『初恋の日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ふと見ると、隣の席で彼が笑っていた。視線の先にはカレンダー。今日の日付けの部分には何も書かれていないようだ。
「どうしたの? 何かいいことあった?」
思わず話しかけてしまう。それくらい、彼は幸せそうに笑っていたから。
「え? ああ、えへへ……すみません、ただの思い出し笑いです……」
声をかけられると思っていなかったみたいで、彼は少し目を丸くしたあと、困ったように眉を下げた笑顔に変えた。どちらの笑顔も素敵だと思う。
「思い出し笑い……どんなことを思い出してたの?」
「ふふ……それは秘密、です」
「ええ、教えてくれないの!」
「いくらあなたでも、教えられません……ふふ……!」
柔らかな口調で、優しく拒否される。不思議と嫌な気持ちは湧かなかった。ただ、この世のどこかには彼の「思い出し笑いの真相」を知れる人がいるのかと思ったら、ほんの、ほんの少しだけ、切なくなる。
■
(去年の今ごろ、ぼくはあなたに出会ったんです。)
【初恋の日】
渚、今日の夕飯何なんだよ?
私は、幼い頃に母を亡くしたため姉の渚と父と3人で暮らしている。父はいつも帰り10時過ぎていて夜が遅い。私は望という中学生である。姉は、高校2年生で渚。明日、こんな恋💗になるなんて思ってもいなかった。
「俺と付き合ってくださいっ!」
君に告白された時、私はまだ君のことが好きじゃなかった。
「…喜んで」
それでも周りの友達がしている恋というものを知りたくて、私は君の告白を笑顔で受け取った。
「明日帰り道デートしない?」
「君が好きそうだと思って買ったんだ。受け取ってもらえるかな?」
「教えてもらった漫画面白かったよ!続き楽しみだね!」
「ねぇ…キス、してもいい?」
君と恋人になってから日常の小さな出来事が宝石みたいにキラキラと輝いていった。触れるだけの口づけをした後の君のはにかんだ顔が愛おしくて、あぁこれが恋なんだなって気がついた。
「最近なんだか楽しそうだね?」
恋を自覚してからは毎日が幸せでいっぱいだった。好きになった人がすでに恋人だなんて奇跡だと思った。友達に指摘されるくらい私は浮かれていた。
「ごめん…他に好きな人ができたんだ。別れてくれないかな…?」
けれども恋愛の神様は私が好きでもないのに告白を受けたことが許せなかったみたい。君の心はいつの間にか私から離れていった。
「うん、分かったよ。今までありがとう」
最後まで君に嫌われたくなくて、作り物の笑顔を被って頷いた。ホッとしたように笑う君にズキズキと胸が痛む。
「ばいばい」
これ以上君の言葉を聞きたくなくて、私から別れを告げてその場を立ち去る。行き先も決めずに歩き続けて、君の姿が完全に見えなくなったころ堪えきれない涙が両目から流れ落ちた。
「うわぁぁん…っ!!」
君が大好きな気持ちが嗚咽と共に口から吐き出される。泣いて泣いて泣き尽くして、声が枯れるまで叫んだ。
初恋はやっぱり実らないんだね。
輝いていた世界が一瞬でモノクロに染まった。
一瞬思考が停止した
驚いたけど何か腑に落ちたというか
不思議な気分だった
気づくとあの人を目で追っていて
話す時は少しだけど緊張した
これが恋だと後で知った
叶わなくたっていい
この想いは僕の中だけで留めておけば
*初恋の日
海辺を通るバスの中、夕陽が水に溶け込むのを見て、ふと初恋の日を思い出す。
私の初恋は、幼稚園の頃だった。いや、今となってはあれが恋なのかすらわからない。もしかすると、ただ家が近いのが珍しくて、その希少性からくる親近感のような好意、だったのかもしれない。あるいは、周りの子達は今考えるとかなりませていたようで、私の曖昧な気持ちを恋だと思い応援されていたことによる勘違いかもしれない。
それでも、少なくとも相手のことは友達として好きだったことは間違いない。園では無口だけど、家で遊んだ時は普通に笑うし普通に喋る。そんなギャップが、幼いながらに可愛いとでも思っていたのだろう。
そんな可愛らしい恋をしていた私も、成長するにつれてその心を失ってしまった。小中高全てで恋はしていたはずなのだが、その全ての結末は「恋とは何か」で失恋。
