心の健康』の作文集

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心の健康』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

8/14/2023, 9:43:13 AM

【心の健康】


健康そうにみえるのは褒め言葉でもあり
苦しい言葉でもあって、傷つけることもある。
元気なのかなんて誰にも分からないのに
本人ですら分からないときがあるのに
人は何も考えず言葉にすることがある。
君は、どんな言葉を発してる?

8/14/2023, 9:40:44 AM

心の健康

 先輩がすやすやと昼寝をしていたのでブランケットをかけた。オカルト部の部室は、教室のある校舎からは遠い代わりに色々なものが置かれている。学園からの支給品だよ、と先輩は言っていた。本当にそうなのだろうかと俺は少し思っている。先輩が勝手に買い揃えているような気がしてならない。
 今日は先輩も寝ているし、寮に帰ってしまおうかとも思ったが、このまま放置するのも気が引けた。俺は椅子に腰掛けて、図書館から借りてきた本を読む。紙の捲れる音が室内に響いた。本に集中したいのに、なんとなく落ち着かない。先輩は、今年受験生だ。つまり、来年にはもう学園にいない。それが寂しいと直接言うのは、気恥ずかしいなと思ってから、俺は随分と先輩と仲良くなったことに気がつく。
 テンションが高くて、厄介事に自分から首を突っ込んでいく先輩は、けれども、そばにいると楽しい。同級生と喋るのとも少し違うし、妙に気が楽だった。高校になり、勉強も人間関係もガラリと変わったばかりの俺にとって先輩は癒やしでもあったのだ。トラブルに巻き込まれているので認めにくいが、事実だった。
「あと一年も一緒にいられないのか」
 先輩が起きていれば、絶対に言えないようなことを口にしてみると心臓が痛むような感覚に陥る。残り僅かな時間を大事にすべきだな、と思いながら俺は文字を終えなくなった本を大人しく閉じた。先輩が起きたら、何で遊ぶかを考えた方が、落ち着けそうな日もある。

8/14/2023, 9:38:23 AM

「心の健康」
<大丈夫?顔色悪いけど >
<骨折?痛そうー なんか持ってきてあげようか?>
そうゆうのばっかり。
心の傷にも気づいてよ。
心の健康はもうとっくに、、とっくにボロボロだよ。

8/14/2023, 9:32:26 AM

トモヤとお金を出しあって、炊飯器を買った。日本人だしね、やっぱり米でしょう。カリフォルニア米も普通に美味しくて、お弁当作って学校の大きな外階段のところで、ホームステイ組で食べてたなぁ。寮の子たちはカフェテリアで食べるから、サカイとはランチ別々だったね。
ご飯はだいたい私が作るんだけど、トモヤは名古屋出身だったから、赤味噌を使ってみたり。レバーを煮た時は『どて丼』だといってモリモリ食べてくれた。
料理なんてほとんどしたことがなかったから、なんとか食べられるもの作るっていう程度だけど、ここで生きていくって思ってたから、自分なりの生活スタイルはこの時から少しずつ確立されていったのかなぁ。
そういえば、サカイに私が作ったものを食べてもらったことってないかもね。ちょっと悲しいな。

8/14/2023, 9:31:44 AM

推しという存在は、まるで劇薬だ
心のクスリとして
時として猛毒にもなる


『心の健康』2023,08,14

8/14/2023, 9:31:43 AM

【心の健康】


僕の朝はニュース番組の占いを見ることから始まる。
種類にこだわりはないが、なんとなく見るのは星座占い。
今日は三位だった。まあまあ良い結果ではないだろうか。
しかし『運命の出会いがあるかも』は非現実的すぎる。

占いを見るのは日課だが、当たることは期待していない。
『懐かしい人に会える』『失せ物が見つかる』
そんな結果の日も特別なことは起こらなかった。
必要がなければ外に出ないし、掃除もしない。

今日も同じ。占いで行動を変えたりしない。
朝起きて仕事に行き、コンビニに寄って帰る。
『運命の出会い』なんて平穏な暮らしには必要ない。
そう思っていた。職場の休憩室で彼女を見つけるまでは。

