『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
カーテンから朝日が差し込む今日という1日が始まったのだ。
眩い光が差し込む薄暗い部屋で今日もいいわけを考える。
いつもと同じように母が私に聞いてくる。今日、学校はどうするの?
私はお腹が痛いからと答える。
憂鬱だ。身体も心も重いそんなことを考えながらまた眠りにつく。
明日なんて来なくたっていいのに
「カーテン」
あの綺麗な横顔が好き。あの甘い声も好き。あの優しく天使のような笑顔が好き。
俺には、好きな人がいる。名前も知らないあの子。大学で会ったあの子。初めて会った時、あの子は俺のペンを拾ってくれた。その日から、あの子の事が頭から離れない。これが、一目惚れってやつなのかぁ…
ある日ふと、カーテンを開けて青空を見る。いつも、忙しくて空なんて気にしてなかったけど、今は違う。心がハッピーハッピーだからだ。
青空を見終わると、向い側のマンションを見る。俺が住んでるマンションより低くて、俺の階からも屋上が見える。カーテンを閉めようとすると、向いの屋上から、ちらっと人影が見てた気がする。好奇心で屋上を見ると、1人の女性がいた。
俺の体は、雷にうたれたように崩れ落ちた。
「嘘…こんな…!」
そこには、俺が一目惚れした名前も知らないあの子だった。
「運命だ…!」
俺の顔と心は、真っ赤に染まった。
その日から、毎日カーテン越しに、マンションの屋上を見る。可愛いあの子は、屋上でダンスやバレーをやっている。すごい魅力的で、胸をうたれる。
あの子に会いたい。カーテン越しじゃなくて、ちゃと、近くで…
そんな夢も叶わず1年がたった。まだ、名前も知らないあの子は、バレーをしている。カーテン越し見るあの子に俺は、ますます好きになった。
ある日、大学に向かおうと横断歩道を渡ろうとすると、少し前に、名前も知らない大好きなあの子がいた。
俺は、こりゃまた運命だ!と思い勢い任せで名前も知らないあの子に話しかけようとした。
「すいませ…」ブルゥゥン!
荒い車の走行音で、俺の口がとまる。
気づいた所で、もう遅かった。
暴れた大型トラックは、俺を避けるように突っ込んでいった。
『ニュースです。東京都x x市で、大型トラックが信号無視をし、人々が歩いている、車道を突っ込みました。原因は、飲酒運転と見られ、死者は1人負傷者12人。全身を強く打って死亡。警察は、調査を調べています…』
痛くない。皆んな…怪我してる…あれ、俺、痛くない…
俺だけ、無傷…?
俺の、初恋の相手…一目惚れした、名前も知らないあの子は、死んでしまった。俺の目の前で、グチャグチャになりながら。原型もとどめてないあの子。それでも、あの子は好き。
まだ、カーテン越しに見るあの子が好き。
まだ、名前も知らないあの子が好き。
薄暗い部屋のなかで
くだらない話をたくさんしていたね
昼も夜もわからないくらい
たくさん抱きしめあって話をしたね
朝がきて、
君が勢いよく開けたカーテンの音で
目を醒ます
夢の終わり、現実の始まり
おはよう、ばいばい。
また今日も、
何十回目のはじめましてを繰り返している
『カーテン』
BL
新居は築十年の2LDK、駅から徒歩十五分の賃貸マンションだ。
「まずはカーテンからつけようか」
そう言って、カーテンとでかでかと書かれた段ボールを開けているのは、俺の恋人だ。
