『夜の海』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題『夜の海』
夜しか営業していない水族館があったらいいと思う。そこは、海のなかに曲がりくねった管を入れたような形をしていて、実際に泳いでいる野生の魚を見ることができる。
明かりは、水族館の雰囲気を壊さないよう必要最小限に設置されている。音声ガイドを借りれば今いる階層の魚についての知識やうんちくなどを聞くことができる。
さらに下に降りていくと、今までいた群れなす小さな魚からサメ、エイまでいろいろ見ることができる。運が良ければ海の中だから魚が魚を捕食する場面に出くわすこともある。
そして、最下層が深海魚だ。ここでは、深海に住む魚がいて、水族館の外側に配置されたライトによって彼等の姿をおがむことが出来る。
この水族館はエスカレーターで移動するため、歩いてもそこまで疲れないのも良い。
そんな水族館があったら、仕事が終わった帰りにふらっと立ち寄ってみたいものだ。
“夜の海”
夏にこの言葉を聞くと、花火を思い浮かべる。
そして、彼と花火と夜の海を見られたらと、願わずにはいられない。
秋にこの言葉を聞くと、月と輝く“夜の海”を思い浮かべてしまう。そして、彼と2人でお月見団子でも食べられたらと、夢物語を描かずにはいられない。
冬にこの言葉を聞くと、どこまでも深く沈んでいってしまいそうで、恐ろしい。
けれど、終わりのない地獄へ行く前に彼との幸せを掴めなければ、わたしは死んでも死にきれないだろう。
次の春もまた…“夜の海”を感じながら、彼のことを想えるのだろうか。この恋心が燃え尽きるのことが先か、この身体が持たなくなることが先か、選択肢は2つしかないだろう。もしも来年の春、彼が担任を持つクラスになれなかったとしても、わたしは今まで通り教師としての彼に(ネット上でこそこそと)愛を語り続けるし、教員という立場にも関わらずガチ恋をしてしまう痛々しいわたしは、到底、消えないだろう。
夜の海
朝日の登ることがない海それが北海。暗く光のない北海に満月の時たけ、月からの光の道ムーンロードが現れる。ムーンロードだけが夜の海を渡るすべだ。
ムーンロードを通り、北海を渡れば王都に向かう列車に乗れる。王都にたどり着き、州都の州長を勤めていた父の代わりに国王陛下に謁見できれば叔父の行いを改めさせることができるはす。
叔父の追っ手に捕まるわけにはいかない。我が州の民を守るためにも、北海をムーンロードを渡らなければならない。
焦る気持ちと黒く暗い北海の荒波が私の心に影を落とすが、悪しき気持ちでは王都への路、ムーンロードに足をかけることはできない。落ち着け。落ち着けと自分に言い聞かせ、その時を待つ。
満月が満ちムーンロードが掛かり始めた。光の道に近づき足を進めるが、道の上に立つことができずに光をすり抜けてしまう。
どうして!
ムーンロードに乗ることができない!
私は王都に行かなけれならない。
国王陛下に会って州の現状を伝えるなければならない。
私はちちのため、州の民のために…
誰のために。
父が、失脚すれば私のせいかつ、は一変する。わたしは、私を守りたいだけ。
社交界にも行けず、おかねが無くなり、仕事をするなんて、私のプライドがゆ、るさない。
だめだ。追っ手が来る。
北海は王都を守る城壁であり、悪しき者を通さず、海に落ちたものは全てが崩れていく。
北海に向かって走り出すが、追っ手はすぐそばまて近づいてきていた。夜の海が目の前に迫り来るが止まるわけにはいかない。
海の中へ。
足が海に浸かり、私の意識を保てず壊れ始めていた。
私を形成する全てのものが壊れ落ちた。
夜の海
夜の海はお気に入り
誰かを待つのも
ただ波を眺めるのも
月が陰る。途端にここぞと夜闇が眼前のほぼ全てを覆った。
眼前で月明かりを波立たせていた海は沈み、前方から寄せる波音が際立った気がする。
振り返ればぽつぽつと道沿いの明かり。顔を戻せば、人家の灯す明かりが海沿いに居並ぶのが知れる。
規則正しく立ち並ぶのは昼に見たリゾートホテルの一つだろうか。
目を凝らすと波打ち際の境界が滲んで蕩ける眼前の海は、暗く昏く心を騒めかせる。ひいては返す波音だけがくっきりと耳を打つ。
テーマ:夜の海
『夜の海』
静かな田舎に穏やかな波の音が響いてる。
浜辺に一人座り込む。
「今日も疲れたな」
夜の海は私の心を見透かしている、、
俺の地元に綺麗な海がある。そこの海にはとある噂がある。それは、夜に行くと行方不明になるとか。みんなはそれを「夜の海」と呼んでいる、
次の日、お盆だから実家に帰省した。 俺は「久々やな~」とつぶやいた。 携帯「ピコッン」 俺「あれ?なんだ?」友達からの連絡だ。 友達A「お久しぶり。今日の16時ぐらいに噂の海行こうぜ!」 俺「分かった」 俺はあの時を後悔してる。あの時断ってたら…行方不明にならなかったのに…
I'll write it later.