椅子や机のある休憩室にはテレビが置かれている。
そのヒット曲MV特集にいたのだ、初めての元カノが。
思わず、飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。
『わからずや』は恋をしたときに聞きたい曲、らしい。

夢を追うために別れてほしいと言う彼女を僕は応援した。
すぐに彼女は上京し、そのうち連絡を取らなくなった。
おかげで状況を知らなかったが、見事に夢を叶えたのか。
なんだか自分のことのように嬉しくなる。

『運命』なんて大層なものではないが、良い出会いだ。
一方的にでも成功しているとわかってよかった。
頑張っている彼女に元気づけられ、仕事に力が入る。
今度、連絡してみようか。……いや、今さら迷惑かな。

就業後は早々に帰宅し、彼女の歌う曲を調べた。
せっかくだから『わからずや』を探して聴いてみる。
別れに応じた彼に一緒に叶えてほしかった、という歌。
押してだめなら引くって、わからずやはどっちなのか。

8/14/2023, 9:22:04 AM

「心の健康」

僕のクラスには、自称「心の健康を損なって多重人格になった」やつがいる。そいつは毎日違う人格で学校に来る。ある日は大人しい少年、ある日は元気な女の子、またある日は真面目なサラリーマン男性だったりと色々だ。1回人語を話せる猫という人格で来たこともある。人じゃないんだから人格じゃねぇだろ、とつっこみたい。
ただこいつは演技が上手い。僕は多重人格なんて全くの嘘っぱちだと思うけれど、あんまりにこいつが芸達者なので時々本当に人格がいくつもあるんじゃないかと信じてしまいそうになる。
こいつの凄いところは演技が上手いことと、授業中も設定を崩さないことだ。いくら先生に叱られても元々の人格に戻ったりしない。徹底していてすごいとは思う。認めたくないけど。
今日の人格は「売れないお笑い芸人(30代男性独身)」らしい。最近はどんどん設定が細かくなっている。その設定に忠実に死ぬほどつまらないギャグを連発している。ピクリとも笑えないギャグを必死にやっているあいつを見て可哀想になったのか、女子たちが愛想笑いしていた。あいつはなんだか嬉しそうだ。
まあ正直悪いやつじゃないのだ。演技が上手いし、笑いのセンスもあるし、根は優しくていいやつだ。だからか、クラスでもあいつは受け入れられている。
日替わりの人格はウケたりウケなかったり色々である。ドジ可愛い魔女っ子はウケていた。だが50代の管理職勤務の男性で来た時はネタが分からず全くウケていなかった。なぜそんなのにしようと思った。だがめげずに毎日違う人格で来るのは素直にすごい。
いつの間にか、明日はどんな人格で来るのかなと楽しみにしている自分がいた。

