放課後』の作文集

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放課後』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/12/2024, 2:26:44 PM

こんなにもドキドキが付きまとう単語なのに、
僕の記憶の引き出しは体育教師にガチギレされたことを引っ張り出してきた。
我ながら情緒のない引き出しである。

バレー部のあの子が練習中の目の前で、先生に怒られながら反復横跳びをさせられるという苦すぎる記憶。
でも確か、その夜にスマホの画面が光ったんだった。
「反復横跳びお疲れ様。笑」

ちゃんとドキドキしてるじゃない。
ナイス俺の引き出し。

(放課後)

10/12/2024, 2:24:27 PM

「放課後」

規則正しく詰め込まれた
今日一日の終わり
夕暮れ教室の机たち
普段は行くこと許されぬ
あの席とその席の間
理由もなくただ通ってみる。

10/12/2024, 2:22:58 PM

放課後


放課後といえば全力下校。
油断していたらいじめっ子たちに囲まれてトイレ行きになりますから。
私の世代は基本和式便器なので、大体下駄箱に靴がない時は便器を見て回るのですが、溜まっている水の色が透明じゃない時は大変なんですよ。
数分水洗いしても臭いが落ちないずぶ濡れの靴を履いて、歩く度にグチュッグチュッと絞りきれない水を踏みしめながら帰るわけです。
小さい子が履くピコッピコッとなる靴みたいな愛らしい光景一切ありません。
いつも大変だったので頭を使い、帰り用に上履きの替えを隠しておいて、それを履いて帰るようになりました。
人間知恵をつけるものですね。

それはさておき、放課後という文字を書くと思い出すのは、最近よく見かける放課後デイサービス……ではなく、放課後電磁波クラブ。
よくあんなの地上波で流せてましたよね笑
でも、あの笑いが私の癒しと支えになっていたことは間違いありません。
あの頃の緩さというか寛容さというか、今みたいなピリピリした空気がない時代はよかったなと、しみじみ思ってしまいます。
今は何でもコンプライアンスですものね。

かく言う私も、こういう話を書くとコンプライアンス違反になってしまうのでしょうか?
そうなると困るんですよね。
できれば思うままに書いていたいので……意外と書く場所ってないと思いませんか?
どなたか適度に閲覧されるくらい且つ、読んでくれた感想とか聞ける場所があったらなんて、都合いいこと思ってしまう今日この頃です。


そう、放課後にいじめられてずぶ濡れになった靴のまま帰るとバレてしまうからと、少し歩いた図書館で靴と靴下を脱ぎ、少しでも乾かそうとしながら書いていた書き殴りノート。
あいついつも来ているなと館員に目をつけられ、危うく出禁になるところを助けてくれたとある人。
見返りに読ませろとノートを読んでもらいながら過ごすひととき。
いつしか放課後は、いじめから逃げる日々から、恩人との楽しい日々に変わっていき、あの出会いがあったからこそ、今も自分は生きていられるんだなと、放課後電磁波クラブの笑いとは別の救いがあったのでした。