◦────────────────────◦
旅先で、家族と夜の浜辺を散歩していて、私と父だけ埠頭の方まで行った時、暗くて足元がよく見えず踏み外して真っ黒な海に落ちたことがある。確か5才だったと思う。
その時、無数の手が私の足をつかんで、沖の深い所へと引きずり込もうとした。私を助けようと海に飛び込んだ父の姿が見えた。
「助けて!」私の声も手も父からどんどん離れていく。
海面がどんどん遠ざかる。深く暗い。
苦しい…もう-
その時なぜだか懐かしい声がした。
「お前がこっちに来るのは早すぎだっぺよ。」
その声の主の姿はわからなかったが、右腕の大きな傷が目に入った。その人は私の足をつかんではなさない手をふり払うと、私の手をつかみ、海面へと連れて行ってくれたようだった。
明くる日、私は旅先とは全く違う漁港で発見された。私が生まれるもっと以前、漁に出て海難事故で亡くなった曾祖父が魚をおろしていた漁港だった。
半狂乱で私を探した父母は旅先からとってかえすと、すぐさま私の運ばれた病院に来てくれた。
私が「いっぱいの手がね」とか、「だっぺっていう人がね」と父母に説明してもよく伝わらなかったが、その話をきいた祖父が、セピア色の写真を私に見せながら、「だっぺって言った人、こんな傷があったか?」ときくのでよく見ると、確かに私がみた大きな傷がその写真の人物の腕にもあった。
「お前さんのひいじいちゃんだ。」
私が退院してから家族全員で曾祖父の墓参りに行った。私はきっと、会ったことのないひいじいちゃんに守られているんだ。墓の前でありがとうございます、と子供ながら心の底から思ったのだった。
お題「夜の海」
『夜の海』
今年の秋、ついに終わってしまう舞台の
終盤にかかる曲
いつ消えるかわからない主演の
全てを燃やすような振り付けと
衣装の赤
背景の海に浮かぶ月はいつの間にか消え
それを後ろの少し高いところから見ている
引き継ぐべき彼ら
その立ち位置の美しさに
何度観るたび
そしてそれを思い出すたび
胸の奥が揺れる
「夜の海の、砂浜に打ち上がって光るのはホタルイカ、砂浜から海に旅立つのがウミガメ、釣りをするのが夜釣り、あと多分海上花火大会……」
どれもやったこともねぇ。某所在住物書きは今回配信の題目に、ため息ひとつ吐いて天井を見上げた。
相変わらずのエモネタ。物書きの不得意としている出題傾向であった――なお「明日も多分エモい」。
「アレか?夜の海辺で誰かと誰かでも告白させる?俺の投稿スタイル、続き物風の日常ネタと不思議な狐の童話風だから難しいが?」
夜の海岸、夜の海中、夜の海上道路に夜の海底探査、それから夜の海鮮丼、シーフード、ビール。
夜の海上レストランで肉も良い。物書きは思った。
ところで今日の夜の海は台風7号がどのあたりを通過しているやら。
――――――
前々回から続いている2019年のお盆のおはなし、そろそろ終わりの第3弾。
雪国の田舎出身という藤森の里帰りに、「雪国の夏を見てみたい」と、都会育ちの親友宇曽野が、無理矢理くっついてゆきました。
1日目はひたすら青空の下、田園を駆け抜けました。
2日目は北国の「夏の朝」に驚きつつ、貸し切りの自然公園を堪能しました。
田舎クォンティティな農家の恵みたっぷりディナーを胃袋におさめ、デザートはこれまた田舎サイズなスイカが堂々登場。メロンもどうだと言われました。
『買うものではない。ご近所親戚から貰うもの、ご近所親戚に配るものである』
顔色変えず、眉動かさず。土産にしれっと積まれた大玉小玉色違いの、都内価格やハウマッチ。
ポンポンポン、ポンポンポン。
