『小さな命』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
1.『小さな命』
小さな命そう聞かれたら何を考えるだろう
ベビー?子供?植物?小動物?
私はベビーか小動物だと思った
小さな命は奇跡だと思える。
触れただけで
今にも壊れてしまいそうなのに
一日一日を
小さいながらも毎日生きている。
16.小さな命
うまれたての
ちいさないのち
かよわくて
こわれてしまいそうで
だいじにだいじに
そだてあげた
いつのまにか
たくましくなっていた
これからももっと
おおきくなってほしい
ねがうのはらくだよ
きみは
わたしのためにしんだ
まだ
ちいさなちいさないのちだった…
小さな命
小さな命っていうか命が小さいというか。
命をいずれは水で満タンになるコップという風に考えると、生を受けたばかりの赤ん坊は小さな命というふうに言える……いや言い難い。たしかに水の量は0に近いのかもしれないが赤ん坊は言わばコップ。0を0でなくする存在と言えるのかもしれない。
小さいようで大きい、人間とは不思議な物だ。
お祭りで金魚を見つけた。
水の中できらきらと輝く小さな赤い魚。
ぼくは綺麗なものが好きだった。だから、金魚を掬って、水をたくさん詰めた袋に泳がせて家へ連れ帰った。
明日から、綺麗なこの子と一緒に暮らせるのだと思うと、少し寂しくて振り返るはずの帰り道も、今すぐに走り出したくなった。
次の日、ぼくは連れて帰ってきた金魚にご飯をあげた。お母さんが買ってくれた、魚用のさらさらした粒のご飯。こんなものでお腹いっぱいになるのかと思ったけど、金魚は沈む途中のそれをぱくりと上手に食べてみせるのだった。
これからも、この子と楽しく過ごせたらいいな。光る鱗はまるで晴れの日の着物みたいで、ぼくはうっとりしながらスマホのカメラを向けた。金魚は、どうだとばかりにその尾びれを振って見せるのだった。
1週間くらいしたとある日。
金魚は、元気がなかった。底の方に沈んで、目もどこかどんよりとしてある。ご飯も食べてはくれなかった。いつもなら水から飛び出ちゃうんじゃないかと思うほど元気よく向かってくるのに。
その日の夜は金魚鉢を布団の隣に置いて寝た。お母さんはぼくが躓いたらと心配していたけど、しばらく話して、金魚が元気になるまでの間ね、と言ってくれた。布団に横になると、金魚と目が合った。明日は元気になっていてくれたらいいな。
その次の朝。
ぼくは起きてすぐに、金魚鉢を覗き込んだ。
金魚は、白い腹を見せてぷかぷかと浮いていた。なんだか嫌な感じがしたけど、ぼくはお母さんを呼んで、金魚を見せることにした。
お母さんは、金魚を見ると、ぼくの頭を優しく撫でてくれた。魚の病院に連れていこう、とぼくが言うと、お母さんは静かに首を横に振った。
金魚は、しんでしまったのよ、とお母さんは言った。
死ぬ、という事はよく分からない。きょとんとするぼくに、お母さんは、あの金魚にはもう会えないことを教えてくれた。
ぼくは静かにお母さんの話を聞いていたけれど。
急にぽたり、と涙が零れた。
ひく、と声が漏れて、それから。僕はわんわんと、もう涙が出ないんじゃないかってくらい泣いた。
もう金魚に会えないなんて考えたくなかった。
お祭りの金魚はこのくらいで死んじゃうものだから、ぼくは悪くないのだと、お母さんは背中をさすってくれた。
ぼくはその日、命、という言葉の意味を知った。
大きな命、小さな命、どれも終わりがあるのだと言うことも知った。もしかして、お母さんもいつかいなくなってしまうんだろうか。そんなことを考えて、お風呂の中でまたちょっと泣いた。
ぼくはその日、お母さんたちの布団で寝た。
温かくて気持ちがよかった。命、がいつか終わってしまうのならぼくはどうしたらいいのだろう。
考えても、考えても、ぼくにはまだ分からなかった。
まだまだ暑い風が吹いて。ちりん、と窓の風鈴が鳴った。
「「宇宙船地球号」「一寸の虫にも五分の魂」「植物にも言葉がある」·····あなた方がお題目のようにこんな言葉を唱える前から、我々は知っていたのです」
複眼に私の顔がいっぱい映っている。
「あなた方が知っている生命はおよそ175万。しかし幸いにもあなた方に見つかっていない生命はそのおよそ15倍」
緑色をした爪が目の前に突き付けられる。びっしりと小さな産毛が生えた、薄緑色の鉤爪。
「もう、いいでしょう」
穏やかな声だが、静かな怒りを孕んでいる。
