全く…そんな言葉で一体どれだけの女性を泣かせてきたの?』
「僕は一途だからそんな周りの人に愛を振りまかないよ」
「…君は、愛されたいんだろう?」
『…そんな嘘っぱちな愛は貰わないよ』
「嘘じゃあないよ…
ごめん、僕の言い方が悪かった。
君を心から愛してるよ」
『…ふふ、一途だね』
「そうだね…
僕と一緒に、何処までもいこう?」
『…』
「永遠に、一緒にいよう?」
『…』
「…」
『…ふふ、
君、意外と人を口説くのが苦手なのね』
「う、…
それは少し僕も思ったよ…」
「でも、さっき言った言葉は全て嘘じゃない。
…嘘だと思うなら、僕を殺してくれても構わないよ」
『…そこまでいうなら、
一緒に、いきましょう?』
「!…もちろん」
一緒に、逝こうか。
永遠に終わることが無さそうなくらい今の感情について考えてる。
毎日毎日毎日。
ずーっと。
きっとこの感情に名前なんかないんだ。
そう気づいたとき、僕は絶望して死を最終手段として視野に入れた。
◆永遠に
延々、を永遠、と書き間違えるのを未だに見かけるけれど、ここ数年は「美味しすぎて永遠に食べてる」とかそういった言い回しも見かけるので、いつか混同の末永遠(のごとく)という意味も書かずとも付与され、間違いとは限らなくなっていくのかもしれない。
とはいえ誤用されている言葉たちはクイズ番組などで延々擦られるし、辞書を開けば大元の言葉の意味までは変わることはない。
じゃあ絶対的な意味の違いとはなんだろうと、延々には終わりがあり、永遠には終わりがない……とまで考えたけど、終わりがないというのも必ずしもそうではないように思う。そもそも永遠という概念を誰が観測できようか? 結局のところ我々人類が観測できるのはよくて「永遠とも思われるような長い時」だけではないのだろうか。墾田永年私財法も永久不滅ウォレットも終了してしまっているし……
脱線した上、既に今更感のある哲学的命題にオトしてしまいすみません。
我々人類と安易に決めつけてしまいましたが、もしここに超次元的な人種の方がいらっしゃいましたらどうかお目溢しください。また、永遠というものが実在するのかどうかもお訊きしたいところです。
乱文失礼しました。
もう永遠に思い出すこともないでしょう
永遠にそれを忘れることがないから
永遠に
私が永遠に続いて欲しいのは命だけ、同じ事を繰り返すのは飽きてしまうから、お金持ちにも貧乏にもなりたくない、だからといって今のままでも満足したい。変化を永遠に続けたい。それに必要なのは命だけ。
永遠。
さて、永遠とは何だろう。「限りある命の生きもの」である自分には、遠いと言うか関係ないと言うか、少なくとも、自分の人生すべての期間は、間違っても永遠などではない。
「永遠」という言葉を聞くとまず、「時間的長さを表す尺度的な、でも掴み所のない表現」という感覚がある。そう、掴み所が無い。…しかし「掴み所」って何だ? 時間は手で掴めない。時間の経過感覚なんて実際のところ自分の状態によって変わるものだ。楽しければ短い感じがするし、身体的・心理的な苦痛を感じながらの時間は長く感じる(やだねぇ)。仕事で疲れ果てた時、布団に倒れ込んで「瞬き1回」したらそれこそ「一瞬」で朝に変わったときは、大いに不満を感じた。睡眠欲が成就してないぞ!、と。
また、「変わらないでほしいな」と思う風景は、場所により状況により、目まぐるしく変わってゆく。
子ども時代を過ごした山が、たった30年ていどの間に、削られ、盛られ、見る影も無くなる。山が消えるなんて驚愕だ。山猿よろしく山育ちの「山出し」な私にとって、山とは「偉大なもの」だったからだ。けれど、山すら永遠ではない。
時間的継続、という意味ではない「永遠」ならどうだろう。例えば、長嶋茂雄氏が選手を引退するときの言葉に、「巨人軍(ジャイアンツ)は、永遠に不滅です!」というのがある。他にも「この絆は永遠」という意味合いの言葉や言い回しはたくさんある。
この「永遠」は、その言葉を使うその人にとって、「ものすごく大切に思っている」ことの表明で間違いないと思う。
さて、比べるために並べてみよう。
「命のかぎり、あなたを愛する」
自分がこの言葉を出すとしたら、何を伝えたくて言うだろうかと考えてみた。少なくとも、「自分が死ぬまでね」などという時間的尺の意味では言わない。愛する時間は期限付きなんて、ナンセンスもいいところだ。だいたい期限などというつまらぬものが付く時点でそれは愛じゃない。五右衛門ちゃんに斬鉄剣で斬ってもらった方が良い。「この私にできることのすべてを尽くして、それをあなたに差し出す。それは私の、愛の表現です」という意味なら、しっくり来る。もちろん自分の感覚だ。
「永遠に、あなたを愛する」
時間なんて関係ないんですよ、という意味も含むであろう言い方だ。でも寿命がある。ではどうする?