増える食材の種類と量を見つめる宇曽野の目は、完全に、宇宙猫のそれでした。
そんな、宇宙猫的2日目の夜。
「嫁と娘に、とんでもない土産ができた」
「当分スイカとメロンと夏野菜には困らないだろう」
「なんだあの量」
「普通だ」
「『アレ』が『普通』であってたまるか」
「お土産」詰めた段ボール箱を、隣の隣の隣の地区の宅配営業所に持ち込み、先に東京へ送ってもらって、
その帰り、藤森と宇曽野は町をまたいで寄り道して、波立つそこそこの大きさの汽水湖で、階段に腰掛け遠くを見つめておりました。
藤森の故郷と同程度の田舎なそこは、周囲に他人も無く、近くに明かりも見えず、
とぱん、たぱん、どぱん、だぱん。
海同様、浜に寄せる水の形が、暗闇に慣れた目に、小さく美しく見えるばかり。
風と波の音だけ届くそこは、ただただ、静かでした。
「真っ暗だ」
宇曽野が近くの石を、波の向こうへ、ポチャン。
ひとつ拾って投げて、言いました。
「人の明かりが、あんなに遠い。星がこんなに多い」
「1人になりたいとき、来ていた場所のひとつさ」
藤森も面白がって石をひとつ、ポチャン。
宇曽野より遠くを目指して投げました。
「公園の夜の吊り橋、父の畑近くの農道、貸し切り状態の遊歩道、『附子山』、それからここ。警察も不審者も来ないから、心置きなくボーっとできる」
「贅沢なことだな」
「贅沢?何も無い場所で時間を無駄にするのが?」
「俺は有意義だと思う」
「はいはいウソ野ジョーク」
「事実だ」
どぱん、たぱん、とぱん、だぱん。
海と見間違う夜の汽水湖は、ただ静かに波をささやいて、穏やかにふたりを見守ります。
どぱん、たぱん、とぱん、だぱん。
夜の海とも言い得る汽水湖は、ただ涼しげな風を吹かせて、当然のようにふたりを見守ります。
星を見て、石投げ大会をして、何でもない話をして。宇曽野が飽きたらハイおしまい。
近くにコンビニも24時間営業店も無いので、自販機探してジュースを買って、それを飲みながら帰路につく宇曽野と藤森。
ふたりは次の日、3日目の夕方に東京へ帰ります。
『夜の海』
夏には嫌いなものが多い。暑いのも嫌い。蚊が出てくるのも嫌い。納涼はいいけどなんで怪談話を繋げてくるのか。心霊特集も最近流行りのリアルなお化け屋敷も腹が立つほど嫌い。
「肝試しに海行こうぜ」
世の中で一番嫌いなもの、肝試し。お盆真っ只中の夏休みだと言うのに海沿いのオートキャンプ場でのバーベキューのために集まった大学の同級生たちの中から片付けもそこそこにそんなことを言い出すやつが現れた。
「俺行かない」
「んだよ、みんなで行くから楽しいんじゃん」
酒も入った陽気なバカの集まりになってしまった集団は人の脇を固めると話を聞かずにズルズルと引きずっていく。キャンプ場の明かりから遠ざかる一行はスマートフォンのライトを暗い海に向かって照らし、夜間遊泳禁止の看板も見えていないように進んでいく。
浜辺に人の姿は無く、暗い海の波間からは無数の手が伸びている。見えているのは俺だけなのか、ただ暗いだけだねなどとやや気落ちした声に怯えの色は見えない。肝試しをすると言い出したやつが場を盛り上げるために服を脱ぎだし、止める間もなく海へと入っていく。何やってんの、と笑い声が起こるが、笑っていないのは俺と海に入ってしまったやつだけ。無数の手が群がるように絡みついて海の只中へと消えていった。早く上がってこいよと呼びかける声に応えられるものはいない。
「警察呼ぶよ」
だから肝試しは嫌いなんだ。いつまでも海を見つめる同級生たちは何が起こっているのかをまだ処理しきれていないようだった。暗い海はいつもと変わらず穏やかに波を寄せては返していた。
