『君と最後に会った日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君と最後に会った日は中学の卒業式
「またね」は言えなかった
「またね」って言いたかった
君と僕は反対側の人間
君は色んな人に人見知りをせずに明るく話し掛けられる
僕はすぐに人見知りをして慣れないと上手く喋れない
誰にでも話し掛けられる君に憧れてたよ
口では悪口しか言ってなかったけど
ほんとは友達としては、好きだよ
君と最後に会った日は、心の中でそんな事を言いながら
雨の中、一人で歩いていた
# 45
君と最後に会った日
ーまさかあの日が君と最後に会った日になるなんて思っていなかった。
君の笑った顔。君の声。君の好きなもの。君の好きな場所。君と食べたもの。君と話したこと。・・・
何をしても君を思い出す。でもそこに君はいない。
あまりにも突然の別れ。すぐに理解できなくて。
君の幻に声をかけそうになって、幻聴に応えようとして。
あぁ、君がいなくなったことなんて嘘なんじゃないか?
こんなにも、君の存在が僕の心に染みついているから。
君のことだから、僕のことを驚かそうとして、隠れているんじゃないか?だったら、もう出てきてくれよ。
「もういーかい?」
僕以外、誰もいない部屋でつぶやく。
君と最後に会った日に見た、君の中で一番綺麗な笑顔が忘れられない。
君と最後に会った日は
君と最初に会った日でもある
君が誰かも知らないけれど
それも確かにひとつの縁
君と最後に会った日
最後に君と会った時、弟さんの話をしてくれたっけ。僕はそんなことは気にかけることなく、自分の夢を語ったっけ。僕はまだ子どもだった。人には色々な悩みがあることを知らなかった。僕は食べていくことに困っていなかった。しかし、君は僕に生活の匂いを探していたんだね。自分の人生しか知らない僕。“井の中の蛙、大海を知らず”と教えてくれたっけ。僕が記憶しているのは、夏の午後7時、書店で受験参考書を夢中に探している僕。君はその時、何を考えていたのであろうか?結婚のこと?家族のこと?こんな僕を一時のこととはいえ、愛してくれた君にありがとう、そしてごめんなさい。
野良猫と最後にあったのは6年くらい前。ひと懐っこい雌猫だったけど、我が家に我が家の猫が来た日から、家に来なくなった。とても賢い子だった。
#君と最後に会った日
君と最後に会った日は、やけに静かだった。
周りの人たちが騒いでいたのに僕は何も聞こえなかった、意識も朦朧としていた、君が必死に何かを訴えかけている言葉も聞こえなかった。
けど、微かな記憶の中に映る君は、泣いていた。
どうやら僕は待ち合わせ場所で君を見つけて1分でも早く君に会いたい気持ちが、信号無視した車に轢かれたようだ。
#5【君と最後に会った日】
君と最後に会ったのは
暑い、暑い夏の日だった気がする。
ごめん。正直しっかりとした記憶はない。
それくらい、なんて事ない日だった。
覚えているのは
JINROのグレープフルーツジュース割りに
ラムネ味のチュッパチャプスが
マストだと言うこと。
お酒の美味しさを教えてくれたのは
間違いなく君なんだよ。
悔しいけど
君が作るカクテルの味は
何度試しても
私じゃ再現できない。
もう一度飲みたいんだけどな。
連絡の取り方もわからないから
そっちに行った時にまた作ってくれる?
