月夜』の作文集

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月夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

3/9/2024, 10:50:45 AM

(※二次創作)(月夜)

 月の綺麗な夜に、随分無粋な輩がいたものだ。
 アレクスは、いつもの通り、ひとり夜の街を歩いていた。気分が悪く、気晴らしにと外に出たらこれだ。
 尾行されている。
 とはいえ、大した脅威にはならない。有象無象、街のちんぴら、その程度の履いて捨てるほどいる取るに足らない屑ども――。
「っ……」
 忌々しい不調がなければまだ、よかったのだが。
 アレクスは足を止めた。ちょうど、筋道を入ってしばらく歩いた場所で、古い家に囲まれた空き地になっていた。
「よお、兄ちゃん、ちょっとばかし金を……」
 ひゅう、と冷たい風が吹き付けたと思った瞬間、チンピラどもは氷の中に閉じ込められていた。きらきらと、月光に照らされ、美しくも見える。このまま、少し力を加えれば、この氷は粉々に砕け散るだろう――中身ごと。
「アレクス、やっと見つけたぞ」
 メナーディが姿を現したのは、連中が完全に消え去った後だった。地面が濡れているのを見て、眉を顰める。
「また殺したのか?」
「追い剥ぎに、遭いかけました、ので」
 立っていられなくなって、その場にずるずると崩れ落ちる。体調不良の原因は毒だった。ジャスミンたちに襲いかかった魔物の前に咄嗟に立ちはだかった際に、食らってしまった。
「相変わらず、毒には弱い奴だな」
「それで、なんの、用ですか……」
 メナーディは鼻を鳴らす。傷は瞬時にプライで癒したアレクスだったが、その後の様子がおかしかった。夜、宿にいないのはよくあることだが、今日に限ってどうも気になって、探しに来たらこのザマだ。
 肩を貸してたたせてから、メナーディは尋ねる。
「歩けるか?」
「あまり、この状態を、見られたくはなくて……」
「じゃあ、その辺の連れ込み宿でも探すか?」
「そう、ですね」
 普段は喧々諤々、嫌味とデンジャラクトの応酬となるふたりが、静かにゆっくりと歩いていく。ただ月だけが、それを見ていた。

3/8/2024, 4:58:01 PM

月はあなたにパワーをくれてるでしょう。

あらゆる光を反射して、たくさんのエネルギーを取り込み、そして宇宙へ飛ばすのです。

私たちが日常行っているあらゆるネガティブなエネルギーを月は吸収し、
そして拡散してくれます。
良い方へ変換してくれるのですよ。
それが月の役目です。

3/8/2024, 3:19:22 PM

月夜
「こんばんは、吸血鬼さん」
夜になると、私の部屋の前に彼は現れた。
私の声にふわりと微笑み、優雅なお辞儀で返した。 
現代社会では見慣れない貴族のような衣服
風になびく真っ黒なマント
ふわふわとした白髪に美しい目鼻立ち。
側から見れば人間と変わらない。 
だが明確に違うのは牙があることだ。
闇に紛れて生きる吸血鬼。そんな彼は私の恋人である。

初めて会ったのは1年前の満月が美しい夜だった。
最初に血を吸われた時は驚いたけれど、数を重ねていくと献血に似たものだと思えば怖くなかった。
吸血後にふらついた時に抱き止めてくれたこともあった。大丈夫かと聞くように私を見た瞳は優しさに溢れていた。今思えば、その時から彼に恋に堕ちて囚われていたのだろう。

そんな事を考えていると、今の自分だけを見ろと言うように指を絡められた。
繋いだ手に温もりはないはずなのに、温かく感じるのはそれほど彼に愛しさを感じてしまったからなのだろう。
好きと伝えるように見つめると、どちらからともなく口付けを交わした。
彼といられる夜がいつまでも続けばいいのに。
赤い月だけが、私たちを見つめていた。