俺と同じくらいの身長だが、男にしては華奢な体つきで、綺麗な顔立ちはいくら見ていても見飽きない。
日当たりのいい窓から日差しが燦々と部屋に降り注ぐ。
この日当たりの良さもここを選んだ理由の一つだが、恋人の言う通り、カーテンをつけないと通りを挟んだ向かいのマンションから部屋の中が丸見えのままだ。
開けられた段ボールの一番上には、この部屋のために買ったレースのカーテンがビニールに梱包されて入っている。
恋人はそれをビニールから取り出した。そして、広げてからしげしげとそれを見る。
「どうかしたか?」
「うん……花嫁のベールみたいだなって。姉さんが結婚式でつけてたのこんな感じだった気がする」
「おいおい、ウエディングドレスの衣装とホームセンターの安物カーテン一緒にしたら、お前の姉さんも怒るだろうよ」
「はは、そうかも。ドレス選びに何件も店回ってたみたいだからなぁ。義兄さんが正直どれも同じに見えるって愚痴ってたよ」
恋人の姉は昨年結婚し、今は妊娠中だと聞いている。
ふいに恋人の笑顔が曇った。
どうかしたのかと聞く前に、突然広げたレースのカーテンを頭に被った。
「こうすると、男の俺でも花嫁に見えるかな?」
「どうしたんだ?お前なら、タキシードの方が似合う」
「まあ、そうだよな。なぁ、本当に俺で良かった? 」
「当たり前だろ。お前じゃないとダメなんだ、俺は」
「でも、ウエディングドレスの似合う可愛いお嫁さんだったら、君のご両親にも勘当されずにすんだのに。君は俺と違って女の子とも恋愛できるんだから、あえて困難な道を選ばなければいいのに」
恋人の綺麗な顔が歪んだ。目尻に涙を溜めてそれが溢れるのを必死に堪えようとしている。
「あのな、何度言われても、俺はお前じゃないとダメだし、世間体のために好きな相手と別れるなんて選択肢はないからな」
俺の言葉に恋人はごめんと答えて俯いてしまう。
頭の硬い俺の両親は、同性の恋人と結婚を前提に付き合っていると話したその日に、勘当を言い渡してきた。特別仲が悪くもないそれなりに良好な親子関係だったが、理解されないのであれば仕方ないと、俺はその日から一年親とは連絡を取っていない。
恋人の両親は幸いにも理解のある方達で、俺たちのことを受け入れて祝福してくれた。
だから余計に恋人は、俺が親に勘当されたことを自分のせいだとつらく思ってしまうのだろう。
俺だって逆の立場ならきっと同じような思いに苛まれた。好きな相手だからこそ、幸せでいてほしいと願ってしまう。
「ごめん」
「なんで君が謝るんだ。謝るなら俺の方が」
「お前が罪悪感に苛まれるのが分かっていても、それでも俺は、お前と一緒にいたい」
レースのカーテンの端を掴んで、その中に潜り込む。二人でカーテンを頭から被って、そのまま俺は恋人にキスをした。
カーテンなんて無理 【決勝戦】
〘 終わりの始まり 〙
「今日は決勝戦だ」と監督が言う。「気をぬかず頑張るぞ」キャプテンの声でチームが盛り上がった。
いよいよ試合が始まる... グラウンドは静かだ
試合の挨拶だ。両方のチームが言った「お願いします」試合開始合図の音が鳴った。同時に、とても大きい 大歓声が始まった。
選手はグラウンドに走っていく審判もグランドへ歩いていった。
バッターもバッターボックスに歩いて行く。ピッチャーはとても球が速くキレがいいと有名だ。
そしてバッターの僕は.....
