『天国と地獄』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「めんどくさい」
手桶に汲んだ水を撒きながらぼやく。
水に濡れた地が元の色を取り戻していくのを見遣り、そして周囲を見て溜息が漏れた。
辺りを染める黒。どろどろと濁り澱んだ気は村全体を覆い、この行為の終わりを見えなくさせている。
「おや?アナタ様の方が『木』でしたか」
不意に聞こえた声。聞き覚えのある胡散臭いそれに、思わず眉根が寄る。
面倒なのが来てしまった。
関わり合いにはなりたくないが、とはいえ聞こえぬふりも出来るはずもなく。仕方なしに手を止め振り向いた。
「げっ…」
「久方ぶりにお会いしましたもので『花』と間違えてしまいました」
「悪趣味」
胡散臭い笑みを浮かべる宮司が手にしたソレを見て、重苦しい溜息を吐く。
「知人の最期をそのままにはしておけなかったもので。一部だけでも弔おうと思いまして、こうして持ち運んでいたのですが…アナタ様がご無事で何よりです」
心配めいた言葉を吐きながらも、その表情はまだ笑みを浮かべたまま。
面倒ごとに鬱々とした気分になりながらも、手渡されたソレを地面に落とし水を撒く。あちこちにこびりついた黒が溶け、その形すらも溶けていく様を見ながら、早く帰ってほしいと切に願った。
「一部でも問題はありませんか?やはり今からでも残りを持ってきましょうか」
「問題ない」
溶けていくソレは段々に元の、藤の一房に戻り。もう一度水を撒けば、生長する草木の如く広がり姿を変え、己と同じ顔をした童の姿となった。
こちらに一例し去っていく姿を見送って、未だここに留まる宮司に早く帰れとばかりに睨め付ける。
「で?用件は」
「暇だったものですから」
「帰れ!」
思わず叫ぶ。
「今本当に忙しいから!変態似非宮司の相手をしている暇ないの!」
「酷い言われようです。第一、何故アナタ様がこのような手間をかけているのです?雨で流して貰えばよろしいのでは」
それが出来るのならば、疾うにそうしている。
雨の龍はもう此方側には干渉出来ない。村のこの惨状を作り上げた過程の一要因として罰を受けたからだ。
罰ならば仕方がない事ではあるが、そのせいで昼夜問わず文字通り身を削りながら常世の瘴気を流していくのは、正直腑に落ちない所はある。
「あぁ、そういえばあの罪人は龍の血族でしたか。それも罪人以外は既に刈り取られてしまっていたとか」
「分かったならさっさと帰って。終わらないから」
「それならば、いっそ諦めてしまったら如何です?」
軽率に吐き出された言葉に、本日何回目かの溜息を吐く。
早く帰ってもらいたい。宮司と話すと頭が痛くなってくる。
「それは、私にこの地獄に晒されて生きていけ、と?」
「狭間にも一本ぐらいは生えているでしょう?彼方は鬼の方の献身もあり、穏やかではありませんか。此方を地獄とするならば、それこそ天国と呼べるくらいには」
「馬鹿か、お前」
何を勘違いしているのか。此処で根を張る藤の木《私達》は何処にも行けはしないというのに。
それにこのまま常世の瘴気が残り続ければ、この地を訪れる人の子に障りがあるかもしれない。それだけは避けなければならなかった。
手桶を投げつけたくなる衝動を息を吐いて抑えながら、そういえばと先日の事を思い出す。
「…そういえば先日、お前のお気に入りが此処へ来てたね。あの時は藤《私》が側に在ったから障りがないようにしたけど、次はどうなるか」
「あの子ならしっかり言いつけておきましたから、もう此処に来ることはないでしょう」
「どうかな?あの子だいぶ藤の花《私達》を気に入っているようだったし。気になってまた来てしまうかも?」
もし次来たとしても、障りがないようにするだけではあるが。
すっかり静かになってしまった宮司を見遣り、もういいかと踵を返す。これ以上時間を無意味に消化するつもりはなかった。
「待ってください」
腕を掴まれ、たたらを踏む。
振り返れば満面の笑みを浮かべた宮司の様子が目に入り、振り返った事を後悔した。
何か、嫌な予感がする。
「やはり水を撒くよりも雨を降らす方が効率がいいと思います。雨を降らせましょう」
「…どうやって?」
「誠に不本意ではありますが、可愛いあの子のためならば致し方ありません。ワタクシと夫婦になってくださいな」
「断るっ!」
絶対に嫌である。
雨が降る手段と言われようとも。それだけは。絶対に。
たかが数百年しか生きていない童と夫婦になるなど、想像するだけで寒気がする。切にやめてもらいたい。
あぁ、本当にこの子狐は救いようのないほどの馬鹿である。
20240528 『天国と地獄』
地獄の沙汰も金次第とはよく言ったものだ。
どんな悪人でも赦してくれる魔法の呪文だ。
だけど金で赦される生ぬるい地獄があるのだろうか?
