題名『クローバー』
君と最後に会ったのは、随分昔の事だ。
友達と楽しそうに話していた君は、友達との分かれ道から直ぐに欠伸をしてからとぼとぼ一人で歩いて行った。
君は僕の親友だった。
ある日は、僕が分からない所を教えてくれたり、
ある日は、黒板にサプライズを仕掛けてくれたり、
ある日は、綺麗な綺麗な花をプレゼントしてくれたり、
最高だ。最高な、親友だった。
そんな、君が⋯、
殺されるなんて、僕は考えられないよ。
クローバーの様に優しいエメラルドグリーンの瞳が、黒緑だった。死んだ目。
身体は冷たく、骨が浮き出ていて、まさに死。
そう、死。そのものだった。
夢に出て来そうな光景に、目を疑う。
嘘じゃない。嘘じゃないッ⋯、!
身体から湧き上がる"ナニカ"。
それが、新しい感じで、怯える様な、震える様な、そんな感覚だった。
目に焼き付けたさ。
それは、それは、珍しい物だからね。
彼の顔は、怯えた顔の儘、凍った様だった。
間抜けな顔。
代わりに宿題をやらされて、
黒板に僕の秘密と悪口をばら蒔いて、
机に白い百合の花を飾った。
その癖、最期の最期にはずっと、『許してくれッ…、許してくれッ…、』と身体中を水浸しにする。馬鹿な奴。
俺は、最後の最後でパイプ椅子を振り上げた。
彼は悲鳴を上げて、許しを乞う。
飛び散るトマトジュース。
俺はそれを見て、また、復讐心を満たすのだ。
2023.6.26 【君と最後に会った日】
6/26/2023, 11:16:55 AM