勿忘草(わすれなぐさ)』の作文集

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勿忘草(わすれなぐさ)』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

2/3/2024, 7:37:56 AM

君が教えてくれた花の名前は
街に埋もれそうな小さな勿忘草。

2/3/2024, 7:29:30 AM

勿忘草の英訳って「Forget-me-not」らしい。直球すぎる。なんか昔の人間が勝手に溺れ死んだときに恋人にあげようとした花が勿忘草だったからって、ネーミング安直すぎるやろ。
まあコンビニの常連客を「コーヒー牛乳さん」と名付けるようなもんか。

2/3/2024, 7:19:12 AM

北面の武士であった佐藤義清は23歳の若さで出家し、西行となった。

理由は謎であるが、友の死や失恋が重なっての事とする説が有力だ。人の世の儚さを嘆いたのだろうか。

恋の相手は歳上、格上で、しかもモテモテの美女だったらしい。

とても叶わぬ恋なれば、あきらめて、忘れるのが普通だろうに、西行はそうではなかった。

秘めたる恋を貫き通す、しかも片思いなのに…このような男は稀であろう。

忘れないで下さいと、泣いて縋るのではなく、

忘れられないのです貴女が、と想い続け、自分だけが苦しみ抜いたのだ。

つらいさを奥深く胸に沈めて、花を追い、旅の空に暮らす日々を過ごした。

「願わくば 花の下にて 春死なむ
そのきさらぎの 望月のころ」

西行はその通りの人生を遂げた。

忘れて生きた方が楽なのに、忘れる事を選ばなかった。

馬鹿げてると思いますか?

けれど、

そんな西行を慕う人は少なくない。

2/3/2024, 7:07:07 AM

幼い頃、息を弾ませて他の誰でもない私の方へ駆けてくる幼馴染のことがとても好きだった。
 一つ年下の彼はいつも「おねえちゃん、おねえちゃん」と呼んできれいな花や石、お気に入りのおもちゃなどをプレゼントしてくれた。丸くぷっくりとした頬を真っ赤にしてコロコロと転がるように駆けよってくる姿がとてもかわいらしい。

 あれから数年、中学校の卒業式で彼から小さな青い花の花束をもらった。所々に同じ形の白い花も散りばめられていて流行り物に疎い彼なりにがんばって選んでくれたんだなとわかって嬉しかった。

「これね、幼馴染がくれたの。かわいいでしょ」

 親友に花束をみせて自慢した。きっと、かわいいとか幼馴染にしてはセンスがいいねとか、そういう感想が返ってくるだろうと思っていた。

「幼馴染くんがかわいそうでしょ。家帰ったらその花のこと調べときな」

 親友は心底呆れたような顔をしながら花の名前を教えてくれた。ついでに保存方法なんかも細かく伝授され、大切にしなさいと念を押された。
 写真撮影やら挨拶やらを終えて帰路につく。幼馴染は先に帰されてしまったから久しぶりに一人だ。
花束を掲げて空を仰ぐ。よく晴れた空の青とふわふわとした雲のようだ。

 ――そういえば今日は昔のように真っ赤な顔をしてたな

 幼馴染は何を想ってこの花を選んだんだろう。口下手なのは知っているけど、こんなにも遠回しな伝え方をするなんて思ってなかった。
本当はこの花も花言葉も知ってるよ。でもね、直接聞きたかったんだ。

「やっぱり、かわいそうなことしちゃったかな」


         【題:勿忘草(わすれなぐさ)】

2/3/2024, 6:40:17 AM

彼が亡くなって何年が経つだろう。
彼が亡くなった九月二十日の出来事は、今でも鮮明に覚えている。
九月二十日は私の誕生日。その日は彼と近所のデパートに行った。彼は生まれつき持病があって、一時間くらいのちょっとしたデートのつもりだった。だけど彼の持病が悪化してしまい歩いている途中、倒れてしまった。
彼が最後の力を振り絞って私に渡してくれたのはきれいに舗装がしてあった勿忘草の花だった。