8/14/2023, 9:19:53 AM

こんどこそ
こころに決めた
ろんぐ計画
のむことやめて
けじめをつけて じょぎ
んぐせっせと
こつこつと
うんどうしながら生きてるね

8/14/2023, 9:12:38 AM

日の暮れゆく土手にて、あなたは黒のTシャツ姿の私にこういった。
「会いに来ました。もう大丈夫だよ。」
そして名前をフルネームで名乗り笑った。

8/14/2023, 9:10:14 AM

「心の健康」


楽しいことはありますか
最近笑いましたか
どうでもいいと思うことが増えていませんか

少し、環境を変えてみませんか
子供の頃に、わくわくしていたことを思い出して、
旅に出ませんか

「…置いては行けない亅と思いましたか

では、戻ってくることにしましょう
旅先での癒やしを胸に微笑むあなたとともに

8/14/2023, 9:10:05 AM

【心の健康】



 学校の課題を見てもらおうと夜雨の部屋のドアを開けたら、部屋の主は床でだらりと伸びていた。
 体調でも悪いのかと心配したのも一瞬、寝ていたわけでもないらしい黒い瞳が瞼の下から現れて、春歌を認識するや否やまた隠されたので、そういうことでもないらしい。すぐ側にベッドがあるのに、なぜ特に柔らかくもないラグの上で横たわっているのか。
 春歌は夜雨の頭の辺りにしゃがみこむと、つんつんとその肩をつついた。
「どしたの。疲れてる?」
 返事はないかもなぁと思ったが、しばらく間を置いた後、ごろりと寝返りを打った夜雨は、目も開けないまま億劫そうに口を開いた。
「……疲れてるっつーか。疲れては、ない」
 そうして重そうに体を起こしたかと思うと、後ろのベッドに背中を寄りかからせる。
「元気なんだよな、身体は。全然動ける。けど、なんて言うか……HPは満タンなのに、MPが足りてない感じ。……わかるか?」
 あ、マジックポイントって言っても、魔力とかじゃなくて、なんかこう精神力的な感じのヤツ。そう続ける夜雨に、なるほど、と頷く。春歌はゲームはあまりやらないが、なんとなくイメージは掴める。
 要するに、心が弱っているから体も動かないのだろう。
 どうしよう、と悩んだのも束の間、春歌に思いついたのはひとつだけだった。
「ねえ、よく聞くやつだけどさ、ストレスにはハグ……」
「ハグするとストレスが軽減されるとかそういう話ならすんなよバカ。定番すぎて本当に言い出す奴がいるとは思わなかったわバカ。そもそも誰がするんだよバカ。お前がすんのか? ないだろバカバカ」
 まだ言いかけだったのに噛みつかれた。早口で勢いよく言われたので、そのまま耳を通り抜けてしまった。夜雨にしては子供みたいな罵倒をするな、ということだけが意識に残る。照れから来る物言いだとわかっているので、腹も立たない。
「わたししかいないじゃん。恥ずかしがることないよ、ちょっとぎゅってするだけだよ。小さい頃はやってたよ」
 別に春歌にも羞恥心がないわけではないが、目の前の相手に先にあからさまに恥ずかしがられてしまっては、まあいいかという気持ちになるし、なんならもっと恥ずかしがらせて困らせてやりたいという気持ちも湧いてくる。
 両腕を広げて身体を寄せると、夜雨がその分だけ引いた。
「バッ……! マジでバカ! アホ! 近寄んなバカ!」
「まあまあ。よいではないか、よいではないか」
 悪代官の気分でにじり寄ると、夜雨が立ち上がって逃げようとしたので、その隙を逃さず、春歌はがばりと飛びついた。

「きゃ、きゃああああぁ!」

 夜雨の動揺にまみれた悲鳴が響き渡った。
 後で春歌は夜雨に、『絹を裂くような』という言葉と、その意味を教えてもらった。
 顔を真っ赤にしながらぷんすか怒っている夜雨はとても元気そうだったので、ハグはすごい。

8/14/2023, 9:05:19 AM

心がしんどい
人と上手く付き合えないし
話も出来ない
仕事も覚えられない
そんな状態で仕事に行きたくない。
明日から不安で仕方ない。

8/14/2023, 9:01:19 AM

心の健康に一番影響があるのは、人間関係ではないかと思う。人は殆どの時間を他の人と過ごさなくてはいけない。その殆どの時間を嫌いな人と過ごすのは嫌だろう?それを逆手に取るだけで、自分の精神状態を安定させることができる。私はそれに気づいてから、死にたいと願うことは数少なくなった。だから本当に効果があることを証明出来たのだ。

8/14/2023, 8:57:16 AM

心の健康

日々の喧騒の中
体を壊さぬように
心がほどけぬように
正しい自分の守り方

いつも探ってきた
いつも敵は外からくる

探索の心は反応する
指令部に伝わると
防御姿勢をとり始める
ゾワゾワさせるものが来る

体の反応は敵と認識する
心はバリア全開で守り
激しくぶち当たる音がする

侵食されるドロドロに
完全拒否の指令はくだる
全力で避けていく

お前なんか嫌いだ

こんな言葉は威嚇
大した意味はない

そう言うしか自分を
守ることは出来ないから
正当化の言葉が
耳元で囁いてくる

同時に心が壊れる危険を
ずっと語りかける

全てを失ってしまう不安
守る為の最終手段

私は怖れている?
怒っている?
悲しんでいる?

