『君と最後に会った日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
題名『クローバー』
君と最後に会ったのは、随分昔の事だ。
友達と楽しそうに話していた君は、友達との分かれ道から直ぐに欠伸をしてからとぼとぼ一人で歩いて行った。
君は僕の親友だった。
ある日は、僕が分からない所を教えてくれたり、
ある日は、黒板にサプライズを仕掛けてくれたり、
ある日は、綺麗な綺麗な花をプレゼントしてくれたり、
最高だ。最高な、親友だった。
そんな、君が⋯、
殺されるなんて、僕は考えられないよ。
クローバーの様に優しいエメラルドグリーンの瞳が、黒緑だった。死んだ目。
身体は冷たく、骨が浮き出ていて、まさに死。
そう、死。そのものだった。
夢に出て来そうな光景に、目を疑う。
嘘じゃない。嘘じゃないッ⋯、!
身体から湧き上がる"ナニカ"。
それが、新しい感じで、怯える様な、震える様な、そんな感覚だった。
目に焼き付けたさ。
それは、それは、珍しい物だからね。
彼の顔は、怯えた顔の儘、凍った様だった。
間抜けな顔。
代わりに宿題をやらされて、
黒板に僕の秘密と悪口をばら蒔いて、
机に白い百合の花を飾った。
その癖、最期の最期にはずっと、『許してくれッ…、許してくれッ…、』と身体中を水浸しにする。馬鹿な奴。
俺は、最後の最後でパイプ椅子を振り上げた。
彼は悲鳴を上げて、許しを乞う。
飛び散るトマトジュース。
俺はそれを見て、また、復讐心を満たすのだ。
2023.6.26 【君と最後に会った日】
君と最後に会った日のことは、今でもはっきり覚えてる。
あの日、珍しく君から「今日は神社で遊ぼうよ」って声をかけてくれたよね。
君の家で本を読んで過ごすのが僕たちの放課後だったから、ちょっと驚いたよ。
一旦、家に帰ってから、通学路の途中にある鳥居の前で落ち合った。
僕は君の持ってきたものを見てビックリしたよ。
表紙の文字は難しくて読めなかったけど、植物や花の精緻な絵が描かれた分厚い本。
「それ、図鑑?そんなすごい本、どうしたの?」って聞いた僕に、君は「家から持ってきたんだ。これを持って『森』を探検しようよ」といつになくはしゃいだ様子で答えた。
僕らは図鑑を持って神社の裏にある『森』(今になってみると森っていうほど大きくもなかった)を探検した。「これはきっとイトスギの木だよ」「あれはスイレンかなあ。花はないけど葉っぱの形がそっくり」なんて、まるで偉い学者さんにでもなったみたいだった。
15分もあれば一回りできてしまう『森』を僕たちは2時間もかけて探検した。
『森』から出ると、すっかり夕焼け空だったね。
「そろそろ帰ろう」と言う僕に、君は(今思えば寂しそうに)頷いた。二人の影が道路に伸びる。僕たちは今日の探検のことを話ながら歩いていた(今思えば話してたのは僕だけで、君はうんうんって相づちをついていただけだったね)。
二股に別れた道の真ん中にあるお地蔵さんの前で、僕たちは足を止めた。
僕の家は右の道。君の家は左の道。
「それじゃあ、また明日ね」僕は君に手を振ると、右の道を進もうとした。
「待って」君は僕を呼び止めると、植物図鑑を僕に押し付けるように渡す。
「それ、貸してあげる」
「こんなきれいな本、借りられないよ」
「今度会うときに返してくれればいいから」
「へんなの。明日また図書室で一緒に読めるじゃないか」
「そうだね、へんだね。でも貸してあげる」
「ふぅん…それなら借りるね。あ、明日はこれ持って公園に行ってもいいな。何か花が咲いてるといいなぁ」
「そうだね。お花、咲いてるといいね」
「よし、じゃあ明日は公園で探検しよう。じゃあ、また明日ね。バイバイ」
「バイバイ」
それが君と最後に会った日になってしまった。
その夜、君の家は火事になって、君の家族も君も、煙になって高い高い空へいってしまった。
君は、今日が僕と最後に会う日だって知ってたんだね。
でも、最後の日はその日じゃないんだよ。
ずいぶん待たせちゃったけど、僕ももうすぐ、空の向こうにいくよ。
すっかり日焼けしてしまった植物図鑑を持って、君に会いにいくよ。
テーマ:君と最後に会った日 #225