3/8/2024, 12:51:34 PM

【月夜】

 「あっ、出てきた。」
 彼女はそう呟いた。僕のことなんか完全に忘れた独り言だ。

 「え、何が?」
 それでも、反応せざるを得なかった。
 これがただの独り言だって事くらい分かっている。何が彼女をそこまで夢中にしているのか、どうしても知りたかった。

 「え?…あぁ、お月様。」
 彼女は視線を逸らさず空を指さす。
 その先にはただの欠けた月、雲の隙間で淡く輝いていた。
 彼女はこんな退屈なものに見入っているらしい。


 前に月を見上げた時の事を思い出す。
 空を真剣に見つめるその横顔に見入っていた僕の視線を、誘導する彼女の人差し指。月光を反射したネイルストーン。
 その時も、彼女の瞳の中を覗くように月を見上げた。そこには丸くすら無い、ただの月だけ。

 「綺麗だ…」
 思わずそう零してしまう。ただの月なのに、特別綺麗だった。悔しいほど。

 「…そう?」
 彼女は興味無さげに返事をしてくれた。

3/8/2024, 11:38:38 AM

「月夜」

ここは不思議の森。みんなが知っていて、みんな知らない場所。
今日はここで夜のお茶会が開かれる。
数多の花に照らされながら、星のように森の住民は囁きあう。

ここは楽園。居場所を失ったすべての存在の終着点。
望んだものはなんでも手に入り、苦しみは消える。
やがて意識も薄れて、最後は森の一部となる。

そんなこの場所に、旅人がひとり迷い込んできた。

煉瓦色の髪の、全てを消し去りそうなほどの暗闇を目に宿したその人は、何も言わずにゆっくりと歩いていた。

そんな旅人を見た蟹と街灯のキメラ、そして頭がクマのぬいぐるみでできた市松人形が声をかけた。

「こんばんは。あなたもお茶会に来たのですか?」
「……」
「お菓子 美味しいヨ」
「……」

「……。あなたがこの森に来たということは、おそらくあなたにも望むものがあるのでしょう。」
「そウ!ここは いいとこロ!さア 早速お茶会に行こウ!」

木々の間で開かれる月夜のお茶会。
そこでは、パッチワークでできたビスケットに朝露に夜の帳を溶かしてできた紅茶、氷河のケーキ、とにかく色んなものが並ぶ。

「着いたヨ!ほラ これ 食べテ!」
「どれでも好きなものを好きなだけお召し上がりください。」

旅人は沈黙を破らないままケーキを頬張った。
「どウ?美味しいでしョ?」

今度は蛍光色のマカロンに手をつけた。
よほど腹が減っていたのだろうか。
黙ったまま食べ続ける。

「せっかく出会ったので教えてください。あなたの望むものは何ですか?」
「私モ 気になル!」

ようやく旅人は空に浮くくらげを見つめながらその重い口を開いた。
「……無くしたものが欲しい」

「そして、手に入れたものを全て取り戻したい」

「欲しいもノ いっぱいだネ!でモ 大丈夫!ここにいたラ いつかきっト 手に入るヨ!」
「森の一部になるその時まで、きっとあなたは満たされていることでしょう。」

しばらく沈黙が続いたあと、さっきまでとはうってかわった様子で
「さて!!!」
とだけ言い残し、どこかから取り出してきた袋にお菓子を詰め込んで走り去っていった。

「早速、望んだものが手に入ったようですね。」
「髪の色モ 変わってたネ!よかっタ よかっタ!」

この夜が森の一部となったので、月夜のお茶会はほのかに甘い香りを残し、終わりを告げた。

