君と最後に会った日
最後に君と会った時、弟さんの話をしてくれたっけ。僕はそんなことは気にかけることなく、自分の夢を語ったっけ。僕はまだ子どもだった。人には色々な悩みがあることを知らなかった。僕は食べていくことに困っていなかった。しかし、君は僕に生活の匂いを探していたんだね。自分の人生しか知らない僕。“井の中の蛙、大海を知らず”と教えてくれたっけ。僕が記憶しているのは、夏の午後7時、書店で受験参考書を夢中に探している僕。君はその時、何を考えていたのであろうか?結婚のこと?家族のこと?こんな僕を一時のこととはいえ、愛してくれた君にありがとう、そしてごめんなさい。
6/26/2023, 11:33:04 AM