否、これは罠であったのだ。暗示だったのだ。
最初の頃は本当に天国であった。道歩けば周りの天国の住人が俺に対して悪口を叩き石を投げるが痛くも痒くもない。やりたいことはなんでもできるし気に入らないことはなんでも消せた。
けれど段々と満たされなくなって来た。
欲求が過剰なまでに増幅して萎んでいった。
最終的には頬はこけ、目に生気が失われていった。
段々と周りの目線も気になり出した。最早天国などどこにもなくそこは天獄だった。
改めて言おう。地獄の沙汰も金次第というなら地獄のサタンは大笑いだ。
ーーーお兄ちゃんが帰ってくる!
うきうきと跳ねる心を宥めながら、玄関の前で深呼吸をする。お兄ちゃんが帰ってくるのはお昼過ぎと聞いている。遅いお昼ご飯をみんなで食べようと言っていたので、まだ帰ってきてはいないはずだ。
「ただいま〜」
平静を装って玄関をくぐれば、途端にいい匂いが溢れてくる。釣られてリビングまで進むと、目に飛び込んでくるのはご馳走の数々。グラタン、トマトのパスタ、ハンバーグ。色とりどりのサラダは人参がまるでお花のように飾り付けられている。それにクロワッサンやフランスパンまで添えられていて、ひどく豪華だ。
「え、なになにご馳走じゃん」
よく見れば普段はないお花まで飾られている。見慣れたはずのリビングがまるで別世界だ。
「あら、おかえり咲ちゃん」
まだ何かを作っているのか、お母さんがせかせかと動きながら応えてくれる。
「だってお兄ちゃんが彼女を連れてくるって言うじゃない。盛大にお迎えしないと」
「……えっ」
急に目の前が真っ暗になった。お母さんが何を言ったのか理解できなくて、脳が言葉を咀嚼する前に心臓がばくばくと音を立てて手のひらにじっとりと嫌な汗が滲む。
あれ、咲ちゃんは聞いてなかった?とお母さんの声がどこか遠くで聞こえる。
いつか、こんな日が来るとは思ってた。
お兄ちゃん。
東京に行くために家を出て行ったお兄ちゃん。
優しくて面倒見がよくて、私がどんなにわがままを言っても困ったように笑って受け止めてくれるお兄ちゃん。
お兄ちゃんはカノジョ作ったりしないの?と聞いた私に、手のかかる妹がいるからなぁと笑ってたお兄ちゃん。
「ほら、早く手洗ってきちゃいなさい。それで手伝って。お母さん張り切ってデザートまで作っちゃったのよ」
お母さんの声にはっと現実に引き戻される。
テーブルに並んだご馳走、いつもより整理整頓されてすっきりとした部屋、こころなしガラスまでいつもより輝いて見える。
「えへ……」
笑おうとした口角は上がり切らなくて引き攣ったように歪んだ。
お兄ちゃんを出迎えて一層幸せに満ちた空間になるはずだったリビングは、一気に地獄への門を開いたようだった。
笑え、いつも通りに。何も気取られないように。
ぐちゃぐちゃになった心を隠すために、私は洗面台に走った。
『天国と地獄』
天国と地獄の原材料はなんだろう
人の感情だろうか 感情が物事を判別し価値付ける為のものだとしたら正と負の二つの方向性に対応する象徴的な二つの世界が創られるのは自然な流れのように思える
しかしなぜそのような世界を必要とするのだろう
生の目的作りだろうか それとも死の謎を説明する為か
はたまたそれらを利用し大衆を先導する為か
きっとそのすべてが必要とする理由に成りうるだろう
思えば死後について別の世界を使って説明することは原理的に解明不可能なものを原理的に解明不可能な概念で説明しているだけだがなぜそれがこんなにも力を持つのだろう
きっとそれは知り得ない死という未知の恐怖を誤魔化してなんとか和らげさせてくれるからなんだと思う
何もわからないよりはとりあえず仮設したもので言い換えられれば人はそれだけで少し安心する
だから天国も地獄も超常的な世界のようでその実態はとりあえずで傷口に貼る絆創膏のようなものなのかもしれない
もしくはそれよりも「痛いの痛いの飛んでけ」のようなある種のおまじないに近いものなのかもしれない
願うことでそういうことだとするようなものに
世界には天国と地獄があると私は思っている。
それはあの世とかそういうものじゃなくて…現世のはなし
今日はどちらとも言えない、普通の日だった。
朝練は珍しく心珀がいた。
先生にもそれを言われていて少しおもしろかったww
自分とみやびとゆずあはいつも居るのにとか言っていて、少し誇らしく思った
天国と地獄
出産…