「恋」はどんな感覚なのかわからず、長い間迷走している。そして、今日も。
あの頃の純粋な恋心は、あそこに沈みゆく太陽のように消えてしまった。それでもいつかは昇ってくると信じて、今日もまた、帰路に着く。
もう好きと伝えたいあなたはどこにもいない
#初恋の日
#24「初恋の日」
小学3年生の始業式
クラスメイトも一新し新しい日々が始まった
席替えするまでは出席番号順に座ることになっている
忘れ物が酷い僕は持ち物の色鉛筆を忘れた
お隣に座る女の子に借りることにした
「ごめん、色鉛筆忘れたから貸してくれる?」
女の子は少し驚いた様な顔をして直ぐに
「あ、えっと、いいよ。はい、どうぞ」
その日からなにか忘れる度に女の子に借りていた
いつの間にか親友と呼べるくらいまで仲良くなっていた
ある日、お礼を改めて言っておこうと思い
「忘れ物酷くてごめんね」
と彼女に謝ったところ、彼女はこう言った
「始業式からずっと貸してるかもね(笑)」
と笑いながら返事をしてくれた。そして
「でもそれが藍(らん)らしいよ」
と笑顔で返してくれた
そんな君に、僕は惚れてしまったんだ
初恋は、小学一年生です。私の町は小さくて小中合同の運動会でした。
運動会の練習、徒競走をビリで走り抜けたあと、凹んで歩いていると、中3の男の子が頭をポン。
その時初めて誰かに認められたような、頑張りが評価されたような気持ちになりました。
そしてその人を練習中にいつも追いかけている自分がいて。
男の子の名前はゆうやくん。
小さい中学ながら、目立つ存在の人でした。
メガネをかけていて勉強もできてスポーツも出来た。その人はりょう君という、これまたかっこいい男の子と親友でいつも一緒。
りょうくん派?ゆうやくん派?と言うのは、女子の定番の話でした笑
私は恥ずかしくて、聞かれると小さい声で、どっちでも無い…。なんてウソを言ってしまっていました。
でも本当はゆうやくんの笑った顔にドキドキしっぱなし笑
家に帰って、全校生徒の集合写真があり、その中にゆうやくんがいるでは無いですか!
私はそっとゆうやくんの写真にキスをしたのでした。恥ずかしいー!笑
初恋は実りませんが、淡い可愛い私の記憶です。
初恋の日
今日は初めて人を好きになった日だ
ちょっと最悪なのかもしれない
だって、
初恋は
初恋の相手は
五条さんだから
「五条さん……」
「んー?」
「今は忙しいですか?」
「まぁねー」
「……好きです」
「え?!!、ろ、ろん、か」
「あ、」
心のなかで思っていることが
表に出た
「今のは忘れてください、では」
やばいやばいやばいやばい…
まずいな……////
すると
五条が手首を掴んできて
「忘れるわけ、無いじゃん」
「いや、ほんと間違えただけで、その…」
すると五条は
口にキスをしてきた
「ん♡」
「僕もさ、ずーっとろんかのことが大好きでたまらなかった、でもさ、今は両思いってことに気づけたから、もっとしよう?」
「は、い//」
嗚呼
もっと
好きになってしまう
そんな感情が芽生えた
世界中が、自分だけきれいになったにおいがしたんです。足許は跳ねる音がして。そこから、もわっとしたにおい。
音が変わったんです。
においが誘ってきて、くいくいっと顔を上に向かせるような。とてもすてきだと思いましてね、けれど爆弾だったらどうしようと。ふふ、思ったんです。
そう言いながらきみはカップを置いた。
カツンカツン、とフォークの先が探しもの。ぼくが教えるまでもなくすぐに見つけて、拾い上げてぱくり。
はじめて食べました、って。
きゃー! なんて。
そんなに食べたかったの。
「おいしいですねぇ…、食べたらなくなってしまうのがもったいない」
「食べてくれないとかなしいの」
「えぇもちろん、残さず、あなたに一欠片もあげません」
「味見もさせてくれなかった」
「一口目はわたくしがほしかったんです。正解でした」
「別にいいけど」
その代わり味を教えてあげますって、お口が活き活きするの。お手々もひらひら踊ってたのしそう。
まず、フォークの先が小さくサクッと入り込んでふわふわなメレンゲをかき分けるんです。そうしたら少し重たい感触。ぐぐっと力を入れると、タルトとは違う軽いけれど硬い底。
パキッという感じで割れてフォークから逃げようとするんですよ。