不思議の森は、いつもどこかであなたを待っています。

3/8/2024, 11:11:01 AM

先ほど、旅人の僕らは島を出発した。本当はあの島をもう少し堪能したかったが、共に旅する彼女が左腕に大怪我を負った。事情はいろいろあるのだが、それは置いといて、その怪我は、伝説の魔法使いヴァレマにしか治せない。そのため、応急処置後すぐに僕らはヴァレマの暮らす島へと旅立った。
 船室に入らずに甲板に座ってぼんやりと遠くを眺めてる彼女の顔は晴れない。
「アイシェルちゃん。中入ったら?熱もまだあるでしょ。」
まだ怪我をしてから数時間だ。怪我による発熱もあり、薬は飲んでいるが、そんなすぐに治るものじゃないはずだ。
「…そうだね。シャト君も来て。」
僕は彼女の後ろをついていく。船室に入り、彼女はソファに身を預ける。
「…ヴァレマのいる島はマヤトって国の一部でね、特殊結界に守られていて、大抵の人は認識すらできない。」
僕は彼女の話を聞きながら、彼女にブランケットをかける。
「とりあえず、マヤトの隣の大陸ギャラクシーに向かうよ。この客船はとりあえず西に向かっている。島3つ経由して行かなきゃかな。」
彼女は簡単に説明してくれた。
「詳しいんだね。」
「まぁ…。」
彼女は曖昧な返事をした。

 ようやくギャラクシーにたどり着いた。彼女の熱はすぐに下がったが、左腕は完全に動かなくなっていた。
「最東端の街に向かうよ。」
船を降りた彼女はスタスタ歩き出す。
「やっぱり詳しいね。」
「うん。」
彼女は何も言ってくれない。

 最東端の街にたどり着いた。その海岸に彼女は立つ。
「シャト君。飛行魔法、使える?」
「無理だよ。」
僕が魔法を使えることを知ったのは最近だ。飛行魔法なんて、レベルが高すぎる。
「だよね。じゃあ私が運ぶしかないね。」
「どういうこと?」
「マヤトの国に船は出ていないんだよね。」
だから飛行魔法で行くしかないってことか。
「そういえば、大抵の人は認識できないって言ってたね。大丈夫なの?」
「私はね。シャト君もたぶん大丈夫だと思う。」
「何を根拠に。」
「性格。」
喜んでいいのだろうか。

 そうしてマヤトの国に着いた。
「ここの最北端を目指すよ。」
「休まなくて大丈夫?僕を浮かせて飛行魔法でしょ?魔力の消費は。」
「大丈夫だよ。」
こっちを向いた彼女は、笑っていた。久々にその顔を見た気がする。移動中、平気そうな顔をしていたが、やはり怪我は辛いのだろう。ヴァレマに近づいて、少し余裕が出たのかな。
 少し移動すると、ある親子とすれ違った。
「あっ!“月夜”の色!」
子どもはアイシェルちゃんを指差してそう言った。今は昼間なのに、月夜って、どういうこと?
「ごめんなさいっ!この子、“月夜”に憧れていて。」
親はそう言って子どもの指をさげさせる。
「大丈夫です。魔法の練習、頑張ってね。」
アイシェルちゃんはそう言って子どもの頭をなでた。子どもは嬉しそうにうなずいた。
 親子と別れた後、僕は彼女に聞いてみる。
「ねぇ“月夜”って?」
「この国の魔法使いの制度で、素晴らしいとされる魔法使いに世名が与えられるの。あの子の言う“月夜”は、そのことだよ。“月夜”の世名を持つ魔法使いがいるんだ。」
初めて彼女はこの国のことを教えてくれた。
「それが、なんでアイシェルちゃんなの?」
「さぁ。似てるんじゃない?」
彼女はその“月夜”っていう魔法使いに興味がないようだ。彼女自身魔法使いなのに。