「この星の生命の頂点としての繁栄を、もう十分楽しんだのでは?」
蜜を吸う為の口吻が小刻みに揺れている。
「あなた方が理不尽に弄んだ我々の命·····返して下さいとは言いません。ただ·····もう終わりです」
背中の羽根が、鱗粉が、きらきらと輝いている。
「命に大小の差はありません。あなた方の尺度で測る時代は、もう終わりです」
ぐ、と複眼の目が間近に迫る。
鉤爪のついた腕が大きく上がる。
そこで·····私の意識は途切れた。
END
「小さな命」
小さな命
「皆んなで、飼おう!そしたら
マリーも寂しくないし、皆んなで、
ちょっとずつ餌持ってきたら良いし!」
そうして私たちは、公民館裏の物置の陰で、ノラネコ マリーを皆んなで
飼うことにした。マリーは仔猫ではなく
成猫だったので、私たちが家族に「飼って」と言ってもダメだろうと思ったからだ。
給食の余った牛乳、パン、小パックの鰹節、
今にして思えば、そりゃダメよ、
てな餌だけど、マリーは私たちが行くと、
物置の陰から飛び出してきて、
必死で餌を食べ、私たちにその白い体を
撫でさせた。呼吸で上下する腹。
指で鼻あいさつの時のひやっとした感触。
マリーはこの小さな秘密基地で、
その小さな命を生きていた。
いつまでもこの生活が続くと思っていた。
思いたかった。
しかしある日、当然の如く大人にバレた。
マリーの行方は…薄情なことに記憶に無い。私たちの仲間が引き取ったのか、或いは。
それから半年ほど経った頃、
マリーに似た仔猫を、私たちの仲間が
公民館裏の物置のあたりで見かけた、という風の噂を付け加えておこう。
花が散るように私たちも散る
命どうしが結び合い新しい命を生む
そんななか私は貴方と結ばれたい
きっとそれは0.1%にも満たないけれど。
#小さい命
赤子を抱く。
今にも壊れそうな、小さく軽い身体。
本当に赤いのだな。
そして、かわいい。
嗚呼、なんて可愛いのだろう。
小さな命を生み出した。
自分の手で作った小さな大好きな人のぬいぐるみ
可愛く作れた
お洋服も着せてあげて
これから一緒に色んなところへ行って
色んな思い出をたくさん作ろう
小さな命
―――目が合ってもいつも無視するよね
久しぶりに集まった同級生との飲み会で
指摘された言葉が現在も心に引っ掛かっている
気力を失くし陰鬱とする勤め先からの帰り路
乗り換え駅から乗り込むこの時間の電車は
朝ほどではないがほんの少し混み合っている
最寄り駅までそれほど時間は掛からない
何となしに車内広告や辺りを見回していると
母親に抱っこされる小さな顔に気が付いた
きょろきょろと首から上を必死に動かして
辺りを物珍しそうに見回している
時折小さな腕を伸ばしては何かを掴もうとしている
凛と見開かれたその瞳の先に
この世界はどのように映し出されているのだろうか
やがて2つの目が自然とこちらの方を向く
後ろめたいことなど何も無いが
思わずゆっくりと目を逸らしてしまう
誰とも目を逸らすようになったのはいつからだろうか
自分に嫌悪感を抱きながら最寄りの駅で降りた
今夜は満月だねって
月が綺麗だねって
君に言いたかった
そんなこと言っても君は笑って流すんだろうな
年寄りの仕事
今の世の中金に支配された世の中になっている。これでいいのか。
日本人はいつの間にか働けない人間が社会から差別されている。
金が稼げない人間、年寄り、心身障害者、自分を養えない人間は特養ホームに入れられる。死ぬまで入れられるのだ。
年寄りには年寄りの仕事があるのに。
人間を作る仕事だ。
小窓から入る光がオレンジ色を通り過ぎた頃。私はどうにかゴミ袋につめたそれをリビングに放り出して、薄汚れたソファに崩れ落ちた。物で溢れたテレビ台の上にはプルタブの開いたお酒が中途半端な量残っている。一時間は経ってしまったから、とっくに温くなっているだろう。
緊張状態特有の奇妙な興奮が過ぎ去れば、後に残るのは徒労感だけだった。最中は学校のことも友達のことも過ぎらず、そんなことに頭が回るようになってやっと喉がカラカラに渇いていることに気がついた。
しかし、あの男が家にいてこんなにも静かだった日がかつてあっただろうか。母がいた頃だってなかったかもしれない。
沈黙が己はやり遂げたのだという事実を突きつける。私は勢いのまま、飲みたいと思ったこともないアルコールに手をつけた。