急に煙幕が張られる。
皆慌てふためいている。
時間だ。
僕は警備服を翻す。
『この変身いるかなぁ……』
『そっちのほうが絶対見栄えいいって』
僕の耳に声が聞こえる。
情報屋+指示役、彼の名前はルーマ。
『さ、早く盗っちゃいな』
『はいはい』
僕は硝子を触るとそれのハッキングを
ルーマが遠隔で解除する。
俺はそれを盗り帰るだけだ。
その時
「お前が最近、夜を騒がす怪盗か」
チッ、後は帰るだけなのに、誰だ。
俺はマントで顔を隠す。
これは君と最後に会った日。
そして君と最初に会った日だ。
6月21日(日)
殴り書かれたのは日付だけ。書いた当人からしたら、充分だった。
雨の日だった。纏わりつく湿り気と停滞した空気があった。純然たる、6月だった。……人生が大きく変わった日? どうだか、それは終わってみないと分からない。
そんな自覚は、今のところは微塵もない。
好意はあったかもしれない。かもしれない、と思う程度にはどうでもいい人だった。
小雨の中に傘をささずに出ていく人は、珍しくもなくて。それでも彼女が傘をさしていなかったのは、明確な理由があるのだろうか。
隣の人は、嫌に彩度の高い、真紅の傘を掲げていた。それすらも、梅雨の空にはくすんで見えた。
もう顔も思い出せない。すれ違っても、きっと分からない。ごくありふれた、別れの日。
……どうして、そんな日を記録したのだろう。
6月21日(日)
ただの記号の羅列は、大切にしまい込んだ他のどんな写真より、記憶の欠片を鮮明に写した。
【君と最後に会った日】
「君と最後に会った日」
君はとても寡黙な猫だった
にゃあとなかないばかりか
自己主張というものもなかった
猫もいろいろな性格があるのだな
そんな事を考えさせられた
君のことを考えると後悔ばかり
思い出すと眼が潤む
「ごめんね」
あの時どうすれば良かったのかな?
いまも答えはない
─君と最後に会った日─
自由だった君は、何処へ行ってしまったのだろう。
優しくて、頼りになって、相手の気持ちを優先する君。
自分の事は後回しで、他人のためにも命を懸けれる、僕のヒーロー。
親に縛られて、自由を失い、笑う君は居なくなった。
自由な君と最後に会った日は、今でも覚えてる。
いつもとは違う雰囲気で笑って、瞳には光なんてものはなくて、
言葉にも笑い方にも瞳の奥にも、苦しそうな君が居た。
僕は何も出来なくて、もう全てが怖くて、今すぐに逃げ出したくて。
あの頃の僕を恨んでる。何も出来なかった、君を救えなかった僕を。
いつもと違う事なんてすぐに気付いてた。
でも怖くて、知らないふり、見ないふりをした。
あれは君のSOSだって、早く気付いていれば。
君は居なくならなかったのかな。
僕が「逃げ出そう。」って言えれば、君を救えたのかな。
今でも後悔している、君のことを。いつまでも、愛してる。
まだ梅雨が明けていなく、湿度が高い夜のことだった。
君と最後にあった日も、こんな時期で、雨は降っていないけれども、じとじとした湿気の高い中を歩いていた。
寒くもないけど手を繋いで、今日が本当に最後だなんて思わずに、二人仲良く歩いていた。
「1ヶ月だけ研修に行くだけなんだから、そんな心配しないでよ」
君は、はにかみながらそう言う。
専門学校の研修で、1ヶ月程違う県に行ってしまうらしい。
たかが1ヶ月、されど1ヶ月である。
「……明日から会えないの寂しい」
「こういう時にツンデレなんだから」
君は手を繋いだまま、優しく頭を撫でてくれた。背伸びしてとても撫でづらそうだった。
「だから行く前に夜だけどお散歩デートしたいって言ったのねー」
君は小さく、まったくもう、と呟いた。
「とりあえず、手紙は書くから」
「うん」
湿気のせいもあるが、手がじとっとしているにも限らずに、君は強く手を握りしめてくれた。
あれから20年、まだ君は帰って来ない。
君と最後にあった日から、20年である。
湿気の高いこの梅雨の時期に夜の散歩をすると、君と最後にあった日を、最後のデートを俺は思い出す。
蛙が嘲笑うかのように、げこげことないていた。
【君と最後にあった日】
#3 君と最後に会った日
あの日は言葉にできないくらい辛かった
もう戻らないって決心したから。
