『夏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝からセミのなき声だけが大量に響いていて
先生の声も聞こえない
シャーペンを持つ手も腕も汗を書いていて
ノートがしっとりと歪んでくる
夏休みの講習は、クーラーもなければ、風も吹かない3階の日当たりだけは良い教室で
集中なんて出来やしない
あの人と会えるかも、それだけのために申し込んで、姿を見かけて喜んだけど
教室は当然のように違っていて、すっかりやる気を失っていた
遠いなぁ
見つめ続けて1年
あと半年もすれば、学校に来ることもほとんど無くなってしまう
進路どうするの、なんて聞けるような間柄でもない
同じ委員会で、少し話をしただけ
その時の笑顔と優しい声、癒されるわぁと幸せな気持ちになって
いつの間にか目で追うようになって
と言っても見かける機会なんてほとんど無いのに
あの人の姿や声はすぐにわかる自信がある
ストーカーかよ
自分に突っ込んで、ヤバいヤバい、と書けてないノートの続きを慌てて書いた
今日で終わり
明日からは予備校行って、朝から晩まで勉強
涼しいから捗るだろう
そう思っていたら
まさかの同じ予備校で隣の席に座るなんて言う奇跡のせいで
ノートの貸し借りをすることになって
気軽に挨拶が出来るようになって
勉強どころじゃないような
勉強が捗るような
それより、
あの人のことにどんどん詳しくなっていく
ああ、辛い
思わず呟いたら
ずっと勉強しか出来ないのはほんと辛いよねって
相づちなんか打ってくれちゃって
この夏がきっと一番辛いよ
でも頑張れば望みは叶うって信じたら頑張れない?
しっかり前を向いている
よこしまな思いが恥ずかしくなって
だねー、頑張ろう!
って元気に返したけど
この夏が、一番辛いのは間違いなく
この夏をきっと一生忘れない
山の空気が、肌に張り付く。
暑さの滲む星空の中を、ひたすら登る。
不揃いなブルーハワイのカキ氷のかけらを噛み砕く。
飛んでくる藪蚊を払う。
足元で落ち葉がかさりと音を立てる。
山道には、夏の盛りでも葉が散っているものらしい。
でこぼこの坂道を踏み締める。
黒い闇が目前に続いている。
藪蚊が羽音を立てる。
もうすぐだ。
もうすぐ山頂だ。
もうあとちょっと登れば、視界が開ける。
私は足を引き摺りながら、山道を登る。
道は細い。
人はいない。
暗い闇が沈黙している。
手に持った安物のカップがくしゃりと音を立てる。
溶けた氷が、毒々しいほど青々とした水色の液として、沈澱している。
夏は、生命力の塊だ。
瑞々しい夏野菜。勢い益々に鳴き続ける蝉。ブンブンと飛び回る羽虫。海へ山へと駆けてゆく人たち。
同時に、カラカラの死の季節だ。
暑さに項垂れる萎んだ葉。手のひらで潰れる蚊。アスファルトに干からびたミミズ…。
いつの間にか、星空が広がっている。
登りきった。
眼前に、麓の町。赤提灯にほんのり照らされた、祭り真っ最中の、私たちの町が見える。
足首がジクリと痛む。
もう治らない足首が。
足首に異変を感じたのは二週間前だった。
二週間後に、最後の大会が終わるはずだった。
今日は引退前最後の大会のはずだった。
私がスポーツをこんなに楽しめるのは、人生の後にも先にも今年で最後のはずだった。
だから華々しく最後を飾るつもりだった。
そのはずなのに、今私は、町の裏山にいる。
家に残してきた、いつまで経っても言葉が出ない弟は、今頃泣いているだろうか。
計画性も堪え性もない母は今頃、いつものように町の男を飛び歩いているのだろうか。
練習よりも、シューズを隠すことの方が上手だったチームメイトたちは、今頃あの明かりの中で笑っているのだろうか。
リーー
昼間の騒がしさとは似てもつかない、寂しげな虫の鳴き声が響いた。
私は足を引き摺りながら、切り立った地面の縁に寄る。
誰も覚えていないほどの大昔の落石の跡。
その落石は、旱の時にやってきて、それが古代の人々には神様が遣わしたものに見えたらしい。
石は祀られ、この町の神になった。
今日、夏祭りに出ている神様が宿ったという石。
それがここから落ちたのだ。
下を覗く。
暗い暗い闇が大きな口を開けていた。
