匿名。

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キャンドル




 少し早めだがそろそろクリスマスということもあり、家に色々と飾っていく。
クリスマスツリーやリース、小さいサンタさんやトナカイの飾り物、雰囲気作りのためにLEDライトやスノードームまで買った。

一応これで全てのはずが、何か足りない...


 何かないかと街に出て小物屋さんを見る。


「無いか...諦めようかな。」

と、私はぽつりと呟いた。


 そんな私に「私はここにいるよ」と言っているようなひとつのキャンドルがあった。

そのキャンドルはクリスマスに相応しい、美しく、そしてどこか儚く、雪を連想させるキャンドルだった。

 ついつい見惚れてしまい長居していると、店員さんに少し引かれてしまった。
まあ、買うからいいか。


「すいません、これお願いします。」

と言い、レジに出す。キャンドルにしては高かったが、そのくらいの価値があるのだろうと思った。

「あれ...こんな品うちにあったっけ?」

と店員さんが小さく呟いた。
新しく仕入れたもの?それとも、私の為に出てきてくれたのかな?
と変な妄想をしながらも私はキャンドルを家に持ち帰った。


 キャンドルを飾ってみると、足りなかったものが付け足されてとても満足した。


  今年のクリスマスも、充分楽しめそうです。






    ───────フィクション───────

11/20/2023, 2:22:39 AM