2/3/2024, 6:31:18 AM

何か浮かんで書いてはそれを消して、また別のことを書く。

長々と書き連ねた文章、けれど、書きたい結末には辿り着けず。

消去。消去。消去。

支離滅裂な思考回路、滅茶苦茶な感情は、指先には伝わらない。

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言葉にすらなれない、ただの文字の羅列を消していく。

テーマ「勿忘草」

2/3/2024, 6:24:21 AM

「こんな花を残さなくても忘れはしないよ」
一面に咲く小さな白い花たちを見つめては涙が零れた
『勿忘草』2024,02,03

2/3/2024, 6:23:47 AM

「勿忘草」

君に伝えたかった言葉は、
今となってはもう伝えられないから。

いつかもう一度出会えるその時まで、
心の内に秘めておこう。


だから、どうか君も
私のことを忘れずに
居てください。

2/3/2024, 6:16:29 AM

お前が居なくなってから何年経っただろう
あの日のことは全て覚えている
 泣きそうになりながらも笑った顔
 震える声で紡がれた言葉
 私に触れたその冷たい掌
お前と過ごした日々の
その思い出の最期だ

お前が望むまでもなく
私が忘れることなど有り得はしない
だから安心するといい



2024/02/03_勿忘草  ー私を忘れないでー

2/3/2024, 6:13:15 AM

わすれなぐさ

もう二度と戻ってきてくれる事はないけれど
貴方を忘れたことは一度もない

もう一度人生が戻ればと何度も想う

どこかで生まれ変わり
健康で生きている事を願っています。

2/3/2024, 6:10:21 AM

わたしを

忘れないで。









そんなこと
言われたって

大事だったり
印象深かったり

大抵
何か
理由があれば

忘れない。





忘れないでいてほしい

なんて

ただの

エゴだ。





忘れるには

忘れるだけの

理由がある。



忘れてほしくなかったら

覚えていてほしかったら




ジブンで

何か

爪痕を

残さないとね。


#勿忘草

2/3/2024, 6:06:30 AM

貴方と私は釣り合わない。

「私の事は忘れてください。」

本当は忘れてなんか欲しくないのに、また私は嘘をついた。

もしあの時…素直に頷いていたならば、貴方の隣に今もいられたのかな…

今日もまた、道端にひっそりと勿忘草が咲いている。

2/3/2024, 6:05:22 AM

「どうしたの、この花」

見慣れた部屋の中
部屋の隅っこから新鮮な気配を感じたと思えば、
そこには春らしい小さなブーケが飾ってあった

「特に何も無いけれどお花屋さんの前を通って、
素敵だなと思ったから」

「確かに素敵だね。どうもありがとう」

切り花は好きだ
人工的に摘み取られて
もう時期途絶える命だからこそ
咲いている間の美しさは他に類を見ないと思う

近づいてその春の空気を観察すると、
ガーベラ、すずらん、フリージア、
色とりどりの花々の中にひっそりと息づいた
懐かしい気配に気がついてしまった

「この水色の、小ぶりな花、可愛いよね
名前なんて言うんだろう」

「……なんだっけ、忘れちゃった」

「お花屋さんが教えてくれたはずなんだけど、
なんだっけ、花言葉がちょっとロマンチックなやつ」

私は黙ってその花を見つめていた
今を見つめながら同時に自分の過去も見つめていた

そして記憶の中の彼女に
こんな事をしなくてもあなたを忘れることは無いよと優しく告げてみたが、
その後の数週間ずっと
勿忘草だけが枯れることを忘れたように咲き乱れていた

