『宝物』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
他人から見ればゴミなのでしょう。もっと価値のあるものはあるのかもしれませんし、綺麗にすれば見栄えがよくなるのかもしれません。誰よりも、私がそれを分かっているのです。
しおれて変色してしまった花冠。
花も葉もすっかり枯れ落ちて、もう冠の形をほとんど成してはおりません。
ええ、あなたの仰る通り。
同じ花を探して作り直す方法もあるのでしょう。
ここでなら、ドライフラワーにするという手もあるのでしょう。
でも、いいのです。
私にとってこの花冠は、花の美しさは二の次で。
あの方が摘んだ花。
あの方が編んだ冠。
それが私にとって、何にも変え難い宝物なのです。
だからどうか、このままで。
色あせた花とくたびれた葉。
金細工を扱うかのような繊細な手つきでそれに触れる彼は·····それはそれは幸せそうな顔をしていて·····私は胸が締め付けられる思いがした。
END
「宝物」
俺にとっての宝物は、もちろん貴女です。
では、貴女にとっての宝物は、何でしょう。
貴女はきっと即答できません。だから俺が代わりに答えます。
それは貴女の心から溢れる、愛です。
貴女の一番大切なものは、一人の人、一つの物、そんな小さな枠には入らないのです。貴女は愛することを知っている。そのこと自体が、貴女の宝物であり、貴女を輝かせるものなのです。
宝物
私の宝物
世界のどこにもない
たった1つの宝物
そう思えるものがまだない
宝物 11.21
私の親は厳しい。
テストだってどんなにいい点数でも、満点じゃないと意味ないって。
勉強のために友達とも遊ぶなって。
まいにち塾だし、きっと私のことをほんとに大切になんて思ってない。
その証拠に今日は私の誕生日なのに、プレゼント一つも、おめでとうも言ってくれない。
そんなの眼中に無いんだね。
ほんと最悪。
「もしもし?」
「もしもし、どしたの?」
「誕生日おめでとう〜」
「ありがとう〜覚えてくれてたの?」
「当たり前じゃーん、友達の誕生日だよ?」
「プレゼントも今度渡すから待っといてねー!」
「ほんと?ありがとう!」
「じゃまた明日ね〜」
「うん、また明日〜」
「おはよー!」
「あ、おはよ〜」
「これ、プレゼント!」
「ありがとうー!宝物にする!」
「気にって貰えたなら良かったー!」
「ほんとありがとう〜これからもよろしくね!」
「うん、よろしく!」
『宝箱』
宝箱とはなんだろうか。RPGゲームなどによく出てくる、豪華な装飾が施された大きな箱を思い浮かべる人も多いだろう。
私にとっての宝箱は、今目の前にある、装飾も何もないただの白い箱だ。
この中には私の宝物が入っている。彼からプロポーズされた時に貰った花、お揃いの指輪、お気に入りだからと薦められて読んだ漫画。
そして何より、小さな頃から今に至るまで、ずっと私と想い出を作り続けてきた大切なもの。
どんなに辛い時でも、この宝物に元気を貰った。ある日はなればなれになった時は、あまりの不安に泣き出したこともあった。
宝物とはかけがえのないものと表現する人が居るが、私とってはまさにかけがえがなく、代わりのない大切なものだった。
そんな唯一無二の宝物が入ったこの箱は、どんなに質素な見た目をしていても、私にとってはこの世のどんな宝石よりも光り輝いて見える宝箱だった。
そんな宝箱の蓋が閉められ、私の前から運び出されて行く。持っていかないで、とどんなに縋り付きたくても縋り付けなくて、涙を堪えて行く末を見守る。宝箱は遂に車に乗せられた。
──ありがとう......さようなら。車のホーンにかき消されるほどのか細い声で呟いたその言葉は、まるで青い青い空に立つ煙のように散っていった。
──お題:宝物──
『宝物』
これは、はやとくんがくれたバレッタ
はやとくんの髪と一緒に大切に保管しているの
これは、けいすけくんがくれた香水
けいすけくんの血を瓶の中にいれて保管しているの
これは、たかしくんがくれたハイヒール
たかしくんの足をこの靴に履かせて保管しているの
これは、ゆうじくんがくれた腕時計
ゆうじくんの腕に腕時計をつけて保管しているの
これは、りょうたくんがくれた指輪
りょうたくんの指にはめて保管しているの
ぜーんぶ、私の大事な宝物
宝物は誰から貰ったかも大事だから、わかるようにしないとね
もちろんくれた人達もみーんな、大事な宝物
今日はね、しゅんすけくんがネックレスくれたの
デザインがとっても可愛いの
このネックレスを大切に保管したいから
今からしゅんすけくんのところにいくね?
