『手ぶくろ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
わざと忘れてるんだよ。
君のコートのポケットに入らせてもらうために
『手ぶくろ』
今年の汚れ
今年のうちに
ビニールの手ぶくろをはめて
さあ、やるぞ!
#手ぶくろ
#72
手ぶくろ
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.12.28 藍
昔、国語の教科書に載っていた、狐が手袋を買いに行く話が好きだった。
小学生の時に読んだと思うが、今の小学生はその話を習うのだろうか?
子供のいない私には確認しようがない。
あの話は今でも覚えている。
小学生の頃のことはほとんど覚えていないのに、この話だけははっきり覚えている。
自分のことながら他人事のように言うが、何度も読んだのだろう。
なぜ突然このことを思い出したのかというと、目の前に子狐が現れたからだ。
きれいな毛並みで、とても野良とは思えない。
その大きな目で何かを訴えてくるように、こちらを見つめてくる。
食べ物が欲しいのだろうか?
欲しがっても食べ物を持ってないからあげられないし、あげてちゃ駄目なんだけど……。
何も持っていないという意思表示で、両手をあげて手のひらを狐に見せる。
鹿せんべいを持っていないときの、鹿へのアピール方法だ。
だが伝わらなかったのか、子狐は動こうとしない。
どうしよう。
お互いじっと見つめ合っていたが、何かに気づいたのか子狐はこちらに近づいてきた。
動揺して固まっていると、狐が何かを咥えてことに気づいた。
さっきまで何も咥えてなかったはずだが、不思議である。
そして子狐は私の足元に、ポトンと咥えた物を落とす。
くれるのか?
しゃがんで落とした物を手に取ると、それは手ぶくろだった。
さっき私が手を見せた行為を、手ぶくろが欲しいと勘違いしたのだろうか。
それにしても、なんで手ぶくろを持っているんだ。
いろいろ考えていると首元がふっと寒くなる。
視線を上げると、遠くで子狐が私のマフラーを咥えているのが見えた。
やられた。
私は狐を追いかけようとしたが、すぐに物陰に入り姿が見えなくなる。
どうやらマフラーは諦めなければならないようだ。
なるほど、狐たちも寒いからマフラーが欲しかったということか。
気持ちは分かるが今度は私が寒いのだけど……。
狐にもらった手ぶくろをみる。
しかし、明らかに小さく私が使えるようなものではなかった。
子供用かな。
しかしどこかで見覚えがある手ぶくろだ。
と思っていると、あることに気づく。
これは童話に出てくる狐の手ぶくろだ。
見覚えがあるはずである。
もしかして狐の手ぶくろを作る人がいるのだろうか。
そんな事を考えて、ちょっとほっこりしながら家に帰った。
その帰り道は、なぜか少しも寒くなかった。
狐につままれるような話でした。
創作)6話
私は宗乃さんに
「流麗とお揃いで買ったんです」
と言われながら手袋を貰った。
「流麗の代わりに使って下さい」
と、言われながら。
それから、宗乃さんと私は流麗について色々話合った。
沢山流麗に優しくされたこと、流麗と出掛けた
数々の思い出を話し、聞いている内に涙が出そうに
なったが、全然出なかった。
私が自分で「泣きそう」って思う時は
必ずと言って良い程泣いてるのに。
何だろう…この…違和感…
ずっと泣きそうなのに涙が出ないし、
しかもずっと、涙の量がだんだん増えるような話を
宗乃さんはずっとしているのに。
それに、流麗は生前、
「__はやっぱ一番の友達だ!!
__以上の友達は居ない!」
って、いつも私に言ってくれた。
流麗は嘘なんて全然ついたこと無いのに
私以上に流麗と話して、遊んで、やり取りを
しているなんておかしい気がした。
"いや、これは宗乃さんじゃなくて私がおかしいのかも。
流麗は私の知らないところで嘘をついていても、
何をしていてもおかしくないのに
こんなに考えてしまう私が…おかしいのかも。"
そう思ったものの、やっぱり宗乃さんが
おかしいんだと気付いた。
この人と居るとイライラしてくる。
こんな人に貰った手袋なんていらない、と
帰ったらすぐ捨てようと思った。
たとえ、流麗が使っていた手袋でもいらない、
と、強く思った。
彼に手ぶくろをプレゼントした
彼が喜んでくれて嬉しいな
これまであげた物も喜んでくれて嬉しいよ。
靴下 お箸 合鍵
なんでくれるの?って?
