『手ぶくろ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
手ぶくろ…
個人的には、親指だけ孤立してるタイプのものが好きだけど。あとは指だけ出てるやつ。
今は機能面を重視して、丈夫なスマホOKのやつしか買わない。
雪がこびり付いた、毛糸の手ぶくろ懐かしい。
昔飼い犬と走り回って大笑いしたな。楽しいことが大好きな子だった。
想い出させてくれてありがとう。
「ママ手冷たくなった!」
私のことを見上げながら言う姿は
おそらく世界一可愛いだろう。
そんなことを思ってしまうくらいに
私は息子にベタ惚れしている。
「手ぶくろいいって言ったからおいてきちゃったよ。」
「ヤダヤダ!手ぶくろするの!」
「じゃあママの貸してあげる。
大きいから落とさないようにね。」
「うん!」
大きく笑顔で頷く姿は本当に可愛かった。
「はい,どうぞ」
手ぶくろを取ると雪は降ってないものの
それでも寒さは厳しくて
子供にはもっと辛いだろうそう思った。
「わぁ〜ママのこれ大きい!あったかい!」
そう言って私に着いてくる息子は
ピョコピョコと効果音がつきそうで思わず写真を撮った。
最近こんな感じてすぐ動画や写真撮っちゃうから困る。
容量が少なくなっちゃうから。
「ママ!おてて繋ご!」
私の手ぶくろをした手を差し伸べしきた。
「どうしたの?」
「だってこれしてないから冷たくなっちゃう!」
心配そうな顔をして私を見つめる君に
なんだか涙が出そうで
「ありがとう」
そう言って君とを繋いだ。
「早くお家に帰ろっか。
おうち帰ったら温かいココア飲もうね。」
その言葉を聞いた君はニコニコしていて
可愛かった。
この時間を大切にしていこう君を見てそう思った。
─────『手ぶくろ』
「冷え性だから、手ぶくろしてても手冷たいんだよ?」
そう言いながら手ぶくろを外した彼女と手をつなぐ。
「でも、手が冷たい人って心があったかいんだって、んふふ」
なぜかいたずらっ子のように笑う彼女の笑顔を、ずっと守りたいと思った。
「はい、これ」
「なんです?」
「ほら、この間片方無くしたって言ってたし、私の買うついでに買ったの」
「.....ついでにこんな良いもの貰えませんよ」
「いーのいーの。仕事忙しくてお金使う暇も無いんだから。それにいつも残業手伝ってくれるお礼だよ」
そう言うと彼は何か言いたそうにしていたが渋々受け取った。
ついで、だなんて我ながら無理のある理由。
ついでなんかじゃない。ネットで調べて、販売店には足を運んで、手触りを確認したり暖かさや付け心地を店員に聞いて、悩みに悩んで彼のために買った。
彼が貰ってくれた事で緊張に固まっていた体が漸くほぐれて力が抜けた。ヘナヘナとソファーに腰掛けると、私の腰支えるようにしながら彼も隣に座った。
ん。
「おっと、大丈夫ですか?」
「あ、うん、ごめん。あは、少し力が抜けて。昨日寝不足だったからかな..」
恥ずかしくて両手で顔を覆った私の背中をポンポンとあやすように彼が叩き出した。そしてふふッと笑った。
「ついでだなんて嘘ついて、手渡すのにもこんなになるぐらい緊張して」
「え?」
「あんまり可愛い事しないで下さい」
な、なんでバレたんだ...