底がいちばん最初に口に入るんです。
パイ生地の空気を含んだようなたのしい食感がして、そうしたら、キュッと口の中が引き締まるように涼しい酸味。その中にも甘さがあって、……レモンカードと言うんですね! ふふ、新しいような懐かしいような響きがすてきです。
甘酸っぱさに浸っていれば、滑るように溶けてゆく緩やかな口溶け。
一口食べて。
紅茶との相性もいいんです。砂糖を入れずに、ストレート。きっと、濃いめに淹れてミルクティーにしても合うのでしょうね。
でも、わたくしはストレート派です。
「はぁ…おいしいです」
しみじみ呟いて。すっごいしあわせそうなお顔。なんだか、まるで――――、
「……きみってば、恋してるみたい」
「ん、ふふ、そうですか? そうですね、初恋ですね」
「は」
「言いますでしょう? 初恋の味は甘酸っぱい、と。いま、それと同じ体験をしているんですよ、わたくし」
最後の一口を食べて、ふわって笑うの。
瞼が開いていればきっとウィンクをしてたと思うの。パチンって、お茶目な。
そんな仕草がよく似合いそうな雰囲気で微笑むの。
そんなふうに思われてる、手許にあった――いまは姿かたちはすっかりきみのものだけれど、それにちょっとジェラシー。
まあ、いいけれど。
ぼくは目で味わう初恋もあるって知ってるから。ちょっと優越感。
「ん、よかった。またつくったげる」
「ふふ、いいえ」
きちんと口許を整えて。
「初恋の味は一度きりですもの。二回目の本や映画は記憶を消したい、と言うでしょう?」
「そうかも」
「ですから、今日が最初で最後なんですよ。次があるとするなら、また、別の味ですね」
「おなじものでも?」
初恋なのに次があるの…って。
するときみは得意げに口角を上げて、
「ええ。わたくし、毎日初恋していますもの」
って言うの。
#初恋の日
💠『ハルジオンを想う』
白い背の高い花
一目惚れだった
春には道端に咲いて
いつだったか
あのきみを探している
口にしても届かない
あのきみが好きだ
他のハルジオンではなくて
あのきみが好きだ
ありきたりな言葉が
風音に消える
心の通わない
虚しさが心地よくて
何度もきみを想う
偽月かげる✨
💠🤍💠🤍💠🤍💠🤍💠🤍💠
汚れた雑巾
私は仲良くしている男子がいた。そのことはよく一緒にいて、掃除場所も近かった。だから掃除中に一緒によく遊んでいた。その子のことを意識し始めたきっかけは掃除の時たまたまその男子が投げた雑巾がわたしの顔面に直撃!!
私はすごくいきなりのことだったのでびっくりした。その時、その男の子はごめんね、と言いながら私の頭をポンポンと撫でてきた。あの時私はすごく変な気持ちになった。ドキドキして頭の中が真っ白になってどう反論したらいいのか分からなかった。今思うとその事件がきっかけで恋に発展したんだなと思う。初恋の日の思い出の事件だったな。今はこの事件に感謝している。この出来事が起きてなかったら、彼を好きになっていなかったかもしれない。その出来事がきっかけで私は初めて彼氏を作ることができた。その彼は今の私の旦那でもある。子供が3人もでき、みんなスクスクと元気に育ち私は今すごく幸せだ。あの時雑巾がぶつかって本当に良かったと心から思える。運命が動き出し、幸せへと導いてくれたあの汚い雑巾。雑巾が運命の人と出会わせてくれた。ありがと。あの雑巾。
本日のお題『初恋の日』
あなたの姿を初めて見たとき
世界が輝いて見えました
あなたの声を初めて聞いたとき
世界が輝いて見えました
これが初恋というのでしょうか
私は恋しているのでしょうか
それから
あなたの姿を見るたびに
私の身体はおかしくなって
あなたの声を聞くたびに
私の心はおかしくなって
あなたのことばかり考えて
あなたの好みばかり考えて
これが初恋というのでしょうか
私は恋しているのでしょうか
21初恋の日
初恋の電車が引退するので、その姿を一目見に来た。
比喩じゃない。私は電車に恋をしていた。
柔らかさと鋭さを兼ね備えた流線型のボディ、晴れた日の海みたいな深い青。ちょっと甘えん坊にも見える丸い窓。
見た目だけじゃなく乗り心地もだ。シートピッチも角度も、揺られているときの幸福感も。何もかも最高だった。
引退セレモニーは粛々と進んでいく。