ありとあらゆる心
ありとあらゆる手段
ありとあらゆる言葉

守る為の最大にして
最高の結果をもたらす
そんな言葉が口から出る

お前なんか嫌いだ

すべての攻撃は止む
急に訪れる静けさ

守りきった安心と
放った言葉の残虐さに
思わず涙を流してる

私を守る為の聖戦
なんとかしのいだ結果
それなのに…
なんだろうこの気持ち

距離感を侵してきたのは向こう
全力で守ったつもりなのに
さらに距離を広げてしまった

最も正しい距離感を
適切に保つことの難しさ
私からの距離
相手からの距離

守る為になんでも
敵と認識してしまう
それはまさに心の弱さ

それでも守る手段を
他に知らない

いつまでも経っても
辿り着けない
健康な心が湧き出す場所

渇望しているが故の
反応なのか
絶望してるが故の
反応なのか

体は動くのに
心は動かない

8/14/2023, 8:40:22 AM

心の健康ね~
知ってた?心ってね自分が思った以上に脆く儚く醜いんだよ。知らないだけで毎日毎日少しずつ傷つけられていく。その傷を癒すのは簡単ではない。癒してくれるのは友達だったりあなたの大切な人だったりもしかしたら自分で癒すことができる人もいるかもしれない。
体はまだ行けるやれるって思ってても心が付いていかないとなにもやる気が起きないし上手くいかないことが多い。そのまま傷ついていることを無視し続けたりすると人はいつかそれになれてしまい感情もいそのものを失ってしまう。
だから体じゃなくて心の「助けて」という声をきいてほしい自分のことだもの自分が1番自分のことを理解していると思う。自分のことが分からなかったり理解できないのならもっともっと自分のことを知って出てくる自分の悪いこといいことさまざまな自分を愛して愛して自分を大好きになってほしい。自分のことを大切にしてほしい。
助けてって思って頼る人だったり何をしていいかわからない時ってあるよね。分かるよその気持ちそんなときはめっちゃ休んでみて自分の好きなことゲームだったり買い物だったり好きなこと趣味を全力で楽しんでみて問題は解決しないかも知れないけどスッキリするよ!好きなことだったり趣味がなくても少し掃除してみたり散歩してみたりいつもやっていなかったことをやってみると以外といい感じになるかもしれない。
そうやって自分の心の声をしっかりきいて自分のことを受け入れて自分を大好きになってみてほしい。どうか1人で苦しまないで
頑張って今日を生きてみると以外と楽しいかもね、そりゃいいこと悪いことたくさんあると思うそのたびに自分を大切にしていってほしい。
知ってる?大抵のこと上手くいったりするものよ!あまり重く考え過ぎずにね、少し軽く考えてみてもいいんじゃない?笑笑
大丈夫!なんとかなる!あなたならできるよ!

8/14/2023, 8:20:46 AM

【心の健康】

いつもと同じ生活をしてた。いつもなら受け流せることなのに、何故かその時は受け流せなかった。
たぶん、いままでのものが積み重なっていたのだと思う。気づかなかった。
家に着き、玄関をあけた瞬間、自分でも訳が分からないくらいに涙が止まらなくなった。泣いて、泣き疲れて、服も着替えないまま、メイクも落とさないまま、寝てしまった。
朝になった。身体が動かない。仕事に行かなきゃいけないのに。迷惑をかけたくないのに。
横になったまま、スマホを握りしめ、20分が経っていた。身体を無理やり起こして、昨日のメイクを落とそうと鏡を見た。ひどい顔だった。このまま仕事行くのは難しい。そう判断して、会社に欠勤の電話をかけた。

「わかりました。ゆっくり休んでください。」
電話を切る。迷惑をかけたくない、と思っていたのに、簡単に仕事を休めたことに何故か心に引っかかりを感じた。…私が休んでも、仕事に影響しないんだ。いつもなら休めてラッキーくらいに思うのに。この時の私は、やはり何かがおかしかった。

