キャンドル』の作文集

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キャンドル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/20/2023, 5:52:44 AM

キャンドル

ゆらゆらと心地よい雰囲気を保ったひとつの火が、ほんのりと香る匂いと、明かりを消した部屋の中で淡々と、だけど目を惹かれるように佇んでいる。澄み切った空間に身を任せてみた。それまで雲に隠れていた強くも麗しい月の光が差し込み、はっと我に帰る。ふと目をキャンドルへやると、炎は消えていた。

11/20/2023, 5:51:44 AM

いのちの数を灯す。お前が吹き消す。祝福に紛れて死神の高笑いが聴こえる。年齢分吹き消される蝋燭の数、その寿命年数分、それから+一本分の蝋燭が与えられている。ただの一本を吹き消す権利はお前にはない。ただの一本はいまこの瞬間も灯りゆるく輝いている。燃えている。あのひかりをお前が見ることはない。わたしが見ているあのひかりがお前に届くことはない。「近くで見て良いか」と、死神に乞う。いま我々の足元を照らすひかりの元は誰かの蝋燭だろうか。どうもよく見えない。お前の蝋燭だけがはっきり見える。死神は笑う。「それがお前の願いか?」顔など見えないがはっきり笑っているのが私には分かる。あの日蝋燭を吹き消して笑ったお前の顔を思い出す。ハッピー、ハッピーバースデー。私の祝福の声など届かなくても結構。

11/20/2023, 5:43:23 AM

キャンドルの火は、どこか頼りない。

そんな頼りなさだから、見る人を癒やすのだろうと思う。
ただ揺らめいて火をだしているだけで、癒やすことが出来るなんて、なんて羨ましいのだろう……。

私は、彼の事を支えることが出来なかった。
出来なかったから、彼は、彼を支えることが、出来る人のところに行ってしまった。

………ずるい。

私だって、ホントは誰かに支えられたかった。彼の事を一生懸命支えていた私を、誰かに肯定してほしかった。
でも、誰も居なかったから私は一人で踏ん張っていたというのに……。

……本当に狡い。
……本当に馬鹿みたい。


もう、私と彼は終わっていた。

関係なんて、崩れてた……。
しがみついても、雪崩みたいに、掴んでは崩れて、掴んでは崩れていく。

私も、もう終わりにしよう。

これで、おしまい。


私はこれから、友達に誘われた合コンに人数合わせで参加する。
素敵な出会い、………なんてまったく気にしていないけれど異性の友達ができたら良いなと思っている。

さよなら、狡い人。
さよなら、最低な人。

さよなら、………愛していた人。

11/20/2023, 5:11:19 AM

蝋で固めて私を愛して

歪んでいても
熱していても
私は貴方を受け入れる

共に歪み
貴方を熱く愛しましょう

揺らめく蝋は美しく輝くのです

11/20/2023, 4:38:36 AM

丸テーブルで能天気にゆらりゆらりと火の揺れるキャンドルを2人の男女挟んで向き合っていた。

「ねぇ、私達ってこの揺れるキャンドルみたいじゃない?」

「急にどうしたんですか?」

 突如女がそんなことを言い出す。前に落ちてきた長い三つ編みを背中に投げながらそんな事を言った。驚いた男は目を見開いて彼女を見つめる。すると徐に、女が蝋燭の火を軽々と吹き消した。

「こんなふうに。吹き消したら簡単に吹き飛んでしまうような。そんな関係なんじゃないかと、偶に考えるの」

 彼女の言葉を聞いた彼は、はたと考え込む。そして手を1つ叩くと、キャンドルに再び火が灯る。

そう、ここは魔法と共存する世界なのである。

「確かに、脆い関係かもしれませんね。でも。こうやってまた火を灯せばいいではないですか」

 女は片眉をひそめ、彼を怪訝そうに再び見つめる。

「じゃあ。あなたがまた火を灯してくれるの?」

「はい、勿論。……でも、燃え尽きた場合はどうしましょう」

 今度は女が問われる番だ。

「簡単よ。新しいキャンドルを作ればいいじゃない」

そう言った彼女は、すでに燃え尽き、下に溜まっている溶けた蝋に指を突っ込む。静止する男の声を気にもせず、溶けた蝋のついた指を優しく一振りすれば、蝋が意思を持ったように動き出し、元ある形に戻っていく。