顔を覆った指の間から彼を覗き見ると彼はへラリと笑った。
「手袋をプレゼントする意味は『私を捕まえて』ですよね」
「.....っ、」
そう言うと私の両腕を取って手を開かせた。彼の綺麗な双眼が私を射抜く。
「捕まえていいですか?」
#手ぶくろ
手ぶくろ
触れるといつも冷たい
手が冷たいと心が暖かいと言うが
君は心も凍っていそうだ
そんな君に手袋をプレゼントするよ
これで暖かい
手だけじゃなく
心も暖めて
ひとりじゃないよ、、
僕はいつでもそばにいるよ
冷え性な君は手袋をしてもすぐに冷えてしまう。
だから僕の手袋と交換する。
僕は手が温かいから手袋がほくほくになっているから。
そしてまたしばらくすると手袋を交換する。
何度も何度も繰り返して、やっとホーンテッドマンションに乗れた。
新しい手ぶくろを買った。2年前にもらった手ぶくろがとうとうだめになってしまったのだ。それは父親からのプレゼントで、どうせならゲームカセットなどの方が嬉しいと思ったものだ。
しかし私は結局数年、それこそ大きさが合わなくなるまで使い続けた。なんの変哲もない、模様の1つもないただの黒い手ぶくろ。父親にもらったという以外特別なところなどなかった。
今思えば、あの頃私はもっと父親一緒に居たかったのだろうと思っている。父親は仕事人間で、家に帰って来るところを見るのは私の誕生日くらいなものだった。でもプレゼントなどはなく、食事を一通り終えればすぐパソコンに向き合い何かを打ち込んでいたのを覚えている。
そんな父親からの初めてのプレゼントが手ぶくろだった。私はその手ぶくろを着けて、またはいつも持ち歩いていた。手ぶくろは明らかに冬用だったが、季節など関係なく持ち歩いていた。
母親はそんな私を困ったように見ていたが、特に何をしてくるというわけでもなかった。
そして、私の13回目の誕生日、その前日に父親が事故に遭ったと知らせが入った。
父親の傍らには、プレゼントらしきぬいぐるみが入っていたらしい。
葬式のあと、そのぬいぐるみを渡された。赤いマフラーと、黒い手ぶくろを着けた、可愛らしいくまのぬいぐるみ。一緒に手紙も添えてあった。
かなり大きめの紙で、何度も書き直したのか、消しゴムで消した跡がたくさんあるしわくちゃの紙の真ん中に、一言だけ。
『お誕生日おめでとう』
私が父親から貰ったプレゼントは、飾り気のない黒い手ぶくろと、赤いマフラーと黒い手ぶくろを着けたくまのぬいぐるみだけだった。
父親が亡くなってからというもの、私は年がら年中手ぶくろを着けていた。そうしていないと、父親との思い出が薄れてしまいそうだったからだ。ぬいぐるみはクローゼットの奥に仕舞った。父親が死んで残したものを、見たくなかったから。
でも、手ぶくろはずっと使えるものではない。手ぶくろは成長するにつれて買い替えるものだ。なのに私は小さくなっても使い続けていたため、ついに限界が来てしまった。
私はいろいろなところになんとか直せないか掛け合って見たのだが、どこに行っても無理だと言われてしまった。
諦めて家に帰ってから、母親と話をした。父親のことを話しているともういないということが辛すぎるから、父親の話はしなかった。母親は、急に神妙な顔になったかと思うと、なにかを持ってきた。
赤いマフラーと、黒い手ぶくろを着けたくまのぬいぐるみ。父親からの、最後の私へのプレゼント。
それを見て、私は泣いた。父親の葬儀のときもここまで泣かなかっただろうに、ぬいぐるみを見て、もう誕生日に来てくれることはないんだと気付いて、泣いた。
結局、私は現実から目を逸らしたかっただけなのだろう。父親はまだいると、また私の誕生日を祝いに来てくれると。2度目で最後のプレゼントのぬいぐるみを忘れて、初めてのプレゼントだった手ぶくろに執着していた。また来年もプレゼントをくれるのだと、信じたいだけだった。
気が付くと、私は眠っていた。小さくなり、ボロボロになった手ぶくろと、真新しい、赤いマフラーと黒い手ぶくろのぬいぐるみを胸に抱いて。
そして私は、母親と共に服屋に来ていた。母親は心配そうに私を見ているが、私はもう決めたのだ。新しい手ぶくろを買うと。
「手ぶくろの反対は?」
「ろくぶて」
バシバシバシバシバシバシッ!
昔よくかぎ針でチマチマと
ミトンを編んでたっけ
・・・ボッコ手袋と言ってたが
手ぶくろと言えば
「手袋を買いに」
今はもう
教科書には載ってないよう
調べるとネットで読めたので
久しぶりに読んでみた
あぁ
日本昔ばなしが懐かしい
子供心に
一番インパクトがあったのは
「屁ひり女房」
題名からしてもう・・・
続きはWebでw
昔話と言えば
YouTubeでいきなりオススメに
「姥捨山」
が出できた事が・・
ちょっと意味がわからない
ケンカウッテンノカー!
