喪失感』の作文集

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喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

9/10/2023, 2:05:27 PM

あれは、私の記憶にひどくこびりついた錆です。
 あの日宇宙から飛び降りてきた彗星は、あなたを迎えにきた使者を乗せていたのかもしれませんね。
 なんせ、あれが視界から消え失せた時、あなたの心臓はぴたりと動かなくなってしまいましたから。

 いくら嘆いたって心の穴は埋まらないし、どれだけ叫んだってあなたに届きやしないのに、こうしてあなたを想いつづけることを止められない。頭ではきちんと理解できて、ちゃんと決心も出来ているはずなのに……。
 どうやら心というのは、存外融通の効かないものらしいです。

 まぁもし此処にあなたがいたら
「他人に配れる心があるなら、おまえが幸せになるその時の為に蓄えとけよ、バーカ!」
 なんて突っぱねられていそうですけどね。

 私は、蒼く染め上げられたあのソラの色を、未だ忘れられずにいるのです。
 私にとって、蒼は、まさしく“恐怖”そのもの。それは私の大切を余すことなく奪っていったもの。
 これまでそうだったように、これから先もずっと、私は蒼を恐れ、避けながら過ごしていきます。ずっと。ずうっと。

 ねえ、___様。
 私、思うんです。
 いっそどこかの麗しき姫のように、寿命と引き換えにあなたの記憶をさっぱりと消してくだされば良かったのに、って。
 いつまでも拭えぬであろう複雑な気持ちを、記憶とともに棄ててしまいたかったのに。


▶喪失感 #9

9/10/2023, 2:02:40 PM

ママへ

ママがパパのところへ逝ってから四年が経ちました。
パパと仲良くラブラブで、どこかドライブしてるのかな?
ママと出会ってこの人の本当の娘だったら良かったなぁと
何度思ったことでしょう。
たった1年の間でしたが、本当に可愛がってくれてありがとうございました。
実の親を亡くしたように、時々今でも喪失感が襲ってきます。
一緒に買い物行ったり旅行に行ったり、もう少し一緒にいたかったな。

母親から褒められたことが無かった私は、些細なことですごく褒めてくれるママにとても救われました。
ママと彼と3人で過ごした1年はとても楽しくて幸せでした。

ママから「匡をお願いね」って言われたけど、ごめんね約束守れなかった。
ごめんなさい、私には無理だった。
怒ってるかな?許してね。

子供みたいにママに会いたいなぁって、いつも思ってるの。
頭を撫でてヨシヨシして欲しいって思っちゃう。
いい大人がバカみたいでしょ?
彼とお別れしたことより、ママと会えないことの方が私にとってはとても寂しくて悲しいです。

ママ、会いたいな。

9/10/2023, 2:02:27 PM

喪失感

……はぁ。

気づけば今日一日中ため息をついている。
…なんでだろう?

別に特別辛いこともなかったし
ただ平凡な生活をおくってるだけなのに。

今日は何をしようとしてたんだっけ…?

それすらも ろくに分からなくなってしまった。

…そうだ。
こんなときはプリンでも食べよう。

そう思って冷蔵庫を開けた。

…美味しい
とは思わなかった。

普段はつい食べ過ぎるくらいなのに。

…はぁ。
今日は何やっても駄目みたい。

「今疲れているそこのあなた!!必見ですっ!!!」

なんだなんだこのどでかい声は
音量を下げた。

テレビショッピングみたいだ。

おなじみのキャストやさくら達が写っていた。
「今日おすすめするのは…
この疲労回復サプリメントでs…

ブチッ

あいつが言い終わる前にテレビを切ってやった。

…そうだ。思い出した。
私は今日、有給が残ってるから少し休めと言われて
仕事を休んだんだ。

「先輩も、たまには好きなことしてくださいね!」
「…先輩は頑張りすぎなんですから。」

「…うん。ありがとうみんな。」

私は、後輩たちの思いに応えたくて
一生懸命、充実した休みをおくろうとしてたんだ。

…でも結局何もできなかった。
分からなかった。

何をすればいいのかも。

…案外仕事より難しいのかもしれないな。

だったらいっそこの喪失感に飲み込まれて
流れに身を任せればちょっとは楽になるのかな?