今でも君を想い出してしまう
それぐらい貴方を愛していたし貴方に傷つけられた
会いたくはない。
もう前に進むって決めたから。
さようなら。
6/26 お題「君と最後に会った日」
君は5つ上の少女で、あの日蛇神様の生贄として捧げられた。
君を追いかけ、大人たちに押さえ付けられ、必死で大声を出す僕を、君がちらりと振り返ったのを今でも覚えている。
そして、今。
「迎えに来たよ、テルヒ」
あの時と変わらぬ姿の君が、僕に向かって手を差し伸べる。炎に包まれた村を背景に、巨大な大蛇に跨り、煌々と瞳を光らせて。
「村はもう終わりだ。でも君だけは助けてあげる。友達だから」
僕は、その手を―――
(所要時間:8分)※構想除く
私には保育園の頃からの友達がいた。
地区が離れていたから、別の小学校に進学した。
でもまたすぐに、少子化の影響で、自分たちの地区で
1番大きい小学校に通うことになった。
またあの子と一緒で楽しみだなって思ってた。
でもクラスが離れてたから、話せなかった。
5年生になって、たまたまあの子と同じスポーツクラブに入って、たくさん話したけど、
いつしかあの子はクラブに来ない日が増えた。
そして学校にもあんまり来なくなった。あの子と同じクラスの友達に聞いてみたけど、
誰も彼もその理由を知らなかった。
季節が過ぎて、気づいたらあの子はクラブを退団してて、学校にも来なくなっていた。
6年生になって、あの子と同じクラスになったけど、
結局、学校生活の半分以上は教室に来なかった。
そしてあの子と最後にあった日、
それは小学校の卒業遠足だった。
あの子は笑っていて、また学校にも来てくれるかなって思ったら、もうそれ以降会うことはなかった。
中学も同じところに進学したけど、3年間の中学校生活はおろか、卒業式でも見かけなかった。
今はどうしてるのかもわからない。
元気ならいいな。
テーマ:君と最後にあった日
君と最後に会った日
私が高校2年生のとき、小さな黒猫
が数日だけ姿を見せたことがあった。
我が家は団地の2階だったが、玄関
ドア横の階段を数段上がったところ
に、いつもちょこんと座っていた。
出掛ける時はいないのに、帰ってき
た時だけ何故か見かけた。
玄関を開ける度に中に入ろうとする
ので、『ごめんね。中には入れない
よ』と声をかけてドアを閉めていた。
そんなやり取りを数日繰り返してい
たある日、私の両足の間を八の字に
身体を擦り寄せてきたので、『おば
あちゃん?』と声をかけると、私を
見上げてから階段を降りていった。
少し前に亡くなったおばあちゃんだ
と思い、とても嬉しかった。
その日以来、ぱたりと見なくなった
が、あの可愛い黒猫を今でも覚えて
いる。
「信号」
青い夏の煩い蝉の声が君の声をかき消していく。白線の上で告白した僕に君が手を伸ばしてくれるから僕の気持ちは晴れやかで、それでいて嬉しくて。
黄色い学生帽の下が歪んで今にも泣き出しそうだから、僕も泣いてしまいそうになった途端、目の前が真っ赤に染まった。
テーマ「君と最後にあった日」
君と最後に会ったのはもう2年も前だね。
ずっと独りよがりな僕についてきてくれた君は
もう僕のことを忘れたのかな
連絡もなくなって会うこともなくなったね。
僕は君のことが好きだったけど、君は僕のことが嫌い
だったってこと、知ってたよ。
でも友達のふりしてくれてありがとう。
あれから2年経って僕は変わった。
もしまだ友達のふりをしてくれるなら
変わった僕を見てほしい。
もう一度、振り向いてほしい。
〜君と最後に会った日〜
その時君は笑っていた
その微笑みがいつまでも続くと思ったし
無くなることが無いだろうと感じた
だから、僕は君にもう会えないと分かって、分かったはずだけど
頭の中には笑っている君がずっといた。
永遠なんてない
その笑顔に一生はない
だから、だからこそ、その瞬間を大切にして
そして、大事に大事にこの時間を温めて
そうしたらきっと、悲しい別れも前向きな1歩になるから
君と最後に会った日なんて私にはなかったんだ
だって君と会う前に君に恋をして君のことを諦めたのだから
次にあったら今日の答えをきちんと話そう
真剣に言葉にして目を見て伝えよう
