『夜の海』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
月明かりが反射して静かでのどかなところ。
静寂で波打ち際の音だけが聞こえる砂浜。
また かなり 久しぶりである
最近 めっちゃ 仕事が忙しい
なんと 信じられないことに13日連勤である…
今日で 11日も 弘人さん達は
働いてくれた
あと 2日行けば やっと 休める!
さて お題の文章も書くか
夜の海は なんとなく 怖いので
行きたくない(笑)
花火大会があるなら 海で見たいな
「真っ暗な中に波の音
夜の海ってなんかドキドキするよね
なんでだろ?」
「たぶん、ドラマや映画では
大体死体が発見されるからじゃない?」
「……なんでそんなロマンのないこというかなー?
あ、ほら、ウミホタルかな?光ってる」
「知ってる?ウミホタルって雑食で動物の死骸に群がるんだって。
どざえもんなんかにも群がるらしいよ」
「……あんたとはもう、海散歩しない……」
§夜の海
友達に裏切られ親とケンカした日の夜。
遺書みたいな手紙を入れたウイスキーの瓶を持って、
全てを投げ出したくなって家を飛び出した。
たどり着いた海の砂浜に、大きな亀が休んでいる。
「竜宮城に連れて行ってなんてことは言わない。
ただ、もし良ければ楽になれる場所を教えて欲しい」
と亀に言いたかった。
亀が動かないから、不安になって声をかけた。
「生きてる?」
亀は少し頭を動かして、こちらを見た。
ボーっとしてるだけだと思い、安心した。
持っていたボトルメールをどうしようかなと思いつつ
時間を忘れて私と亀は共に夜を過ごした。
水平線にオレンジの線が顔を出してきた明け方。
うたた寝をしている間に、気づいたら亀はいなかった。
あの亀はなんだったのだろうか。
でも、私に何も問いたださない無口な亀に感謝した。
気をもむことがない昨夜と亀は、私の疲れを癒した。
持っていたボトルメールを流さないまま
私は帰路についた。
夜の海
漆黒の海を切り裂くように、船は闇の中を進んでいた。風は冷たく、星の見えない夜空が不安を掻き立てる。船長のエドワードは甲板に立ち、嵐の予兆を感じ取りながら、手馴れた様子で舵を握っていた。彼の周りには5人の乗組員が、それぞれの役割を果たしながら航海の準備を進めていた。
「この風はおかしい…何かが近づいている。」エドワードは眉をひそめながら、異様に重く湿った空気を感じ取っていた。
彼の言葉が響くと同時に、空が裂けるように雷鳴が轟き、海面が急激に荒れ始めた。暗い雲が渦を巻くように空を覆い、嵐が船を襲った。波は次第に大きくなり、船体を激しく打ち付ける。乗組員たちは全力で船を制御しようと奮闘していたが、次第に荒波に飲み込まれそうになる。
「右舷からの大波に備えろ!」エドワードが声を張り上げると、乗組員のひとり、若い水夫のトムが声を震わせながら叫んだ。「船長!あれを見てください!」
トムが指差す先には、信じられない光景が広がっていた。巨大な触手が波間から姿を現し、船へと向かって迫ってきたのだ。それはまるで、海そのものが生きているかのような、巨大で恐ろしい存在だった。
「クラーケンだ…!あれはクラーケンだ!」年配の船員であるジョージが蒼白な顔でつぶやいた。その言葉に、他の乗組員たちは恐怖に凍りついた。
クラーケンは巨大な触手で船を絡め取り、船体を軋ませながら締め付けていった。船はまるで玩具のように揺さぶられ、甲板上では乗組員たちが必死に抵抗を試みたが、次々に触手に捕らえられ、引きずり込まれていく。海に落ちた者は、瞬く間にその姿を消した。
「負けるものか!」エドワードは舵を握り締め、最期の力を振り絞って船を操作しようとした。しかし、次第に力を増す触手が彼をも捕らえ、船長は空中に持ち上げられた。「この船を守らねば…!」彼は叫んだが、次の瞬間、彼の体は触手に絡み取られ、暗い海の中へと引きずり込まれていった。