「あなたへの愛は、自分という存在の、時間を絶するような深いところから響いています。だから時間は関係しない」という辺りの表現だろうか。
どっちの表現でも、結局「時間」が入り込む余地は無い。寧ろ、「時間」が哀れなくらい、「時間」はハナも引っかけられてない。
そも、時間の感覚や概念は脳のための都合だ。存在は脳ミソじゃないから時間を絶している。存在は命の本質であり、命の本質は愛と同じだ。しっかりと温かくつながり合うけれども、何にも寄り掛からず、自ら立つ。それを「永遠」と、脳ミソの知覚方式に寄り添った表現をしているなら、「永遠とは、存在であり命である。表現するならそれは「愛」の姿をとる」…というところか。
ただ、「大好き」で良いと思うのも確かだ。
「『ずっと◯◯』ってお題なら、4回くらい書いてきたが、『ずっと』と『永遠』って別かなぁ」
実際に、それが存在するかどうかは別として、「永遠」という単語や思想はたしかに存在するわな。
某所在住物書きは今日も今日、己のエモネタに対する不得意を再認識してため息を吐く。
たまに、「永く存在し続けることは、つまり常に変わり続けること」と説明する者が在る。
永遠と、常変不変の関係は、今回の題目のネタとなり得るだろうか。
「そもそも『永遠』って『どこ』まで……?」
駄目だ。やっぱ哲学は分からん。
物書きは考えて、考えすぎて、結局基本が分からなくなり、今日もネットにヒントを求める。
――――――
永遠に湧き続ける金銭の泉は、場合によってはいずれ飽きるのでしょうけれど、永遠に健康問題に困らない体はちょっと欲しいと思う物書きです。
11月に各地で夏日など観測する昨今、こんなおはなしをご用意しました。
最近最近の都内某所、某稲荷神社敷地内の一軒家に、人に化ける妙技を持つ化け狐の末裔が、家族で仲良く、ながーいあいだ、暮らしておりました。
その内末っ子の子狐は、まだまだコンコン、ほんとの子供。お花とお星様と、キラキラしたものとお昼寝が、とっても大好きな食いしん坊です。
今朝はとっても良い天気。全国の田んぼを照らしたお日様は今日もピカピカご機嫌で、11月の東京に、最高26℃の夏日を連れてきました。
こういうポカポカ陽気には、おそとでお昼寝が、「子狐としては」イチバン。
お小遣いいっぱい使って、先月化け猫の雑貨屋さんから買ってきた、素晴らしくモフモフでモフモフでモフモフな、お昼寝用座布団を引きずって、外の一番日が当たる、神社の広場へ、
行こうとしたは良いものの、あとちょっとで玄関の数メートルで、
母狐が人間の姿で、仁王立ちしておったのです。
こういうポカポカ陽気には、洗濯に外干しが、「母狐としては」イチバン。
子狐の買ったきた座布団は、暖かい秋晴れのたびに外へ出されて、土もホコリも砂も何も、いっぱいいっぱい、くっついておるのです。
「お貸しなさい」
母狐は優しく、しかし静かな威厳をもって言います。
「お洗濯して、綺麗にしましょうね」
大事なモフモフを盗られるのは嫌なのです。コンコン子狐、回れ右して、座布団引きずって、全速力で逃げる逃げる。
「いい子だから、ほら、待ちなさい」
洗濯物回収の鬼ごっこがゲリラ開催です。
母狐、逃げる子狐を追いかける追いかける。
「綺麗になった座布団の上で、お昼寝した方が気持ちいいでしょう」
半日だけ、半日バイバイするだけだから。
母狐、イヤイヤ廊下を逃げる子狐を、なんとか追いつき捕まえましたが、
モフモフを必死に噛んで離さず、なんならギャギャッと威嚇もするので、はてさて、どうすべきやら。
「ずっと洗わないで、汚れたままには、しておけないでしょう」
今日綺麗にすれば、きっと、明日最高の昼寝ができますよ。母狐、そんなことを言いながら、1時間の格闘の末、ようやく座布団を回収完了。
また来週再来週、下手すりゃ明日やら明後日やら、汚れた座布団を洗う洗わないで、きっと同じ鬼ごっこが繰り返されるのでしょう。
また来年再来年、コンコン子狐が座布団に飽きるまで、きっとそれは外に出され、日のよく当たる場所に据えられ、最高のお昼寝道具とされるのでしょう。
「これに飽きたとしても、また次の何かが、その次の何かも」
まるで鬼ごっこが、永遠に、ずーっと繰り返されそうな錯覚をしてしまいます。
「でも、いつかはきっと、終わるのでしょうね」
疑似的永遠な洗濯物回収の鬼ごっこ、はたしていつ終わるやら。母狐は優しいため息ひとつ吐いて、
まず、布団たたきで座布団をバンバン!