「溶けた蝋さえ残っていれば、また火を灯せるでしょう」

 男は心底むず痒そうにクビの後ろを掻く。

 なんて自己犠牲をするんだと。

「まぁ、そもそも溶け切るなんてことはないでしょうね。人生って長いんだし……それに、燃え尽きる前に、貴方は新しいキャンドルに変えてくれるじゃないの」

 -だから火は消えないのね-

「……あれ、元々なんの話してたんだっけ」

 済ませた顔でそんな事を言う女に、男はブランケットを女の肩にかけながら、微笑んで返した。

「私達の固い縁のお話ですよ。もっとも、少しドギマギはしましたが」

さぁ、そろそろ寝ましょう。そういって蝋燭を持って女を寝室に送り届けたあと、諸々の片付けをする彼は、ふとキャンドルを見つめる。

「私は火をつける事しかできません。溶けたキャンドルを戻す事は、貴女にしかできない」

 つまり、互いがいればあとはどうにでもなると言う事だ。彼女にあんな事を言われてどうしたものかと思ったが、丸く治ったようで。

 「さ、片付けも済んだ事ですし。私も夢の世界に向かいましょうか」

11/20/2023, 4:28:04 AM

「食用油とかツナ缶の油とか、そういうの利用した災害時のオイルキャンドルは、何度か平常時に練習してた方が、良いと個人的にゃ思う」
キャンドル。キャンドルと来たか。某所在住物書きは首筋をガリガリ、天井を見上げため息を吐いた。
そういえば今朝デカい地震が、たしか青森県東方沖を震源にして、マグニチュード5クラスの。
「麻紐より普通の自作ロウソクセットの芯使った方が安定した、とかさ。火が大きくなっちまった時に、テンパって水で消そうとしちゃダメとかさ……」
いや、当時は、俺の前髪の一部がチリチリアフロになっちまっただけで、済んだけどさ。物書きは再度ため息を吐く。

「……火がデカくなったキャンドルの消化は、天ぷら油の時みたいに、窒息消火、試してみようぜ」

――――――

最近最近の都内某所。某アパートの一室の、部屋の主を藤森といいますが、
その藤森の部屋には、茶葉を利用するジャパニーズアロマポット、別名「焙じ茶製造器」、
つまり、「茶香炉」という物がありました。
香炉の上に茶葉をのせ、茶葉の下にティーキャンドルを入れ、熱して焙じて出る香りは、
煎茶とも、抹茶とも違う、甘い、穏やかな香り。

藤森は茶香炉と、何年も連れ添ってきました。
茶香炉は藤森を、何年も見続けてきたのでした。

『緑茶で茶漬け?』
『なかなか美味いぞ。香ばしい風味で』
『りょくちゃが、こうばしい……?』
ある日茶香炉は藤森が、キリッと渋めの川根茶を、茶香炉で焙じて親友をもてなすのを見ました。
焦げ過ぎないよう混ぜながら熱を入れられたお茶っ葉は、焙じ茶のお茶漬けには良い頃合い。
『藤森おまえ、京都人だったっけ?』
やけどしないよう、タオルで茶っ葉の入れ皿をつかみ、急須に落として、お湯入れて。
パックご飯と梅干しと、塩昆布少々に海苔少々、それらが入ったお茶碗に、タパパトポポトポポ。
ぶぶ漬け云々、いや雪国出身云々。2人がお茶漬けを食べるのを、茶香炉はじっと見ておりました。

