莉白

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昨日の続きを書きます。読んでいない人は是非読んでみてください。
めまいを催した僕がたどり着いたのはどこか知らない世界だった。僕はそこで出会った少女の母親を探すために一緒に旅に出ることにした。よくあるライトノベルと同じような設定だ。
そんなことより、この女の子と旅をして2ヶ月、もう八月になり夏真っ盛りになっていた。そんな中、この子は何かを待ち望んでいるかのように、僕のことをじっと見つめてきた。不思議に思ったが僕はそんなことを気にも止めずにただこの子を膝の上に乗せて宥めた。いつもなら喜んで頭を揺らすが、今日はちょっと不機嫌そうに僕の机に顎を乗せていた。何かあったのかと聞いてみると、今日は彼女の誕生日なんだそうだ。そりゃあ不機嫌になるのも頷ける。だって彼女にとって誕生日というのは母親との大事な日なんだ。それを聞いて僕は行動しないはずもない。僕は急いで少女を膝からおろし宿屋から出てケーキ屋さんに向かった。とは言っても僕はそんなに多くのお金は持っていなかった。なんとかしてケーキを買ってあげようと少し無理をしてしまったがなんとか一つだけケーキを買ってやることができた。これは彼女が人生で初めてのケーキになることだろう。僕が家に帰ると、彼女は僕の持つ袋に興味津々だった。そんな彼女に僕はケーキをプレゼントした。初めてケーキを食べたのか、目を大きく見開いて驚いていた。その顔がなんとも可愛く愛おしかった。今日は彼女にとって大きな思い出に残る日になるだろう。でもこれだけだと少し物足りないような気もした。なんて言ったって彼女が生まれて六年間、初めて祝われた誕生日なんだ。六年分くらいはお祝いしてあげなくては失礼というやつだ。僕はまだ時間があったのもあり、彼女を海に連れて行ってあげることにした。あいにく、水着を買ってあげる事はできなかったがひとまず着替えを持って海に行った。海に着くや否や彼女は服が濡れるかなんて気にもせずに海に向かって走った。僕はあまり濡れたくなかったので、一応袖とズボンをまくり、彼女の方に行った。彼女はジャンプしながら僕を手招きした。彼女は浅瀬の方に行った僕に容赦なく水をかけた。僕も負けじと水をかけ返したが、高校生といえど、僕が子供の体力についていけるわけもなく、十分ほど遊んだ後にもうへとへとになっていた。彼女は疲れるそぶりもなく遊び続けていた。そんな彼女に僕は心底関心したが、もう帰る時間が来たようだ。僕が彼女を呼ぶと彼女はずぶ濡れになった体を震わせて水を飛ばした。一応風邪をひかないように着替えさせはしたが、まだ髪の毛が濡れていた。だがバスタオルなんかは持ってきてはいないので、そのまま帰ることにした。今日は彼女にとって忘れられない誕生日、そして忘れられない夏になっただろう。
【夏】
明日も繋がるようなお題行きますように

6/28/2024, 12:44:00 PM