モフモフが抱え込んだ土とホコリと砂と何とを、払い続けましたとさ。
『永遠に』
朝が来て
音楽が流れる
木の葉が揺らぎ
息を吸う
途切れ途切れのリズムで歩む
断続的に遠くまで
夜が来て
川が流れる
気持ちが揺らぎ
息を吐く
途切れ途切れのリズムで歩む
永続的に遠くまで
「うっ……ふぅ」
泣き声と荒い息が聞こえてくる。
大好きな人の声だ。
いつもだったら外でしか聞こえないその声。
でも今は家の中で聞こえる。
なんて幸せなんだろう。
少し顔をのぞかせる。
私の姿に気づいたのか、ビクッと体を揺らし怯えた表情になる。
体はガタガタ震えつつも私を睨みつけていて、まるで子犬のようだった。
かっこいい顔は涙でぐしゃぐしゃだし、普段はスラッと背が高くて大きく見える彼が、手足を縛られ体育座りをしているせいか、小さく見える。
「お、まえ、誰、だよ。」
恐怖のあまり、声が出ないのだろう。
かろうじて聞き取れる程の声で必死に伺ってくる。
『ふふ、あなたのフィアンセだよ。』
頭を優しく撫でると、体をまたビクつかせて後ろへ下がる。
その姿がとても愛おしい。
『そうだ。お腹すいたよね。どれ食べたい?』
持っていたビニール袋を見せる。
『おにぎりだったらツナマヨと鮭、昆布も買ったんだぁ。サンドイッチもあるし、念の為お弁当も買ったよ、幕の内弁当。』
彼は状況が飲み込めないのかカタカタと震え、怯えているだけ。
『あ、でもぉ、一昨日食べてたよねぇ、おにぎり。具は鮭と昆布だったから、今日はツナマヨがいい?あ、夜ご飯も幕の内弁当だったか。じゃあこれは私食べちゃうね。』
彼の顔がサァ…っと青くなる。
君のことならなぁんでも、知ってるよ♡
『あ、そうだぁ。』
カバンをガサゴソと漁り、一つ紙袋に包まれた物を取り出す。
『じゃーん!!どお?可愛いでしょぉ。』
手に取ったのは首輪。
『これを……はい。』
首輪を彼の首に装着して、付属の鎖をジャラジャラと壁に固定する。
『ふふ、これで……ずぅっと一緒だね♡』
彼の怯えた瞳がさらにハイライトを失っていく。
きっと彼にとっては絶望的だろう。
知らない女、知らない場所、手足を縛られ自由を奪われている。最初は口も塞いでいたが、それだと可哀想だと思い外した。
彼の手足が目に入る。
痣や擦り傷、きっとここに来るタイミングで出来たのだろう。
優しく傷を撫でる。
『ごめんね……連れてくる時に怪我させちゃったんだね。傷つけないようにしろとは言ったんだけど……。』
さすがに自分より背が高い相手、しかも男を女一人で捕まえることは出来ないだろうと思い、親しい友人(男)に頼んだ。
『あいつ……後で仕置だな。』
私の低い声に彼がまたビクリと体を震わせる。
『ふふ、大丈夫、もう怖い目には合わせないから……』
震えている体を抱きしめ、優しく頭を撫でる。
怖い状態なのには変わりないが、優しく接せられているせいか、彼の震えが少し収まった。
『あ、でもぉ、』
彼の体から少し離れ、首輪の鎖をジャラリと引く。
視線を無理やりにでも合わせた事により、彼の顔が強ばる。
『逃げようとか、ここから消えようとした時は、君にもお、仕、置、き♡』
ニコリと微笑むが、彼にはとても怖い顔に見えたのだろう、再び体をカタカタと震わせている。
あぁ、可愛い……。
絶対に離すものか。
永遠に……一緒だよ。
#永遠に
永く遠い未来まで生命はいつまでも
この世が暗い闇に閉じ込められることない
どこかで小さく輝らし続ける