10/12/2024, 2:21:04 PM

些細なきっかけで選んだ道を後悔している。

最初は特になにも考えていなかった。
その道の先にいた人達が優しかった。
ただそれだけで、私は彼らに心を割くことを躊躇わなかった。

けれど、段々それが重荷になった。

心は張り裂けるばかりで、満たされることは無くなってきた。
いつか限界が来ればもう、笑ってお別れなど出来ないだろう。

どんなに後悔したところで、私はまた同じことを繰り返す。

普段しなかったことをしてみた。
それが、地獄への入口なんて思わなかった。

もう、なにもしたくない。

10/12/2024, 2:17:31 PM

「放課後」

わたしは恋心を抱いてる同じクラスの男の子に、「好きな子だぁれ?」と毎日聞くのが日課だ。

わたしがいくら好きな子を聞いても、「放課後におしえるね」というので教室でずっと待ち、2人きりになってからまた「好きな子だぁれ?」と聞き直す。

でも君は「やっぱ、内緒」と濁し、部活に行くために廊下を駆けていく。

「なにそれ…笑」と笑いながら君の後を追う。

彼とは同じ陸上部。

ハードルを笑顔で飛び越え、走りきる君の姿を眺めてたら、いつのまにか好きになっていた。

「好きな子だぁれ?」「やっぱ、内緒」
この会話をする時間が永遠に続けばいいのに。

10/12/2024, 2:13:20 PM

小説
迅嵐 ※SE無し



放課後、おれは教室にいるはずの嵐山を呼びに行った。

「おーい、あらしや……」

するとどうだろう、教室には嵐山と知らない女の子がいるではないか。

おれは咄嗟に身を隠す。

別にやましいことなどないはずなのに。

「嵐山くん…私、嵐山くんの事がずっと好きでした…!良かったら私と付き合ってください!」

可愛らしい声を小さく震えさせながら想いを伝える女の子は、まさに恋をする女の子そのもので。

きっと小さな顔を真っ赤に染めあげていることだろう。

「……」

嵐山は何も言わない。

心臓の音が聞こえてしまう程うるさい。

嗚呼、

「……だめ…」

どうしてこんなに苦しいのだろう。どうしてこんなに嫌なのだろう。

「……っ」

おれは、気づいてしまった。

いや、ずっと気づかないフリをしていた。

おれは、嵐山のことが、

「……告白してくれてありがとう。とても嬉しいよ。でも、すまない。君とは付き合うことができない」

「……そう…。こっちこそごめんね」

パタパタと軽い足音を立てて、女の子が教室を出ていく。こちらには気づいていないようだ。

「……迅。いつまで隠れてるつもりだ?」

「……バレてた?」

嵐山はずっと気づいていたらしい。

「…なんで告白受けなかったの」

机に腰掛けながら、目の前の色男に問うてみる。足をぶらぶらさせながら、さも興味無さげに。

「……好きな人が、いるんだ」

「……!……へぇ、そうなんだ」

あ、やばい。やってしまった。

「それって誰?おれの知ってる人?かわいい?」

混乱する頭を他所に、おれの口はペラペラとまわる。
これ以上聞いてはいけないことは理解しているのに、止まらない。止められない。

「あぁ、知ってる人だよ。……かわいい方だとは思う」

「……」

愛おしそうに目を細める嵐山をおれは直視出来なかった。

「それ、名前、聞いていい?」

もう、終わらせようと思った。気づいた事自体を無かったことにしよう。嗚呼、それがいい。おれは男だし、女の子に勝てる所なんて何一つ持ってない。滑稽だ。……さぁ笑え。笑うんだ、迅悠一。

「……いいよ」

嵐山がおれに目を向ける。キラキラ光るエメラルドがじっとおれを見据える。心做しか揺らめいて見えるのは気の所為だろうか。

「………………おまえだよ」

……?……。……、……。……??……?


え?


嵐山は端正な顔を赤らめ、ぱっと視線を逸らす。

…………おれ?

「……ぁ、」

「……好き」

ちら、とこちらに視線を寄越す嵐山。なんといじらしいことか。耳まで赤くなっていて、吸い寄せられるように手を伸ばす。

「ん……」

ぴくりと反応する嵐山の耳は火傷しそうなほど熱く、現実なのだとふと思う。

「……それ、ほんとう?」

こくりと頷くその姿におれの心臓はさっきと違う意味で暴れ始める。不安も、苦しさも、全部吹き飛んで、代わりにあるのは、

「…おれも嵐山のこと好きだよ」

驚きに見開かれたエメラルドに吸い込まれるかのように、おれは嵐山の形のいい唇に自らの唇を重ねた。

10/12/2024, 2:10:37 PM

放課後

放課後のチャイムが鳴り、僕らは校門をあとにする。
並んで少し歩くと、視界がより明るくなった。

空を見上げると曇り空だった空の隙間に陽の光が差し込む。
ところどころで陽の光が差し込むその景色は
とても神秘的だった。
陽の光は金色で、それを曇り空が遮っているけど
雲の端は抑えきれないくらいに光ってる。

僕らはそんな空に見とれて、
さっきまで話してた内容もとんじゃうくらいだった。
会話も飛び、進む足が止まった。
僕らは何かに取り憑かれたのだろうか。

相手も何も言わない。静かに輝かしい雲を見ている。
沈黙が続くけど気まずさは無い。
しばらく僕らは空を見ていた。

曇が輝きを失うまで...