ゆらり、ゆらり。
茶香炉のキャンドルの、火が小さく揺れました。

『今日のお茶っ葉、なに?』
『さして高くもない、普通の市販の茶葉だが』
またある日茶香炉は、とろり濃いめの八女茶を、茶香炉で焙じて職場の後輩をもてなすのを見ました。
賞味期限ギリギリで、半値で販売された茶葉は、要は飲まず香炉にブチ込めばよろしい。
『いい香り。モツ鍋とお酒キメたい』
『どこからモツ鍋と酒が出てきた。「八女」か?』
先輩ビール無い云々、当店アルコールの提供ございません云々。2人が穏やかにリモートワークを続けるのを、茶香炉はなんとなく見ておりました。

ゆらり、ゆらり。
茶香炉のキャンドルの、火が小さく揺れました。

『お前とも、随分長いな』
そして今日茶香炉は、藤森がひとり狭山茶を、茶香炉で焙じてため息吐くのを見ておりました。
『何年前だったか。お前を茶葉屋で買ったのは』
実は藤森、元諸事情持ちで、先日その8年越しの諸事情が、ようやく解決したところ。
きっかけは職場の後輩の提案。言葉ひとつからの行動で、藤森はやっと、ひと息つけたのです。
そういえばその後輩が、いつか数ヶ月前の昔、「この」茶香炉が欲しいと言ったような、気のせいか……

ゆらり、ゆらり。
茶香炉のキャンドルの、火が小さく、揺れました。

ジャパニーズアロマポット、焙じ茶製造器、茶香炉の中でキャンドルの火が揺れるおはなしでした。
おしまい、おしまい。

11/20/2023, 4:23:19 AM

間に合わない。
こんなの絶対間に合わないじゃん。
最低最低最低最低。

「うっわ鍵あいてるし。おーい?」

玄関から入ってきた無遠慮な足音。知らない。絶対布団から顔出さない。
一人暮らしの部屋の唯一の小さなテーブルに見せつけるように出しっぱなしにしたショートケーキ。
コンビニの見切り品20%OFF。
それとぐちゃぐちゃな部屋に一つ転がってたキャンドル。
「点いた」
かちっ、と安いライターの音。見えない。知らない。
「おーい。ケーキあるよ。ろうそくもある」
ばか。それ全部自分発信じゃないじゃん。
「ハッピーバースディ。歌ってあげるから」

あんたが?

それはちょっと興味ある。仕方ないから顔だしてあげる。


2023/11/19 キャンドル

11/20/2023, 3:46:16 AM

キャンドルの炎には
様々な役割があるみたいだけど
私に効果は感じられず


艶のないザラザラした缶に入った
ロクシタンのアロマキャンドル

香りあるキャンドルの炎は
私に効果があったということを
今、思い出した



自分を労ろう

11/20/2023, 3:34:53 AM

キャンドル

キャンドル、キャン、ドル、なんて素敵な、すてきな響きなんだろう。
キャンドルといえば、クリスマスが思い浮かぶ。
世の中にはきれいなものが多い。そう信じていたい。いつかは消える火、私はそれを拒まない。いつか消えるからこそ、愛おしいから。