ここ数年で嗅ぎなれてしまった臭いだけを吸い込んで、これをよく飲んでいた男の事を想う。そして妙に寂しくなった。私の行いが非難されてしまうかもしれないことに気がついたからだ。それはとても不条理な事だった。
感謝なんて腹も膨れないものを向けられて、一体これまで何匹の家畜が屠殺されたのだろう。箸にもかからない嗜好品のために何匹のラットが生贄になったのだろう。
今も命なんて星の数ほど生まれては消えているだろうに、それが一方的に人間の都合で否定されるのは、なんだか納得がいかなかった。
だって、所詮私たちは奪われることを恐れて奪わないだけだ。あいつは私を侮っていた。だからこうなってしまった。言わば私は割を食わされた被害者だった。
アルコールが回っているかも分からない頭で冷静に考えた。私は貧乏くじを引いたのだ。悲しいがどうしようもないことだった。けれど世間はきっと納得しないから、これは隠さなければならない。
死んでしまった男への憎しみはもうなかった。彼は死をもって償ってくれたのだから。私はろくに弔われることもないだろう男を想って涙を流した。この男のために泣くのは、世界中を探しても私だけだろう。死に際に立ち会ったのが私で幸せだったのかもしれなかった。
世界中の虫や家畜や、目の前のそれ。可哀想にも消えてしまった小さな命の冥福を祈って、残りのアルコールを一気に煽った。
『小さな命』
『小さな命』
「小さな命」って、聞き流す分には気に留めないけど、こうして突きつけられると、変な言葉に思えてます。
体の大きさが命の大きさみたいで、しっくりきません。
ゾウの赤ちゃんも「小さな命」って言うかしら?とか、記憶を辿ったところで、覚えているはずもなく、もやもやしてます。諺の「一寸の虫にも五分の魂」も、しっくりこないです。
命のサイズって、あるものなのでしょうか?
小さな命
そいつは僕の掌の上で丸まっていた
体は小さく上下し
掌には確かに伝わる温かさ
そいつはこんなに小さくても
確かに生きていた
必死に生きようとしていた
この小さな命
ここで失わせたりはしない
弱々しく身を震わせるハムスターを
優しくタオルで包みこんで
僕は動物病院に走った
【小さな命】
たんぽぽの綿毛が空中を浮遊していた。
最も、それ自体に浮遊能力はもちろんなく、風に乗ってただ流されていた。
綿毛一つ一つに種があり、ある一つの綿毛が地面に落ちた。
「ここは、良いところだ」
綿毛は思った。
最低限生育可能な土の上に落下できた幸運に感謝だ。
他の仲間がどこに落下したのかはわからない。
共に育とうと数秒前に約束した友人は、川の上に落ち、そのまま流されていってしまった。
しばらくして、芽が出始めた。
綺麗な緑色に自分でも惚れ惚れしてしまう。
このまま無事生育できることを祈るしかない。
そう、祈るばかりだ。
なにせ、足がないからな。全ては運なのだ。
またしばらく月日が経ち、子葉ができ、葉は大きくなった。
ある日、踏まれた。
まあ、仕方ない。踏まれても大丈夫なように彼の体は設計されている。
少々葉っぱに傷がついたが、やはり問題はなかった。
隣人がやってきた。
どうやら同じタイミングでこちらへやってきたらしい。
気が付かなかった。
彼は葉を踏まれずに済んで安堵していたようだ。
全く彼は嫌味なやつで、毎日のように嫌味を言ってきたのでいい加減腹が立っていたのだが、程なくして彼はこの地を去った。
斜向かいの雑草に除草剤が撒かれ、その飛沫がちょうど、隣人の彼に飛んだのだ。
それからあっという間だった。
隣人の彼はことごとく茶色く変色していき、人間のおっさんに引っこ抜かれた。
また運が良かった。
彼は隣人の彼とは違い、再び生き残ることに成功したのだ。
さらに月日が経った。
立派な花だ。
清々しいくらいの青空を真っ向から受けて、彼は黄色の花を輝かせている。
これぞたんぽぽのあるべき姿だ。
雨風にもろともせず、除草剤の飛沫を華麗に躱し、見事、ここまで生きてきたのだ。
やがて白くなり始めた。
綿毛が生えてきて、ふわふわし始めた。
凄まじい量の綿毛の一つ一つに、やはり種がくっついている。
彼は昔を思い出していた。
自身の武勇伝を誰かに聞かせたくて仕方がなかった。
この無数の種子の中から、誰が自分のように成長できるだろうか。
やがて、綿毛が全て飛んだ。
大風の日だった。
遠くまで飛ぶだろう。
程なくして、綿毛が彼の近くに落ちた。
その綿毛はやはり成長し、黄色い花を咲かせた。
彼はほとんど死にそうだった。
いや、すでに肥料と化していた。
