心の健康
人生には、必ず辛いことがある。
楽しいことばっかりじゃない。
むしろ辛いことだらけだ。
それなのに、どうして生き続けるのだろう。
これは、素朴な疑問であり、生きることへの嘆きだ。
辛いことがあると分かっていながら、どうして生き続けるのだろう。
まるで道の先が崖だと分かっているのに
歩き続ける馬鹿みたいだ。
そんな考えが生まれたのは、不登校になってから。
学校に行くのがきつくなって、辛くなって、
苦しくなって、仮病を使って何日も休んだ。
精神科へ連れ回され、たくさん検査を受け、
(仮病だから病気が見つかるわけがない)
病んで、泣いて、自殺も考え、家族と喧嘩して。
気づいたら、通信制高校への転校が決まっていた。
今は転校するまでの束の間の休みの期間。
毎晩のように家族と話し合って、慎重に考え抜いた。
どこだったら私らしくいられるか、大学進学を諦めずにいられるのか。
そうやって転校先は全力で選んだ。
だから、私はこれからのことを楽しみに思っている。
これは、私が死に際から生還するお話である―。
「え!え!あるあるっ!!!」
「やったね!!おめでとう、さき!!!!」
母親と抱き合って高校合格を大歓喜したのは、いつだっただろうか。
もうずいぶん前のことのような、最近のことのような、そんな不思議な感覚だ。
このときは、これから先、人生薔薇色としか思っていなかった。
「あの高校には、変わった人がたくさん入学するん
だ。そういう変わった人と出会うことで、
価値観とか人生観が変わっていくから。」
「あそこはほんっっっとうに楽しいよ!」
「この辛い時期乗り越えたら、明るい未来しか
ないから!」
こんなふうに悪い噂なんてこれっぽっちも聞いたことなかったから。
勉強も頑張って、青春も謳歌できる素晴らしい夢のような場所だと信じて疑わなかった。
8/14/2024, 9:59:30 AM