「手ぶくろ」
「寒い」
所々斑に色づいた道を滑らないように踏みしめるようにして歩く。吐く息は白く,吸い込んだ空気は冷たすぎて喉や鼻の痛覚を刺激する。
かじかむ指先を擦るようにして合わせててみるけれどあまり効果はなくて。仕方なしに,握ったり開いたりを繰り返しながら血が通うのを期待する。
「······そうだった」
鞄の中を探った手はされど目的のものを掴むことはなく,ただ底に当たる。
視界に入った温度計は氷点下を示し,意識したことで余計に凍えたからだは身震いを起こす。こんな日に限って手袋を忘れ,道歩いているはずの使い捨てカイロは見つからなかったことを思い出す。
「どうしたの?」
突然立ち止まった僕を待つように足を止め首を傾げた君に,首を降って返事をしてまた歩き出す。
まぁ,ないものはないから仕方がない。些か行儀が悪いがポケットにてを入れることで暖をとろうかと考えていると,ん と目の前になにかが突き出された。
「えーっと?」
「手袋。手突っ込むのは危ない」
流石に人様から奪うのは忍びないといつまでたっても受け取らない僕にしびれを切らしたのか,問答無用で押し付けられるそれ。
「申し訳ないから」
「いいの。こうするから」
そう言って僕の左手につけて,そして反対の手は絡めるようにして繋がれて,漸く言っている意味を理解した。
「暖かいでしょ」
「······そうだね。ありがとう」
たぶん純粋な親切心なんだろうけれど,深い意味などないのだろうけれど。手袋を忘れたことに思わず感謝しながら,いつもの道を君と並んで歩く。
思いがけず知った君の体温。その暖かさを僕は忘れない。
テーマ : «手袋»
《手ぶくろ》
君は手をぎゅと繋いで
ホッカイロだらけのポケットに一緒に入れてくれた
それが私の今年の冬の手ぶくろ代わり
君の気の使えるところ
優しいところ大好きなんだよ
寒いと言ったら貴方が手袋を貸してくれた
手袋はなんだか暖かかった。
次の日、貴方に借りた手袋を返そうと思ったのに
貴方はいなくなってしまった
手袋はなんだか冷たかった。
手ぶくろ、自分で使う習慣がないので、何かあるかなあと思い巡らせて出てきたのは二次元のキャラクターがよく付けてる短いもの。
指だけを覆って、手首あたりは素肌が出ているタイプの。
名前を調べたら「ハーフグローブ」「ハーフパームグローブ」と言うらしい。
そのサジェストに「なぜ」「用途」って付いてくるの面白かった。
「ねー、手袋1個貸して?」
手に息を吹きかけながら、彼女が言った。
そして、『えぇー、寒いよー』
と、笑いながら僕が言った。
「〇〇君ひっどーい、彼女が凍えそうだっていうのに。こういうときに彼女の言うことを素直に…」
『あー、はいはい。すいませんでした。…っと、はい、これでいい?』
僕は彼女の右手に手袋をはめながら言った。
僕の手には、左側だけ手袋が残されていた。
「…わかってんじゃん。ってか最初っから貸してよ!」
頬を膨らませながらそう言う彼女が可愛くて可愛くて、愛おしくてたまらなかった。
「てゆーかめっちゃおっきー。手何センチくらいあるの?」「ねぇねぇ、私の手と大きさ比べない?」
なんてこと言っている。
はぁ、これだから僕がどんどん彼女に沼ってしまう。
僕の彼女は可愛すぎる。
その瞬間、たまらなく、彼女が欲しくなった。
僕だけのものにしたい。僕のものって証明したい。
だから、僕は…
学校からの帰り道、彼女と初めて‘’キス‘’をした。
彼女の唇は、とても柔らかくて、痛々しくも少しだけ乾燥していた。
「………っ」
彼女はとても驚いて、固まって、言葉も失っていた。そして、顔を赤くして照れていた。まぁ、それは僕も同じだろうけど。
そして、僕は微笑みながら、
『好きだよ。』
と言った。思わず口から零れ落ちた。どうしても今、伝えたかったから。