語り部シルヴァ

10/12/2024, 2:02:51 PM

おいおい、放課後だと土曜日だぞ!!
あるわけねぇぇぇだろぉぉ
だから、今日したことを書くぞ。
今日は朝9時起きで中々いい時間に起きた。
しかし、起きてからは食ってはゲームし次第には2度寝という醜態を晒してしまった。
15時からは塾……そして今に至る。
現在時刻23:02分楽しい楽しい1人時間を過ごすぞ!

10/12/2024, 2:02:26 PM

【放課後】

今日最後のチャイムが鳴って

重い思いに席を立つ面々

おざなりに挨拶を済まして

今日の1番の目的へ急ぐ

家に帰る理由なんてそれだけで十分だ

爆速で道路を駆け抜けて

玄関に入るとその勢いのままパソコンの前に座る

今日はどんな話をしようか

どんな音色で彩ろうか

誰も知らない僕ときみだけの時間が始まる



2024-10-12

10/12/2024, 2:01:30 PM

私、放課後にシェイクを飲むのが夢だったの。
カプチーノ色の髪した、あの子の横顔をトッピングして。
けど私の学校は、買い食いをしてはいけないの。
だけどあの子と隠れて飲むフラペチーノは、チョコチップみたいにほろ苦くて少しだけ、悪いことをしている気分だったと思うのよ。
 みんなが抱えるそんな秘密は、ニキビみたいにふつふつと泡立って、先生にバレちゃって、潰れたニキビみたいに肌に痕が残っちゃって。
最終的に、氷が溶け切るまで、学校に来てはいけませんってなったの。飲み残しは悪いもの。
 私、それでも。
それでも放課後に、シェイクを飲みたかったわ。
カプチーノは、ブラックにトレンドが変わったみたいだけれど。
 私は好きよ、カプチーノ。トッピングはしないの。ニキビができてしまうかもだから。

10/12/2024, 1:55:34 PM

放課後

多分大人になったら、
この時間を羨ましく、懐かしく、思い出すのかな。

10/12/2024, 1:54:35 PM

躁鬱病でバニラアイスばっか食って、短編小説を書いて見せて笑ってくれるあの娘なんていないのに恋をしそうだった。
そのくらいまともな恋もせずこう何年も生きてきたのだ。中学に入ってもまともな恋もできずに拗らせてしまった。そんな僕に微笑んでくれたのは美佳ちゃんだけだった。
今日も彼女の後ろをつける、まともに扱ってくれる唯一の女の子。他の女どもには避けられているのに君だけは優しくしてくれたねあいさつしてくれたね。
今日も君はバニラアイスをコンビニで買ってから家に帰る、後で同じの買っちゃお、僕幸せだよ美佳ちゃん。君と入れたらもっといいんだけどね、僕にそんな優しくして、それで勘違いさせるようなことされたらどうすればいいかわからないよ。
美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん
僕には君しかいないんだよ。それと同じで君にも僕しかいないのに、
初デートはソフトクリームを二人で食べよう、それだけで僕は幸せだからあとは僕のことを財布としてでもなんでもいい、君といれたらもう。
君が家に入ったとき、僕も僕の家に向かった。
バスに乗って、家まで帰ろう、そのとき普段は鳴らないスマホが鳴った。もうなんだよ、僕と美佳ちゃんの幸せを邪魔するのか、ちがう、美佳ちゃんからだ。なんだろう…まさか、まさか、そうだった。告白だった。「水野くんのことが好きです!付き合ってください!!」ベタだけどそれでいいよそれがいいよ。
もちろん「いいよ、僕も好きだよ」と送った。
ああ、これてようやく僕の苦労が報われる、好きだよ美佳ちゃん。