第2話
〘 本当の役目は 〙
バッターもバッターボックスに歩いて行く。ピッチャーはとても球が速くキレがいいと有名だ。
そしてバッターの僕は、バッターボックスに立った。やはりピッチャーはとてもいい球を投げてくる。
「ストライクー」審判の声。一番バッターの僕は、試合前監督にこう言われた。
「1番バッターの役目は、まず塁にでることだ。ヒット・デッドボール・ファーボールなんでもいい。とにかく塁にでろ」
9人が試合に出ることができその9人が打つ順番のことを打順という。僕は、その9人の中で一番に選ばれた。
僕は、とにかく打って飛ばせという意味なんだと思った。
僕は、そう思ったまま、ピッチャーが投げた球を打った。
とうくに飛んだボールはセンターに取られてしまった。
アウトになった僕はベンチに戻った。すると監督に、「話を聞いていたか?」と言われた。
僕は意味がわからなかった。
次回第3話 〘 役目を果たすために 〙
明日投稿します😁
カーテン②
そうまた明日に
聞いてみると「仕方がないのでいいよ」って言われました
僕は昨日のことを思い出し ゾッとしました
これはシミュレーションなのかわからないな
謎を解き明かすぞカーテンの続きは
カーテン の 大 謎にて解説していきます
ぜひぜひカーテンの大 謎シリーズを見ていってください
カーテンをいちまい閉めるだけで
ひとつだった世界が
私の世界と外の世界
ふたつの世界に分離する
繋がっているような
繋がっていないような
外の世界が見えない不安感
私の世界が覗かれない安心感
初夏の夕暮れ。ちりんと涼やかな音をたてる風鈴の下、岩融の隣は珍しく空いている。
「岩融」
声をかけるとパッとこちらを振り向き、立ち上がってギザギザの歯を見せてニカっと笑う。
「主殿」
「ひとり?今剣は?」
「今剣は先ほど秋田殿に誘われてな。粟田口の皆と西瓜割りをしに行っている」
そう言って、一棟向こうにある粟田口の部屋の方へ視線を放おった。耳を澄ますとキャア〜という楽しそうな声が微かに聞こえる。
「岩融は行かなかったの?」
秋田が2人のうちの片方だけに誘いをかけるとは思えない。たとえ2人が一緒にいなくともどちらか一方に声をかけるとき、ぜひもう一方もと言うはずだ。
「おれは出陣の準備があったのでな」
確かに、出陣の命は出したがそれまでにはまだ時間がある。一緒に行かなかったことの理由としては少々腑に落ちない。「…そう」と言ってはみたものの脳内の疑問符が声と顔に出てしまっていたのだろう、すかさず岩融がガハハハと笑った。
「いやすまぬ。言い訳としては厳しかったな。…実は、今剣がここのところ塞ぎがちでな。おれが粟田口の皆に頼んだのだ。何か気晴らしになることを、と」
「え?」
サッと血の気が引いた気がした。
「もしかして、阿津賀志山への出陣が増えているから…」
泳ぐ目で岩融を見ると、笑い声のする方に視線を投じながら、少し抑えた声で、言った。
「おれと2人きりでいると思い出すこともあるようだ。…良いことも、そうでないことも」
ちりりりと風鈴が鳴る。生ぬるいはずの夏風が冷たく感じて、自分が冷や汗をかいているとわかった。
阿津賀志山は今剣と岩融にとって辛い場所であることは承知しているが、遡行軍も政府もそんな都合はおかまいなしだ。初出陣のときの今剣らしからぬ取り乱しようと、岩融がそれをなだめてくれた旨の報告を受け、采配を振るう責任の重さを痛感した。しかし、敵が現れれば、部隊を向かわせるしかない。辛い思い出の場所だからと庇い、特別扱いすれば本丸内にいらぬ争いを産みかねない。でも…
「が、主殿が気に病むことではないぞ」
また顔に出ていたのだろう。ふらつきそうな足元にも気付かれたのかもしれない。岩融はそんな私の不安をかき消すようにまたニカっと笑った。
「主殿のお役目はおれたちもわかっている。難儀することも多かろう。なぁに、おれたちの強さ、主殿が一番解っているだろう?」
岩融の、審神者たる私を思っての優しさが、痛々しいのに嬉しい。
「…ありがとう、岩融。…ごめ」
「おおっと!それ以上は言ってはだめだぞ、主殿」
遮られた言葉は喉元で止まり、不安と謝罪の念が満ちた頬には岩融の指があった。歯同様に鋭い爪をしている岩融だが、その爪が触れないよう指の腹でそっと包み込むように触れている。