「わ、わわ、わたし、も、す、好き、だよ……大好き、だよっ…」
耳まで真っ赤に染めた彼女が、そう言った。
…可愛すぎる。
人目も気にせず、僕はもう一度キスをした。
2回目は、ちょっと長めに、
3回目、4回目は、もっと長めに…
彼女の右手、僕の左手には手袋。
彼女の左手、僕の右手は空いていた。
だから、僕は、手を繋いだ。
これも、初めて。
彼女の手はとても細くて、しなやかだった。そして、とても冷たかった。
彼女の手が氷のように冷たかったから、僕のポッケの中に、手を繋いだまま、いれた。
まるで、2人が繋がったような感覚だった。
どれもこれも初めてで、慣れないことをして恥ずかしかったけど、彼女との距離がまたひとつ縮まったような気がして、とても嬉しかった。
これ以上ないくらいに。
僕が手袋をしていなければ、こんなに彼女との距離が縮まることなんてなかったかもな。
あぁ、彼女が手袋をしてても、なかったか。
そういや、あの日の僕、本当に勇気あったな…
手を繋ぐよりも、ましてやハグよりも先にキスをしてしまうなんて…しかも、あんな…っ!
はぁ、恥ずかしいっ!けど、良かったと思うな…
なんてことを、時々考える。
彼女といる毎日が本当に幸せだ。
僕の、少しだけ古くなっていた手袋から大きく前進した僕と彼女の恋は、今でも大事に育んでいる。
No.26『プレゼント』
散文 / 恋愛 / 掌編小説
吐く息が真っ白になる昼下がり。私はかじかむ手に息を吹きかけて、空を見上げた。見上げた空はどこまでも澄み渡り、遥か遠くに低い雲が浮かんでいるのが見える。おそらくはそこから飛ばされて来たであろう風花が、ひらりひらりと舞い落ちて来た。
「やっぱ手袋に挑戦してみようかな……」
クリスマスに恋人からリクエストされたのは手編みのマフラーだけど、あかぎれとしもやけだらけの彼の手が頭から離れない。真冬に冷たい水を使う職業に就いている彼の手は、痛々しくて見ているのも辛いのだ。
「やっぱ手袋にしよ」
独りごちて久しぶりに手芸店に寄り、白と青の二色の毛糸と編み物の本を買った。マフラーなら本を見なくても編めるのだけれど、手袋になるとそうはいかない。
「うそでしょ……」
それから数週間が過ぎ、とうとうクリスマス。結局、手袋は片方しか編み上がらなくて。数週間後にもう片方を編み上げるからと、とりあえず編み上がった片方だけを彼に贈った。
その帰りに早速、手袋を使ってくれた彼の片方の手は、私の手と一緒に彼のポケットの中にある。
お題:手ぶくろ
手ぶくろ
あってもなくてもいいのだけど
あればうれしい。
ずっと持ち歩くのはめんどくさい。
気を抜くとすぐ失くなるところも。
でも見つかれば嬉しい。
あればあったかい。
自分に似合う新しい手ぶくろを探したりする。
いろんな形がある
いろんな色がある
道に落ちてたり
ブランド店に置いてあったり。
なにかと似てる。
手ぶくろ
今日寒空の下で別れを告げられた。
外は晴れていたはずなのに雪がチラチラ舞い始め、余計に寒さが増すのを感じながら|仁奈《にな》は家路までの道のりを一人トボトボと歩く。
「あれ、仁奈だよね、久しぶりじゃん」
「う、うん、|冬馬《とうま》久しぶり! こっちに帰ってたんだね」
なんてことだろう、こんな最悪な日に幼なじみの冬馬と久しぶりに会うことになるだなんて。
仁奈は泪していた目を擦りながら笑顔で振り向いたけど、冬馬にはお見通しの様子。
「三年間は転勤の予定だったんだけど、もう戻れることになったんだよ。 だからまた宜しくね!」
「そうだったんだね、うん、また宜しくね」
笑顔で答えたつもりだけど、泪が止まらない。
「仁奈どうしたんだよ、もしかして別れたのか?」
「う、うん··········で、でも大丈夫」