夜の海を見つめる。
潮騒に耳を澄ませば、自分の悩みを消してくれるような気がする。
決してそれは掻き消すといった類ではなく、言うなれば覆って隠してくれるような、そんな音。
夜の海は恐ろしい。それと同時に、とても美しい。
黒い海が光を散らして輝いている。波に揺れて、生ぬるい潮風が肌を撫でるたび、星の流れに溺れてしまいたくなる。
ふと、一際大きな光が三つ見えた。デネブ、アルタイル、ベガ。むかし聞き流した程度の知識が、思いがけず蘇る。いつか聞いた歌によって、脳にこびりついていた。
夜の海に浸っていると、傷口が海水に溶けていくような錯覚に陥る。沖に流された自分の体を貪るサメに、よく恐怖を空想したものだった。
しばらく身を任せていると、揺れが収まった。瞼を上げて、「おはよう」と返事をする。ドアを開けると、蒸し暑い空気と騒がしい活気が激しく体に押し寄せてきた。
ゆっくりと空を見上げ、瞼を閉じる。夜の海はすっかり明けて輝いていた。
夜の海は深く暗く、このちっぽけな存在を飲み込まんと鎮座している。
その底なしの深さを一度眺めれば、まるでそのまま吸い込まれてしまいそうなほどに闇を孕んでいる。
ああ、怖い。
ひとたびそう思えば近づくことすら恐怖を覚え、畏怖の存在へと成り果てるのだ。
夜の海は眠っているように見えるが
そっと眼を開け静かに生命を抱いている
ごうごうと鳴きながら波たて
こうこうと照らされる凪の月
どんな日もそっと生命を抱いている
「綺麗。」
思わず口に出た。夜の海は、彼女みたいだった。
「これからよろしくお願いします。」
二学期が始まる頃に、彼女は転校してきた。彼女は美しかった。まるで絵画から飛び出てきたようだった。きっとこの日、僕の心は彼女に奪われた。
「ちょっと、貴方!なんてものを書いてるの!?」
美術の授業中、先生の怒号が響いた。その矛先は、彼女にだった。しかし当本人は、不思議そうに笑っていた。
「何って、桜の木ですよ?」
「そうじゃなくて!桜の木の下に死体がある事よ!」
確かに、彼女の絵には美しい桜の木と、死体が一つ描かれていた。しかし、不気味さはなかった。
「だって先生。桜の木の下に死体はあるものですよ。」
彼女は終始、笑っていた。その顔は、不気味だと思った。
この一件から、彼女は魔女と呼ばれるようになった。
しかしそんな魔女は、事故に遭い呆気なく死んだ。
彼女の命日から、早五年。僕の心は未だに彼女のものだ。我ながら女々しい。いや、違うな。きっとこれは後悔によるものだ。恋心じゃない。だって僕は、まだ彼女の化けの皮を剥がせていない。
『桜の木の下に死体はあるもの。』
綺麗なものには、それ相応の秘密があるのだ。それならば誰よりも美しい彼女にもあるはずだ。僕はそれが知りたかった。しかし、知ることはなかった。彼女は死んだから。それが悔しいのだ。
「海にも、秘密があるのかな。」
ふっと思った。目の前には、夜の海があった。きっとこの広大な海には、未知数に秘密がある。それは美しく、時に不気味な秘密だろう。彼女のように。
「綺麗。」
小さく呟く。しかしこんな言葉は、夜の海の黒さに消えていった。
「夜の海」
夜の海には行っちゃいけないよ。怖いお化けに連れ去られるからね。
俺の婆様が生きてた頃にずっと俺に言い聞かせていた話。正直、夜に出歩くのは危険だからやめろ、という注意を子供に覚えさせるための作り話だと思った。
俺は別に幽霊とか宇宙人とか、そんなの信じちゃいなかったし。
正直、婆様は俺のことを子供に見すぎている。