「おれたちの強さは力だけではない。心も強いものを持っている。だから大丈夫だ。主殿は心配することなく、この本丸で待っていて欲しい。笑ってな!」
そう言ってガハハハと笑う岩融の笑顔が、触れた指先が、とても温かくて、何だかほっとして、
「うん、…うん、ありがとう、ありがとう、岩融」
言いながら頬に触れた手を取り、こちらもそっと包み込むように握った。
「信じて待ってる」
「おうとも!」
握り返す岩融の手は力強く、早速にも私の期待に応えようとしてくれているようだった。
ちりんと風が風鈴を鳴らして、また私たちの間を通り過ぎて行った。岩融の白い戦装束がなびき夕暮れの色を纏ったカーテンのように優しく私を包んだ。
終
空想の入り口に、よくカーテンを使った。
それはお姫様のドレスだったり、騎士のマントだったり、王様の部屋の緞帳だったり、砦に掲げられた旗だったりした。
長じて新生活を始めるにあたり、家具をあれこれ用立てなくてはならなくなり、家具屋に何度も足を運んだ。カーテン売り場も覗いた。色、柄、長さと、種類も豊富なカーテンがずらりと並ぶ。選びながら、これから始まる生活に思いを馳せる。あの頃とは異なる、現実と地続きの空想をカーテンの陰に垣間見る。
ふわりと翻る布地は、いつだってちょっとした夢を見せてくれる。
分からない。分からない。分からない。
みんなの気持ちなんて、全然分からない。ひた長い歩道を突き進む。足がちぎれそうになる。怒りで握った拳が痛い。自分の機嫌を取るためのネイルに刺されて、血が滲むままに進む。
分からない。意味も意図も結果も何もかも。その全てをぶち壊しにしてしまいたくて、だけど拳を痛めたいとも思えなくて、全てを投げ出して来た。二駅分も衆目に晒されることが耐えられなくて、歩いて歩いて歩いてきた。
もうアパートは目の前である。
くしゃくしゃのシーツに散乱する服たちが、いかに杜撰な生き方かを証明してきて生意気だ。鍵を掛け忘れた。軽く扉をこじ開けて布団に倒れ込む。布団の柔らかさだけが私の味方だった。
今は、なんでこんな私なんかに優しくしてくるのだと、怒り心頭足まで怒りで満たされている。窓も開けっ放しだったらしく、白のレースカーテンが小癪に舞い踊っている。
「あああああああああああ!!!!」
気がつけば、血のにじむ爪で、痛む拳で、ちぎれそうな腕でそのカーテンを引きちぎっていた。ビルも窓もカーテンですら誰も遮れなかった夕日がこめかみを突き刺した。眩しくて、直視出来なかったから。びりりと言ったカーテンの断末魔は頭から離れず、助けてと心で泣いた私の声すらもかき消していくようだった。
地面に散乱する白い布切れは、私の最後の善性で、私に残った最後の、天使の羽。私が天使であったとは言わないが、天使であれる可能性が、今に完全に毟り切られたのだ。
『カーテン』
カーテン、とは言わんなぁ。
「アルファードこうてん、9年リースやからもう呑みには行けへん...」ですよ、君たち。
『カーテン』
真っ暗な部屋で布団の中に潜って眠っていると、どこからか声が聞こえてくる。
せっかく人が眠っている途中なのに…誰だよ…。
不機嫌になりながらも、俺は布団から頭だけを出して声の主に文句を言う。
「あのさ……うるさいまじで……今何時だと思ってんだよ……十時だぞ十時」
極度の眠気と気だるさのせいで少しイライラしていた。
「うん、お昼の十時だね」
「……あ?」
俺は眠い目をこすりながらスマホで時間を確認する。
……本当だ。確かに、今は昼間の十時だ。
窓の向こう側から声がする。
遮光カーテンを閉めていたため、そいつがどんな姿をしているかは分からなかった。
声的に女だろうということは分かった。しかも、馴れ馴れしい癖に優しいほんのりとした声で話しかけてくるせいで、また眠気に襲われる。なんだこいつ。
とりあえず俺はその女に聞く。
「…お前…バルコニーにいんの…?」
「私はどこにでも存在するよ、外ならね」
俺の質問に対して、曖昧な答えを返してくる。こういう返答をする奴は、本当に大っ嫌いだ。
どこにでも存在するってどういう意味なんだ?こいつは一体なんなんだ???