産む時の恐怖にビビって、出産の事しか考えてないけど…
産まれて天国ーと思いきや
産まれてからの寝不足が地獄
「天国と地獄」
ここは黄泉の国……ではなく、不安定なぼくを格納するための空間。
ぼくの体なのか、それとも魂というべきなのかは分からないが、ぼく自身が不安定な状態でも問題なく行動できるようにするための「容れ物」も用意してもらった。
人呼んで「マッドサイエンティスト」の彼(彼女?)に見つけてもらえなければ今頃ぼくはどうなっていたのだろうか。考えるだけでも恐ろしい。
「いやぁ、助かってよかったねぇ!!!さすがボクだ!!!」
……このひとは相当自己肯定感が高いな。
「褒め言葉なら素直に受け取るよ!!!」
「そういえば、キミに聞きたいことがあるのだが!!!」
「聞きたいこと?」
「そう!!!聞きたいこと!!!」
「……単刀直入に聞く。キミはどうやってあの空間に入り込んだんだ?」
「そして、なぜあの場所を黄泉の国だと思ったんだい?」
「……正直言って、何も分からないんだ。分からないというか、何も覚えていないと言うか……。」
「ただ、自分が生きている実感が抜け落ちているんだ。」
「ふぅん、なるほど?生きている実感、ねぇ。」
「ただボクが言えるのは、あの空間に微かな生体反応があったのと、壊れたはずの機械からキミが送信したメッセージを受信したことでキミの存在に気づいた───」
「つまり、実感が伴わないかもしれないが、キミは『生きている』のだよ。」
「ただ、キミの言う通り、そして『微かな生体反応』ならびにキミの『魂』の不安定性から分かる通り、キミは生死の境を彷徨っている可能性があるね。」
「黄泉の国、というか生命活動が終了した後の世界のことはなんとな〜く知っているが、生憎専門外だからわからないよ。」
言い終えた後、自称マッドサイエンティストは飲み物を口にして、何かを思いついた様子でこちらを見た。
「ところで、少々興味が湧いたから聞いてみよう。キミにとってあの空間は天国と地獄のどっちだったんだい?それとも、もっと別の世界だったのかい?」
「あくまで『おそらく』だが、我が助手とキミのいた、いや、いるべき星は同じところだ。たとえ違っても非常に似通った、共通点の多い世界である事は確かだろう。」
「そういえばあのニンゲンくんのいる世界では、『実はこの世界が地獄』説、それから派生したジンセイを揶揄する『懲役80年』という言葉があるようだね……はぁ。」
「国や地域によって死後の世界の概念は異なるもの……とはいえ、ボクがアクセスできているんだから、少なくともあの星は死後の世界のものではないよ。」
「話を戻そう。キミはあの空間をどう思った?」
「そうだな……正直言うと、どっちでもなかった。でも、人がいなかったから彼岸の世界だと思った。」
「その通り!あの空間は天国でも地獄でもないからね!それに、このボクお手製の密室なんだからそう易々と誰かに侵入されると困るのだよ!!……まぁキミに入られたんだけど。」
「そうだ!ついでに質問しておこう!」
「キミはもし全てを思い出せたら、自分のいるべき場所に戻りたいかい?」
「正直、よくわからない。」
「……そうか。」
「あくまで公認宇宙管理士としてのボクの意見だが、あるべきものはあるべき場所に収まっているのが理想なのだよ。」
「ただ、唯一懸念すべきことがあるとすれば、『元いた場所に戻る』ことによってその何か自体や周辺に多大な影響を与えないかどうか───」
「キミで例えるなら、完全な状態───つまり少しの欠けもなく記憶が戻り、肉体と魂の結びつきが強固になった状態で、かつていた場所に戻る───ことによる影響の有無、だね。」
「もしかすると、元通りになることでキミが大いに苦しむかもしれない。実際、キミは自分のことを全て忘れているうえ、魂だけで漂っているだろう?」
「あくまでボクの考えに過ぎないのだが、『自分を思い出したくない』『あの場所にはもう戻りたくない』という過去のキミの思いが今のキミに反映されているのかもしれないんだよ。」
「まあ!!!専門外だからわからないけどね!!!」
「……。」
「そうだ!!!そう言うのを取り扱っている部署のヤツらに話を聞きに行こうか!!!きっとキミのことがもっと分かるだろう!!!」
「……。」
「ん、どうしたの???」
……話を聞き疲れたのは初めてかもしれない。
考えるのは後にしてもいいか?