私は持ってきた封筒を置く。
何度も使い古されて、ボロボロに角の擦り切れた銀行の封筒っていうのが、惨めさを加速させる。
重しにかき氷のカップを置く。
水色の液体がちゃぷんと揺れた。
足を引き摺って、地面の端に立つ。
空に散らばった無数の星が、瞬く。
ああ、弟も連れてきてやればよかった。
今更、そんなことを思った。
【夏】
俺にとって
夏の定義は
暑いだけではない
その意味で言うと
もしかしたら
もう夏は来ないかもしれない
シーブリーズ
ぬるいエアコン
空いた窓
自習の時間が
夏を告げてる
昨日の続きを書きます。読んでいない人は是非読んでみてください。
めまいを催した僕がたどり着いたのはどこか知らない世界だった。僕はそこで出会った少女の母親を探すために一緒に旅に出ることにした。よくあるライトノベルと同じような設定だ。
そんなことより、この女の子と旅をして2ヶ月、もう八月になり夏真っ盛りになっていた。そんな中、この子は何かを待ち望んでいるかのように、僕のことをじっと見つめてきた。不思議に思ったが僕はそんなことを気にも止めずにただこの子を膝の上に乗せて宥めた。いつもなら喜んで頭を揺らすが、今日はちょっと不機嫌そうに僕の机に顎を乗せていた。何かあったのかと聞いてみると、今日は彼女の誕生日なんだそうだ。そりゃあ不機嫌になるのも頷ける。だって彼女にとって誕生日というのは母親との大事な日なんだ。それを聞いて僕は行動しないはずもない。僕は急いで少女を膝からおろし宿屋から出てケーキ屋さんに向かった。とは言っても僕はそんなに多くのお金は持っていなかった。なんとかしてケーキを買ってあげようと少し無理をしてしまったがなんとか一つだけケーキを買ってやることができた。これは彼女が人生で初めてのケーキになることだろう。僕が家に帰ると、彼女は僕の持つ袋に興味津々だった。そんな彼女に僕はケーキをプレゼントした。初めてケーキを食べたのか、目を大きく見開いて驚いていた。その顔がなんとも可愛く愛おしかった。今日は彼女にとって大きな思い出に残る日になるだろう。でもこれだけだと少し物足りないような気もした。なんて言ったって彼女が生まれて六年間、初めて祝われた誕生日なんだ。六年分くらいはお祝いしてあげなくては失礼というやつだ。僕はまだ時間があったのもあり、彼女を海に連れて行ってあげることにした。あいにく、水着を買ってあげる事はできなかったがひとまず着替えを持って海に行った。海に着くや否や彼女は服が濡れるかなんて気にもせずに海に向かって走った。僕はあまり濡れたくなかったので、一応袖とズボンをまくり、彼女の方に行った。彼女はジャンプしながら僕を手招きした。彼女は浅瀬の方に行った僕に容赦なく水をかけた。僕も負けじと水をかけ返したが、高校生といえど、僕が子供の体力についていけるわけもなく、十分ほど遊んだ後にもうへとへとになっていた。彼女は疲れるそぶりもなく遊び続けていた。そんな彼女に僕は心底関心したが、もう帰る時間が来たようだ。僕が彼女を呼ぶと彼女はずぶ濡れになった体を震わせて水を飛ばした。一応風邪をひかないように着替えさせはしたが、まだ髪の毛が濡れていた。だがバスタオルなんかは持ってきてはいないので、そのまま帰ることにした。今日は彼女にとって忘れられない誕生日、そして忘れられない夏になっただろう。
【夏】
明日も繋がるようなお題行きますように
夏
(本稿を下書きとして保管)
2024.6.28 藍
夏の終わりが好き。
ひぐらしの鳴き声が聞けるから。
あの声を聞くと懐かしい思い出が蘇る。
よく遊んでいた友達のこと。
明るくて、ときにやんちゃで、とても可愛いあの人のことを、思い出す。
でもある夏の日避けられるようになってしまった。
いつもは、インターホンを押して、
遊ぼう。と誘ってくれたのに、それがなかった。
家にいないのかもと思ってあまり気にしていなかったが、外からあの人の声が聞こえてきた。
だから、外に出てそばに寄った。
でも、私を見ても話しかけられることもなく、無視されてしまった。
私は気にしない素振りを見せて、踵を返した。
それでも、本当はすごく悲しかった。
ねぇ、なんで?