私には好きな人がいました。陸上部の晃くんと言います。彼は足が早くて、皆の人気者でした。私は四六時中、彼ばかりを見ていました。でも、彼はある日突然、陸上部をやめてしまいました。走ることをやめた彼に、私は恋心が冷めてしまいました。
私は次に隣の席の遥人くんを好きになりました。彼はいつも楽しい話をしてくれます。私は彼と笑い会うことが多くなりました。彼も私と話すことを楽しんでくれているように思いました。でも、彼はある日を境に、私と口を聞いてくれなくなってしまいました。
次に私はバスケットボール部の部長の村上先輩に興味を持ちました。高身長でダンクシュートをする姿がとても格好良く、顔が整っていて優しいので、学校中の女子から人気のある先輩です。でも彼は、私と目が合うと手を振ってくれます。ある日、彼から「二人で話したいから放課後体育館に来て」と言われました。私は期待で胸が踊りました。ホームルームが終わった直後に御手洗へ駆け込み、鏡の前で髪を整え、少しだけメイクもしました。私は平静を装って体育館に向かいました。体育館にはまだ部活の人も集まっておらず、先輩が1人立っているだけでした。私は少しだけ躊躇ってから、覚悟を決めて足を進めます。「なんですか?」と先輩に声をかけると、先輩はまるで虫でも見るような目で私を見つめ、「もう来ないでくれ」とだけ言いました。
私が好きになる人はことごとく私の前から消えてしまいます。私は人を好きになってはいけないのだと錯覚するようになりました。
そんなある日、彼に出会いました。廊下でプリントを落とした時、どこからか颯爽と現れてしゃがみこみ、「落としたよ」と笑顔で拾ってくれました。そんな彼に、私は最後の恋をしました。彼は隣のクラスで、翠くんと言うそうです。それからというもの、廊下や移動教室でよく会うようになりました。きっと面識を持ったため、話しかけてくれるようになったのだと思います。彼は優しかったです。忘れ物をしたら貸してくれるし、分からない所があれば聞いてもないのに小声で教えてくれます。そして何より、彼は私をよく見ていました。私が好きなものや私の癖など私の事をたくさん知っていました。それに、授業中にふと彼を見ると目が合うことがよくありました。あまりにも会うので、私は彼を意識せざるを得ませんでした。やがて彼の顔を見るだけで気分が高揚し、頬を赤らめるようになりました。そんな私の姿を見て、彼も少し耳を赤く染め、嬉しそうな表情を浮かべるのです。私たちは好き合っていました。
告白は彼からでした。「ずっと好きでした付き合ってください」そう言われて、私は間髪入れずに「はい」と元気よく答えました。彼は優しかったです。底なしに優しかった。時々、怖くなるほどに私を知っていて、優しくて、恐ろしくなるほどでした。
気付けば彼とは5年も長く続いていました。その日は彼が宝物を見せてあげると言い、私を家に招きました。彼は私の前に銀色の缶を出しました。そして、中身をそっと開きました。
「これは…何?」
中には白い小さな物がいくつか入っていました。
「これはね、晃くんだよ。」
私は硬直しました。
「これは遥人くん、これは村上先輩の彼女」
頭では察しましたが、理解が追いつきませんでした。
「これ……爪?」
「そうだよ」
翠くんは目をギラギラさせてこちらに笑いかけます。
「君を見た人みんなの爪を貰いたかったんだけど、流石に人数が多すぎたんだよね」
彼は晃くんを弄りながら言います。
「だから、君が好きになった人と、君を好きになった人の爪だけ」翠くんは少し残念そうな顔をしました。