2/3/2024, 6:00:12 AM

【勿忘草(わすれなぐさ)】

 川縁に降りると、丈の低い草に混ざって、勿忘草が咲いていた。他に花を付ける草はなく、青く可憐な花弁はよく目立った。
「あの絵と同じだ」
 思わず摘もうとして、すぐに手を引っ込めた。――星系ユニオン律第三二〇七条、未開拓星の生命体をもとの位置から移動させたり持ち帰ったりしてはならない。
「未開拓星、か」
 星系ユニオンに未開拓星として登録されているこの地球は、我が一族にとっては故郷とも呼べる星だ。かつては陸地の大部分が開拓され、百億もの地球人が住んでいた。しかし、巨大隕石の衝突により、人間の居住に相応しい星ではなくなってしまった。生き残った地球人は星系ユニオンによって救出され、他の生命居住可能星に散らばった。一回り小さくなった地球は、星系ユニオンの再生プログラムにより、四千年かけてようやく、かつての面影を取り戻しつつある。私は居住環境調査員として、地球に派遣されたのだ。この足を再び地球に付けることは、我が一族の悲願だった。
 とはいえ、私はケンタウリで生まれ、エンケラドゥスで育ったから、思い出の中に地球はない。私が知っている地球は、星系ユニオンの地球再生プログラムの中にある記録だけだ。
「花とて、なにも覚えていないだろう」
 現地球換算で四千年もの時が経ったのだ。我が一族の祖が住んでいたころの地球など、花の記臆細胞からも抽出できないだろう。
「だが、星そのものは残っている」
 川岸を見渡せば、先遣の無人機が送ってくれた立体映像そのものの光景が広がっている。それだけで、この星に奇妙な懐かしさを覚えてしまう。
「そして、勿忘草も残っている」
 地球には数多の愛らしい植物があるが、この青く可憐な花を咲かせる草にだけ、私は特別な親しみを抱いていた。我が一族には、〈本〉という地球の希少遺物が代々伝わっている。その〈本〉に挟まれた〈栞〉に描かれていたのが、この花だった。花の名前も添えられていた。「forget me not」。一族の祖の言語では、勿忘草(わすれなぐさ)、と言う。
 地球人迫害の歴史もあった中で、その〈本〉と〈栞〉は我が一族にひっそりと受け継がれ、私をこの星まで、そしてこの花のもとまで導くに至った。「私を忘れないで」と訴える青い小さな花、その本物を見てみたいというのが、私の密やかな悲願だったのだ。
「地球や花に忘れられたとしても、私たちが忘れずにいれば、繋がるものだな」
 歴史の惨禍の中で〈本〉と〈栞〉が失われていれば、あるいは我が一族の誰かが失われていれば、私はこの星に降り立ってはいなかっただろう。星系人種の中で地球人の末裔として残っているのは、いまや我が一族だけだ。〈本〉と〈栞〉に記された言葉が我々を地球人の末裔として証明し続け、そして、一族の悲願に縛り続けてもいた。
「思えばこの花の言葉は、我が一族にかけられた呪いのようなものだったな」
 地球人の血を継ぐことにこだわるあまり、我が一族は古いしきたりに囚われ、どんどん弱っていった。無茶なコールドスリープも繰り返した。そして最後に、私だけが生き残った。
 私は川縁の勿忘草の横に腰をおろした。亜空間バッグを開き、こっそり持参していた〈本〉を取り出す。〈本〉を開くと、真っ先に〈栞〉が顔を出す。
 誰がどんな思いでこの〈栞〉の絵を描き、〈本〉に挟んだのか。そんな事情は伝わっていない。〈本〉を〈読む〉という技術も、絶えている。しかしここに〈本〉があり、〈栞〉がある。地球があり、勿忘草が咲き、傍に最後の地球人が座っている。それだけで、なにもかもが充分なように思えた。
「あっ」
 ふいに風が吹きつけ、〈栞〉を攫った。花弁のように薄い〈栞〉は宙を舞い、ひらひらと川の上に落ちた。川の流れは早く、〈栞〉はあっという間に下流へと消えてしまった。
「……星系ユニオン律第三二〇六条、未開拓星に持ち込み品を残留させてはならない」
 この失態は、ケアレスレポートとして半永久的に星系ユニオンに残るだろう。私は〈本〉を亜空間バッグにしまいこむと、ため息とともに立ち上がった。失ったものの大きさの割には、心は軽く、地球に降り立ったときと同じぐらいに弾んでいた。
 次の調査場所を求めて歩き出す。この星に新しい人間たちが住み着く日まで、もうすぐだ。