「やっと最北端だね。」
彼女は海の向こうに見える島を見つめる。
「あの離島にヴァレマはいるよ。」
彼女は断言した。
「ねぇ、みんなアイシェルちゃんのことを“月夜”って言ってたよ。」
すれ違う魔法使いの半分くらいはそうだった。
「ね。よっぽど似てるんだろうね。」
「アイシェルちゃんのことじゃなくて?」
僕は思い切って聞いてみた。本当に彼女は、自分のことを話したがらない。
「言ってただけだよ。これをつけてないからね。」
彼女は魔法空間からブローチを取り出して、僕に渡した。
「これは?」
「師匠に、素晴らしい魔法使いと認められれば、世名とともに与えられるものだよ。」
それは、彼女が“月夜”であることを意味している。
「この国は、100年以上前に旅立ったんだけどね。」
彼女はぼそりとそうこぼした。
「ずっと残ってるなんて、すごいね。」
「ほんとにね。今日はここで休んで、明日の朝、飛んでいくよ。」
話を終わりにしようとする彼女に、僕は聞く。
「ヴァレマに会ったことあるの?」
「…あるよ。…そうだね、話しておこうかな。」
彼女はようやく口を開いた。
「ヴァレマは私と似た容姿のエルフだ。あの離島…エルフの島の創始者だよ。」
「エルフの島?」
「うん。エルフは各地で迫害されていた。だから、お…彼女は島ごと創造した。」
島を創造する魔力って本当に1人の人間なのか?それより、アイシェルちゃんが言いとどまったのが気になった。
「お?」
「…。」
僕は彼女が言ってくれるのを待つことにした。
「…お母さん、なんだ。」
「え?」
「ヴァレマは、私のお母さんなんだ。」
僕は驚きで言葉を失った。

 翌朝、僕たちはアイシェルちゃんの飛行魔法で離島に飛んだ。待ち構えていたエルフが笑顔で言った。
「アイシェルさん!お久しぶりです!」
「久しぶりだねレーサ。お母さんのところへお願い。」
「はい!」
レーサと呼ばれたエルフと僕は自己紹介をして、3人でヴァレマのもとへ向かった。

「こちらの部屋です。」
レーサは立派な建物の一部屋に案内してくれた。何この立派な建物。
「ありがとうレーサ。下がってて。」
「はい。」
アイシェルちゃんはレーサを下がらせた。彼女はレーサに心を許していないようだ。
「…気づいていないみたいだね。」
「ね。昔から魔力探知苦手な子だったよ。」
レーサはアイシェルちゃんの怪我に気づいていない。
「心配させる必要はないよ。もう治る。」
彼女はノックして、ゆっくり扉を開けた。
「アイライネっ‼︎」
そこにいたのは、彼女と同じ金髪と紫水晶の瞳を持つ女性だった。
「久しぶりだね、お母さん。」
「!その腕っ!こっち来て。治療するよ。」
ヴァレマはすぐに気づいて、アイシェルちゃんを呼んだ。
 ヴァレマの体から魔力が溢れ出る。圧倒的な魔力量。アイシェルちゃんが僕を浮かせて飛行魔法を使っても、全然平気なわけだ。
「どう?アイライネ。」
アイシェルちゃんは左手を動かす。
「うん、大丈夫。ありがとう。」
彼女は満面の笑みを浮かべた。ところで、アイライネ?
「シャト君。アイライネは、私の真名だよ。」
「うん?」
「いろいろあってさ。シャト君もいろいろありがとうね。」
この笑顔が見れるなら、彼女のどんな過去だってなんでもいいと思った。

3/8/2024, 10:01:29 AM

【満月ベランダの美しいケモノ】

いい夜ですね。
アパートのベランダ
仕切り板の向こうから声がした

こんな夜更けに誰だろう?

眠れない夜のベランダから少し身を乗り出して隣を覗くと、ふさふさとした銀色の毛の、狼の人、でも人懐っこそうな、そんな獣人がタバコをふかしている

どうやら隣の部屋の住人のようだ

よく手入れしているのだろうか?
満月に照らされた部分が特に白く輝いて美しくて惚れ惚れする

こんばんは、いい夜ですね
何をしているんですか?

狼に変身すると眠れないし
かといって、この姿で出歩くわけにもいかず
仕方なく月が沈むまでタバコをふかしてやり過ごしているそうだ
時々、遠吠えしたくなる衝動を抑えながら…。

明日も会社なんだよなー めんどくせー
と、ため息と煙をはく狼は何だか可愛らしく、そして、やはり、美しい
会社はIT系でそこでエンジニアをしているらしい

あんたはどうしたの?