まだ予定はないからさ。
気長に待っててくれたら嬉しい。
人見知りは治しておいてよね。
たまには夢に出てきてもいいよ。
「君はとても素敵な人だね。」
そんなことを僕に言ったのは君が初めてだった。
僕は運動も勉強も出来、友達も沢山いる。秀才とまで呼ばれている。僕は誰からも尊敬されている。
けど何かが足りない。僕は満たされない何かをいつしか考えるようになっていた。
やけに潮騒の音が五月蝿い夜。僕は眠れないままベッドの上で窓の外を眺めていた。すると浜辺に人影を見つけた。「こんな時間に何をしているんだろ。」
ちょっとした好奇心から静かにドアを開け外に出た。するとまた人影を見つけた。
こっそり近くに駆け寄ってみると、少し髪の長い同い年くらいの少年だった。少年は耽美な顔をしているが服は酷く汚れていて、裸足で一人浜辺を歩いていた。
服の隙間から微かに見える傷が僕の好奇心を刺激する。
「何をしているの?」僕が声をかけると少年は少し驚いた顔をして「君こそ何をしているの?」と質問を返してきた。
「僕はこんな時間に人影を見掛けたから気になって外に出てみたんだ。君は何をしているんだい?」
「僕は海で遊びに来たんだよ。眠れなくてね。」
それから僕達は浜辺を歩きながら話をした。
どれくらいの時間が経ったのだろうか。少年との会話はどれも興味深く、何故か少年の話は僕の満たされない何かを満たしてくれるような気がした。そして少年に不思議な魅力を感じた。彼なら、彼と一緒にい僕の満たされない何かを全て満たしてくれるのかもしれない。
「僕そろそろ帰らなきゃ。」少年はぽつりと呟いた。そう言うと少年は海の中へと歩き出した。
「何をしているんだい?」僕は焦って少年を引き止めようとした。でもその数十秒後、引き止めるのをやめた。何故やめたのか自分にも分からない。少年は一言、「君はとても素敵な人だね」と言葉を残して暗い海の中へと帰って行った。僕は少年を追いかけることも引き止める事も出来なかった。少年の言った「素敵な人」とはどんな人なのだろうか。
数日後、少年の遺体が見つかった。
2023/6/26
僕と君は病院で出会った。
僕たちは同い年で、難病持ちってことで、
意気投合。
すぐに仲良くなって、親友同士になった。
そのうち僕たちは惹かれあった。
だけど、万が一のことを考えて、
僕たちはお互いに告白せず、
その気持ちに気付かないふりをした。
僕たちが出会って4ヶ月後、
突然君から告白されたが、
僕は驚きと嬉しさが半分半分だった。
僕は1日待って欲しいと言ったけど、
君は今聞きたいと言った。
僕は好きだったから答えは決まっていた。
すぐ返事をしたら君はとても喜んだ。
それが君と最後に会った日となった。
【君と最後に会った日】
#62
お題『君と最後に会った日』
俺の日課は屋敷の大浴場の掃除から始まる。
そのときも浴槽を磨いていた。
「はぁ……主様とお嬢様も、早くお風呂に入れるようになれるといいなぁ」
出産を終えられて一週間も経たない主様はいまだ体力が回復しておらず、腕と足の清拭と手湯をしてさし上げるのが精一杯だったのだ。
磨き上げた浴槽を水で流しているときだった。転がるようにしてやって来た、真っ青な顔をしたアモンに、急いで主様の寝室に行くように言われた。アモンは主様の一大事だ、とも言っていた。
とても嫌な予感がした。食が進むどころかむしろ減っていく一方で、拭かせていただく手足もみるみるうにち痩せ細っていっていたのだ。
蛇口を止めると濡れた手足を拭くのももどかしく、既に出て行ったアモンの後を追いかけた。
部屋の入り口は開け放たれており、主様を執事たちが二重三重に囲んでいるのが見えた。
到着した俺に気がついたベリアンさんが、主様が俺にも会いたがっていると言っている。枕元では医療担当の執事・ルカスさんが主様の脈を取っているのが視界の端に入り、俺の頭から血の気が引いていく。
執事たちを掻き分けて主様の元に行き、床に膝を付いて主様に呼びかけた。
「俺です、フェネスです。主様、いかがなさいましたか?」
俺の声に主様は微笑みを浮かべる。
「……ごめんね……あの子を、お願い……」
「主様、主様、そんなことはおっしゃらないでください、お嬢様には主様が必要です」
しかし俺の声は届いたのかどうか。
ルカスさんがゆっくりと首を横に振った。
「君と最後に会った日」
きみとさいごにあったひ
それはうつむいて
背中を丸めていたばかりの僕が
前を向いて、
背筋を伸ばして歩いていこうと決めた日
迷子になって途方に暮れていた僕の
ちいさなちいさなひかりを
この僕の命を 存在を
何にも替えられない価値あるものだと
君が教えてくれた日。
「君と最後に会った日」
それは僕が新しくうまれた日
君と最後にあった日、君は幸せな花嫁だった。
結婚式に集まる誰よりも綺麗で
白いウェディングドレスがとても似合っていた。
大切な親友である君の幸せな姿を見て
喜びにうち震えるこの心は何だろう。
君が幸せだと私は、わけもなく嬉しいんだ。
新婚生活を大切にしてほしくて
幸せな結婚式を最後に
君と会うことはなくなった。
そして時を重ねた数年後。
再び会った君は、
小さな命を守る立派なママになっていた。
食卓には冷めたカレーライスと『さようなら』のメモ。
"笑顔がぎこちなかった"
一瞬の違和感は君からの合図だったのに
多忙を理由に気付けなかった。
#君と最後に会った日
題名『クローバー』
君と最後に会ったのは、随分昔の事だ。
友達と楽しそうに話していた君は、友達との分かれ道から直ぐに欠伸をしてからとぼとぼ一人で歩いて行った。
君は僕の親友だった。
ある日は、僕が分からない所を教えてくれたり、
ある日は、黒板にサプライズを仕掛けてくれたり、
ある日は、綺麗な綺麗な花をプレゼントしてくれたり、
最高だ。最高な、親友だった。
そんな、君が⋯、
殺されるなんて、僕は考えられないよ。
クローバーの様に優しいエメラルドグリーンの瞳が、黒緑だった。死んだ目。
身体は冷たく、骨が浮き出ていて、まさに死。
そう、死。そのものだった。
夢に出て来そうな光景に、目を疑う。
嘘じゃない。嘘じゃないッ⋯、!