2/3/2024, 5:51:13 AM

『勿忘草』

今までありがとう。元気でね。
そう言って僕の前からいなくなった彼女から半年後に手紙が届いた。そこには何も書かれていない白い紙が1枚と、一輪の勿忘草が入っていた。

『嘘をついて君の前からいなくなってごめんね。本当のことを言う勇気が無かったんだ』
    ______やまとゆう

2/3/2024, 5:32:25 AM

勿忘草(わすれなぐさ)

小さく寄り集まって 咲いている花を
お花屋さんで見つけた。

何て言う花ですか? と店員さんに
聞いたら 勿忘草です と言う答えが
返って来た。

勿忘草?聞いた事は、あるが あまり
身近に見掛ける花かと聞かれれば
多分 私は、首を振って否定を返すだろう
この小さい花弁が勿忘草と言う花だとは、
私は気付かないからだ。

見ると色も ブルー ピンク ホワイトと
三色あった。

店員さんは、嬉しそうに私の顔を見て
勿忘草の花言葉も教えてくれた。

花言葉は、色によって それぞれ違うらしい....

【勿忘草の花言葉】

ブルー 真実の愛 誠の愛

ピンク 真実の友情

ホワイト 私を忘れないで らしい...

私は、何となく その三色から
ホワイトの勿忘草を買った

勿忘草の名前と花言葉が何となく近い感じがして らしいと思ったから

後でその事を 恋人に話したら
君らしいね と笑われた。

私を忘れないで

いつか私が 皺くちゃのおばあちゃんに
なって 亡くなっても ふとした時に
私を思い出して 心に留めてくれます様に
なんて事を思ってわざわざ買った訳では
無いけど
貴方なら私が皺だらけのおばあちゃんに
なっても 最期まで愛してくれる...

それだけは、確信を持って思えるから

だから私は、ホワイトの勿忘草を
二人で鑑賞できる 窓辺の台の上に花瓶に
入れて置いた。

私を忘れないで もちろん私も貴方の事を
最期まで愛してる....。

2/3/2024, 5:14:24 AM

あなたのことを忘れない。
 
 そう思うのは簡単だ。
 誓って、胸に刻んで。そうすればこれからもあなたと共に生きていけるから。
 それでも残酷な時の流れは、心の形を変えていく。
 永劫変わらぬと信じた愛も、痛みも、濁流に押し流されて。過ぎゆく年月に呑み込まれ、泡沫の中に溶けていく。