ねぇ、あれもこれもぜーんぶセットのものでしょ?
揃わないと使えなくて
使えなくなったら捨ててしまう
だから、あなたに贈るの
ねぇ、気に入ってくれたかな?
#手ぶくろ
手ぶくろ
こんなに寒くなるとマフラーをして手ぶくろをして…温もりを求めてしまう…
人は寒くなると気持ちまで寒くなってしまうのかもしれないから暖かくして気持ちも暖かくしてね
両手を擦り合わせて
寒い 寒い…
って小言を言いながらも
内心 まんざらでもない
私の小さな 甘え言葉。
そんなことを
知ってか 知らずか
あなたが差し出した
右手だけの手袋に
片方だけ?
なんて戯けてみたりして
あなたのぬくもりが残る
手袋に手を入れる。
1…
2…
3…
車道側を歩く背中が立ち止まって
はい…
って前を向いたまま
あなたの右手が横に伸びる。
不器用だなぁ…
でも 包み込まれるように
そんな優しい あなたが
私は好きなんだ…。
- one... two... three... -
手ぶくろ
手ぶくろつけても
私はあまり暖まらないと感じてしまう。
それよりも
君の手の方が私は
何倍も暖まるし、何より
落ち着くんだ。
手ぶくろ
『はい、これプレゼント。』
そういって渡されたのは、赤くて可愛らしい手ぶくろ。
すごく嬉しい。
「…これ、欲しかったやつ!ありがとう
私も、プレゼントだよ。どうぞ。」
私たのは、黒い手ぶくろ
『これ、おれも欲しかったやつだ、
ありがとう、だいすき』
お互いプレゼントが手ぶくろなんて、
一緒で嬉しいなぁ
これからずっと着けていよう
寒さか厳しい季節。乾燥も相まって肌も弱くなる。というわけで、彼女に手袋をあげた。
「よく似合ってるぞ」
柔らかな黒が、彼女の細い指に映える。
布一枚を隔てるだけでも、冷たさは和らぐのだから。
「黒のベルベット」・葬儀屋と少女
(2023/12/28)
私は手が小さくて
手ぶくろや軍手のサイズが子供用
それでよくいじられる。
でもきっと大き手に
羨ましいと1度でも思ってたら、
ないものねだりの連鎖だよね( ̄▽ ̄;)
あたしの手袋の右手のほう、返してよ。
キミのコートのポケットの中に眠ってる。ケンカする前日に、街中歩いてたら寒くて思わずキミのコートのポケットに手を突っ込んだ。その時に置いてきちゃったの。
「もういい」って言って、一方的に終わらせたのはあたしのほうだけど、手袋をあげたつもりは無いよ。あれ、けっこう気に入ってたの。ミトンの形で、ポンポンが付いてて。……そうそう、キミが去年のクリスマスプレゼントにくれたやつ。なかなか機能性良いから冬になると使ってたんだ。
でもさ、片方だけじゃ意味無いの。右手だけ素肌晒してたら寒くて耐えらんない。現に今、スマホいじりながら電車待ってる時だって右手がどんどん冷えてくの。だから返して。キミだって、そんなの持ってたって意味ないでしょ。……もしかして捨てようとしてた?そんなこと絶対に許さない。あたしのことはもう忘れてもいいけど、その手袋はあたしにとって大事なの。キミとの思い出が詰まってるんだもん。
なんか、未練がましいね。別にそーゆうんじゃないから。手袋残しとけばもしかしたらキミが追いかけてくれるとか、そんな計算高い女じゃないから。でも最後に言っとくと、キミのこと結構好きだった。これからもその手袋使うくらいに、好きだったんだ。
今さら?そうかもね。
こーゆうのって、なくした時に気づくんだよね。
はあ。
ほんと、今さら。
手ぶくろ
目の前はカップルや家族連れでごった返していて、年末を感じさせる。
賑やかな街とは裏腹に私はひとり恋人を待っている。
分かってる、年末で仕事が忙しいことくらい
でも、自分だけこの世界に取り残されてしまったようで心が寂しいの
「寒いな…手ぶくろ持ってくれば良かったな…」
そんな呟きも楽しそうな街の雰囲気にかき消されていく。
もうどこかカフェにでも入って待っていようかとスマホをポケットから取り出そうとした時
「っはぁはぁ、ごめん!遅くなって!!」
いつも私よりうんと背が高くてつむじなんて見えないけど、息を切らして膝に手を置いて呼吸を整えている彼のつむじが愛おしい
あんなに待たされて冷え切っていた身体が会えただけで熱くなるこの現象は何なんだろうか
しばらく見つめていたつむじを押してみると
「手冷たっ!ほんとごめん、待たせて…」と言う彼がそっと手を包んでくれる
私はもう大丈夫
貴方が暖めてくれるから
もう手ぶくろは必要ない
手ぶくろ_1
君と過ごしても、
冬の冷たさは否応なしに差し掛かる。
僕は人の温もりを求め、
君の手を取ろうとしたが出来なかった。
ただ、弱かったんだ。
それだけの理由で、いくつの壁が隔たれたか。
きっと君も寒いだろう。
だから、今できる最大限を
“手ぶくろ”というプレゼントで贈ろう。
僕が強くなるまで、
それをして待っていて欲しい。
君の笑顔は必ず守るから。
覚えていますか?