11/20/2023, 3:25:26 AM

蝋の炎は真っ赤に燃え、白熱蛍光とは違う色味を生み出す。
原初の炎だ。
赤みを帯びる光は煌々と燃え輝き、蝋が尽きるまで全てを燃やし尽くそうとするだろう。

11/20/2023, 3:21:53 AM

スナッファーの傘が黄金に光る。
ゆっくりと上げた後、蝋燭に灯る火が揺らめいた。
フードの人物は不気味な目を細めて、石畳みの床に靴音を響かせる。

巨大な棚に押し込まれたように並べられた蝋燭を、フードの人物たちが一本ずつ確認している。

空いている箇所に新たな蝋燭を立て、点いた火を吹き消さないように慎重に見てまわる。

短くなった蝋燭には十字架を手に、スナッファーを被せて消火する。

それが彼ら灯火を管理する者の仕事。

11/20/2023, 3:11:17 AM

キャンドルのある生活に憧れるけれど、いつでもどこでも寝落ちする上に汚部屋住まいなので、火気厳禁。
キャンドルに火を灯したまま寝たことあります。こっわ。

11/20/2023, 2:36:24 AM

キャンドル。この季節でキャンドルはクリスマスを意識してるのかな。

 それはともかくジャンプの感想だな。もうなにもかもに飽き始めた俺の生きる希望。それがジャンプ。やっぱ少年漫画はいいっすね。

 まずは呪術だな。最近のボーボボのノリは賛否両論みたいだけど俺はとても好き。今が一番面白いまである。

 作者の芸人の理解度が高すぎて質の高い漫才を見てる感じで面白い。でも今週は不穏なヒキで終わったのが不安。高羽死なないで欲しいわ。

 呪術というとそろそろソシャゲが始まるんだよな。ファントムパレードちょっと興味あるけど呪術はソシャゲやりたいタイプの漫画じゃないんだよな。

 まぁソシャゲはいいとして次は鵺だな。やっぱ鵺は安定感あるわ。ラブコメとシリアスどっちも抜かりない作品だ。先輩かわいい。

 新隊員はどんなキャラで来るか。キャラデザも含めて楽しみだ。

 そしてままゆうか。これはもうだめかもしれんねと思いながら毎週楽しみに見ている。打ちきりにならないでほしいものだが。

 今週は悪くない感じだけどやっぱ展開遅いな。多分仲間になるであろうキャラとバトルは微妙じゃないか。

 来週敵が乱入してくる展開ならよさげに思えるがどうなることやら。予想を越えて人気作品になることを期待するばかりだ。

 後はキルアオとカグラバチがまぁまぁで読み切りは微妙だったかな。

 最近は創作意欲がなくなってなにも書けない日が続いている。やる気こそ人間にとって一番大事な才能だと痛感する。もっとやる気のある人間に生まれたかったものだ。

11/20/2023, 2:22:39 AM

キャンドル




 少し早めだがそろそろクリスマスということもあり、家に色々と飾っていく。
クリスマスツリーやリース、小さいサンタさんやトナカイの飾り物、雰囲気作りのためにLEDライトやスノードームまで買った。

一応これで全てのはずが、何か足りない...


 何かないかと街に出て小物屋さんを見る。


「無いか...諦めようかな。」

と、私はぽつりと呟いた。


 そんな私に「私はここにいるよ」と言っているようなひとつのキャンドルがあった。

そのキャンドルはクリスマスに相応しい、美しく、そしてどこか儚く、雪を連想させるキャンドルだった。

 ついつい見惚れてしまい長居していると、店員さんに少し引かれてしまった。
まあ、買うからいいか。


「すいません、これお願いします。」

と言い、レジに出す。キャンドルにしては高かったが、そのくらいの価値があるのだろうと思った。

「あれ...こんな品うちにあったっけ?」

と店員さんが小さく呟いた。
新しく仕入れたもの?それとも、私の為に出てきてくれたのかな?
と変な妄想をしながらも私はキャンドルを家に持ち帰った。


 キャンドルを飾ってみると、足りなかったものが付け足されてとても満足した。


  今年のクリスマスも、充分楽しめそうです。






    ───────フィクション───────

11/20/2023, 2:11:32 AM

キャンドルは僅かな寿命で命を照らしている。それを美談に変えれば人間も一緒だ。キャンドルはぐったりと蝋が溶けて最後には跡形も無くなってしまう。使い道を考えて、節約して、無駄な行動をしなければ永遠と続く。はたまたそれを美談にすれば人生ということになる。

11/20/2023, 2:01:46 AM

#106 キャンドル


廊下を歩いていたら、ロウソクの匂いがした。
そういえば体験教室で作ったのを飾っていたんだった。ふわりと鼻についた、いかにも石油系の香り。

アロマキャンドルや和蝋燭、テレビで見たターシャが作っていた蜜蝋と、素敵だなと思うものは多いが火の扱いが怖いし面倒だしで、自ら求めたことはない。
今回も溶けるのが嫌だからと、この先も火をつけずに置くだろう。