 忘れぬはずのあなたを、思い出すことが増えていく。
 思い出すことも、難しくなっていく。
  

 そうして散った誓いの数だけ、この花は咲くのだろう。
 
 青紫の花弁は記す。
 誓いがいつしか夢と消えても、忘れまいと願った事実は変わらない。


【勿忘草】

2/3/2024, 5:10:59 AM

「君のこと、忘れないから」

そう言い残して勿忘草を一輪渡して去って行った彼氏。

次の日には、連絡が取れなくなっていた。
それまでケンカ一つしないで仲良く話していたのに。

私はショックすぎて、怒りと、悲しみと絶望と苦しい気持ちに苛まれていた。

あれから三ヶ月。
全然心の痛みは和らがない。

あれから、もらった花の花言葉を調べてみた。

私を忘れないで、と真実の愛、という複数の意味があるらしい。

忘れないで、なら、別れても忘れないでね、という意味かなと思うし、真実の愛、なら待っていてという意味ともワンチャン捉えられる。


でも、連絡つかない時点で、もう終わりなんだろうな、と、私は諦めのため息をついた。



ピンポーン、ピンポーン

その時、チャイムが、けたたましく連打された。
私が玄関に行くと、当の元彼?がそこに立っていた。

「ごめん!まさか届かないなんて・・・僕のこと忘れてない?他に彼氏とかできてないよね?!」

彼氏は、私が扉を開いた瞬間に私を抱きしめてそう言う。

「は・・・?生憎あなたに振られたショックで彼氏なんて作れる状況じゃなかったわよ」

「違うよ、僕は振ってなんてない!」

彼氏の声が大きくなり、マンションに響きそうだ。私は彼氏に玄関に入るように言う。

「ごめん、興奮して・・・。急に会社から海外へ短期出張が入って・・・。君と離れたくないし、君に会ったら離れたくないって泣き言言いそうだから、一言だけ告げて、後は手紙に出張のことと、連絡先とか書いていたんだよ。会社から携帯支給されてたから、普段の携帯は契約休止してて・・・」

「えっ・・・?手紙?届いてないよ」

私は彼氏の言葉にびっくりして問い返す。

「そうだよ、今帰ってきてびっくりしたよ!僕のポストに君に送ったはずの手紙が戻ってきてるんだもの!!道理で君から連絡こなかったはずだよ。てっきり君に嫌われてしまったと思って、僕も連絡できなかった・・・」

「紛らわしいのよ!今までどれだけ悩んだと思ってるのっ!」

「本当にごめん、だけど、君に話すの辛くて、本当に好きだから離れたくなかったんだ・・・許してくれる?」

彼氏は私を抱きしめた。私は混乱する気持ちと、やっぱり彼氏のことが好きだという気持ちをいだいていた。

「・・・今まで辛かったけど、あなたのことはずっと好きだった。だから、許すしかないみたい」

私の言葉を、聞いて、彼氏は何度もありがとう、と抱きしめる。



「ちなみに、あの勿忘草の意味ってなんだったの?」

その後、家で、2人でお茶を飲んでいる時に私は聞いてみた。

「もちろん、永遠の愛、だよ」


彼氏の言葉に、私はせめてあの時言葉で言ってくれれば良かったのに・・・と思う。

「でも、今度出張の時はそんなことにならないように誓うよ。その時は君も連れて行くから」

「えっ、それって・・・」

私が質問しようとすると、その言葉は彼氏の優しいキスで塞がれてしまった。

2/3/2024, 5:10:36 AM

貴方には忘れられない人や物はある?
私にはあるよ。君にもあるはず。
心の整理がついたし、君に隠し事なんて通用しないのは知ってたさ。
そんなつもりはなかったけど、不安にさせたならごめんね。

この刀……“降斬”は、多くの人の手を介し、私の手元にある。前の持ち主は、私の大切な人だった。うん、今はいないんだ。
私だから“降斬”を託すと言って……駄目、忘れてはいけない、私が忘れてしまったら……彼が消えてしまう

ごめんね……まだ本当は夢に見るほど苦しくて、審神者としての力でまた彼に会えないかって考えてしまうんだ

わかってるよ、間違っているって
それでも、わたしは……

ずっと辛かったがじゃろう。わしらに気ぃ遣うてそがなところを見せんようにしちょった。今度こそ守ると決めたのに、逆に危険に晒して……兆しはあったはずながに、気付けざった己に腹が立って、げに申し訳なかった。

げにすまざった。忘れろ、なんて無責任なことは言えん。大切な人を喪う悲しみ、誰からも忘れ去られる苦しみは簡単には癒せん。痛いばあわかるぜよ。
あぁ、わしゃどこにもいかんぜよ。よう頑張ったねや……泣くがを我慢する必要はないきな。
ここにはわししかおらんし、誰にも言わんき。

おんしとなら、気が狂うほどの永い時間を生きられるき。


『遺された者たち』

2/3/2024, 4:48:42 AM

「3月から6月頃の開花とされる花らしいが……?」
6月上旬「あじさい」、12月に「イブの夜」、
季節ごと、年中行事ごとのお題配信に定評のあるアプリとしては、少々季節を先取った印象。
あるいは温暖な九州等なら、咲いているのだろうか。某所在住物書きは誕生花検索サイトを確認しながら、同名カタカナ表記のフリーBGMを試聴している。