…と聞かれたので
私はずっと睡魔を待っている
と言ったら
へぇーそうなんだー
と一言だけだった

なんで?とか
カフェインやめてみたら?とか
浅はかなおせっかいを言う狼(ヤツ)でなくてほっとした

お互いのベランダの手すりにもたれ特に会話もなくふけてゆく夜を味わう

何故か懐かしくあたたかい夜

昔一緒に暮らしていた大きな愛犬が時々何もないのにそっと寄り添ってくれた感じに似ているな〜
狼と愛犬は似ても似つかないけれど、気配が似ているところがある
狼ヤツをただただモフリたいと無性に思うのは愛犬家のサガだ
愛とか恋とかの感情はずいぶん前にリサイクルショップで売ってしまったからきっとチガウ...

ふふっ 何だか笑える

それにしても本当に美しい毛並みだ

見惚れながら私はまた新しいビールの缶をあける

きっと今夜も睡魔は来ないだろう
でも本当に今夜はいい月夜だ。

お題:月夜

3/8/2024, 9:59:19 AM

ペダルをこぐ
  夜の道のり
  いつも一人
   どんな日も      
    一人         赤信号
  誰かといたくない    青い自転車を
  わけでもない    止める 
    けど         少しサドルが
             高いかもしれない
   冷えた空気   などと考えてる
    秋の到来       そして
   どの季節も       ペダルを踏み込む前に
   どんな行事       何だか気分がいいのは
   でも           あまりに月が    
  自分だけでいたい    綺麗だからで
  わけではない      そんな一人が嫌いじゃ
    けど...            ないんだ
               と こころの温度の
                 高さを知る


              #月夜/note-18

3/8/2024, 9:55:27 AM

失くして初めて気づいた、とか

まるでドラマとか本の中でしか出てこないものだと思ってたけど、
今まさに味わってみて、ほんとに心がぽっかりしてるよ
まさに、ぬけ殻

この後無性に後悔するんだろうな

もっと話せば良かった
もっと笑えば良かった
もっと泣けば良かった
もっと大切にしてあげれば良かった
もっと、もっと――

嘆いたところでもう遅いの
外はいつの間にか雨が上がってた
月が綺麗に顔を出している
月が綺麗だねって、最初にあなたが言ってくれた日に戻りたい
そんなの叶うわけないのに願ってしまう
それにしても憎たらしいくらい綺麗な月夜だ
あなたも今、見てたらいいな
それで私のこと思い出してくれたらいいのにな

3/8/2024, 9:52:25 AM

今が、ずっと続けば良い。

隣で眠る君の胸に顔を埋めて、そう思った。

とくとくと鳴る心臓の音、お風呂上がりの君の匂い、背中に回った君の温かい掌。

全部独り占め、私だけのもの。

この幸せな今に、ずっと浸っていたい。

長くは続かないのが、幸せというものだから。

テーマ「月夜」

3/8/2024, 9:47:26 AM

パワーが欲しい時は太陽の光を浴びる。
 癒やされたい時には月夜を歩く。
 月の光には神秘的な力がある。

3/8/2024, 9:43:52 AM

月夜
これでもかという程に金色に輝く月
貴方の希望

月夜
雲から光をもらす月
暗闇に照らされた夢

月夜
貴方を照らす月
私の愛

月夜
何も見えない新月の月夜
断ち切られた赤い糸

月夜
まろやかな形を成して霞む月夜
潤んだ瞳







「月夜」

3/8/2024, 9:41:16 AM

6.月夜

先ほど見た月夜は綺麗だった。なんの淀みもなく、真っ黄色でとても美しい。月は私たちに素の自分を晒している。それに対して、私は自分の意見を表に出さず、自己中心的な心が腐った人間だ。月を見ると何故か勝手に嫉妬してしまう。こんなに完璧な物体が私の近くにあればその存在を羨ましく思ってしまうではないか。そんな私と全く持って対照的な月は、物理的距離的でなく、存在的も遠いということは言うまでも無い。月に照らされた私は慰められることもなく、丸い球体を憎んでいた。しかし、月は私のことを気にも止めず、ひたすら完璧な姿を維持し続けている。日によって欠けようが、時が経てば完璧に戻る月が私は羨ましかった。そんな月を見て、自分の不甲斐なさを自覚しつつ、心を落ち着かせて眠ることにした。

