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躁鬱病でバニラアイスばっか食って、短編小説を書いて見せて笑ってくれるあの娘なんていないのに恋をしそうだった。
そのくらいまともな恋もせずこう何年も生きてきたのだ。中学に入ってもまともな恋もできずに拗らせてしまった。そんな僕に微笑んでくれたのは美佳ちゃんだけだった。
今日も彼女の後ろをつける、まともに扱ってくれる唯一の女の子。他の女どもには避けられているのに君だけは優しくしてくれたねあいさつしてくれたね。
今日も君はバニラアイスをコンビニで買ってから家に帰る、後で同じの買っちゃお、僕幸せだよ美佳ちゃん。君と入れたらもっといいんだけどね、僕にそんな優しくして、それで勘違いさせるようなことされたらどうすればいいかわからないよ。
美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん
僕には君しかいないんだよ。それと同じで君にも僕しかいないのに、
初デートはソフトクリームを二人で食べよう、それだけで僕は幸せだからあとは僕のことを財布としてでもなんでもいい、君といれたらもう。
君が家に入ったとき、僕も僕の家に向かった。
バスに乗って、家まで帰ろう、そのとき普段は鳴らないスマホが鳴った。もうなんだよ、僕と美佳ちゃんの幸せを邪魔するのか、ちがう、美佳ちゃんからだ。なんだろう…まさか、まさか、そうだった。告白だった。「水野くんのことが好きです!付き合ってください!!」ベタだけどそれでいいよそれがいいよ。
もちろん「いいよ、僕も好きだよ」と送った。
ああ、これてようやく僕の苦労が報われる、好きだよ美佳ちゃん。

また朝が来てしまった。でも今日は憂鬱じゃない,だって美佳ちゃんとようやく付き合えたから、
「水野キモくね?僕も好きってなに笑?」
「わかる笑てか勘違いしすぎ笑着いてきてんのバレてるしさー、嘘コクなの気づかないとかアホかよ、あーーきっしょ、なんつって切ろうかな」
「美佳めっちゃ性悪〜笑笑」
「あいつにはそうなるって笑てか男のメンヘラ需要ない笑」
「あいつの腕やばいらしいよね、彼氏に一番したくないタイプ笑」
ねえ美佳ちゃん。君は好きじゃなかったみたい。それなら僕に生きる理由はあるのかな、なんで苦しかった僕のこと否定しないでよ、
「美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん美佳ちゃん…」
だから僕は
「水野!?なにすんのさ!!!離してよ!!!」
「美佳ちゃんを殺して僕も死んだらさ、美佳ちゃんを悪い方にもってくあいつらとも離れられるし僕たち二人の世界にいけるよ,大丈夫、怖がらないで」
「ねえ、結衣たちのこと悪く言わないでよ、私から仲良くしてるんだし…」
「そんな嘘つかなくてもいいよ大丈夫あいつに脅されて…かわいそうに、僕と楽になろうよ」
「ごめん…まずそのカッターしまって…」

「先生!!!!水野くんが…!美佳のこと…!!」
うるさいうるさいうるさい、ぼくと美佳ちゃんの時間を邪魔しないでくれるかな?いいよもう
美佳ちゃんのきれいな顔美佳ちゃんの白い腕美佳ちゃんの細い脚美佳ちゃんの美佳ちゃんの美佳ちゃんの
全部全部、ボロボロにした。僕もそっちにいくよ、
「おい水野!なにしてんだ!」
先生、もういいんです。さようなら。
僕は美佳ちゃんとしあわせになりますから。

「男子生徒が女子生徒を滅多刺しにし…」
「あー、水野くんですか、たしかにやりそうではありました。」
美佳ちゃんは手が動かなくなった。僕は下半身が動かなくなった。二人で一つだね。

10/12/2024, 1:54:35 PM