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かじかんだ指先がいつの日か、脆い氷のようにボロボロと壊れてしまうんじゃないだろうか、と。

実際にそんなことは起こるわけないと分かってはいながらも、乾ききって氷のように冷えた手をそのままにしておくのも何だか嫌で、たまたま立ち寄った雑貨屋で手袋を買ってみた。息を白くしながら手を通すと、これは確かに風が直接当たらずに以前のように直ぐに指先から冷えていく感覚がない。

それでも、自ら熱を生み出すことが苦手な私ではその小さな温もりでは足りなくて。いつの日か大切な誰かが貸してくれた、くたびれつつも暖かい体温の籠った手袋の温もりを思い浮かべては「こんなもんか」と白く冷めた息を静かな街へと投げ出すのだった。

 

12/27/2022, 2:47:13 PM