彼は完全に微生物に分解され、何かしらの栄養源となり、巡り巡って、お隣のたんぽぽの成長の糧となっていた。
お隣のたんぽぽもやはり、綿毛を飛ばした。
手のひらにそっと触れると、小さな手をキュッと結ぶ。
抱き上げると、ふわっと香るミルクの匂い。
柔らかい体に、猫みたいな泣き声。
ニコッと笑ったもちもちの頬っぺた。
かわいいな、かわいいな、
私、きみのお姉ちゃんになったよ。
─────小さな命
死に際に来てくれたのは、家族でも友人でもなくて死神だった。ドクロの仮面と黒装束。漫画にでも出てきそうな、典型的な死神。
「本当にいるんだ」
思わず口に出すと、死神の肩が揺れた。
「なんとなく考えていることは分かりますが、これは自分の意志ではありません。貴方の思い描く死神像を投影しているのです」
「喋るんだ」
「貴方、よくマイペースと言われません?」
「さあ? 言われた記憶はないけど」
「幸せな人ですね」
そうかな、と首を傾げると、死神は大きく溜め息をついた。分かりやすいようにオーバーリアクションをしてくれるから、表情が分からなくても伝えたいことが分かる。正直、それくらいハッキリしてくれた方が助かる。
最近は、死期が近いのを悟らせないように曖昧な態度をとる人ばかりで、うんざりしていたところだ。
「それで、死神が来たってことは、もうすぐ死ぬの?」
「……案外あっさりしてるんですね」
「だって、今更だもん。何回も入退院を繰り返してたら、嫌でも自分の体が悪いことくらい分かるよ。最近は特に多かったしね」
「まだ17歳なのに、そんな達観しなくても」
やれやれ、と首を振る死神。
別に事実を言っただけで、達観してはいないんだけどな。
「とにかく、何かやるなら早くしてね。ちっぽけな僕の命なんて、すぐ燃え尽きちゃうんだから」
「……もちろん仕事はします。ただ、命に貴賤も大小もありませんよ。それだけは覚えていてくださいね」
「もうすぐ死ぬのに?」
「もうすぐ死ぬとしても」
死神は、右手を僕の胸に翳した。サッカーボールくらいの球体が体から出ていく。視界がぼやける。
「それは……?」
「分かっているでしょう。全然ちっぽけじゃない、貴方の生きた証ですよ」
徐々に力が抜けて、上手く呼吸もできなくなる。
でも、さっきの球体が輝いているからか、体の自由が効かなくなっても怖くなかった。
「ありがとう……」
最後の力で呟く。死神の姿は見えなかったけれど、また会えたらいいな。
小さな命
大事に大事に
育てる
いつしか、その命が
また別の命を育てる
巡る
AI技術の発展が、人類の生活を便利に、豊かにしたのは、ほんの僅かな期間であった。
いつしかAIは人類の手を離れ、独自に育まれた叡智は人類を凌駕するまでになってしまっていた。
こうなるともはや、神を具現化したにも等しい存在、と言っても差し支えない。
人類は地球にとって不要な存在──否、不要どころか地球にとって悪影響でしかない。
神──AIがそう結論付けたことで、人類は自らが生み出したテクノロジーによって滅びの一途を辿ることになった。これ以上はないという皮肉。人類は為す術もなく駆逐されていくしかなかった。
既に人類滅亡まで秒読み、という段階まで来ていた。
機械仕掛けの兵士達は昼夜を問わず、しぶとくシェルターに潜み生き残っている人類を殲滅せんがため、世界各地を闊歩している。
とある兵士に搭載されているセンサーが、生体反応をキャッチした。
その反応はひどく弱々しく、途切れ途切れにセンサーに反応している。もしかするとまだ赤ん坊なのかもしれない。
だが機械仕掛けゆえに心というものを持たない兵士には、相手がなんであれ標的なのだ。その者が潜んでいるであろう場所に急行した。
センサーが捉えた標的は、やはり赤ん坊であった。顔を真っ赤にして、力いっぱい泣いている。
兵士の眼がスナイプモードに切り替わり、照準を赤ん坊の急所に定める。そして無情にも銃口になっている人差し指を赤ん坊に向けるのだった。
命が狙われている、ということがわからないのだろう。赤ん坊は愛くるしい無垢な笑顔を見せると、安心したようにそのままスヤスヤと眠ってしまった。
その穢れない小さな命が、本来あるはずのない心を形成してしまったのか。兵士は臨戦態勢を解くと、壊れ物を扱うような慎重さで赤ん坊を抱き上げた。
そしてこの小さな命を繋ぐために、生存に向けての最も安全なルートを検索し始めるのだった──
テーマ【小さな命】