「おっけー!!!好きなだけゆっくりしてくれたまえ!!!」
天国と地獄
そういえば、こんな歌あったよね。
運動会懐かしいな。
友達と笑い、楽しんだなぁ。
あの頃に戻りたいけど、
今は突き進む事しか出来ないから
前を向いて頑張ろう。
『天国と地獄』
…そう聞いて頭に浮かんだものは、2つあった。
1つ目は運動会でド定番のあの曲だった。しかし、あの曲で文字を綴ることは出来ないため、2つ目を綴っていこうと思う。
それは好きなもの(天国)と嫌いなもの(地獄)だ。
何故こうなるのかと言うと、とあるゲームでキャラクターの好きなものと嫌いなものを聞くとこができるのがだが、私の推しは好きなものと嫌いなものを天国と地獄で例えたためである。
さて、少しばかり脱線してしまったが、まずは好きなもの(天国)だ。
好きなもの(天国)は自分好みの作品に出会えた瞬間だろうか。
あの瞬間はなんとも言えない感覚になる。特に本とかだと、読み終わった後の心がギュンギュンするあの感じが好きだ。…分かりにくいか。こう興奮が止まらない感じになる。興奮しすぎて、心がギュンギュンしすぎてしばらくは布団の上でのたうち回っていることがよくある。興奮が冷め終わらないうちに自分の部屋を出て、親に己の顔を見られた時は「何ニヤついた顔してんの?」と少しドン引きした顔で見られることがよくある。
次は、嫌いなもの(地獄)か。
自分好みのラスト、ハッピーエンドじゃなかった時だろうか。
どんでん返しとかなら、そうなると帯や題名とかで分かっていた場合は、驚きの方が大体勝ってしまうから仮にハッピーエンドじゃなかったとしても良いのだけど。
本を選ぶ際、絵や題名などが良さげで選んだは良いが思っていた展開ではなく、むしろ己の地雷を踏んでしまったことは無いだろうか?あんな感じである。
…ハッピーエンドじゃなかった時というよりも自分の地雷を思わぬ形で踏み抜いた時が、正しいな。
あれはしばらく思い出す度にグワーッてなって頭が苦しんでしまう。…分かりづらいな。たまに悪夢として夢に出てしまうくらいと言えば、何となく伝わるだろうか。
まぁ、生きている限り地雷には遭遇してしまうのはしょうがないことだろう。世界には何千、何万、何億もの素敵な作品が本に限らずある。地雷さえも楽しめるようになりたいものだ。
それにしても、今日は沢山書けた。投稿するのはすごく遅くなったけど。
この調子で頑張っていきたい。
どうやら人間は、天国と地獄を履き違えているらしい。
医師と呼ばれる人間の真似事をしていたら、
何時しか患者からは、
「神様」「仏様」
なんて呼ばれるようになってしまった。
この世は生き地獄なんだ。
この世から解放される方法は、死のみ。
死は、平等に。そして、無慈悲に訪れるもの。
全ては、死神様の導きのまま。
延命治療を続けた患者を診る。
死神様はこちらをひと睨みし、
何をするでもなく消え去った。これで三回目。
人間が死ぬには、死神様の許可がいるらしい。
自殺にも、他殺にも、事故死にも、病死にも。
何時でも傍に死神様が居て、魂を天国へ導く。
この世は天国へ行くための、いわば贖罪の場。
赦されるまで死ぬ権利すら存在しない。
そして僕は、そんな死神様に背くもの。
人間の言う、悪魔とやらだ。
