夜の海 さざ波が私の歩みを止めた。塾帰りの疲れた体が癒やしを求めて黒い海に誘き寄せられた。 小さな星星などは見えないが、黄色味が強い三日月がうっそりと私に微笑んでいる。 もっと近くで見ていたい。靴と靴下をさっと脱いで、天を見上げつつ、足指で生温い夏の海を楽しむ。 潮風が髪を靡かせ、首筋が涼しくなった。映画の様だと思い、身も心も洒落た気分になって歌まで歌い、浅瀬で独り踊り続けた。
8/16/2024, 4:08:14 AM