そんな覚悟で連絡したけど、もう音沙汰すらなかった。
会えると思ってた数年間、もう会えないのに夢だけ追っていた自分はつくづく幸せなひとだと痛感した。そしてやっとその数年の無意味な妄想に膝をつく
君と最後に会った日
「…ん、これで最後かな」
最後に手に取った1冊の日記
これはいつから書いてないんだろうか、
俺は日記など付ける事などした記憶が無い
…少し読んでみるとしよう
○/△
今日はあいつと2人で山を登った
あいつはすぐバテてなん回足止めを食らったんだろう
でも楽しかったまた2人で行きたい
「あいつ…?誰のことだ?」
○/×
俺はどうしたらいい
誰かたすけて
△/×
今日はあいつの誕生日
あいつは何が好きなのか教えてくれなかった。
だから好きそうだなと思ったものをあげようと思う
どんな反応をするのか楽しみだ
△/○
あいつはあんまり嬉しそうじゃなかった
悲しそうだった
俺はなにか良くないことをしたのかな
それとも、プレゼント嫌だったかな…
△/△
今日はあいつと風景を絵に描いた
俺のはものすごく下手だったけれどあいつはものすごく上手くて驚いた
その絵はなんだか美しいと言うよりも儚いような悲しい、そんな感じだった
――――――――――――
×/○
あいつは来年ここから居なくなるんだってさ
あいつ、何年も一緒にいたのに、名前も教えてくれないし…好きなことなんて何も知らない
どこに行くのかも教えてくれない
なんでなんだよ
☆/△
あいつはもうここにいない
「さよなら」
そう、初めてあいつが言ったんだ
そして初めて「ありがとアキ」って俺の名前呼んでまた会おうって。
俺は泣きたくなかったのにあいつのせいで涙が溢れてきて泣いちゃった
俺はあいつの名前は知らないけどまた、会えること願うよ
ここで日記は終わった
その時俺は何故か泣いていた
忘れ去っていた
姿も上手く思い出せてなかった
あいつが、なにか、誰か分かった気がしたんだ
最後にあいつにあった日にまた会いに行こう
そしてまたあいつと一緒に約束の場所に…
【 6/26 君と最後に会った日 】
大好きな私のおじいちゃん
病気で食欲すらなかったのに、
私の誕生日に笑いながらケーキを食べてくれた
看護師さん、びっくりしてたよね
おじいちゃんが亡くなった日、母は泣き崩れてた
まだ小学生にもなってない私は理解ができなくて、
母に「大丈夫?」って言うことしかできなかった
今になって、やっと母の気持ちがわかるようになった
ものすごい寂しいなって…
「◯◯は俺が上野動物園に連れて行くんだ」
って言ってくれたよね
一緒に行くって夢は叶わなかったけど、
いつか必ず動物園に行くよ
だから、絶対私が行くところ見ていてね
君と最後に会った日
卒業式かな
自分2年生の時に無視してしまったことがあってそれ以来君と話すことを避けてたんだよね。
素直にごめんって言えばよかったのに。
卒業式で親に「一緒に写真撮ったって」君に言って撮ったね。めっちゃ恥ずかしかった。多分あの景色は一生忘れない。また会えたらいいな。
あの美しい夏の日、私は彼に出会いました。
貴方は精霊みたいね___私がそう口にすると、彼は微笑を浮かべました。それなら君は、お日様のような人だね。口数の少ない彼が不意に発する、淡く爽やかな言葉に、私は酔いしれました。
静けさがよく似合う人だったんです。木陰で、涼しげに詩集を眺める彼の姿は、まるで一つの絵画のようで。私は決まってその横に寝転び、頬杖をついてそんな彼を見つめていました。彼は私をお日様のようだと言ってくれましたが、私には彼しか見えていませんでした。みんなを明るく照らすことより、彼に寄り添い、彼に私だけをみてもらうことのほうが、よほど魅力的だったから。
でも、私の想いは彼を縛ってしまいそうで、怖くもありました。精霊は自由であるべきです。愛に溺れる彼も、それはそれは美しいでしょうけど、彼は私を充分に想ってはくれませんでした。
つり合いのとれない天秤は、無価値も同じ。不良品です。彼は私の前から姿を消しました。
一体どうしたんでしょう。愛に見返りを求めないことなど私には無理だったんだと、そこではじめて気がつきました。
最後の日、それは美しい夏の日でした。
「君と最後に会った日」