モンブラコン*

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 海と言っても、僕達モンスター姉弟の住んでる山村には山に囲まれた湖しかないんだけど…“しか”って表現では怒られそうなデカさの湖なんだけど。
 そんな湖村の夜は村人も外には出ない、ゾンビ熊が出るからね。それについて説明しろと言われそうですが、この物語は“現代社会の喧騒をスルーしてレッツスローライフほのぼのエンジョイド田舎物語”なので…話を進めますね。
「はにゃび♪︎はにゃび♪︎」
 今年も夜の湖の波打ち際にて、家の窓から顔を覗かせている村人を、花火で楽しませよう、という訳で僕達姉弟で花火しこたま買って来てセッティングが完了。
「だばっいくどっ」
 吸って飲むタイプのアイス三本を口に咥えた姉さんが、某Dプリンセスとドンかぶり能力を発動させる。
 横に長く並べて順番に上げる予定だった花火達は光る氷の粒達にまとめられ、夜空高くに舞い上げられた。
「今だ!テイちゅわん!!」
 今だじゃねぇよ、何の為に並べたと思ってるんだよ、返せよ25分。
 そんな姉さんと僕の様子を面白がる兄のテイちゃんが、笑いを堪えながら能力を発現させる。

 夜空に散りばめられた花火が一斉に花開く!
 能力による、AIで作った様な華やかな演出のオマケ付き夜空に、湖が夜とも昼とも違う明るさに照らされ、ゆっくりと元の夜と湖に戻った。

「は~…たまや」何度観てもため息が出る。
「しゃて、くしょボージュば早よ寝ろ」
「…うん」
 姉さん達はこれから夜勤です、夜になると現れるゾンビ熊から村を護るお仕事です。
「テイちゅわんっ今夜のオラば…めっっっさ盛り上ぎゃりしょぅ♡」
 ……仕事だよな…?

8/16/2024, 4:30:29 AM