死神様の定めた寿命を無理やり延ばし、
安楽死や尊厳死と謳って魂を貪る。
予定通りに死ななかった魂や、
悪魔に喰われた魂は、天国には逝けない。
患者と縁のある人間は皆、
「貴方のお陰で安らかに逝けたことでしょう。」
なんて、泣き笑いして言うんだ。
神だ仏だなんて、お門違いにも程がある。
感謝だなんて、腹を抱えて笑ってしまうよ。
罪を必要以上に償い、無駄に苦しむなんて。
その結果が地獄行きの片道切符とは、
思わず同情してしまうよ。全く人間は面白い。
悪魔と神の見分けも付けられぬ愚かな生き物だ。
挙句には神の意思に背き、悪魔の手を取るなんて。
本当に、天国を知った人間の反応が見てみたいね。
好きな人と付き合えて毎日青春。そんな天国か
好きな人に振られて夢も希望もなくなる。地獄か
どっちになろうとずっと今のままが続くのならば私は告白
する。たとえ、地獄になろうと。希望があるなら。
天国と地獄ときくと、死後の世界のことをまずは思い浮かべるが、カジュアルな考え方をすると、日常の中にも潜んでいるものだと私は思っている。
例えば、私の最近の体験談でこんなものがある。
私はあまり酒は強くは無いのだが、ふと呑みたい気分になり、大好きな刺身共に日本酒で晩酌していた。
呑んでいる最中は、美味い酒と美味いあてと少しの酔いからか、天国にいる気持ちであったが、飲むのは久々だったことは、ほろ酔いになり気が大きくなっていたこともあり、ついつい飲みすぎた。
その結果、ヘロヘロになってしまったのである。
私は理性は保っているタイプであり、非常に気分が悪くなり、最終的には少しお目汚しだがトイレのお世話になってしまったのだが、正に天国と地獄であった。
皆さん、飲み過ぎには気をつけましょう。
愛をとるか
生活をとるか
私にとっての
天国と地獄
題 天国と地獄
ここは天国の門の前。
誰もいない。
どうしてだ?ぼくはキョロキョロとあたりを見回す。
周りには何人か戸惑った様子で辺りを見回している人々。
門番もいない、どうしたらいいのか分からないでいると、下からザワザワと声が聞こえてきた。
雲の上にある天国の門。
その雲は巨大で真ん中に穴が空いている。
そこから声は聞こえてきているようだった。
行って覗き込んでみる。
下には天国とは比べ物にならないくらいの人々。
わいわいと門の前に並んでいる。
地獄、と門には書いてあるように見える。
何でこんなに地獄に・・・みんな悪人ってことか?
僕は呆然としていると、下の地獄行きの人の会話が耳に入ってくる。
「ねえ、地獄って現実世界とほぼ一緒の世界なんでしょ?」
「そうそう、しかもさ、噂では、お仕置きしてくる鬼を狩ったりするイベント開催中だって」
「え?リアルで鬼を狩れるの?凄っ」
「人間が多すぎて、鬼の勢力も落ちてるんだって。だからやりたい放題、現実世界より楽しいらしいよ」
「オススメしてくれてありがとう!ここに並んで良かったわ」
同じように天国から会話を聞いていた人たちが次々と下の地獄の階に降りていく。
みんな、現実に近いほうがいいらしい。
天国は、どうやら、食欲もなく、常に幸福で何もせずにぼーっとしていられるらしいけど・・・。
僕は考えた末、雲の穴を下に降りた。
何もしなくていいなんて退屈すぎる!