また朝が来てしまった。でも今日は憂鬱じゃない,だって美佳ちゃんとようやく付き合えたから、
「水野キモくね?僕も好きってなに笑?」
「わかる笑てか勘違いしすぎ笑着いてきてんのバレてるしさー、嘘コクなの気づかないとかアホかよ、あーーきっしょ、なんつって切ろうかな」
「美佳めっちゃ性悪〜笑笑」
「あいつにはそうなるって笑てか男のメンヘラ需要ない笑」
「あいつの腕やばいらしいよね、彼氏に一番したくないタイプ笑」
ねえ美佳ちゃん。君は好きじゃなかったみたい。それなら僕に生きる理由はあるのかな、なんで苦しかった僕のこと否定しないでよ、
「美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん…」
だから僕は
「水野!?なにすんのさ!!!離してよ!!!」
「美佳ちゃんを殺して僕も死んだらさ、美佳ちゃんを悪い方にもってくあいつらとも離れられるし僕たち二人の世界にいけるよ,大丈夫、怖がらないで」
「ねえ、結衣たちのこと悪く言わないでよ、私から仲良くしてるんだし…」
「そんな嘘つかなくてもいいよ大丈夫あいつに脅されて…かわいそうに、僕と楽になろうよ」
「ごめん…まずそのカッターしまって…」

「先生!!!!水野くんが…!美佳のこと…!!」
うるさいうるさいうるさい、ぼくと美佳ちゃんの時間を邪魔しないでくれるかな?いいよもう
美佳ちゃんのきれいな顔美佳ちゃんの白い腕美佳ちゃんの細い脚美佳ちゃんの美佳ちゃんの美佳ちゃんの
全部全部、ボロボロにした。僕もそっちにいくよ、
「おい水野!なにしてんだ!」
先生、もういいんです。さようなら。
僕は美佳ちゃんとしあわせになりますから。

「男子生徒が女子生徒を滅多刺しにし…」
「あー、水野くんですか、たしかにやりそうではありました。」
美佳ちゃんは手が動かなくなった。僕は下半身が動かなくなった。二人で一つだね。

10/12/2024, 1:52:05 PM

「……すき」
言ってから、気づく、なんて。

放課後のふたりだけの教室にて。
気づいたら、ぽろっと口から零れた「すき」の一粒。
かすかに開いた彼の瞳に綺麗だな、とか思えたのはどこか他人事のようにこの状況が思えたからかもしれない。
…あ、僕、この人のことがすきなんだ。
言ってから、口にだしてから、すとんと府に落ちたこの恋心。
「なんで、泣くの」
口下手な彼が気遣ってくるのが伝わる。そう言われてから、自分がぼろぼろ涙を流していることに気づいた。
「っ、あ、あれ、なんで、」
慌てて袖で目元を拭う。戸惑ったように伸ばされた彼の手から、優しさから逃げるためだったか、少し身を引いた。
「あ、はは。どうしよ、おもしろいくらい、止まんない、や」
「おもしろいくらいって…、別に笑って流そうとしなくても…」
笑って笑って、笑え。
そう思えば思うほどに、心臓が締め付けられる。涙が増してしまう。
そんなとき、ふわっと教室に入ってきた涼やかな風が頬の涙を拐ってきた。
「わっ、ちょ、」
と、同時に風で捲れたカーテンが僕と彼をふたりの世界に連れ出していく。
遠くで聞こえる廊下の足音が、外の部活の音が、やけに遠く感じた。
カーテンの内側に隠されたこの世界には、僕と彼のふたりだけ。
「こういうのって、言われてから言うのってずるいかもしれないけど、────…すき、だよ」
閉じられた、静寂の世界で。
「……え…」
「さっき言ってた“すき”、は俺のすきと同じ類い…?」
透けるような空の色が、綺麗だった。
この距離で伝わってくる心音に、気づいたら小さく何度もうなずいていた。
「よかった、うれしい」
「~っ、」
緊張した、とでも言うように、ふわりと笑った彼。
刹那、破裂しそうな心音が、ほんのり熱い体温が、ぜんぶぜんぶ伝わってきた。
「…ん、」
「ねえ、好きだよ」
放課後の教室、ふたりだけの閉じられた世界にて。