私の初恋の相手は、大きな湾をぐるりとすすんで、そのままもう戻らない。
今日は快晴だ。晴れてよかったな。鼻をすすると、駅のすすけた匂いと、微かな潮の香りがした。
初恋の日。
それはどれだけ年月が経っても
どれだけ新しい恋が目覚めたとしても
一生に1回の初恋だから。
忘れることなんてきっとない。
初恋の日
ある夏
君と僕は海で出会った
太陽が水面に反射して
よく見えなかった
でも、これだけはわかった
とても綺麗
海が似合う
一目惚れをした
いままで恋に興味がなかった僕
これが恋
とっても嬉しかった
君が僕の初恋の人でよかった
それから僕は
毎日海に通った
今日は
今日こそは
話しかけてみようかな
大好きだよ
そう叫んだら、空へと飛び立ってしまった
〈解説〉
主人公が恋をしたのは、真っ白な白鳥
初恋要素すくないな…
〈初恋の日〉
「初恋の日らしいよ」
差し出された花束には雫がついていた
ー
男の視線は落ち着きなく
手に持った花束と私の顔を行き来する
「今日の朝、ニュースで聞いてさ。
花屋の前、通っても書いてあって……
俺、花束とか買うの初めてでさ。
よく分かんなくってオススメで頼んじゃったんだけど、こういうの好きだった?」
ピンクのガーベラの後、
男に視線を移すと
その耳はガーベラよりも染まっていた
熱っぽく潤んだ瞳と目が合う
安っぽい漆黒は
らんらんと輝いていて、
私の言葉を期待しているのが透けて見える
私はこういうのが大嫌いだ
初恋とか、愛情とか、
夢みたいに綺麗なものが
本当にこの世に存在していて
かつ、自分がそれを与えたり、
享受できると信じてやまない愚かさが
私はできる限り綺麗な表情作って感謝を述べた
すると男は嬉しそうに頷き
あろうことか、
望んでもいない
私に対する自分の気持ちを吐露し始めた
その声を聞き流しながら、
私はじぃっとピンクのガーベラを見つめていた
ガーベラの中心、
黒目からほろりと
露がこぼれるのを私は見逃さなかった
テーマ『初恋の日』
彼女と一緒に居ることは僕にとって『あたりまえ』だった。
家族ぐるみの付き合いで、赤ちゃんの頃から遊んでいた僕らは小学生になってもずっと一緒で。
だけど小学生高学年にもなれば自然と異性である僕らは離れて行き、中学生になった頃には殆ど疎遠になった。
進学先の高校は別。同じ学校であるという縁さえも完全に途切れ、今ではただのお隣さん。学校が違えば登校時間も違って顔も合わせることも無くなった。
そうして高校も大学もどこか空虚な学生生活を過ごした後、僕は社会人となり社畜のように働き始める。
そんなある日、友人が開催した合コンで偶然にも彼女の再び出会う。
大人になった彼女は昔より何倍も綺麗で、何倍も賢くて。それでも昔と変わらない所もある。そんな彼女と過ごす時間は、子供の頃の『あたりまえ』を取り戻したようで。
いつの間にか『あたりまえ』の様に一緒になった僕達は、『あたりまえ』の様に結婚し、『あたりまえ』のように子供を成し、『あたりまえ』の様に数十年の時を旅した。
そして遂に訪れる、寿命という名の最後のお別れ。男より女の方が寿命が長いと聞くが、僕達の場合は逆のようで。
僕は沢山の家族に見守られながら永遠の安らぎに着こうとする彼女の手を握る。
その手は僕と同じように昔からは想像出来ないほど萎れていて、だけど僕や子供達の面倒を見続けた立派な母の手で。
今更ながらに僕は気がつく。彼女は僕にとって『幸せ』であり、『強さ』であり、『自分自身』であり、何よりも『あたりまえ』だった事に。
生まれてから何十年の『あたりまえ』が『あたりまえ』では無かったことに。
僕は命の音がどんどんと小さくなっていく彼女に最後の言葉を渡す。
───ありがとう。愛してる。
初恋の日
それはたったの3週間前の入学式。
席が隣で。
私の机からシャープペンが落ちた。
拾おうととした瞬間、彼の手と私の手が重なった。
その瞬間、
好き
そう思った。
【初恋した日】
君に初恋した日は、友達に知らされたとき_。
次の日から、普通の自分じゃなくなるの。
今まで、どうやって接してきたっけ。
昨日までの自分が居なくなってしまった。
こんな恋、初めてです。
君に出会えて良かったのか良くなかったのか。
未だに、よく解ってない。