身体から湧き上がる"ナニカ"。
それが、新しい感じで、怯える様な、震える様な、そんな感覚だった。
目に焼き付けたさ。
それは、それは、珍しい物だからね。
彼の顔は、怯えた顔の儘、凍った様だった。
間抜けな顔。
代わりに宿題をやらされて、
黒板に僕の秘密と悪口をばら蒔いて、
机に白い百合の花を飾った。
その癖、最期の最期にはずっと、『許してくれッ…、許してくれッ…、』と身体中を水浸しにする。馬鹿な奴。
俺は、最後の最後でパイプ椅子を振り上げた。
彼は悲鳴を上げて、許しを乞う。
飛び散るトマトジュース。
俺はそれを見て、また、復讐心を満たすのだ。
2023.6.26 【君と最後に会った日】
君と最後に会った日のことは、今でもはっきり覚えてる。
あの日、珍しく君から「今日は神社で遊ぼうよ」って声をかけてくれたよね。
君の家で本を読んで過ごすのが僕たちの放課後だったから、ちょっと驚いたよ。
一旦、家に帰ってから、通学路の途中にある鳥居の前で落ち合った。
僕は君の持ってきたものを見てビックリしたよ。
表紙の文字は難しくて読めなかったけど、植物や花の精緻な絵が描かれた分厚い本。
「それ、図鑑?そんなすごい本、どうしたの?」って聞いた僕に、君は「家から持ってきたんだ。これを持って『森』を探検しようよ」といつになくはしゃいだ様子で答えた。
僕らは図鑑を持って神社の裏にある『森』(今になってみると森っていうほど大きくもなかった)を探検した。「これはきっとイトスギの木だよ」「あれはスイレンかなあ。花はないけど葉っぱの形がそっくり」なんて、まるで偉い学者さんにでもなったみたいだった。
15分もあれば一回りできてしまう『森』を僕たちは2時間もかけて探検した。
『森』から出ると、すっかり夕焼け空だったね。
「そろそろ帰ろう」と言う僕に、君は(今思えば寂しそうに)頷いた。二人の影が道路に伸びる。僕たちは今日の探検のことを話ながら歩いていた(今思えば話してたのは僕だけで、君はうんうんって相づちをついていただけだったね)。
二股に別れた道の真ん中にあるお地蔵さんの前で、僕たちは足を止めた。
僕の家は右の道。君の家は左の道。
「それじゃあ、また明日ね」僕は君に手を振ると、右の道を進もうとした。
「待って」君は僕を呼び止めると、植物図鑑を僕に押し付けるように渡す。
「それ、貸してあげる」
「こんなきれいな本、借りられないよ」
「今度会うときに返してくれればいいから」
「へんなの。明日また図書室で一緒に読めるじゃないか」
「そうだね、へんだね。でも貸してあげる」
「ふぅん…それなら借りるね。あ、明日はこれ持って公園に行ってもいいな。何か花が咲いてるといいなぁ」
「そうだね。お花、咲いてるといいね」
「よし、じゃあ明日は公園で探検しよう。じゃあ、また明日ね。バイバイ」
「バイバイ」
それが君と最後に会った日になってしまった。
その夜、君の家は火事になって、君の家族も君も、煙になって高い高い空へいってしまった。
君は、今日が僕と最後に会う日だって知ってたんだね。
でも、最後の日はその日じゃないんだよ。
ずいぶん待たせちゃったけど、僕ももうすぐ、空の向こうにいくよ。
すっかり日焼けしてしまった植物図鑑を持って、君に会いにいくよ。
テーマ:君と最後に会った日 #225
急に煙幕が張られる。
皆慌てふためいている。
時間だ。
僕は警備服を翻す。
『この変身いるかなぁ……』
『そっちのほうが絶対見栄えいいって』
僕の耳に声が聞こえる。
情報屋+指示役、彼の名前はルーマ。
『さ、早く盗っちゃいな』
『はいはい』
僕は硝子を触るとそれのハッキングを
ルーマが遠隔で解除する。
俺はそれを盗り帰るだけだ。