私はやっと理解しました。彼との出会いは偶然なんかではなく、彼が作り出した必然であり、彼が異常に私に詳しかったのは私の事をストーキングしていたからであると。今更こんなことに気づいてしまいました。
「私の恋が実らないのはあなたが裏で手を回していたから?」
「そうだよ、ごめんね。君から離れるように言って足の爪を剥ぐと、みんな言う通りにしてくれるんだ。」彼の顔は狂気に満ちていました。
でもそんな顔を見てときめいている私がいることも確かでした。そして、彼も分かっているようでした。
「このことは秘密にしていたんだけど、今の君ならわかってくれると思ったんだ」
そうだね。その通りだ。だってこんなにも愛おしく見える。
「ありがとう。私にはあなたがいればそれでいい」
笑顔で伝えました。翠くんはとてもとても嬉しそうでした。
私はきっと、この悪魔から一生逃れられません。
11.20 宝物
宝物
押入れの整理をしていたら、埃だらけで、色褪せた段ボールが出てきた…段ボールには、汚い字で、宝、とだけ書いてある…
埃を払い、止めてあるガムテープに手を掛けると、簡単に外れた…開けると、もう何のためにしまっていたのか判らない様な、ガラクタが、沢山投げ込まれていた…
幾つか取り出してみると、その下に、小箱が見えた…緑と白のストライプの箱を開けると、陶器でできた、ピエロの風鈴が入っていた…途端に、中学生の頃の2つ下の後輩の女の子の顔が浮かんできた…
そして、誕生日プレゼントだった事も、憶い出した…痩せっぽちで、あどけない顔で…お兄ちゃんになって下さいって、手紙をくれたっけ…
風鈴の音と、あの笑顔、今でも忘れない…
作品No.234【2024/11/20 テーマ:宝物】
どれも大切だと思うから
手放せないものばかり
ここに残って増えていく
お題『宝物』
世界で唯一無二のもの。
誰に聞いたって、それは自分以外が説明できない。
自分だけが、鍵を無くしても、その中身を知っている筈だ。
どんなことに踊るのか。どんなことに騒ぐのか。
どんなことで痛むのか。どんなことを許すのか。
その宝物はいつだって、自分だけのもので、法律でさえ侵せない。
そしてそれは、自分が残し愛したもの、愛した人の中で、微かに息をする。
何年も、何百年も、下手したら、何千年も。
どんなに時を経ても、その宝物の専門家は自分だけだ。それは孤独でたまらない。誰かに話したくなる。
しかし、誰かが自分の説明で、少しだけ、理解を示してくれるときもある。
その時は、ちょっと悔しくなるけど、嬉しくなるね。
『宝物』
「隼人、お前の宝物ってなんだ?」
学校帰り、同じ絵画部の島田に唐突にそう聞かれた。この男はいつも唐突だ。そう親しくもない頃に急に僕のことを隼人と下の名前で呼び始めたのも唐突だったし、この前なんてそんな話はしたこともなかったのに「今日泊まりに行く」なんて言った。
僕が一人暮らしならまだいいんだけど、まだ高校生の僕は実家暮らしだから家族の都合ってものもある。嫌なら断ればよかったんだけど、僕は人の考えを否定したり断ったりすることが苦手で、頼まれるとなんでも引き受けてしまう。
さすがに「殴られてくれ」なんて言われたら断ると思うけど、その場になってみないと分からない。
「なあ、聞いてる?」
僕がなかなか答えないものだから、島田は少し不機嫌な様子でそう言った。
「聞いてるけど、いきなり言われても宝物なんてすぐには思い浮かばない」
僕がそう答えると、島田は「なーんだ」と言って両手を頭の後ろで組んで、興味なさそうにその辺に落ちていた小さな石を蹴った。
島田は僕の宝物になんて、大して興味がなかった。それなのに聞いた理由はなんだろう? もしかして自分の宝物を自慢したかったんだろうか?