花言葉を持つ花ならば、それに絡めて物語をひとつ、想像することは可能である。
たとえば前回投稿分登場、謎の子供が勿忘草の精霊だったとか。誰かに忘れられてしまったのが悲しくて泣いていたのだとか。 あら少しエモい。
「どうしたもんかね……」
物書きは今日もため息を吐く。

――――――

勿忘草【ワスレナグサ・ワスルナグサ】
ムラサキ科 ワスレナグサ属

ムラサキ科ワスレナグサ属の総称。または、ワスレナグサ属の中の一種、シンワスレナグサをさす。
国内自生のエゾワスレナグサを除き、外来種。
耐寒性に優れるが、暑さに弱いため、日本は冷涼地でのみ、夏を越すことができる。
日本において、薬用の利用は確認されていないが、ヨーロッパではかつて、ワスレナグサは喘息や慢性気管支炎等、呼吸器疾患に効くとされ、
民間療法としてシロップ、鎮咳去痰薬に加工された。

後に肝障害・発がん性があるとされる、ピロリジンアルカロイドが含まれていることが判明し、
薬効利用については、忘れ去られていった。

主な花言葉:友情 思い出 私を忘れないで
参考:コンフリー(類似の背景を持つ。かつて日本で食用にされていた)
   ムラサキ(ピロリジンアルカロイドを持つが、生薬、化粧品、美容、石鹸等々現在も活躍の場多数)


――「先輩食べたことある?」
「なにを」
「どっちでも。ワスレナグサでもコンフリーでも」
「食べたことはない」

「食べたこと『は』?」

土曜のお昼、長いこと一緒に仕事してる職場の先輩の、アパートの一室。
お互いの生活費節約術として、私が食材やら現金やらを5:5の割り勘想定で先輩の部屋に持ち込んで、
それを受け取った先輩が、2人分のランチだのディナーだのを、まとめて作ってシェアしてくれる。
今日はフリーズドライスープを流用した、半額カット野菜と鶏手羽元のB級品のコンソメ鍋。
お肉食べて、スイーツに甘酒生チョコ貰って、お茶を飲みながら先輩の部屋の、お花の辞典を読んでた。

ワスレナグサだって。コンフリーだって。
昔々食べられたり、使われたりしてた、でも今は食べたり使われたりすることがなくなった、
なんならそういう過去すら忘れられちゃっただろう、花のハナシだってさ。

「忘れるものか。コンフリーの花の蜜」
ランチで使って、洗い終わった鍋とかオタマとかを拭きながら、先輩が言った。
「まだガキの頃、故郷の雪国。
コンフリーも、ワスレナグサと同じムラサキ科だ。春から夏にかけて、あちこちで花を咲かせて。散歩の途中に花を摘んで蜜を吸ったのが、昔々の思い出だ」

それをいつぞや、親友の宇曽野のやつに話したら、「俺も吸ってみたい」だとさ。
厚労省のページにも、「肝障害報告アリ」、「摂取は控えるように」とあるのに。
忘れるものか。先輩はそう付け足すと、どこか遠い所に視線を置いて、穏やかなため息をひとつ吐いた。
花と山野草溢れる雪国。優しい風吹く青空の下で花を摘むのは、きっと、美しい思い出だと思う。
……。 ん?

「先輩、肝障害の報告がある花の蜜、いっぱい?」
「それはもう。どっさり。大量に」
「ぶじ? なんともない? 脂肪肝?」
「私の肝機能はいたって正常だし、脂肪肝とワスレナグサやコンフリーは多分関係無い」

「先輩死んじゃヤダ」
「勝手に私を病弱にするな」

あーだこーだ、云々。 あれこれ話して、私がその都度心配して、今日のお昼がゆっくり過ぎていく。
食べ方使い方を忘れられた「忘れないで」の花の話。
最終的に、豆知識をひとつ覚えて、それで終わった。
ワスレナグサと同じムラサキ科の中には、「オイスターリーフ」なんていう美味しそうな名前の花があるとか、ないとか。 ちゃんちゃん。

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