9/10/2023, 1:58:17 PM

「喪失感」

「心にあいた穴、塞ぎます」

露店主が道行く人たちに声をかけています

私は露店主に声をかけました

露店主は私の顔を見ると

「またあんたかい」と言いました

私は言いました

「糸がほつれてきちゃったの、心にすきま風が吹いて寒いのよ」

露店主は慣れた手つきで針と糸を持ちチクチク縫い合わせていきます

「少し痛むが我慢してくれよ」と、言いました

私は「大丈夫よ、この心にあいた穴の痛みに比べたらどうってことないわ」

露店主は心の穴を塞ぎ終わると言いました

「あんた、心の穴を埋めてくれる何かが早く見つかるといいな」

私は「そうね」と返事をしました


ある時、私は私自身を見失ってしまったのだ
私が私自身を愛せなきゃ、この心の穴は塞がらない

迷子の私を、今日も探しに行くのです

9/10/2023, 1:53:05 PM

喪失感が空を覆って、寂れた街に吹く風をぬるくする

苛立ちとやるせなさで編まれた薄紫のレース
遠くのクラクションに驚いて僕に纏わった

寝れば許せる自分が許せないから、今日はまだ帰らない

9/10/2023, 1:51:37 PM

いずれ大切な人々の旅立ちを
見送らねばならない日が
きっと来るだろうこの先
とんでもない喪失感に
今から恐怖です
そう遠くない現実
わたしは果たして
正気でいられるだろうか
いや、きっと無理だ
案外にひ弱なんだと実感

9/10/2023, 1:51:10 PM

新鮮新宿駅都営新宿線本八幡方面時刻表 15時49分各駅停車本八幡行 15時55分各駅停車本八幡行 16時00分各駅停車本八幡行 16時04分各駅停車本八幡行 16時10分各駅停車本八幡行

16時16分急行本八幡行 16時19分各駅停車本八幡行

9/10/2023, 1:50:31 PM

高校に受験した。
大学に受験した。
文化祭だって、体育祭だって真剣にやった。

今となってはただの「記憶」でしかない。

大人になった今は、そんな「喪失感」と戦っている。
でも、今は昔なら想像もつかないような趣味を見つけた。

あなたにも、「乾き」を癒すものはありますか?

9/10/2023, 1:47:31 PM

▼ 喪失感

家族、相棒、大切な——

一度に失う事になるとは思わなかった
ただ自分の選択肢が間違っていたとは思わない
だからこそ、後悔はない

日常が変わる
暖かいと思っていた生活がなくなって、家の中でぼんやりと窓の外を見ながら紫煙を燻らせる
先を見ているから哀しさはない
必ず成し遂げる自信もあるからだ

それでも、少し、ほんの少しだけ
寄り掛かっていたあの背中にしていたように身体を傾けた

9/10/2023, 1:46:37 PM

喪ったもの、失ったもの
その重さも数も
その時に感じた想いも痛みも
いつまで経っても消えなくて

見えないくせにいつまでも
古傷のように疼いて痛んで

いきなり襲いくるもんだから
息苦しくて、どこか淋しくて虚しくて

もう慣れたはずなのに、
その夜は眠れずに
震えた指で唇で煙草を咥えた

吐いた煙が淀んで
僕自身を隠すように包むから
なんだか泣きたくなる

喪失感が心に穴を開けるだけなら
どうしてこんなに痛むのだろうか


喪う事も失う事も避けられないんだったら
何度やり過ごせば楽になれる?

9/10/2023, 1:44:51 PM

喪失感



「元気でいてくれれば、それでいいよ」


彼が自分に求めるものは、それだけだった。

料理が失敗しても、
待ち合わせに遅刻しても、
くだらないことで怒ったりしても、
不機嫌でいても、
情緒不安定になっても、
嫌いだ、なんて言い放っても、

彼が自分に、ここを直して欲しいなんて一切言わなかった。


「健康で、元気に笑っていてくれるなら
それでいいんだよ」

「だって、人はいつ死ぬか分からないんだから」

「ただ、生きてくれれば、それでいい」


その言葉、そっくり今あなたに返すよ。




この喪失感と一緒に




Fin.