俺は更に質問を続けた。
「…誰だよお前」
「私は光。君のことは、小さい頃から知っていたよ」
は?光?俺は困惑した。俺の知り合いに光なんて名前の奴は知らないし、従兄弟や知り合いにもそんな人はいない。
しかも、相手は幼少期の頃の俺を知ってると言っていた。
いやいやいやいや、まじで誰なんだよコイツは。
「いや、知らないよ…マジで誰だよ」
「私は光…まぁ、知らなくてもしょうがないよね」
「しょうがないとかじゃなくて…マジで知らないんだよお前のことは……近所の人とか?」
「ううん」
「え、じゃあ…俺の親戚とか?」
「ううん」
「は?でも俺の事知ってんだろ?」
「うん、知ってるよ」
「同じ学校だった奴か?それとも前の会社の奴か?」
「ううん」
あー!!なんなんだこいつ!!全部否定しやがる!!この女が否定する度、俺はイライラが募る。
親戚でも近所のやつでもない、同じ学校の奴でもなければ会社の奴でもない!マジで誰なんだよこの女は!!
この女のことを考えていると、次第に眠気が飛んでいった。
「じゃあ誰なんだよお前!!!人が寝てる時にきやがって!!まじでうぜぇわ!!」
怒りに任せてそいつに怒鳴った。
「……ごめんね」
その柔らかい穏やかな優しい声で、俺に謝ってきた。
俺は自分がしたことが急に恥ずかしくなってきて、その女に謝り返した。
「……いや…別に…、俺も怒鳴って…ごめん……」
窓の外にいる女がどんな人間かは分からない。しかし、絶対に悪い人間ではないということだけは理解出来た。
そして、自分がどれだけ心に余裕が無いのかも理解出来た。
頑張って働いているもののこれといった成果は上げられず、休めない上に帰れない。
家に帰ってもパソコンと向き合って仕事の続き。家でもろくに眠ることは出来なかった。
たまの休日も仕事のことで頭がいっぱいで、俺は常に心に余裕なんてものがなかった。
ノルマ達成の為に、寝る間も惜しんで働き続けるが、やはり上手くいかない。
上司からは叱責され、同僚や先輩からは無能と馬鹿にされてしまう。
頑張っても、無駄なんだなと悟って、気付けば会社を休んでいた。一日中外にも出ないで、ただ有給を消化していく毎日。
布団の中にずっと閉じこもって、ゴミだめの部屋の中でただ毎日が過ぎるだけの日々。
このまま時が過ぎるのも、悪くは無いと思った。死を選ぶ勇気もないので、自分にとって、この状況はとても都合がいいと思っていた。
本当は、そんなことないのに。
「私は、知っているよ」
女が喋りかけてきた。
「小学生の頃…友達が転んじゃった時、君はすぐその子を手当をしてあげたよね。
サッカーの試合の日。頑張っじゃったけど負けちゃったあの日、皆悔しくて泣いていて、君は我慢して皆を励ましていたよね」
「……え…なんで…サッカー習ってたことを…」
女は話し続ける。
「…大人になっても、君は変わらなかった。他人に対して優しすぎて、自分の気持ちを後回しにしていつも色々な人を助けてあげていたよね。
けれど、誰も感謝してくれない。恩を仇で返すようなことばかりされて…そして君は…君の部屋は、いつしかガーデンが閉まったままになった」
「お前…誰なんだよ…?」
女は、優しい声で言った。
「私は、君の光だよ」
俺は思いっきりカーテンを開けた。
その途端、陽の光が部屋の中を包んだ。久々に太陽の光を見た俺は目を痛めた。
しかし、肝心の女はそこにはいなかった。
というより、俺は気付いてしまった。
ここは二階だ。こんなバルコニーに女が入れるはずがないことを。