冬馬が転勤でこの土地を離れる時、駅まで見送りに来てくれた仁奈には彼氏がいて、指輪をしいたことも知っていたのだから、指輪をしていない仁奈を見て彼氏と別れたことを知るのは簡単なことだった。
「そんな目をして大丈夫なわけないだろ、あんなに仲良かったのにどうしたんだよ」
「うん、それがさ、他に好きな子が出来たんだって……だから、もう一緒にいられないって言われちゃった」
「なんだよそれ、酷すぎるじゃん」
「ても、もういいの……」
仁奈の彼氏は、冬馬の友達の友達だったから、冬馬はこのことに対して苛立ちを覚え、今すぐにでも電話しようとしてくれていたのだけど、仁奈はそれを辞めさせた。
「そんなんで良いのかよ!」
「うん、もういいよ……ありがとう」
人の気持ちなんて変わらないのだから、何か言ったところでもうどうしようも無いことくらい分かっている。
「そうだった、ずっと返そうと思ってたからまだ持ってたんだよ、手を出してご覧……」
「えっ、これって」
「ずっと返そうと思って持ってたんだよ、今日は寒いから早く使いな!」
ガサゴソとバックから取り出し手に渡されたのは、見送りに行ったあの日、冬馬に貸した仁奈の手袋だった。
もう無くなってると思っていたのに、大切に取っておいてくれていたなんて。
「あ、あのさ、こんな時に言うのはどうかと思うけど、良かったら結婚前提で付き合わない」
「あっ、えっと……」
「ごめん。いきなりは狡いよな! 返事は幾らでも待つから、考えといて欲しい」
突然の告白だったけど、冬馬は仁奈のことがずっと好きだったのだとあとから知ることに……。
仁奈はいつも自分を気遣ってくれる冬馬のことを家族のような存在だと思っていたので、ずっと恋愛対象として見ていなかったのだけど、今回のことがあってから少しずつ意識するようになっていき、そして何時しか付き合うことになった。
――それから数年後――
「ほら、二人共手袋忘れてるよ」
「そうだった、ありがとう仁奈!」
「ママ、ありっとさん」
仁奈は冬馬と結婚して、今は三歳の娘と一緒に家族三人で仲良く暮らしています。
かじかんだ指先がいつの日か、脆い氷のようにボロボロと壊れてしまうんじゃないだろうか、と。
実際にそんなことは起こるわけないと分かってはいながらも、乾ききって氷のように冷えた手をそのままにしておくのも何だか嫌で、たまたま立ち寄った雑貨屋で手袋を買ってみた。息を白くしながら手を通すと、これは確かに風が直接当たらずに以前のように直ぐに指先から冷えていく感覚がない。
それでも、自ら熱を生み出すことが苦手な私ではその小さな温もりでは足りなくて。いつの日か大切な誰かが貸してくれた、くたびれつつも暖かい体温の籠った手袋の温もりを思い浮かべては「こんなもんか」と白く冷めた息を静かな街へと投げ出すのだった。
「手ぶくろ」
子どものころに大好きな手袋を片方無くし
たことがあった。しばらくして、通学路の
側溝に落ちているのを見つけた。
とても汚れていて自分のだと分かっていて
も拾えなかった。
2日後に手袋が両方揃っていた。
いまだに誰が拾ってくれたか私は知らない。
テーマ【手ぶくろ】
制作者:いと。 12.27 2022 23:30
最近は使っている人が多い手ぶくろ。
でも僕は手ぶくろをしない。
そうしないと君は、手を繋いでくれないから。
「...ずっと待ってるよ。」
そう言って僕は一人歩き出した。
亡くなった君のことを胸にしまって──
私は昔、手袋が大好きだった。
手が温かく、怪我をしないから毎日のように
手袋をはめていた。
スマホを使い始めてからは、手袋を使わなくなった
手は寒くなったのはもちろんだけど、
なんとなくだけど、心まで冷えきってしまう
誰か私の前に現れて、凍ってしまった手と心を
溶かしてほしい