気がつくと、お昼を過ぎていた。寝てたわけではない。何かをしていたわけではないのに、ソファに座ったまま、何時間も経っていた。どうしたらいいのか自分でもわからなくて、また涙が止まらなくなった。

部屋の明かりがついて、目が覚めた。あれからまた時間が過ぎ、外は暗くなっていた。
「どうした?なにかあった?」
彼が側に座り、私のこと抱きしめてくれた。自分でもどうしたのかわからない。泣きながらそう伝えると、「そっか」と呟き、更に強く抱きしめてくれた。
「…ハグするとストレスが少し軽減されるんだって。効果あるかわからないけど。でも少しでも安心できるなら。」

気持ちが少し落ち着いて、ゆっくり顔をあげる。気づいた彼は、優しく微笑み、頭を撫でてくれた。
「明日、俺も休みだから、仕事休む?そしたら明日も2人でゆっくり過ごそう」
そんな優しい提案に、私はまた泣きそうになる。

それから数日、仕事から帰ると涙が止まらなくなるという症状が続き、私は意を決して、心療内科へと足を運んだ。

『うつ病』と診断された。

彼は毎日、私の家に来て、なにも出来なくなった私に代わり、慣れない家事をして、夜は私を抱きしめて一緒に寝てくれた。
仕事は休職をした。仕事もできず、家事もできない自分が情けなかった。