やっぱり僕は刺激が強い世界が好きなんだな。
そして、常時、天国の門の前には誰もいない閑散とした景色が続いていくのだった。
天国と地獄、一見全く異なる様に見えるこの2つは、本質的には同じであったりする。何を言っているかわからないかもしれない。だがこの2つにはそれぞれ共通点、相違点がある。まず相違点であれば割と簡単に見つかるであろう。天国は人々の憧れる場所、喜びや嬉しさ、幸福などプラスの感情ばかりが存在する、地上では有り得ない、夢の様な素晴らしい場所だ。だから、生きているうちに良い行いをした人間だけが死後に天国へ行けると言われている。だが地獄は人々が忌み嫌う場所。苦しさ、痛み、悲しみ、悔やみ、恥…マイナスな感情で溢れかえったまさに逃げたくなるような最悪な場所だ。だから、生きている時悪い行いをした人が罪を償う為に行かなければならないという。おやこれを読んでくれている君は、今ドキッとしたかい、?こうなるから、という訳では無いが、周囲の人を尊重する為にも、悪行はしてはいけないのだよ。では、ちょっと話が逸れたが共通点へ行こう。実は天国と地獄には共通点がある。一つは、二つとも死後の世界ということ。そしてもう一つは、どちらも人間が伝えたものだということだ。百聞は一見に如かずというが、まさにその通りで、人はすぐ自分に都合の良い事を言いふらしたり、勘違いから誤った情報を広めてしまったりする。近頃はインターネット上で人間のその悪い特徴が嫌という程目に見える様になっただろう。そう、そもそも天国と地獄は私を含め何百人もの人間がしょっちゅうそれを題材に語るが、その話が正しいという証拠はないし、言っている本人ですら証明はできないのだ。別に私は天国も地獄も存在しないから信じるなとか、他人の言う事を信じるなとか言いたいのではない。私が言いたいのは、ただ一つだ。回りくどい言い方は性に合わないので単刀直入に言う。この先、何度も君の人生には正しいのかわからない他人の声が介入してくるだろう。友達のあの子は自分の好きな子を好きだという噂、そしてその噂は間違ってるという友達、とかな。まぁこれはまだ生やさしい方だ。自分の人生、将来や、他人の人生、将来が自分の選択一つに委ねられる時だって幾度となく今後起こるだろう。だが、全て正しいという確かな証明ばかり探していても、見つからない時だってある。今回の天国と地獄がまさにそうだ。だから証明する為に死にますなんて縁起でもない事を言って自殺なんてするやつがいたら本当に情けない気持ちになる。話はそれたが証拠がないなら、探さなくても良いのだ。自分が信じたいと思うものを信じれば良い。それが間違っていると気付いたのならまた考えれば良い。事実を優先するか、感情を優先するか。難しいけど、わからないなら一度時間を置いたっていい。そういう生き方をして、後悔なく堂々と地獄やら天国やらへ旅立ってやろう。私はもうすぐ地獄に行くから、後輩をまってるぞ。じゃあな。
父のお友達の方へ
父の遺体が発見されました
他殺の可能性は低く、首吊り自殺と思われます。父と親しくしてくださって、本当に有難うございます。父の貴方様への手紙があったので、ぜひ一度読んでください。また、あの日焦っていたのですか?父の踏み台がなかった理由をいつか教えてくださいね
あなたの亡き友達の娘
百合より
「若い子は元気だねー」
「どしたの…って、あー成程」
青空に響く賑やかな歓声
砂埃と共に舞う、白煙の火薬臭さ
最初の最大イベントになるだろうそれに
ゆたり微笑まし気に目を細めた
「借り物競走とか楽しみにしてたんだよね。
無かったけど」
「二次元のみであるあるな奴だ……」
「本当にそれねー」
忙しなく熱気を盛り上げるBGMは
少しばかり五月蝿くも
きゃらきゃらと楽しげな風に少しだけ
二人で足を止めていた
‹天国と地獄›
天国と地獄
うろ覚えの覚書。
今まで読んだ中で最も美しい天国
『奇蹟の輝き』の常夏の国。
偉大な学者や芸術家は研究や創作に勤しみ、勤勉で善良な人々が講堂で学者たちの講義を聴いている。
彼らがとった講義録は、生きている者たちにインスピレーションを与える。
私の大切な人はアインシュタインと湯川秀樹しか信じない人だった。だから今はきっと彼らの講義を聴いているだろうし、ホーキング博士が予想よりずいぶん早く来てしまったことに驚いていると思う。
今まで読んだ中で最も印象的な地獄
『ヴァテック』の地獄。