3/8/2024, 9:38:26 AM

月夜

月夜に 謡う 水面は まだ 冷たく
夏が 来るには 早すぎて
風が 散っていく 遥かの 地平 過ぎてく
あれは 君の 面影が 幼い 頃の ように
水面に 映る 肌も 白く
透明の 水に 浸す 永遠を 探す ように
月夜に 君は 風を 攫い
遠い 夢で 逢えた あなたを 思い 出すから

花は 命 またなむ 
明け方を 待ちて 
次の 春を 心で 祈る

月影の 向こうに 昇る月 
凍える 唇に 君を 呼んだ

あなたは 何処から 流れ
長い 夜を 待ちわびる

月夜に 謡う 春の 匂いは 
遠い 深夜の 信号の シグナルに かき消されて

それでも あなたを 待ってる
夜長に 月の ロマンス きっと 
いつか どこかで 探した 夢は まだ 咲くから
花を 落とす 雨は まだ 降らない

3/8/2024, 9:37:47 AM

誰かと暫く一緒にいて、期限が来てその人の元を離れる時、私は泣いてしまう。

一緒にいる時間が長ければ長いほど、日常に染み込めば染み込むほど、涙の量は増える。

夜が老けて月夜が見守る帰りのバスの中で、一滴、また一滴と目から水が出てくる。

時間が経って、頭の中がキュッとなってぼやけて、何も考えられなくなる。

そんな状態で窓からぼやーっとふやけた街灯の光の走っていく様子が自分の目のガラスに映るのが好きだ。

3/8/2024, 9:33:44 AM

毎日月夜(⁠ ⁠╹⁠▽⁠╹⁠ ⁠)
(スラッと書きましたすいましぇん)

3/8/2024, 9:22:01 AM

彼が漕ぐ自転車の後ろに横座り
家の塀に膝をぶつけて
痛かったけど楽しかった
手を伸ばせば届きそうな大きな満月の夜のことでした

※月夜で浮かんだのはこのエピソード、実話です
ちなみに彼とは元旦那さんで、高校生の頃の話です

3/8/2024, 9:13:22 AM

暗闇の中にたった1つ綺麗に光る月。あの時の君もあの月のようだったね。でも月はいつか沈む。君もどこかいってしまったね。月はまたのぼってくる。君はどこをのぼってしまったの。また私の心に月夜をまた。また。永遠に、永遠に。
「今度は月のようになるね。私が。私が。」
お題『月夜』

3/8/2024, 9:09:43 AM

3月8日(金)今日は、小学校に行ったら、あと卒業まで8日でした。寂しいな〜。6年生や1〜5年生そして先生方と一緒にいれるのもあと8日か〜。まだ居たいな~。卒業式の日言えないかもしれないから今言っとくね!みんな6年間ありがとう。お疲れ様でした。これからは、新たな世界へ羽ばたこうね!中学校に行ってもよろしくね。そして違う学校に行く人、頑張ってね。応援しています!!令和5年6年1組23名は、今も、これからも、みんなの味方であり敵でもあります。しかし、皆と過ごした時間は、無かった事にはなりません!!また、大人になって、元気に会えると良いね!!じゃあまたね~