私と初めて出会った時のこと。
貴方は、川に落ちた私の手袋を、
服が濡れる事も厭わずに拾ってくれましたね。
あれは何年前だったでしょう。
もしかしたら、数ヶ月前のことだったのかしら。
貴方と過ごした時間は余りにも楽しかったから、
時間が本当に早く過ぎて行ったの。
初めて会った日から1年後、
貴方は私に手袋をプレゼントしてくれましたね。
あれはもう指が入らなくなってしまったけれど、
それほど長い間、この手袋にはお世話になりました。
これは私の棺にも、しっかり入れて貰わないとね。
小学生のころエルサの手袋の取り方を真似してイキってました。
【手ぶくろ】
手ぶくろ、昔から嫌いだったな。
手首が締め付けられるとかの理由で
カイロばっか使ってる
つけたとしても
やっぱ嫌で道中で外したり、
カイロがあるから誰かに貸したりして
だいたい使わないんだよね
でもせっかく買ってくれたから
使わないのはもったいないって思って使う…
買わないでっていうのも良くないよね
良心で買ってくれてるんだし…
頑張って使おうかな…
使ってみたら案外嫌じゃないかも?
代わりにマフラー買ってもらおうかな、
最近チクチクするようなマフラーあんま無いし
マフラーいいかも?
どっちも悪くないな…
――――――――あたたかいから使いたい
手ぶくろ
そろそろ手ぶくろが
恋しい季節になって来ましたね
北海道では
手ぶくろを装着(?)することを
「手ぶくろをはく」と言います
もう 北海道を出てから
何十年と経ちましたが
未だに「はく」と言ってしまいます
寒いお正月には
手ぶくろをはいて出掛けよう…
と思っていますが
年末年始はあまり寒くはならないようで
手ぶくろの出番はないかもしれないです
きつねさんも
手ぶくろを買いに行かなくても
過ごせるかもしれませんね
あっ きつねさんは
手ぶくろを「はく」のでしょうね
きっと
paki
ぐつぐつぐつ
母が鍋を持ってくる
あの大きな手袋子供の頃の私は憧れてた
あんなにおっきいのが羨ましかった。
きっとキラキラとお目目を輝かしていたのだろう。
履いてみたい!と母に言って
小さなサラダを運ぶときにもはかしてもらったものだ。
滑るからグッと力を入れて、
あの時は母に顔にも力が入ってると笑われた。
ぐつぐつぐつ
「よし、できた。今そっちに持っていくね〜!」
「はーい!」
元気な男の子の声がする。
私は、ミトンを履いて鍋を持っていく。
目をキラキラとさせた、男の子
今年で6歳になった私の息子がリズムを刻んで
楽しそうにまっている。
隣にはゆっくりとまっているシワが増えた母がいる。
きっとこの景色は母が見ていた景色なのだろう。
すると息子が、「早く〜」と、言ってきた。
食に興味があるのは旦那にそっくりだな。
そろそろ帰ってくるはずだ。
母は、「あら、あら」と、相変わらず優しいんだから。
そんなところも大好きだ。
母が見ていた景色は、こんなにも温かったんだな〜