「島田くんの宝物は何?」
僕は島田くんの顔色を伺うようにそう問いかけた。この質問、間違っていないよね? そんなの気にすることはないのかもしれないけど、いつも僕は何かを人に問いかけるときに緊張してしまう。質問をするということは、その相手のプライバシーに踏み込むということで、その覚悟があるのかと問われればいつもないんだ。
質問の意図が上手く伝わらないこともあるし、相手にとって不愉快な質問になってしまうこともある。そして、質問をした時の相手の目が怖いんだ。
「お前は俺のプライバシーに踏み込む覚悟があるのか?」
そう毎回問われている気分になる。
「俺の宝物は隼人」
島田が言った言葉が理解できず、僕はポカンと口を開けた。聞こえてはいた。だけど、宝物は何かの回答として、僕の名前を挙げるなんて思っていなかった。誰か有名人のサインだったり、思い出の何かだったり、そんなものを挙げると思っていた。やっぱりこの男はいつも唐突だ。
「隼人は俺の宝物だよ。俺の家、あんなんだろ? 大抵の奴は俺を避ける。だけど隼人はちょっと困った顔をすることはあっても、俺のことも俺の家も否定しないし、こうして一緒に帰ってくれる。だから大切な友達。唯一の友達だから宝物だ」
島田は堂々とそう言った。島田がそんな風に思っていたなんて、僕はちっとも気付かなかった。島田はシングルマザーの家庭で、そんなの今どき珍しくもないんだけど、島田の母親はいつも男を連れている。最初に見た時はスーツを着た真面目そうな人だったけど、次に見た時は金髪を逆立てた金色の鎖のネックレスをしたヤンキーみたいな人だった。その次は太った眼鏡のおじさんだったし、もう色んな相手を見てどれが彼氏なのか分からない。それを快く思わない人は多くて、島田は孤立していた。
島田は僕のことを一緒に帰ってくれるとか、否定しないと言ったけど、僕は断るのが苦手なだけだ。本当はそんなに優しい人間ではない。間違いは正さなければいけないと思ったのに、僕はそれは間違いだと言えなかった。いや、あえて言わなかったのかもしれない。
僕は嬉しかったんだ。
──誰かの宝物になれたことが。
だったら、間違いだと思ったことを間違いではなくすればいい。そんな優しい人間になればいい。世の中全員に優しくしなければならないわけじゃない。僕のことを『宝物』だと言ってくれる島田には、そういうことが苦手だから否定したり断ったりしないんじゃない。大切な友達だからしないんだ。
僕は自分が弱い人間だと決めつけていた。でも、島田の言葉で救われた。「断れない人間」から「断らない人間」になった。どうせなら島田にはもう一歩だけ近づいてみようと思った。
「島田、名前で呼んでいい?」
僕は一気に島田のプライバシーに踏み込んだ。
「今更かよ」
「うん、今更だけど、純也って呼びたい」
「いいよ」
友達だと言ってくれたから、勇気が出た。彼のプライバシーに踏み込む勇気。
それは彼の『宝物』という言葉がきっかけで、そして彼は僕の宝物になった。
(完)
夏に実家帰省した時に、クローゼットの整理をした。なんでこんなに溜め込んだんだと思いながら渋々手をつけた。でも、一個一個を見てみれば、昔の私の宝物がたくさん詰まっているのだと理解した。描いた絵、友達にもらったキーホルダーにかわいい付箋とペン、プリクラ、好きだったアイドルのグッズ。昔の私がうきうきしながら箱に詰めたものばかりで、いざ捨てようとすると迷ってなかなか進まなかった。
思い出の宝達をしまいなおして、最近は大切をしまう事が減ったなぁと思った。もちろん大切なものはたくさんある。でも昔のように箱につめこむのではなく、身近に置いておきたいと思うようになった。いつからそう思うようになったのか分からないけれど。友達からもらった櫛で髪をといて、友達からもらったポーチにお気に入りのリップを入れて、悩み抜いて作った香水をつけて、彼氏からもらったネックレスはつけっぱなし。
しまったものを覗き込んで楽しむのも良かったけど、周りに宝物を散りばめて楽しむ今もすごく好き。
これからも少しずつ宝物を増やしていきたいな。
くたびれた朝の空気が気持ち悪く感じられる。
覚めた瞼はどこか朦朧としたまま、体を前日の余韻が纏わりつくようだった。
─────────────────────────
≪ ryuto
『ごめん…』0時13分
既読『謝らないでよ』
0時14分
1時43分『もっと違う未来もあったのかな』──────────────────────────
枕の傍ら、無造作に置かれたスマホに手が伸びて、無意識にいつもの画面を開いてしまう。