友達だったのに、
私、何かした…?
いろいろな感情が溢れてきて、森に逃げ込み、泣いた。
私が、ここにいられるのは、長期休みの間だけだった。
だから、夏休みが終わる前に帰らなければならない。
こんなに、楽しくない夏休みは、今までなかった。
途方もなく長く感じた夏休みの最後、
一番鮮明に覚えているのが、ひぐらしの鳴き声だった。
このときからだっただろうか、?
夏が大嫌いになったのは。
ひぐらしの鳴き声が好きになったのは、夏を終わらせてくれる声だったから。
ねぇ、昔みたいに、みんなで遊びたいよ。
ねぇ、なんで…?
いつ、間違えてしまったのだろう。
『夏』
もう、ほとんど夏ですね。
貴女を守るようになってからは、幾度もの夏を共に過ごしましたが、俺が生きていた時は、貴女と夏の時間を共有することはできませんでした。
貴女をこうしてお守りできること。
俺はそれだけで満足すべきであるし、実際満足もしています。
それでも時折、蒸すような暑さの日が暮れてきた夕日の中、貴女の隣に座って、少し汗ばんだ貴女の手を握って、俺の名を呼んでくれる貴女の声と、遠くに鳴くひぐらしに耳を傾けてみたかった、と思ってしまうのです。
夏はどこから来て
どこへ去っていくのだろう
当たり前だと思っているものが
いかに私の理解の範囲を超えているか
理解しているものの根底には
神秘が潜んでいる
あっちーなぁー
ったく、、、、、
でも、アリガトな
夏は俺が強制的に元気になれる
うつ病なんかも良くなるんだ
だって、あっちーんだもん
カチカチに固まったこころだって
強制的に溶かしていく
しまいにゃ
どかんどかん!
って花火で、さらに俺のこころを壊してくれる
ありがとう
夏
「夏」
子供の頃庭で水遊び。
扇風機のまえでビールをのむ父。
干してる布団に蝉がとまって困っていた母。
何も知らず幸せなあの頃。
夏
“大仏ちゃま”を拝みに行った。
父親が亡くなった翌年、供養の気持ちもあっての奈良詣だった。
母方のおばあちゃんは親しみを込め「大仏ちゃま」とか
「大仏ちゃん」とか言っていた。
母方の曾祖父(ひいじい)さんが東大寺の官長の次の要職を勤めていたからか?
奈良の古い人だからか?
おばあちゃんは萩の寺(東大寺の別称)と記憶していた。
近鉄奈良駅から歩いた。
猛暑の中、鹿の糞がスニーカーの底の溝に食い込んだ。
帰ってからも、なかなか取れてくれなかった。
昨年程では無かったが酷暑の夏だった。
道すがら、鹿せんべい売りの直ぐ前で歩道の上からのミスト(霧)のサービスが気持ちだけでも有り難く感じた。
山門に着いたとき
「バスに乗れば良かった」
と後悔した。
“後の夏祭”と言う気分だった。
自転車には良く乗っているが
「たまには歩かねば」
とバス代をケチったのが祟った。
そこから大仏殿までが“酷暑”と言うより“地獄の暑さ”だった。
駅から山門までより遠く感じた。
もう歩くのが限界近くになって、やっと大仏殿にたどり着いた。
大仏殿の中に入って驚いた。
「涼しい!」
大型のクーラーが何処かに隠れて設置されているかのように涼しい。
「地獄に仏」
まさに、このことだと父親の供養より先に、涼しさに感謝して大仏ちゃまに
「帰ってきました」
と、ご挨拶した。
最近の猛暑酷暑は天災ではなく
人災だ!