船は激しく揺さぶられながらも、やがてその動きが鈍り始めた。残された乗組員の一人、ジャックは船の中央で無力感に打ちひしがれていた。彼の目の前で、仲間たちは次々と海の中に消えていった。そして、最後の一人となった彼もまた、クラーケンの冷酷な触手に捕らえられた。
「助けてくれ…!」ジャックは叫んだが、返事はなく、ただ無限の闇が彼を待ち受けていた。彼の視界がぼやけ、冷たい海水が彼を包み込む。沈みゆく意識の中で、彼は船の最期の姿を見た。クラーケンの触手に絡め取られた船が、ゆっくりと海の底へと引きずり込まれていく。まるで、深い海の闇がそれを歓迎するかのように。
やがて、嵐は静まり、夜の海は再び静寂に包まれた。しかし、その海の深奥には、クラーケンが潜み、船を破壊し、海底へと引きずり込んだ記憶だけが残されていた。誰もが恐れ、誰もが避けるべき海の怪物。その存在は、今もなお、夜の海に不気味な影を落としている。
「...ぅお''ぇっ」
日付を跨いでから早一時間。仲間に酒場で浴びるように酒を飲まされたフーゴは、人っ子ひとりいない港町の端で、ひたすらに嘔吐していた。
「...気持ち悪」
はぁはぁと息を切らしてぽつりと呟いたそれは、口の中に残る吐瀉物に対してなのか、水面に写る自分の醜い顔に対してなのか、はたまたその両方なのか、本人以外知る由もなかった。
視線を少し上げ奥にずらすと、水面に映る月が、キラキラと輝いていた。
今日は満月か
そんなことをふと思いながら、持っていた水筒の水で口をゆすぐ。
そうしてしばらく夜の海を眺めていると、酔いもだんだんと覚めていった。
帰るか、と思い立ち上がると、急に動いたからか、少し目眩がしてふらついた。
「いてて」
と小さくもらし、帰路に着いた。
家に着くあいだ子守唄というべきか、幼い頃、顔も覚えていない母親が歌っていた名もない唄を唄って歩いた。
街から離れた場所にある古びた灯台の家の窓辺に座ると、夢心地の目で満月を眺め子守唄を唄い、フーゴは眠りについた。
【夜の海】
・夜の海
白い紙に気の済むまで思いの丈をぶちまける。
感情を吐き出された紙は酷く汚れていく。
汚し終え、一息つく。
少し冷静になり、目の前にある汚しきった紙を見直すと、つい先程まで自身が抱えてた感情の気持ち悪さに気づいてしまう。
「こんな物、見せるわけにいかない」
あまりのおぞましさにソレをぐちゃぐちゃに丸めてゴミ箱に捨てる。
しかしその行為に反するように己の内に燻る感情がまた強くなっていく。
見て見ぬふりをしても頭の中がその感情で支配される。
抑えたくて、苦しくて、でも伝えたくて、そうして結局、性懲りもなくペンにインクを補充する。
「……今度こそ」
次こそは見せられるほど綺麗な形にしてみせる、そう意気込んで私は紙に黒い海を作り直した。
夜の海に月が揺れる。波に揺れ濡れそぼって溶ける月に触れてみせたかった。
真っ白に光るそれがあまりにも美しいから、欲しくて欲しくてたまらなかった。あまりに美しいから、潜ってみたけれど、夜の海。暗く見えない海の底。あんなにも美しく光っていたのに、ここは寒くて冷たい。波の合間から顔を出して気がついた。月は上にしかない。
手を伸ばしても届かない。
【お題:夜の海 20240815】
「つちのうち?」
「ううん、つ、き、の、み、ち」
「つきのみち?」
「そう、月の道」
これを私に教えてくれたのは母方の祖父だ。
海軍兵として軍艦に乗っていた祖父が、戦時中の事で唯一話してくれたのが、この『月の道』だった。
普段は無口で、子や孫たちが集まる場でも滅多に笑うことは無かった人。
ただ一度だけ、昼寝をし過ぎて、お祭りに置いていかれた私が泣きじゃくってどうしようも無かった時に、家の縁側で二人並んで座って、祖父が隠し持っていたチョコレートをこっそり食べながら聞いたのだ。
太平洋の真ん中に、ぽつんと浮いている船。
聞こえるのは船体を叩く波の音くらいのもので、下手すればこの世界に自分一人なのではないかと錯覚する程の静けさ。
艦には200を超える人間がいるはずなのに、その息遣いひとつすら感じられない。
夜の海は恐ろしいほどに静謐で、そして美しい。