「あっ、本当に終わっちゃったんだな」
いつも早起きな彼が、10時を回っても既読すら付けないこと。
いつも惰性で開いていた画面を、明日からは開かなくてよくなること。
そんな些細な事実が、どうしようもなく私とあなたの終わりを告げていた。
「ふっ、ふふ」
しかし、こみ上げてくるのは笑いだった。
今もすごく辛いし、恋なんてしなきゃよかったと思う。
でもこの半年間を捨ててやらない。忘れてやらない。
いつか私の宝物にしてやる。
───────────────────
≪ ryuto
『ごめん…』0時13分
既読『謝らないでよ』
0時14分
1時43分『もっと違う未来もあったのかな』
10時36分『ありがと』
──────────────────
そう思うことがあなたへの最大限の感謝だと気付いたらから、今は笑いたいと思う。
ちっさい頃、大きなあめ玉は
特別な感じがして好きだった。
けれどいざ舐めると違う…。
あめ玉に舌が押さえつけられて
あめ玉を気軽に転がすことができない。
舌を抜き出そうと力一杯引っ張れば
そのままあめ玉が喉に落ちてきそうで
いつも怖かった。
だから慎重に舐めていた。
喉に落ちないように下向きながらとか。
創意工夫が大切だ。
ちなみに、噛もうにも
奥歯で挟めないから噛めない。
近所の駄菓子屋にガチャガチャがあり
手伝いで貯めたお駄賃は
全てそこに投じていた。
貰える景品なんて大したもんではなく
台も2種類しかない。
ただ何が出てくるか楽しみでやっていただけ。
倫理もへったくれもない悪ガキだったから
いらないものが出てきたら
ガチャガチャの後ろの
家とブロック塀の隙間に入れていた。
そのガチャガチャで出した
正方形のケースに入った円形の消しゴム。
オレンジ色をしていてすごく綺麗だった。
当時はまだ字が書けない。
それが消しゴムとは知らなかった。
宝物のまま時が経ち
ひらがなが読めるようになった。
「※たべられません」と書いてある。
わざわざ書くってことは
本当は食べられるのか?
食べられそうには見えないが
恐る恐る前歯で噛んでみる。
あきらかに食べ物じゃない…。
なんだ、本当に食べられないのか…。
歯形がついた消しゴムは
呆気なくゴミ箱に捨てられた。
【宝物】
小さな箱の中に
かき集めた大事なカケラを詰め込む
それは自分だったものもあるし
新しくきみと見つけた自分もある
無くしたくない大切なものを
形のないものに昇華して
いつでも共にあれるように
輝いているものもあれば
もう色を失ったものもあるけど
自分の宝物だと誇れるように
2024-11-20
宝物
どこかへ連れて行ってくれた記憶も小遣いをくれた記憶も一度としてない父。
そんな父が唯一私にくれたものがある。
無垢の木で作られた宝石箱型のオルゴールだ。
子どもの両手でようやく持てる重さのそれは、大人になった私からしてみても、そこそこ大きく立派な代物だ。
裏を見ると、消えかけた金文字でおたんじょうびおめでとう○○(私の名)と、生年月日が書かれてある。
これは物心つく前からすでに私の手元にあり、子ども心に大切にしなければならないものだと分かっていた。
時々、そっと裏のネジを巻いては、蓋を開け、七つの子を響かせてみるものの、それはいつ聴いても物悲しいメロディーだった。
金額的なことだけで言えば、大人になった私はこのオルゴールよりも高価なジュエリーやバッグをいくつも持っている。
けれど、宝物は?と問われると私にとっては父がくれたオルゴールがそれにあたる。
そんな父も、昨年ついに鬼籍に入った。
オルゴールは正真正銘、私の宝物になった。
お題
宝物
"宝物"
宝物は、美しさや貴重さで価値が
決まる物ではない。
持ち主がどれだけ大切にしているか、
自分にとってどれだけ大切か、
それによって価値は決まる。
宝物
人からみれば佇んでるものかもしれないけれど
私からしたら知らないまま人生が終わらなくてよかった
後ろを振り向かないで走らないといけない時に手の届く距離にあればと考えてしまう
最優先事項なくらい熱中している
その内心臓になる
それを見て息をしている
あまりにも生きる気力がないですね
相対的に今の暮らしを良く思うためだけに自殺未遂とかしてやりたいです。
まあ完遂できたらそれはそれってことで
2024.11.20(wed) No.2【宝物】
——宝物
光り輝く宝石?
友達や家族からのプレゼント?
小さい頃の思い出?
“宝物”という1つの単語から
こんなにも溢れてくる宝物
大人になっても
忘れないで——