9/10/2023, 1:43:43 PM

お題:喪失感

敷地に入った途端、一気に音楽と人のざわめきが大きくなる。普段浴びない強い光に酔ったのか、少し視界がふらついた。やぐらから周りへと吊るされた提灯が、辺りを橙色に染めている。追い討ちのように電飾が照っており、ここだけ別世界のような明るさだった。

地元の神社での夏祭り。敷地自体が小さいから、やぐらと店舗はかなり小規模だ。私は親のお使いで焼きそばと焼き鳥を買いに来ただけ。その後は盆踊りを少し観て帰るつもりだった。

私の腰までの背丈しかない子達が何度も横を通り過ぎてゆく。小さい頭を見下ろしながら、両親に連れて来られた記憶を薄く思い出した。
そわそわしていた私を見て親は「行ってきたら?」と背中を押し、一緒に盆踊りの輪の中へ飛び込んだ。同世代の子達と大人に囲まれて踊りながら、外で眺めているだけの人に「入った方が楽しいのに」と思ってたっけ。

お使いを済ませ、ラムネを買うか迷って結局買わなかった。やぐらから少し離れた場所に佇んで、輪の中で笑顔にはしゃぐ人々を眺めていた。一曲終わって拍手が響くと、私は鳥居の方向へ足を進めた。

鳥居を潜って真っ直ぐ歩き続ければ、背後のざわめきが段々遠退く。あっちが眩しくて騒がしいだけなのに、世界から光と音が失われてゆくような喪失感を覚えた。

右に曲がる直前で道を振り返ると、鳥居の向こう側に浮世離れした橙色の灯りが見える。私は自然とスマホをかざし、シャッターボタンを押していた。
手の内の機械に写った画像をみて、なぜか胸が締め付けられた。

9/10/2023, 1:43:30 PM

彼女が僕の側を離れたとき、味わった喪失感
大切なものが消えて僕が何者でもなくなってしまう感じがした
彼女が戻って来たとき、ひどく安心した
僕がここにいてもいいんだ

彼の側を少し離れるだけで、味わった喪失感
大切なものを壊して失ってしまった気がした
彼の側に戻ったとき、ひどく安心した
私はここにいてもいいんだ

すべてが消え去った世界で、人間のいなくなった世界で、2人が得たものは・・・

9/10/2023, 1:42:54 PM

毎日、毎日、過ぎていく時間に自分の命の喪失感を感じるよ

だから特別なひと時の為に
惜しまず全てを掛けて過ごしたいと思ふ

9/10/2023, 1:40:27 PM

#毎日の小説の題名で長編小説に! #恋愛
#余命1ヶ月26日

私には、兄弟がいた。
3人兄弟。兄、私、妹“だった”。

兄は、とても運動神経が良かった。
特に、バスケが上手だった。
ドリブルがとても上手い。
兄vs私たちでも、勝てたことがない。
1度もなかった。
そんな兄は、私の3つ上。
兄が中3のとき、私は小6だった。
兄は受験はせず、スポーツ推薦で高校に
行くらしい。そんな兄を私も、そして、
家族みんなで応援していた。

………だが、それも叶わず。
バスケの練習中、道路に出たボールを拾いに行き、
兄は…、交通事故で死んだ。
兄は、運動しか出来なかった。
頭が悪かった。馬鹿だった。
小6のとき、私は兄を……失った。

妹は、とても絵が上手だった。
幼稚園の頃から、プリキュアを書いていたから
だろうか。私と兄の似顔絵を書いてもらったときは、
ホントに驚いた。
まるで写真のようにそっくりだったから。
私が高3、妹が高1だった。
妹は、病気だった。
私と一緒に毎日登校していたのに、
違和感に気づくことが出来なかった。
妹が学校で倒れて、このことが発覚した。
お母さんがとても心配症で良かった。
検査をしたら、『がん』だということがわかった。
『肺がん』苦しそうだった。
最期まで、生きようと治療していたが、
駄目だった。
あんなに美しい絵も、もう見られることはないんだと。
もう一緒に高校に登校することはないんだと。
あの…笑顔は見られないのだと。
泣いた。兄が死んだということも私はまだ受け止めきれていなかったらしい。涙が止まらなかった。
ホントにもう2人には会えないのだと理解した。
高3で私は、1人になった。