日が沈み、空に地上で見るのとは桁違いの星が瞬き、夜番を除いた者たちが寝静まった頃、それは静かに顔を出した。
太陽ではない、けれど夜の海の上では眩しいほどの輝きを放ちながら、水平線の向こうから昇ってくる満ちた月。
その光は海面を照らし、真っ直ぐに音もなく月の道を築く。
あの道を辿れば月へ行けるのだろうか。
日々、死と隣り合わせの戦場、とはいえ、毎日敵兵とドンパチしている訳では無い。
ただ、明日も生きている保証はどこにもない。
『無事、彼女の元へ帰るぞ』
親の決めた相手、燃えるような恋も情熱もなく夫婦となった。
それでも互いを尊重し、支え合って生きていくと誓った。
だから、こんな所では死ねない。
必ず、生きて帰る、そう、誓った。
「おばあちゃん?」
「ゴメンゴメン。あぁ、ほら、もう少しで見えてくるよ」
波の静かな晴れた夜。
水平線の向こうから、太陽とは違う光が昇ってくる。
少しずつ少しずつ、その姿を現しながら己に続く道を延ばしながらゆっくりと、ゆっくりと。
「わぁ、凄い。本当に道ができてる」
「そうだね、綺麗だね」
「うん、凄い綺麗」
あの時とは違って、今はチョコミントのアイスを頬張りつつ、あの時の私よりもお姉さんな孫娘と一緒に見る月の道。
「元気に生まれるといいな、赤ちゃん」
「そうだね、元気で生まれてくるといいね」
あの戦争で、大怪我をしたにも関わらず祖父は祖母の元へと帰ってきた。
戦後の混乱した世の中で、田舎に戻りこの場所に家を建てた。
太平洋を望む丘の上、街外れで若干不便な場所だけれど、この景色が見られる、ただそれだけで十分な価値がある。
祖父母亡き後、この家と土地をどうするか親族で話し合った際、私が譲り受けることにした。
お腹にいた、この子の父親と共に。
家の大部分はリフォームによって以前の面影はほとんど見られないけれど、この縁側だけは残した。
いつか、ここから月の道を誰かが見ることはなくなるのかもしれない。
それでも、私が生きているうちはこの縁側は残しておこうと思っている。
「あ、パパからだ!」
素早くスマホを操作して、キラキラと目を輝かせて電話に出る孫娘を見る。
飛んで跳ねて喜んでいるところを見ると、無事生まれたのだろう。
孫が差し出したスマホを受け取り、相手の声を聞く。
「生まれたよ、男の子。凄く元気だ」
「そう、良かった。暫くはそっちにいるの?」
「あぁ、でも今週末には一度そっちに行くから」
「わかったわ、気をつけてね。それから、香織さんに伝えてちょうだい、『お疲れ様』って」
「うん、じゃぁね、母さん」
祖父が懸命に繋げた命のリレー。
祖父から母へ、母から私に、私から息子に、そして息子から孫娘と孫息子に。
いつまで続くかは分からない。
けれど、繋いでいくことが祖父や祖母、それ以前の『御先祖』と呼ばれる方々への恩返し。
「おばあちゃんは、何がいいと思う?」
「うん?」
「赤ちゃんの名前だよ。良いのがあったら教えてってパパが言ってたの」
「あら、そうなのね。そうねぇ、何が良いかなぁ」
「あのね、今日は海とお月様が綺麗だったから、海、月って書いて、みつきくん。可愛いでしょう?」
「あ、え、うん、そうね、可愛いね」
「うん、海月くんに決めた!パパに送ろうっと!」
スマホを操作し始めた孫娘に目を細めながら、短くなった月の道を見る。
明日は雨だと言うから、また暫く月の道は見られなくなる。
「流石に気付くわよね、あの子⋯⋯」
後日、『弥月(みつき)』と名付けられた孫息子に、ほっとした私とは反対に孫娘は不満そうだったけれど、これもまたいつか良い思い出になるのだろう。
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(´-ι_-`) 月の道、見てみたいなぁ
夜の海
静かだなんて誰が言った。
騒がしくって寝れたもんじゃない。
昼は昼で海岸をわーきゃーわーきゃーうるさかったってのに。
夜までうるさい。
打ち寄せる波と共に「きゃー」。
砕け散る波の合間に「あ"ぁー」。
うるさい。
うるさい。
うるさい。
うるさい!