3/8/2024, 9:07:47 AM

『月夜』

 なんともまあ明るい夜だ。街灯がそこかしこで点灯し、黒いアスファルトを白く彩っている。こんな夜をこの田舎で見られるとは、私が子どもの頃は露にも思わなかった。それもこれも、とある会社のとある事業が成功し、この土地に移り住む人が増えてきたからだ。今まで碌に整備されていなかったインフラが整備されはじめ、この周辺でそれなりに大きめの市街地へも行きやすくなった。この街灯たちは、その経過の一つに過ぎない。
 私は嬉しかった。親の事業を継ぐことを決意しこの土地で一生を過ごすと決めてから、この土地に対して物足りなさを感じていたから。勿論親の事業を継いだことに後悔はない。この土地に対してもそれなりの不便はあれど、不満はそこまでなかった。ただ、去っていく若者を見て、もの悲しさを感じてしまうのは仕方のない事であった。今やそれが若者がこちらから来てくれるようになったのだ。私の事業が成功したわけではないが、この繫栄をもたらした会社には足を向けて寝られないくらいには感謝していた。
 ある日の事。今日の仕事を切り上げた後、なんとなく散歩をしたいと思い、海辺へと足を運んだ。この海辺は漁港の近くにあり海水浴目的で訪れる人はほぼいない為、年中静寂を保っている海辺だった。私は子どもの頃からこの海辺が好きで、暇さえあればここに来ていた。今は色々理由をつけて来れていなかったが、久々に来ても変わらない風景に安堵した。
 大方散策を終えて帰ろうとしたときだった。何やら大きな荷物を抱えた青年がやってきた。青年はこちらを一瞥もせず、そのまま砂浜で荷物をほどき始めた。最初はここにキャンプでもしに来たのかと思った。この土地が栄え始めた頃、ここでキャンプをしようとして怒られていた人を何人か見たからだ。最近はめっきり減っていたようだが、もしかしたら彼もその一人なのかもしれない。もし本当にキャンプをしようとしているのなら注意しようと思い、青年に近づいた。
「ここでのキャンプは禁止されているよ」
「知ってます」
「では、ここで何をしようとしているんだ」
「天体観測です。一応役所からの許可も得ています」
 確かに、青年が広げているのは大きな望遠鏡であった。一般的な望遠鏡とは違う、所謂本格的なものであろうことは想像に難くなかった。
「なるほど、それなら問題ないな。でも、ここで天体観測とは珍しい。普通天体観測は山でするものではないのかい」
 私は純粋な疑問を青年に投げかけた。青年はこちらを見ることはなかったが、無視する気もないようで、私に答えてくれた。
「確かに山の方が星を確実に見ることができますが、今回の目的は別にあるので」
「その目的はなんなんだ?」
「写真撮影ですよ。この辺で海と月が一緒に撮れる場所はここくらいですから」
「そうなのか?ここには昔から住んでいるが、そんなの気にした事なかった」
「気にすることではないですからね。今まではこの周辺の海岸沿いなら大体綺麗に見れたんです。だから、気にしなくてもいつでも見られた」
「今はそうではないのかい?」
「はい。土地の発展によって他の海岸は街灯が近くに設置され、海辺ですら空を満足に見にくくなってしまった。残っているのはここくらいなんです」
 言われて周りを見渡すと、確かにこの周辺は街灯がない。そのおかげか、水面に鏡のように月が浮かんでいるのが見えた。
「それでは、君はこの景色を撮りに来たのかい」
「ええ。…ここもいずれは、見られなくなってしまうかもしれないので」
 そういう青年の顔は、少し寂しそうであった。ここを長く知っているのは私のはずなのに、まるでそれよりも長い年月見てきたかのような顔でもあった。
「そうかい。いい写真が撮れるといいね」
 それは、嫉妬でもなんでもなく、素直な願いであった。それを聞いた青年ははじめてこちらを見て、微笑を浮かべた。私は、そのまま青年のもとを去った。
 新しいものを求めると古いものは淘汰される。皆それに気付かず通り過ぎてしまう。私はそれを分かっていたつもりで、実のところ何も分かってはいなかった。
 私は、今日見た景色と青年の顔を心に刻みつけた。

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