日本の風土に合った建築、都市開発を… 徳博🥵
♡もっと読みたい♡1325♡記念号♡
通算112作目
入学式に向かう時も
通学の時も僕らは
少し離れたところで
その曲を聴いていた
夏祭りの帰り道たまたま一緒になって
色々話すうちに
お互いにこの人変わってるなぁ…と
思いながら最寄り駅へと歩いた
途中の神社で
面白いもの見せてあげると
キミは小さく笑うと
周りの人達の前をくるくると回って
気づかなかったでしょ?
キミにしか見えてないんだよ私の姿は
と悲しげに呟いて
夏の夜風に溶けていった
「右手に希望を掲げ
幸福を指に絡め取る」
ボクも帰ろう
僕達の好きな歌を歌いながら
『夏』
夏の終わりに君と出逢って
夏が始まる前に君がいなくなった。
君のいない夏を乗り越えたら
夏が終わった頃
また会えるかな。
夏
夏といえば夕立
突然の雷雨
車に乗っていれば安全
でも玄関までの数メートルが遠い
雨が弱くなるまで待つのです
なーんて
最近はゲリラ豪雨とかいって
あちこちで降ったりしてますね
そのぶん
地元の雷が減ったような気がします
夏の夕立が無いと
庭木に水をやらねばならぬ
水道代つらい
「夏」
陽炎が揺らめく日は異界が似合う。影が短くなる正午、人通りが少ない道をひとり歩くとまるで人ならざる者の世界に足を踏み入れたように感じてわくわくする。
蚊取り線香の煙の匂いが漂うと夏にまつわる怪談が読みたくなる。扇風機の風に当たりながらほんの少し不思議な話を読むと臨場感があって面白い。
猛暑は苦手だ。空調の効いた部屋を一歩外へ出るとねばつくような不快な暑さが全身をつつむ。立っているだけで体力と気力が削れる気温は本当に厄介だと思う。
麦茶と塩飴が私の夏のおともだ。梅味の塩飴を口に含みつつ、夏バテと熱中症を予防する夕飯の献立を考えるのも結構楽しい。ただ、火を使う料理は億劫になるので、冷やしうどんやそうめん、冷やし中華は考えものだ。
(終)
「夏」
こんにちは、お元気ですか。
この手紙を読んでいる頃には、もうすっかり夏の天気になっていることでしょう。
ある日突然届いた、母さんの手紙。
そういえば、長らく会っていなかったな。
手紙は、夏の雨にさらされて、ひどく濡れている。
最初の文以外は、ほとんど読めない。
母さん、寂しいのかな。こんなに出来の悪い息子だけど、何年も離れたら、やっぱり寂しいと感じてくれるのかな。
窓にはざあざあ雨。
夏
____________________
夏に良い思い出はあまりない。私にとって夏が1番大事な季節だから。
夏には我々吹奏楽部にとって1番のイベントである全日本吹奏楽コンクールが行われる。
中学で3年間出続けた中で、結果はそれほど振るわなかった。
1年目。銀賞。先輩は少し泣いていた。楽器は元々やっていたとはいえ部活を始めたばかりの私にとってはこういうものなのだと思っていた。
2年目。銀賞。去年と違って、審査員の中には金賞の点数を付けてくださった方もいた。少し手が届きそうな気がした。
3年目。金賞。皆で泣いた。3年間の努力が報われたような気がした。
4年目。中高一貫校生の私は今年も今までと同じメンバーでコンクールに挑む。
さて、2ヶ月後の我々は何色の賞を掴んでいるだろうか。
「夏」
夏と言ったら!
あれ?私それ出来ないや。
あ、それ?そ、それも、なんだ…。
あれ、私、いつから…?
【#73】
『 夏 』
夏は暑くて嫌いだ 。
虫も多いし 、 汗もかくし … 最悪すぎる 。
夏休みの課題も多くて 、 遊ぶ予定もなけりゃ 出かける予定すらない 。
そんな時 、 ふと 1件の メールが 、
大好きな 、 あの人からの メールが
『 今度の夏祭り、2人で出かけない? 』
直ぐに 答える
「 いーよ、めっちゃ楽しみ笑 」
… こんな1つの 約束で 、
大嫌いな 夏も 、 ちょっと 好きとか 思ってみたり 。