私は、どうしようもない喪失感に襲われた。

【喪失感】#4

9/10/2023, 1:40:14 PM

大切な人がいなくなっても
その日を一生懸命生きる君は
    偉いよ
“喪失感”

9/10/2023, 1:39:45 PM

お題「突然の君の訪問」 

 ――コン、コン
 ノックの音と共に、彼は突然現れた。
 眠れない夜に、いつもの笑顔で、「外に行こう」と。
 どうせ眠れないなら、部屋にいたって仕方がない。そう思って、毎回その誘いに乗っていた。
 外に出ると言ったって、もう遠くへ行くことはない。
 いつも近所の公園や、そこら辺の道を目的もなく歩くだけ。それだけでも、長い夜を眠れないままに過ごすよりはずっと良い。
「風が気持ちいいですね」
「うん、そうだね」
 これといって盛り上がる話題があるわけでもない。そもそもが静寂を好む人だから、散歩の間も黙って歩き続ける時間のほうが長い。
 けれど、たまに話を振れば答えてくれるし、静寂の時間さえも心地好かった。
 この心地好さが、ずっと続いて欲しかった。
「今日も、月が綺麗だね」
「……あなたと見る、月だからですよ」
 ――あなたのくれる愛こそが、私の全て。
 だからずっと、眠らないで欲しかった。眠ってしまえば、もう二度と目覚めなくなってしまうと、分かっていたから。
 眠ってしまわないように、毎日病室を訪れては話をした。
 一緒にいられるだけで満足するべきだったのに、彼が聞いたから。
 ――あなたは、どうしたい?
 ――私は、……
「あなたは、どうしたい?」
 また、同じように彼が聞くから。
 ずっと抑え込んでいた心の声を、つい、溢してしまった。
「私は、ずっと。あなたと、美しい景色を見ていたかった」
 彼に問いかけられたあの日と、同じ想い。
 叶えてはいけなかったから。今ではもう叶わないから。ずっと抑え込んでいたのに。
 問われれば、溢れてしまう。想いに、素直に。彼が教えてくれた通りに。
「でも、あなたはもう、眠ってもいいんだよ」
 ――人は眠らないと、死んでしまうから。
 美しい景色を求めて歩いたあの日々にも、言われた言葉。
 ずっと病室で機械に繋がれていた彼に、美しいものを見せたくて。病室でしか会えない彼と、美しいものを一緒に見たくて。
 眠ってはいけない彼と、眠らなければいけない私で、眠い目を擦りながら旅をした。
 美しい海、美しい山、美しい空、美しい湖、美しい川、美しい街並み。
 その途中で、眠ってしまったことを、ずっと後悔している。
「私が、眠ってしまったら……」
 もう、会えないですよね?
 そう聞きたかったのに、眠っていいと言われたら、もう眠気に抗うことが出来なかった。
 本当はずっと、眠ってしまいたかった。そうして、彼と同じようにこのまま。
 そんな風に思っていても、翌朝しっかりと目が覚めた。久しぶりにスッキリとした感覚を味わいながら、ふと窓の外を見つめる。
 真っ白な雲に彩られた、素晴らしい青空。
 月と星が煌めいた、昨日の夜空も美しかった。
 ここでなら、ずっと一緒に、素晴らしい朝も美しい夜も見れたのに。
 あまりに近すぎて、それに気付くのが、少しだけ遅かった。