そして、窓越しだというのに、女の声ははっきりと聞こえていたことを。
俺は、それを不思議と怖いとは感じなかった。
俺はバルコニーに出て、太陽の光を浴びる。
一ヶ月ぶりに浴びる日光は、とても気持ちが良いものだった。
光は、嫌いな自分をさらけ出し、見たくもないものが嫌でも見えてしまう最悪なもので、逆に暗闇は、見たくもない自分を包み込んでくれる優しい物だと思い込んでいた。
そうじゃなかった。
光も、闇も、人には必要な物なんだなと分かった。
そして、彼女がなんだったのか、わかった気がする。
陽の光を沢山浴びた俺は、まずは部屋の掃除から始めることにした。
これからは、陽の光を入れるためにカーテンを開けようと思う。
夜になったらカーテンを閉める。これは私がやるべき家の仕事だ。私がやらなければいけない仕事なのに私はいつもこの仕事を忘れてお母さんに怒られている。しかし昨日は忘れず、怒られないでいた。私は家の仕事を初めてできたので嬉しい気持ちでいた。この調子で今日も仕事を忘れないでいたい。
風が吹き揺れたカーテンから笑ったキミがみえた時
僕の心に深く突き刺さった
カーテン
揺れている、薄くてやわらかな境界線。
光と影を分けるその布は
私の心そのものだったかもしれない。
見せたい自分と、隠してきた願い。
静かに風が吹くたびに
その境界線がふわりと揺らぐ。
もうすぐーー
そっと手を伸ばせば
その向こうに新しい空がある気がする。
誰にも見せなかった夢を
そっと、ひとひらの勇気で照らしてみよう。
このカーテンは、隠すためじゃない。
超えていくために、ここにある。
君の顔は、いつでも綺麗だった
君の体は、どんな時も美しかった
君の仕草は、どんなものでも流麗だった
全部、見てきたから、言える
でも、君の心は、見えなかったんだ
君の心をのぞこうと思っても、いつもカーテンがかかってるみたいに、影は見えても、本質は見えなかった
君が何を考えているのか、何を思っているのか、何も見えなかった
静かな空気が漂う僕の部屋で、夕焼けに染まった白いカーテンがふわりと揺れた
もう、君の心を見たいと願っても、叶うことはない
#カーテン
今日はカーテンがほとんど揺れなかった。
窓を開けていないんだからあたりまえだ
なのにどうしてかそれが少しさびしかった。
足音がする…
誰の足音だろう、窓開けてくれないかな
あいにく私は、重力に逆らえるほど元気じゃないもので。
はぁ、今日も退屈な1日だった。
白い囲いの中でそっと目を閉じた。
明日こそ誰か窓開けてくれますように
「カーテン」(全て一行詩)
靡いてるカーテンの奥に秘められた部分を捲りたい衝動に駆られ
◆
カーテンの裏で作戦会議を行う子猫たちの秘密基地
◆
カーテンを天蓋代わりに眠るは雄猫
ふわふわと揺れるスカートの様に
風で遊びながら陽の光を広げていく
暖かなそれに包まれば、私を隠してくれる
透き通る布を被ればヴェールになり
彼とごっこ遊びをした時を思い出す
それはもう古くなって色あせて汚れてしまったけど
思い出の中ではいつもキラキラしてふわふわして大好きだった
『カーテン』
完全にフィクションで、ファンタジーなおはなし。
都内某所、某アパートの一室で、カーテンがそよそよ、カーテンの風にそよいでいます。
「はっ?! ツーさま!!」
ベッドの上でガバチョ!飛び起きたのが、今回のお題回収役、この部屋の主、後輩もとい高葉井。
「あれ。 ゆめ?」
青く深く、ぷかぷかな意識の奥底で、推しゲーの推しカプの左側と、会ったような気がするのです。
なんなら会話も、したような気がするのです。