ところで、キャンドルを灯して話を語り聞かせれば、その炎には小さな妖精が宿り、その者のささやかな願いを叶えてくれるらしい。

その灯りにつられて10月以降の未使用分のお題たちが集まってきた。彼らのささやかな願いを叶えよう。


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『はなればなれ』だった二人が『冬になったら』稼いだ金で冬籠りの支度をし山間の家に戻ってきた。別離の間の『たくさんの想い出』を語り合う。その目線の先には、『キャンドル』の炎が揺れている。一人の膝の上に伏せる『子猫』は、暖かさに目を瞑っていた。

さて、二人の願いは何であろうか。

-彼の場合-
一日の始まりはいつも、君の子供のように無邪気な笑顔を思い浮かべるんだ。
自分で淹れたおいしくない紅茶を飲みながら、君が淹れてくれた紅茶の香りや、二人だけで過ごした冬の過ぎた日を想う。

眠りにつく前にも、夢の中で君に巡り会えたらいいなって、冬の奇跡をもう一度と毎晩願っていたよ。

朝が近くなると、君が寂しそうに笑うんだ。起きなきゃいけないと教えてくれるんだ。
僕は行かないでと、往生際も悪く声が枯れるまで叫んだけど、やっぱり君に逆らうのは無理だった。
目覚めれば元通りに声が出るのが不思議だったな。

夏の衣替えは、屋敷中のものを取り換えないといけないから大変なんだ。でも、あと半分で君に会えるからと思って頑張ったんだ。

秋晴れのやわらかな光に君を思い出して、つい愛言葉を呟いてしまったよ。君も僕を思い出してくれたの?きっと風が届けてくれたんだね。

冬になって、やっと君に会えた。
ここは、僕の理想郷だよ。


-彼女の場合-
慌ただしい一日を終えて、眠りにつく前に貴方との過ぎた日を想う時間が幸せだったわ。

やっと会えたときの子どものようにはしゃぐ貴方。夜の鋭い眼差し。
そうそう、蝋燭の火を落とした暗がりの中、窓から星座を探したこともよく思い出したわ。二人して頬が赤くなってしまって、おかしいの。また見ましょうね。

朝起きると泣いていることが多かったの。涙の理由?そんなの決まっているじゃない。
夢の中でも貴方に会えず目覚める寂しさは、忘れたくても忘れられないわ。

学校の子どもたちはかわいいわ。瞳にキラキラとやわらかな光を宿しているの。
教師って、意外と忙しいのよ。だけど束の間の休息に、貴方のくれた愛言葉を思い出すと冬まで頑張ろうって気になれた。

ひとつ、貴方に話しておかないといけないことがあるわ。いい?これは、もう一つの物語。ただのお話、終わったことよ。

私ね、友達ができたの。いえ、できたと思っていたの。すれ違いがあったのね。
年に一度、放課後にダンスパーティがあってね。もちろん生徒が主役なんだけど、場を盛り上げるために教師も参加するの。

そこで、その方に「踊りませんか?」って誘われて。
その時に気づいたのよ。その方の好意が友達としてじゃない、もっと強いものだったって。

だからといって断る訳にもいかないから。
「ココロオドルお誘いですね」って思いっきり棒読みになってしまったけど。さすがに向こうも気づいて、それからは距離が出来てしまったわ。最初は好いた人がいると相談されたのよ。よいお友達だと思っていたのだけど、難しいわね。

うふふ、なあに?
そんなに力を込めて掴まないで。鋭い眼差し。もっと私を捕えてちょうだい。

私の心はここにいるわ。貴方と一緒よ。
冬は寒いけど、貴方のいない季節はいつだって寒いわ。貴方がいれば、こんなに暖かい。


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二人は共働きで出稼ぎをしています。春から秋は別の街でそれぞれ屋敷に住み込みと学校の宿舎に入ります。雪深い土地なので冬支度を済ませたら家に籠って休みます。普段会えないほどせっせと働くのは、お金を早く貯めて、家族が増えても冬籠もりに困らないようにするためです。週末婚ならぬ年末婚。会えない時間が長過ぎて男の方が限界に近づいているのはご愛嬌。