                      ―END―

9/10/2023, 1:38:40 PM

また、二番目だ。

その日は、学期テストの結果発表の日だった。
共用掲示板に貼り出された結果を見て、自分の名前を探す。
一枚目、二枚目、三枚目…。有った。

それを見て、私はため息を付く。
もううんざりする。また二番目だ。
いつもいつも、どれだけ勉強をしても、抜かせない。

あれだけ努力をした。だから、何時もより自信があった。

足元から、泥に突っ込んだ様だ。とても重い。
その泥が、足元から体を這い上がって来る。苦しい。
喪失感が全身を包み込む。

もう嫌だ。

叫びそうになり、その場を駆け出した。
苦しい。誰か、私の努力に気付いて。

「おーい!」

廊下を走っていた私の耳に、貴方の声が届いた。
咄嗟に、立ち止まる。
声のした方を向くと、手招きされている。

「こっち来て、部屋空いてる。」

貴方が立っている部屋の標識は、保健室、と書いてある。
私は誘われるがままに、ふらふらと歩いて行った。

中に入ると、先生が居ない。そして、ベットが空いていた。貴方は、秘密だからね。と、笑っていた。

「ほら、ベット入って。落ち着くまで、寝てた方が良い。
一応外に居るけど、何かあったらすぐ呼んでね。」

そう言って、カーテンを閉めようとした貴方に、ありがとう。とだけしか言えなかった。

貴方は笑って、大丈夫だよ、と言ってくれた。
一人になり、またテストの結果が脳裏に蘇る。

陰鬱で、呪いの様な、じわじわとした泥が体を覆う。
息が、苦しくなってくる。ああ、死んでしまいそうだ。

目をつむり、一人で泥に耐えていると、ふと手が暖かくなった。
その瞬間、体が楽になる。ホッと息を吐き、目を開くと
貴方の手が、私の手を包んでいた。

貴方はゆっくりと、小さい声で何か話している。
耳を澄ますと、優しい声色が聞こえた。

「今回のテストも、結果が気になっちゃったんだね。
何時も頑張っているから、気になっちゃうんだね。」

胸が、チクリとした。

「凄く頑張ったもんね、だから、苦しいんだよね、
努力してたのに、って思っちゃうもん。」

チクリとした棘が、深く刺さって行く。

「凄く、報われない、認めて貰えないとか、考えちゃうよね。」

深く刺さった棘が、心を貫く。しがらみを、貫いた。

そう感じた時、視界が歪む。駄目だ、泣いてしまう。
貴方は優しい声で、

「貴方のした努力は、貴方の望む結果に成らなかったかもしれない。無駄になったとか、思ってしまうかもしれない。」

その言葉は、貫かれたしがらみをゆっくりと解く。
そして、痛む心を柔らかい綿で包んで守ってくれる。

「休み時間も机に向かって、あの感じだと、家でも休み無く勉強してたでしょ?なのに、駄目だったって思っちゃうもん。」

「でも、忘れないで欲しい。貴方の努力は、無駄じゃないし、無意味でも無い。だって、後悔はしてないでしょ?
後悔なんて出来ない位、努力してたの、ずっと見てた。」

「だから、忘れないで。貴方の努力は少しも無駄じゃ無かったって事。報われなかったなんて、思わないで。」

「私が見ていたから何だ、って思うだろうけど、見ていた人がいた、その努力を認めてくれた人がいたって事。
それは、嘘じゃない。だから、自分を赦してあげて。」

嗚呼、何でそこまで甘いのだろうか。

私の胸の中にある想いは、軽くなっていた。

9/10/2023, 1:37:41 PM

眼の前にこちらを微笑む友人が映る。けど、その顔は張り付いたままで、黒い額縁に入れられていた。重苦しい雰囲気が漂う中、僧侶の読経の声と線香の香りに包まれて通夜が営まれている。少ない参列者の中にはすすり泣く人もいた。

俺は何故か涙が出なかった。いつも笑って話していて、不幸なことなんて聞いたこともないあいつが、自ら首を吊っていたなんて...。信じられなくて実感も湧かなかった。食べた飯も味がしなくて、テレビの音も砂嵐みたいで何も分からなくて、授業の内容も覚えていない。なんだか心も脳みそもスカスカになったみたいだ。

焼香の番が回ってきた。あいつの周りに花や果物が囲まれていて、こことは違う世界に行ったのかと気付かされる。香をつまんで炉に焚べる。熱された香は、やがて煙を出し新たな匂いを生む。だが、渇いた心には何も生まれなかった。

手を合わせて、ようやく絞りきった言葉を友人に聞いた。「お前、なんで死んだんだよ」

9/10/2023, 1:37:10 PM

青と緑の2つのコップは1つに、歯ブラシも、タオルも、俺の家から大切なものが半分消えた。
ずっと大切にしてきたこの関係。
2人で住めるように少し大きめの部屋にしたんだけどね
空っぽの心に、喪失感が漂う。
その悲しさも、俺の気持ちを表すように、雨が消し去っていった。

喪失感

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