「まぁ、夢だよね、そうだよね……」
それは、フィクションでファンタジーな体験。
高葉井が長年推し続けているゲームの舞台、「世界線管理局」という異世界の組織に、
その管理局と敵対している組織の所属という女性と一緒に、潜り込んだというファン大満足の「夢」。
「所詮ゲーム」「居るワケない」「あるワケない」
それらすべてが、4K8Kも真っ青な解像度で、
高葉井の前に現れたのです。
ぷかぷか、ふわり。
深い深い意識の底から帰ってきた高葉井が、記憶しておったのは推しの職場のリアル。
本来ならゲームの中の世界であるところの「世界線管理局」の、大きな大きな図書室。
そこで、たしかに推しと、会った気がしたのです。
『私は法務部執行課、特殊即応部門のツバメ』
高葉井に推しが言った言葉が、
高葉井の耳の奥の奥に、まだ残っています。
『本物だ。君が考えるようなコスプレでも、フェイクでもない。 本人だ』
それは、ゲームには存在しない音声です。
それは、高葉井の知らない音声です。
「ツーさま」
あれは、全部夢だったのでしょうか。
「ツーさま……」
あれは、全部気のせいだったのでしょうか。
「ツーさまぁぁぁ!」
高葉井は、推しが自分の目の前で、自分に対して言葉を出してくれたことを、
どうしても、どうしても、「どうせ夢でしょ」で、終わりたくなかったのでした。
パタリ、ぱたり。ゆらり、ユラリ。
カーテンがエアコンの風で、静かに揺れました。
そんな高葉井のキッチンから突然出てきたのが
まさに「夢」の中で高葉井に声をかけた「推し」。
高葉井の推しゲー、推しカプの左側でした。
「聞こえていますよ」
お題がカーテンなのに、出てくるのはキッチンなんですね――そりゃそうです。
高葉井のマグカップを勝手に借りて、2杯のコーヒーを淹れて、1杯を高葉井に、
手渡そうとして、高葉井の手が推しとの遭遇により震えておるので、ひとまずベッド近くのテーブルに置いておくことにしたようです。
これぞフィクションなファンタジーの醍醐味とばかりに、高葉井の推しが至近距離です。
「ツーさまぁ?!」
「見れば分かるでしょう」
「え、え?!なんで、ツー様?!」
「何故って、それはこちらのセリフです。
何故あのとき、管理局に?
世界多様性機構の職員と一緒に居たようだが、彼女とはどんな経緯で?」
「あ、あのっ、写真、動画、連絡先」
「撮っても構いませんが拡散厳禁ですよ」
はぁぁ。
大きなため息をひとつ吐いて、高葉井の推しカプの左側は、頭をガリガリ。
高葉井のベッドの近くにあった椅子に、座ります。
「高葉井さん。ひとまず、落ち着いて。
私の話を聞いて下さい」
それだけで高葉井は推し成分の過剰摂取!
非常に重篤な急性尊み中毒を発症。
「あ、ああ、わぁぁ」
症状として、語彙力の低下と過呼吸と、突然の落涙がみとめられます。 これは非常に、重症です。
「落ち着いて」
高葉井の推しが、再度、言いました。
「本来なら『この』世界では、私や管理局は『フィクション』、『ゲームの中のキャラクター』だ。
よく似た他人、よくできたコスプレとして接する規則だが、あなたは本物の管理局を見てしまった」
よく聞いて。推しが前置いて、言いました。
「私は君が『ゲームの舞台』だと思っていた職場の、『ゲームキャラクター』だと思っていた者。
そして君は……いや、君と君の先輩は、少々大きめの厄介事に、巻き込まれている可能性がある」
パタリ、ぱたり。
高葉井の目が混乱で点になって、
部屋のカーテンが、エアコンの風で揺れました。