8/14/2023, 8:19:58 AM

血が滾る。気が漲る。あなたが笑う。



我が健康の三要素である。

8/14/2023, 8:04:34 AM

【心の健康】

夢を作り出す職人は決して夢だらけの生活ではなかった。むしろ、人に夢を与えているだけで自身のことにはまるで関心がない。だから、私は心の健康を損ねてしまったんだ。
「とうとう私は正常になったぞ!」
ここに来て何度目かの朝。四角い箱に響く自分の声は思ったより出ていて驚きつつも感嘆はそう鎮まりやしない。深夜に叫ばなかっただけ良しとして欲しい。まぁ、隣の部屋の音なんてほぼ聞こえない。職員に聞こえるくらいだ。
「出ましたよ、数ヶ月に一度の発作。」
今度は本当の本当に本当なんだ。正常になった。ようやく、まともに狂い始めたんだ。
「今度は本当さ。いつも通りテストでも何でもするといい。」
私が叫んだ日。その日に毎回テストを行う。ここから退院するためのテストだ。けれど、ここは自分の意思で出ようと思えばいつでも出られるところなんだ。病院に近しい異常者が自ら望んで入る施設。
「ご自身のお名前は?」
「そんなの答える必要あるかい?」
答えは否、私には答える必要がある。だが、狂った私には答える必要はない。住んでいた場所も何故ここに来たかも今の私にはどうでもいい事だ。
「狂ってると思う?」
「えぇ、十分ね。いつでも、出られたはずなのに。貴方ならいつでも自分を偽れたはずだ。」
その通り。いつでもここを出ることだって出来た。偽りなんて面白くは無い。だから、みんなに夢を見せて楽しんだ。自分のことがどうでも良くなるくらいには没頭していた。しすぎていた。自らの心の健康を損ねるくらいには。正常になるなんて私らしくは無い。
「また、夢を見せる職に戻るおつもりなんですか?」
「そうだと言ったらどうするんだい。君は気にする必要もないんだよ?」
この人は気にする必要もない。私のことを好いていなければの話。少しでも好意を持っているのなら気にするのも必然ではある。目で追いたくなった?
「何故か、変な人だなって気になるんですよ。ここにいるときはとても真面目で誠実で好い人に見えたので。」
真面目で誠実で好い人、好意的な証らしい。この人は私の狂い方を知らない。だから、好い人に見えたんだ。
「それならば君の見たことない私、つまり狂って見せようか?」
「きっと、狂っても貴方は貴方だ。自分のことに興味ない人を楽しませることに必死な好い人。」
この人も狂っているんだろう。そんなことは常々思う。ここにいる異常者たちと同じ。ここの職員だって自ら望んで来る場所だ。むしろ、そうでなくては来れない場所。自らの意思でやめれるし自らの意思で続けられる。ただ、ここの職員たちは人と話したかったり向こうでは生きづらい人たちも集まるからこの人はそっちなのかもしれない。
「私のこと考えていたんですか、両想いと捉えてしまいますよ?」
「そう思いたいならそう思うといいさ。君は綺麗で魅力的。それに相違はない。」
自分の容姿を褒められて照れるこの人も悪くは無い。私も若くて聡明。狂っているところ以外は人がたくさん周りにいてもおかしくはない種類の人間だ。
「君は物好きなんだな。」
「そうですかね、狂ってる人に言われたくは無いですけど。とりあえず、退院出来るみたいですよ。」
淡々とテストの報告を終えて少しだけ切なそうな色のついた顔を見せたこの人を見て私がしたことは怒られても仕方ないのかもしれない。ゆっくりと立ち近づいた。そして、この人の腰に手を添え腕を回し唇に自分の唇を重ね数秒名残惜しんでから離した。驚いて腰を抜かした様子だったのでやはり腰を支えておいてよかった。
「手、案外早いんですね。」
「嫌いだったかな?」
表情を変えないこの人の顔はとても物欲しそうにしていたのでもう一度唇を重ねてみる。今度は舌と唾液を絡めるように。壁際に寄ってこの人が倒れないように細心の注意を払う。なんだ、ここにいる間に忘れたかと思ったが女性の扱い方もわりと覚えているじゃないか。さすが、狂った好い人だ。
「もう一日だけ、ここにいるよ。君、今日非番だけど早く寝る気はないんだろう?」
「ダメですか?」
そんなことないという顔を見せてからこの人の頭に手を添え愛撫する。今日の夜の密会の約束をしてから何事も無かったかのように自分の部屋へ戻って何をしようかと考える。案外今日の夜を楽しみにして浮かれているらしい。いつもかけている音楽にいつも以上に気分が乗っている気がする。とりあえず自分を落ち着けるために少しだけ眠るとしよう。今日やろうと思っていたことは既に済ませてしまっていた。
「浮かれているな。」
気づけば日が落ちかけていた。時間にして3時間くらいは寝ていたんだろう。音楽を変えて夕食をとる。片付けをしている間も考えていることはあの人はいつここへ来るんだろうか、そんなことばかり。そう思っているとドアを3回ノックしてくる音が聞こえた。
「随分早かったんだね。」
「そうですか?」
心を踊らせているように見えるこの人を部屋に招き入れドアをそっと閉めた。
「いや、そうなのかも。でも、いいじゃないですか。外はもう暗いんですから。」