ちなみに子猫は自分で寝床に行きました。
春になったら彼女に職場へ連れていってもらえるでしょう。冬の友(ペット)に対して寛容な土地柄だと思います。

11/20/2023, 1:44:26 AM

11/19「キャンドル」

 それは、初めて見る幻想的な光景。
 教会に集まった人たち。灯りの消えた室内。静かに穏やかに流れる賛美歌。
 たまたまお母さんと訪れた、教会のクリスマスだった。
 私の手にあるキャンドル。ドキドキした。そっと火をつけてくれた隣の人の顔は、暗くて見えなかったのか、覚えていないだけか、記憶にない。ただ、灯された小さな炎が嬉しくて、ずっとずっと眺めていた。
 クリスチャンになったきっかけがキャンドルサービスのおかげなんて、神様に呆れられるかな。
 でもきっと、それもまた縁。

(所要時間:8分)



11/18「たくさんの思い出」

 勉強机を捨てることになった。
 買ってもらった時は、自分用の机が嬉しくて、無闇に引き出しを開け閉めしたり、ライトを点けて消してしたり。
 勉強が嫌でこっそり携帯ゲームを忍ばせていて、父さんに怒られたり。
 引き出しの奥に隠しておいたエロ本が、なぜか母さんに見つかったり。
 付き合ってた彼女の転校が決まって、突っ伏して泣いたり。
 そんな机と別れることになった。
 俺は春から一人暮らしを始める。この机そのもののことなんて、きっと忘れてしまう。
 でも、この机とともにあった思い出は、きっと俺の奥底に残るんだろうな。

(所要時間:8分)



11/17「冬になったら」

 この季節になると、毎年思い出す。初めて彼氏の家に招待された時のこと。
 狭い部屋のど真ん中に、こたつ。寒い部屋の唯一の暖、こたつ。
 今は結婚して、引っ越して、子供もできたし、エアコンも付いたけど、いまだあの時のこたつ。
 今年も部屋の隅から引っ張り出して、リビングに置いて、こたつ布団をかける。
 この季節になると、毎年思い出す。
 もうすぐ、懐かしい冬が来る。

(所要時間:6分)

11/20/2023, 1:26:25 AM

小さい頃に聞いた話。
会いたい人のことを思い浮かべながら火を灯すと、本当にそれが叶うんだって。だからキリストの生誕日には皆がキャンドルを買うのよ、っておばあちゃんが教えてくれた。大人になった今は根拠のない作り話だって分かってしまったけど、私は今だからこそ信じて見ようと思う。

去年、大切な人を亡くしてからは毎晩キャンドルに火を灯してる。そんなわけないのに、間違いなく貴方は荼毘に付したのに、今日はもしかしたら――なんて考えてしまうよ。過度な期待は後になって余計に虚しくなるだけだと分かっているのに、取り憑かれたように蝋燭を買い込んだ時期があった。

もうすぐ、貴方の命日が来る。蝋燭何本灯せば会いに来てくれるかな?まだまだ足りないのかな?木造のアパートメントだからあんまり過激なことはできないけど、貴方がいつ帰ってきてもいいように今日も夜中じゅう灯りをつけておくよ。私はここだよ、って、道しるべになるように火を灯すから。

だからお願い。
1度だけでいいから、私の前に降りてきて。
それ以上は何も望まないから。

11/20/2023, 12:50:12 AM

キャンドルの淡い光
時々火が揺れる

美しい光
暖かい光
儚い光

なんだか心地よい

11/20/2023, 12:39:41 AM

夜、
寝る前にアロマキャンドルを炊いて
自然光に揺られながら眠りにつくのが
最近のマイブームです

蝋燭の灯りって自然光ですか
あれはちがうのか。

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