─放課後─ #92

(昨日のカーテンの話に乗っ取って書くしかないな、と。笑
カーテンの内側の世界書いてみました。昨日の子は最後のシーンを目撃したのでしょう。今日の話、明るいほうなのに、それを考えるとなんだか切ないな…)

10/12/2024, 1:51:54 PM

「放課後」

学校に通ってた頃は放課後のあの雰囲気が好きだった。時間がゆっくり流れている感じ。隣のクラスの友達に会いに行くとその友達と話していた子たち(ほぼいつメン)と時間を気にせずにたわいもない話をして「もう夜だねー帰ろう」なんて言いながら帰っていたのが懐かしい。今となっては、すぐに家に帰りたい一心で早歩きで帰っている。そうだよね、放課後なんて小中高しかないよね。大学は放課後と言っていいような放課後はない。空き授業の延長線上だから、あの独特の雰囲気が感じられない。社会人が高校生に戻りたいというのはそういう体験を噛み締めたいということなんだろうか。はあ、書きながら私も高校生に戻りたくなってきた。

10/12/2024, 1:50:45 PM

物語は前回より続く。

放課後、結局愛しのあのコとは、校舎裏で会うことになった。
いきなり二人で肩を並べて帰るのには、本当に抵抗があったらしい。
まあ確かに、それは僕も異論が無かったので、第二校舎裏の祠の前であのコを待つ。

夕暮れ時。秋になって日が落ちるのも早くなった。
薄暗い校舎裏。ひっそりと佇む小さな祠。
不意に、背後から声をかけられた。
「誰かと待ち合わせ?」
振り返ると、同い年くらいの女の子が立っている。
いつからそこに?これは…もしかしてあれか?
女の子の幽霊の噂を思い出す。
いや…でも…こんなに可愛いコだとは…。

「君は…こんなところで何してるの?」
「質問に質問で返さないでよ。私はここが好きなの。だからよくここに来る。それだけ」
…どーとでも取れる回答。
とはいえ、彼女は生身の人間にしか見えない。
「僕は友達を待ってる。だけどここ、幽霊の噂があるの知ってる?」
「知ってるよ。皆でしてるよね、私の噂」
「え…!」

答えは出た。いや待て、このコも僕をからかってるんじゃ…。
もう、何を信じていいのか分からない。
女の子は男をからかって生きる生き物なのか?
幽霊になってもその性質は変わらないのか?
それにしても彼女、可愛すぎる。

「き、君は、あの、彼氏とかいるの?」
混乱している。それを理由に聞きたいことを聞く。
「どーしてそうなるの?幽霊に彼氏なんている訳ないじゃない」
もっと混乱する。でも、心のどこかでチャンスだと叫ぶ自分がいる。
「ゆ、幽霊だって、恋はしたっていいんじゃない?いや、するべきだよ」
いよいよ混乱を極めてきて、僕の頭の中には、母に勧められて観た「ゴースト」という映画のワンシーンが浮かんだ。
二人重なってろくろを回す、あのシーンだ。
僕はもう、幽霊に恋してる。

「何やってんの?」
背後から声をかけられて、慌てて振り向く。
愛しのあのコが立っていた。
「あ、いやあの、この人に道を尋ねられて…」
訳の分からない言い訳をしながら幽霊女子を振り返ると、すでにその姿はなかった。
「この人って?」
「えーと、見えないよね。見えるはずないよ、霊感なんてないんだから。あの映画、ゴーストの二人は、もとから恋人同士だったから触れ合えたんだ。僕には無理だ。きっと君とは付き合えない。残念だけど、君と僕とでは住む世界が違うんだ」