その時
「お前が最近、夜を騒がす怪盗か」
チッ、後は帰るだけなのに、誰だ。
俺はマントで顔を隠す。
これは君と最後に会った日。
そして君と最初に会った日だ。
6月21日(日)
殴り書かれたのは日付だけ。書いた当人からしたら、充分だった。
雨の日だった。纏わりつく湿り気と停滞した空気があった。純然たる、6月だった。……人生が大きく変わった日? どうだか、それは終わってみないと分からない。
そんな自覚は、今のところは微塵もない。
好意はあったかもしれない。かもしれない、と思う程度にはどうでもいい人だった。
小雨の中に傘をささずに出ていく人は、珍しくもなくて。それでも彼女が傘をさしていなかったのは、明確な理由があるのだろうか。
隣の人は、嫌に彩度の高い、真紅の傘を掲げていた。それすらも、梅雨の空にはくすんで見えた。
もう顔も思い出せない。すれ違っても、きっと分からない。ごくありふれた、別れの日。
……どうして、そんな日を記録したのだろう。
6月21日(日)
ただの記号の羅列は、大切にしまい込んだ他のどんな写真より、記憶の欠片を鮮明に写した。
【君と最後に会った日】
「君と最後に会った日」
君はとても寡黙な猫だった
にゃあとなかないばかりか
自己主張というものもなかった
猫もいろいろな性格があるのだな
そんな事を考えさせられた
君のことを考えると後悔ばかり
思い出すと眼が潤む
「ごめんね」
あの時どうすれば良かったのかな?
いまも答えはない
─君と最後に会った日─
自由だった君は、何処へ行ってしまったのだろう。
優しくて、頼りになって、相手の気持ちを優先する君。
自分の事は後回しで、他人のためにも命を懸けれる、僕のヒーロー。
親に縛られて、自由を失い、笑う君は居なくなった。
自由な君と最後に会った日は、今でも覚えてる。
いつもとは違う雰囲気で笑って、瞳には光なんてものはなくて、
言葉にも笑い方にも瞳の奥にも、苦しそうな君が居た。
僕は何も出来なくて、もう全てが怖くて、今すぐに逃げ出したくて。
あの頃の僕を恨んでる。何も出来なかった、君を救えなかった僕を。
いつもと違う事なんてすぐに気付いてた。
でも怖くて、知らないふり、見ないふりをした。
あれは君のSOSだって、早く気付いていれば。
君は居なくならなかったのかな。
僕が「逃げ出そう。」って言えれば、君を救えたのかな。
今でも後悔している、君のことを。いつまでも、愛してる。
まだ梅雨が明けていなく、湿度が高い夜のことだった。
君と最後にあった日も、こんな時期で、雨は降っていないけれども、じとじとした湿気の高い中を歩いていた。
寒くもないけど手を繋いで、今日が本当に最後だなんて思わずに、二人仲良く歩いていた。
「1ヶ月だけ研修に行くだけなんだから、そんな心配しないでよ」
君は、はにかみながらそう言う。
専門学校の研修で、1ヶ月程違う県に行ってしまうらしい。
たかが1ヶ月、されど1ヶ月である。
「……明日から会えないの寂しい」
「こういう時にツンデレなんだから」
君は手を繋いだまま、優しく頭を撫でてくれた。背伸びしてとても撫でづらそうだった。
「だから行く前に夜だけどお散歩デートしたいって言ったのねー」
君は小さく、まったくもう、と呟いた。
「とりあえず、手紙は書くから」
「うん」
湿気のせいもあるが、手がじとっとしているにも限らずに、君は強く手を握りしめてくれた。
あれから20年、まだ君は帰って来ない。
君と最後にあった日から、20年である。
湿気の高いこの梅雨の時期に夜の散歩をすると、君と最後にあった日を、最後のデートを俺は思い出す。
蛙が嘲笑うかのように、げこげことないていた。
【君と最後にあった日】