少しだけ恥ずかしそうに言うこの人に知らないフリをしながら笑ってみせる。釣られて彼女が笑うからついまた唇を重ねてしまった。
「そうだな、私だって浮かれているし君もそうであって欲しいと思ってしまっている。」
頷く彼女の手を引いてついこないだまで私が枕を濡らしながら寝ていたベッドへ引き寄せる。心の健康を保つ為なんて言い訳なのかもしれない。明かりを弱くしてからこの人の身体に手をかける。初めは服に、少しだけ人より冷たい手に彼女が反応するのを見て面白くなってしまう。下着に手をかけると彼女が私を抱きしめた。
「やっぱり手が早い人じゃないですか。」
「嫌だったかい?」
少しだけ沈黙になったかと思えばすぐに吐息混じりの声で返される。
「嫌だったら今ここに来てませんよ。」
「それもそうか。」
少しだけ笑ってから彼女の耳に触れてみる。身体を跳ねさせた彼女を見て息を吹きかける。
「揶揄ってるんですか?」
「可愛がってるんだよ。」
歪んだ愛情、と不貞腐れたような声で言う彼女の声に覇気はない。彼女の顔を見て唇を重ねてから背中に指を滑らすように触れてみる。震える彼女の肩を抱いてもなお唇は重ねたまま。苦しそうな顔を見てようやく唇を離すと彼女が私の脇をくすぐってきた。
「お生憎様、くすぐったくはないかな。やるということは覚悟はおありなようで?」
悪戯に、お淑やかに笑う彼女の頭を打たないように抑え込む。無駄に高揚して汗ばんでいる身体は気持ち悪い。にこやかに笑ってみせると彼女は顔を赤らめた。私が初めて口付けをしたときは檸檬の味がしないのに止まらないのだと不思議に思った。ただ、柔らかいだけの皮膚を重ねる気持ち悪い感触。酸味なんて感じやしない。それなのに、止まるどころか枯渇するだけ。今、彼女も同じ気持ちなんだろうか。
「余裕、ないんですか?」
「ないよ、そんなの。余裕があるなら抑え付けたりしてないさ。」
心がハートの形を模したから。鏡には写りさえしないのに彼女の目にはハートが見える、今だけは。そんな気がするだけかもしれない。彼女を少しだけ暖かくなった手で愛撫する。
「優しくしなくてもいいのに、異常者さん。」
「挑発って捉えていいかな、それでも私は異常者を名乗るので。お望み通りでいいんじゃないか?」
彼女のお望み通り出来るだけ優しくせずに言われた通りの歪んだ愛を叩きつけた。彼女の腰は細かった。
「君、ちゃんと食べているのか心配になるよ。」
「言われなくても食べてますよ。これだから、貴方は優しいんだ。」
彼女は少しだけ呆れたような顔で私を見つめる。私はこういうときに唇を重ねる以外の対処法を知らない。彼女の呼吸を制限しつつ彼女のナカと耳を撫でた。震える彼女のハートをぱちんと叩く。
「プレイボーイ。」
「そういう君は悪女かな。昔、そういう小説で読んだんだ。博識と言ってくれ。」
ゆっくりとお互いの気持ちを探り合う。彼女は私のどこが好きだってかまわない。今、彼女の目の前にいるのは私だけだ。気づけばお互いの身体が疲れきっているのに気づかないまま繋がっていた。
「さぁ、身体の汗も取ったところだ。どうだい、君。私と来るかい?」
「私はここにいますよ。」
彼女の答えは私の思った答えとは違っていた。だが、なんとなく納得してしまう気がする。少しだけ寝て朝が来た時私は一つの決断をしていた。
「もう、ここにいる必要はない。だが、人を楽しませるのは少しだけ後でいい気がするんだ。」
「残るんですか。」
自分でも驚いた。きっと、夢を作って心の健康を損ねるよりかはよっぽど良いだろう。だが、好い人の為に残るだなんて。らしくはない。
「私は、他の施設の人のところに行ってこなきゃ。楽しかったですよ、異常者なプレイボーイさん。」
この一言で納得した。彼女には私だけじゃないんだ。まるで、綺麗な毒に心酔した大馬鹿者。異常者ならばそれが通常かもしれない。結局私はまだ少しだけ施設に残っている。一人の女のためだけに。私は彼女のために朝、叫ぶ日がある。未練が解けかけた時にもう一度鎖で繋ぐため。
「とうとう私は正常になったぞ!」
彼女へ私にとっての歪んだアプローチ。
「揶揄ってるんですか?」
「可愛がってるんだよ。」
綺麗な毒は私を蝕み続ける。あと何人私の他に毒に侵された人がいるんだろうか。いや、気にする必要はないな。今の彼女の目の前にいる異常者はただ一人。私だけ。私は前と同じように彼女の唇に自分の唇を重ねた。

8/14/2023, 7:51:17 AM

心の花にお水をあげましょう
そしてお日様の当たるところに移しましょう
それでも元気が出ないなら肥料をあげましょう
きっと元気な花が咲くでしょう
心の花の管理は難しいかもしれません
一人で育てるのが難しければ
誰かに手伝ってもらいましょう
心に花を咲かせて
日々心豊かにすごせるといいですね

8/14/2023, 7:47:40 AM

心の健康

今まで知らなかった
自分を知ること

自分の感情
自分の好きな物

たくさん知って
学ぶこと

そうすることで
心からの感情に出会えると思う

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