もはや、何が言いたいのかも分からない。
恋は盲目とはよく言ったもんだ。

「あ、そう。別にいいけど。からかいついでに寄っただけだから。じゃあ私、帰るね」
そう言って、あのコが僕に背中を向けて去っていった。
引き止める気持ちも起きない。
僕はどうしてしまったんだろう。
夕暮れの校舎裏。静まり返った祠の前にポツンと取り残されて、僕はあの幽霊少女の笑顔を思い出していた。
…笑顔?笑顔なんて見たっけ?すでに過剰妄想が始まっているのか。
もう、家に帰ろう。

…一週間後、学校の写生大会で表彰された絵の中に、「祠と少年」というタイトルの作品があった。
絵の中の少年は祠に背を向けて、その背中はどこか希望に満ちている。
廊下の壁に貼られたその絵の右下に、クラスと女の子の名前が書いてあった。

女の子は男をからかって生きる生き物らしい。
今の僕の背中は、この絵よりも一層希望に満ちているはずだ。

10/12/2024, 1:47:49 PM

無駄なことに時間を使うことこそ有意義な放課後の使い方

10/12/2024, 1:47:38 PM

『放課後』2024.10.12

私の放課後は、トランペットの音で始まる。

まずはチューナーでB♭を鳴らす。
ハミングで音のイメージ。

記憶の中の先輩をなぞる。
息を、吸って...。

今日もまだ、先輩の音には程遠い。

10/12/2024, 1:47:25 PM

誰もいない学校が好きだ。
いや、正確に言うと教師はいるのだが。それはともかくあの静まり返った雰囲気が好きなのだ。
電気が消えた空っぽの教室を眺めると、世界で僕しかいないような気になれる。

靴の音だけが響く体育館
雫がポタポタと落ちている水道
薬品のにおいが充満する理科室
青空がどこまでも広がる屋上

どこもまるで、日中とは別ものみたいに思えて、僕はいつも新鮮な気分で学校を歩き回ったものだ。


ただ、今日ばかりはわけが違っていた。
僕が一番好きな場所である屋上に、先客がいたのだ。
長い黒髪をたなびかせ、彼女は僕に言った。
「私、あなたのことがずっと気になってたの」
それが、後にとんでもない事件を起こすことになる辻本明美との、ファーストコンタクトだった。

10/12/2024, 1:41:34 PM

等身大を愛す とは

迷走の果てが変化というなら

「変わってしまった」とは身勝手極まりない

独り善がりに縋り続け何もかも思い違いであった

型に嵌めるか理由がなければ満足しない人間であった

ただの現象に過ぎなかったというのに

徐々に低下している きっとそれを望んでいた

どうにもならないことは山ほどある

どうする気もないこと

それをすることで何を感じている?

踏み台にするくらいならやめちまえ

踏み台にする勇気もないならやめちまえ

同じことを繰り返し目新しいものはない

潮時だろう もとより何もない

等身大、とは、これのことであろうか

ただ皆が自由勝手に生きているだけだった

咎めることなど何もありはしないというのに

紅葉が色を変え始めている、そろそろあきが来たのだ

10/12/2024, 1:41:17 PM

【放課後】
キーンコーンカーンコーン
授業終了を告げるチャイムが鳴る
俺はチャイムと同時に教室を出る
今日はなんとしても早く帰らなければいけない
だって今日は母さんが帰ってくる日なのだから
安全にでも、少しだけ駆け足で…

家に着く頃には少し息がきれてしまっていたけど…
「ただいま!」
その足のまま、リビングへと向かう
リビングには数日ぶりの母さんとまだ幼い妹がいた
「おかえり」
「ただいま」
「今、寝たばかりだから起こさない様にね」
「うん」
俺はそう言ってまだ幼い妹の側に近寄った
「俺がお兄ちゃんだよ、これからよろしくね」
妹の手が俺の指を握る
「いつか一緒に遊ぼうね、
   お兄ちゃんが色々教えてあげる
           だから早く大きくなってね」

これからお兄ちゃんとして
 辛いことも大変なことも沢山あると思うでも、
良いお兄ちゃんだねって言われる様に俺も頑張るから
     だからなにも心配しないで大きくなってね

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