そこでは愛し合っていた者たちですら互いを憎むようになり、心臓を焼かれる苦痛を堪えながらさまよい続ける。
救いを求める声も、誰かに差し伸べられる手もなく、ただ永遠の沈黙だけがある。
地獄の方は、「他者への無関心」という点からすると、自分もその住人なのではと思う時がある。
地獄に落ちる基準が厳しすぎだから
天国行きは早々にあきらめた
天国と地獄
【天国と地獄】
[5/19 恋物語
[5/26 降り止まない雨
[5/27 月に願いを
続編
登場人物
鬼龍院 加寿磨
(きりゅういん かずま)
金城 小夜子
(きんじょう さよこ)
椎名 友子
(しいな ともこ)
「もしかして君は金城さんの引っ越し先を知っているかい?」
「知っているわ」
その時、雨が止み日が差してきた。
「お願いです。住所を教えて下さい」
「分かった。明日また、ここに来て」
「ありがとう。ところで、君の名前を教えてもらえますか」
「私は、椎名友子」
自宅に戻り、この数ヶ月の事を思い返す。長かった、辛かったでもやっとあの子の居場所が分かる。一度は諦めかけた。地獄の底に堕とされた。でも、一本の蜘蛛の糸が降りて来たのだ。ボクは必ずあの子の所まで登ってみせる。
次の日、ボクは約束の場所へ向かった。椎名さんはまだきていなかった。10分、20分たってもまだ来ない。昨日の事は夢だったのか?と思いかけた頃、椎名さんが現れた。
「こんにちは」ボクは挨拶をしたが、椎名さんはおじぎをするだけで、何だか浮かない顔をしている。
「どうかしましたか?」
「実は昨夜、小夜子に電話をしたんです。貴方が会いたがっている事を伝えました」
「小夜子さんは何と?」
「来てほしくないから、居場所は教えないで。と言われました」
「どうしてですか?」
「ごめんなさい、長い話しになるの、私、今日は塾で時間がないから、土曜日の午後まで待って下さい。もう一度、小夜子とも話してみますから」
‘プツ!’ 蜘蛛の糸が切れた。
再び、地獄へ真っ逆さまだ。
ボクは今までの事、あの子の手紙の事を思い起こしてみた。
あの子は、会って謝りたいと手紙に書いてあったのに、なぜ?
不安を取り除けないまま、土曜日の午後を迎えた。
「こんにちは、随分待たせてしまい、すいませんでした。小夜子の気持ちを話す前にカズ君は小夜子の事をどこまで知っているの?」
ボクは今までの経緯を全て話した。
登下校で彼女を見かけた事、ダメ元で飛ばした紙飛行機が奇跡的に彼女にとどいた事、彼女が事故の加害者の娘だった事、お父さんが亡くなり引っ越した事、そして、彼女がボク以上に傷ついている事。
「だから、君のせいじゃない、君は何も悪くない事を伝えたいんだ」
「引っ越した理由は知っているの?」
「それは、お父さんが亡くなったからじゃないですか」
「それはそうなんだけど...」
友子は少し間を置いてから再び話し出した。
「これから話す事は、言わないでほしいって小夜子に言われたんだけど、言わなければカズ君も納得しないと思うから話すわ。小夜子の家はお父さんが入院する前からサラ金からお金を借りてたの、お父さんが入院してからは尚の事、もう返せる金額では無かったらしいの、そして、引っ越し。
ううん、夜逃げだったの。今でも生活はとても厳しいそうよ。だから、そんな姿をカズ君には見られたくないのよ。小夜子の気持ち、分かってあげてほしいの」
言葉が出なかった。まさか、そんな事になってるなんて想像すらしなかった。ボクの地獄はどれだけ深いのだろうか。
「小夜子はどんな事にも絶対に負けたりしない。カズ君が会いたがっている事は伝えてあるから、小夜子から会いに来るまで待っててあげて、小夜子は必ずカズ君に会いに行くから」
ボクはどうすればいいのか、何かしてあげられる事はないんだろうか。幸いにもボクの家は裕福だ。
母さんに事情を説明すればお金を用立ててくれるだろう。でも、あの子が素直に受け取ってくれるだろうか。母さんに相談してみよう。
家に帰り母さんを呼んだ。
「母さん、話しが有ります」
「加寿磨さん、大変な事になったわ」
「どうしたんですか?」たとえ何を言われようと、これ以上落ちることはないだろう。
「会社が倒産してしまったのよ」
ボクの地獄には底が無いのか。
つづく
フリマアプリで欲しいもの見つけて購入→天国
購入したのに商品が発送されない→地獄
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