全く、癒やされますからと海の見える宿の部屋なんて予約するんじゃなかった。
海なんて見えんわ。
こんな真っ暗闇の窓の外に海なんて見えるかっての!
『夜の海』
その日だけは、私のまわりに花々が咲き誇る。
ここ最近、太陽がまた一段と眩しく私を照りつけてくる。照らされた私はキラキラと波間を輝かせ、サザン、ザザンと音をたてながらのんびりと高い空と眩い太陽を眺めて過ごす。
私は、そんなこの季節が一等好きだ。
太陽が空高く登り始めた頃、ちらほらと人間達が私の元へとやってきた。頭上の太陽に負けないほど、その顔は皆が皆全員キラキラと輝いている。そんな彼らの様子がどうにも微笑ましく、嬉しくなって、思わず私は普段より少し高めに波を起こした。キャーっと人間達がはしゃぐ声が聞こえる。私はますます楽しくなって、波をザザーン!と、思い切り浜辺へ打ち付けて笑うのが、この頃の定番だ。
この季節の昼間は、一年で一番騒がしい。
多くの人間が、涼を求めて私の元を訪れるからだ。普段、太陽と二人きりで過ごしている私としては沢山のお客様が来たようで自然とワクワクしてしまう。思わずおもてなしにも力が入ってしまうというものだ。波が多少高くなってしまうのは、勘弁してもらいたい。
それでも、太陽が沈み闇が空を覆うころにはあれほどいたお客様達は誰も居なくなってしまう。昼間、キャッキャと笑い声に溢れていたはずの砂浜はザザン、ザザンと私の波の音が響くばかり。
…孤独を強く感じるこの季節の夜が、私は少しだけ苦手だった。
だが、今夜だけは特別だ。
本来であれば誰も居ないはずの真っ暗な砂浜には、所狭しと人間達が座りこんでいる。暗くてまともな明かりは無いというのに、皆その瞳には昼間のようにキラキラとした光が浮かんでいた。空気も、静けさなんて何処にもない。フワフワとそのまま夜空に昇っていってしまいそうな程、浮き足立っている。
ヒュ~~~………ドーン!!!