14歳だった俺に、怖いお化け、なんてこと言って信じるとでも思っていたのだろうか。
だけど、婆様は俺に優しくしてくれたし嫌いでもなかったからそんな野暮なことは婆様が亡くなってからも言わない。
俺の16歳の誕生日、望遠鏡を買ってもらったのを覚えてる。16歳の俺の趣味は星を見ることだったから、とても心躍ったのを覚えているし、その日の夜は寝ずに星を眺めていたのを覚えてもいる。
ある夜、その日はとても綺麗な夜空だったから外に出て星を見たかった。
親に言っても反対されるだろうと思ったし、それに星を見る場所は前から決めてた近くの海の砂浜だったから平気だと思い、家を抜け出した。
砂浜の砂が靴に入るのを鬱陶しく思いながら海を見る。
海には夜空が映っていた。むしろ海が夜空のようだったと言った方が、表し方に合っているのかもしれない。
いざ望遠鏡を覗こうとすると、後ろから足音がした。
まさか父さんにバレたのか?そう思いながら振り返ると、そこには一人の人、がいた。
綺麗な金髪、いや銀髪だろうか。どちらにせよ綺麗な髪色をした人がいた。年は俺より2個下だろうか。
少し袖が余るくらいの白のカッターシャツを着て、足は裸足だった。女、だろうか。
その人は俺のことをじっと見つめている。少しの沈黙が流れた後、その人は口を開いた。
『ここはおれの家の土地だぞ』
なんと、男だったのか。いやそれよりも、此処が私有地だったとは。すぐに彼に背を向けて急いで望遠鏡を片付けて、彼に謝ろうと前を向く。
「ごめん、ここが私有地だったとは知らなかった」
『…』
彼は黙ったままだった。怒っているだろう。勝手に知らない奴が家の庭に入ってきて、勝手に望遠鏡で星を見ようとしたんだ。
『星、好きなのか』
彼はそう言った。
俺はすかさず頷いた。それが彼にとって可笑しかったのか、クスリと笑った。
『おれも星は嫌いじゃない。だけど海の方がおれは好きだ』
海を指差す彼は、どこか懐かしそうな顔で海を見る。
まるで故郷が海であるかのように。
『おれの先祖は海賊なんだ』
彼はポツリとそう言った。
それが彼奴との出会いの話。
夜の海
海が近ければ散歩がてら景色を見にいきたいけどわざわざ出掛けてまでは見にいかないな。なので縁のない景色だ。
でもちょっと夜の海に憧れはある。見てみたいとも思うけど景色なんてどれだけ眺めがよくても秒で飽きるしな。結論は変わらないわな。
金と時間に余裕があればのんびり釣りでもしたり海上スポーツとかやってみたいけどそんな金も時間もありはしない。悲しいものだ。
そういえば今日の夜だかに台風がくるみたいだな。子どもの頃は非日常的でわくわくしてたような気もするけど大人になるとただおっくうなだけだ。
今日はバイトだからもし台風で停電とかになったらその対応もしなきゃいけないんだよな。トラブルの対応とかわからないから困るんだよね。
夜の海に吸い込まれて
深いところでうずくまったら
生まれたてのような五感と本能を
取り戻せそうな気がする
テーマ:夜の海
私の友人(蘭斗)は行方不明になった。
詳細は何もわからず謎に包まれている。
私は立ち直ることができなかった。
なんとなく夜の海にでかけた。
そこには蘭斗がいた。
『おい、行方不明じゃなかったのか…!?』
「…………」
『なんか話せよ!』
「………君になら教えても良いかも、、、」
『何いってんだお前…?』
「君の予想通り僕は行方不明になった蘭斗だよ。」
『そっか…』
「会えてよかった… じゃあね」
蘭斗は消えてしまった
最後まで謎なやつだったなぁ
“また会えてよかった”
2024/8/16