大きな音がしたかと思うと、私の頭上に大きな光の花が咲いていた。途端、わぁ!っと感嘆の声を上げる人間達。音はその後も続けてドンドンと響き渡り、その度に暗い夜空が光で溢れるようだった。
ドーンと音が鳴る度に、空に大輪の花が咲く。
花が咲けば、人間達の笑顔もまた次々と咲いていく。
この特別な夜は、孤独なはずの砂浜を、あっという間に笑顔の花畑へと変えてしまうのだ。
この瞬間がたまらなく愛おしい。真っ暗闇な私の周りで、沢山の花が咲く。ひとりぼっちの私を照らしてくれる。
───寂しがり屋のこの夜の海だって笑顔になれる。眩しい花畑に、囲まれて
「夜の海」
昼よりも、海の存在感が大きく感じる。
全て包み込んでしまいそうな。
暗くなってくる空と海の境目はすでに曖昧で。
私もそのうち海の一部になりそう。
少し心がザワザワする。
夜の海
月明かりと満点の星。
波の音はやさしく
平穏を感じて癒される
1人になりたい時にはぴったりな場所。
途方に暮れた夜
行く当てもなく歩いた
歩く先に
何も無いと分かっていても
歩きたかった
行き止まり
海に着いた
見上げた空に
一番星が光る
明け始めていた
座って
暗い水面を眺めた
ゆらめいている
青より暗く
黒より青い
風に海の匂いが混ざる
…帰ろう
歩き疲れて棒になったような足で
また歩き出した
家に帰ろう
家に
帰ろう
夜の海に、
眠れない夜に、
波の音を聞きに、
自分の存在を確かめる為に、
海の音は静かに響いて、私の足元へ、
『どうしたの?』
『一人なの?』
『僕で遊ばないの?』
『貝殻は?』
「眠れないの」
「一人だよ」
「また、今度ね」
「貝殻…貰おうかな?」
なんて、夜の海と話しながら。
自分の存在を確かめる為に、
波の音を聞きに、
眠れない夜に、
夜の海に、
❧
闇に包まれて
もう眠ろうとしている街の隅で
音を立てている波。
月明かりを照らす海水。
人々はそこをながめて、何を考えるのだろう。
波が押し寄せては引き返す。
海の浅瀬に俺は立っていた。周りには誰もいない。それもそうだろう。この時期の海にわざわざ近づく人間は誰もいない。そもそも今は夜だ。暗闇が辺り一面を支配している。
どうしても、どうしても彼女に会いたかった。
「 」
振り返ると、月と満天の星に囲まれた彼女が泣きそうな顔で俺を見ていた。
「ごめんな。泣かせるつもりじゃなかった。一人じゃ耐えられなかった。俺はお前と生きたかったんだ。」
これで、ずっと一緒だ。
海と言っても、僕達モンスター姉弟の住んでる山村には山に囲まれた湖しかないんだけど…“しか”って表現では怒られそうなデカさの湖なんだけど。
そんな湖村の夜は村人も外には出ない、ゾンビ熊が出るからね。それについて説明しろと言われそうですが、この物語は“現代社会の喧騒をスルーしてレッツスローライフほのぼのエンジョイド田舎物語”なので…話を進めますね。
「はにゃび♪︎はにゃび♪︎」
今年も夜の湖の波打ち際にて、家の窓から顔を覗かせている村人を、花火で楽しませよう、という訳で僕達姉弟で花火しこたま買って来てセッティングが完了。
「だばっいくどっ」
吸って飲むタイプのアイス三本を口に咥えた姉さんが、某Dプリンセスとドンかぶり能力を発動させる。
横に長く並べて順番に上げる予定だった花火達は光る氷の粒達にまとめられ、夜空高くに舞い上げられた。
「今だ!テイちゅわん!!」
今だじゃねぇよ、何の為に並べたと思ってるんだよ、返せよ25分。
そんな姉さんと僕の様子を面白がる兄のテイちゃんが、笑いを堪えながら能力を発現させる。
夜空に散りばめられた花火が一斉に花開く!
能力による、AIで作った様な華やかな演出のオマケ付き夜空に、湖が夜とも昼とも違う明るさに照らされ、ゆっくりと元の夜と湖に戻った。
「は~…たまや」何度観てもため息が出る。
「しゃて、くしょボージュば早よ寝ろ」
「…うん」
姉さん達はこれから夜勤です、夜になると現れるゾンビ熊から村を護るお仕事です。
「テイちゅわんっ今夜のオラば…めっっっさ盛り上ぎゃりしょぅ♡」
……仕事だよな…?
夜の海
さざ波が私の歩みを止めた。塾帰りの疲れた体が癒やしを求めて黒い海に誘き寄せられた。
小さな星星などは見えないが、黄色味が強い三日月がうっそりと私に微笑んでいる。
もっと近くで見ていたい。靴と靴下をさっと脱いで、天を見上げつつ、足指で生温い夏の海を楽しむ。
潮風が髪を靡かせ、首筋が涼しくなった。映画の様だと思い、身も心も洒落た気分になって歌まで歌い、浅瀬で独り踊り続けた。
夜の海
気づいたら朝になっていた
美しい海
言葉に出来ないくらい
色も表せない色
でも…君の方が
何倍も美しい