『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【カーテン】
フワッと風に揺れてふくらむ レースのカーテン
幼い頃は 包まれて隠れるのが好きな場所
今では 揺れる様子を眺めてる
風が強く吹けば 抑えになり
優しく吹けば 包み込みながら招き入れる
時の流れによって 好まれた形が変わるカーテン
形は変わっても必要なんだよね
なんだか似た存在が連想されて
感慨深くなった
自らの半身であるその子は、いつも半透明の向こうに佇んでいる。であるので、顔を見たことがない。見ようとしたこともない、そうあるべきなので。
自分がその顔を見る時は、きっと、自分を手放したときだけ。
ので、風に揺れる半透明に近付くことなく踵を返した。
『風に抱かれて』
二人で走った丘の上
草の上寝転んで見ていた夜空
君に内緒で星に願った
いつまでも一緒にいたい
もしも話は好きじゃないけど
いつか君が先に空になるなら
毎日 君を想い見上げるよ
そして話をしよう
美味しいクレープ屋さんを
見つけたこと
可愛い子猫がママのしっぽで
ジャラけていたこと
小さなタンポポが
アスファルトの隅で咲いていたこと
そんな
たわいもない話を聞かせてあげる
雨が苦手な君は決まって
頭痛で不機嫌になる
それを隠すように
無理して笑おうとする
それを知ってるから
なるべく話さないようにしてる
晴れたらまたあの丘に
連れて行こう
君と僕が大好きなあの丘に
そしてまた草の上で
お話をしよう
なんの悩みもない
ありのままの二人
風に抱かれて遠くを見つめる
そんな君の夢を
いつまでも見ていたい
カーテン
いつ買ったか覚えてないけど今のカーテンけっこう汚れてるから買いかえるべきなんだろうな。
でも汚れてたらカーテンの役割を果たせなくなるわけじゃないし、もったいないから今のままでいいか。
というかこうして書いてみて思ったけど今使ってるカーテンを洗えばいいだけか。
カーテンを洗うという発想が今までなかったから買いかえという方法しか思いつかなかった。
どうにも資本主義というか消費文明に毒されているな。まだ使えるものを買いかえるという発想しかなかったなんて。
しかしカーテンを洗うね。今使ってるカーテンけっこうでかいんだよな。これ洗って干してまたかけ直すのか。めんどくさいな。
【カーテン】
目の前でカーテンが閉められる。
思考を停止するように
通信を遮断するように。
「開けて」と「助けて」と叫んでも
開けられることはなかった。
孤独に突き落とされるのがこんなにもつらいのかと
ぞっとする。
どんどん酸素が薄くなる。
ふっと眠るみたいに意識が途絶えた。
推しの部屋のカーテンになりたいって、
小松さん言ってたな〜
そよぐ風に、カーテンが揺れる
きっとそれは、エアコンのせい
真夏の時期なんて
虫が入ってくるから
窓を開けようとも思わない
カーテンがそよぐのは
春から夏、秋から冬にかけて
清々しい風が入ればいいのに
ここ最近は猛暑ばかりだよ
真夏の暑さは、カーテンも遮れなくて
ーカーテンー
「カーテン」
カーテンは、どの部屋の窓にも大抵付いているものだ。
そのカーテンは、時には眩しすぎる日光を遮ってくれたりと、すごくいい活躍をする。
でも、恋愛をしている時に窓際の席になった時。
そのいい活躍をするカーテンは、すごくお邪魔に感じる時がある。
好きな人、彼氏を眺めることができないからだ。
特に学校にいる時。
すごく眺めたい時に、カーテンが邪魔で見えない時がある。
授業中に何やってるんだと言われてしまえば、それはそうなんだけど。
でも、好きな人のことを少しでも見たい。
それは誰もが思うことだろう。
会いたい、会いに行きたい。
それを躊躇なく言える関係になりたい。
付き合っている時は、そう言えていた関係でも、
別れてしまえば、言えなくなってしまう。
それがすごく辛い。
会いたいのに、会いに行きたいのに。
それを言葉にすることも、送ることもできない。
素直になりたい。
でも、今は多分ダメだよ。
悲しい時、カーテンは泣き顔を隠してくれるから。
あなたは、喜怒哀楽の全部の感情の時にそばにいてくれる。
ありがとうね。
カーテンを開けると、そこには見知らぬ世界が広がっていた。
いいや、景色自体は変わっていないのだろう。
庭の木々に、知らないおじさんが何人もしがみついていた。
なんだこれは? 殺したほうがいいのか?
カーテンは多くの役割を果たしている。何度も開閉され外と内の空気を含み、風が通り抜ける。
近所にカーテンのないスタイリッシュな家があるのだが、いつも周囲の視線を気にしていなければいけないだろう。結局、数年後、その家もロールカーテンを取り付けてしまった。やはりプライバシーの保護のためにはカーテンは必要だったらしい。
カーテンは外と内を繋ぎつつも、遮断する役目を持っている。
ある子の心には、どこか分厚いカーテンで覆われているものを感じることがある。
いつかそのカーテンが開かれ、透けるレースのようにオープンになってくれる日が訪れるといいなと思う。
「カーテン」
【カーテン】
朝カーテンの隙間から入ってくる太陽の光が部屋に差し込む眩しい、「二度寝したい 学校行きたくない」と毎日のように思うだけど朝は来る誰かイヤと言っても毎日同じように朝カーテンを開けて準備をして学校に行くの繰り返し「なんか面白いことないかなー」
カーテン
ふと夜中に目が覚める。ベッドの隣にいたはずの温もりはなくなっていて、あるのはぽっかりと空いた空間だけ。トイレにでも起きたのだろうかと、微睡の中ぼんやりと考えた。
夏の夜、冷房の効いた部屋は涼しく管理されていて、寝苦しいなんてことはない。寝室の横、リビングからカタリと音がして、気になった末だるい体を起こしてリビングへと続く扉を開けた。
ベランダへの窓が開く音だったのかと、ぬるい風にレースカーテンがはためく姿を見て思った。ベランダには夜空を背景にタバコを吸う男が1人。ぷかぷかと煙を吐き出しては輝く星を眺めていた。数歩近づくと、ペタペタという足音で気付いたのかこちらを振り向いては「来ちゃダメ」と吸いかけだろうタバコを消す。
「…子供扱いしないで」
「タバコなんていいことないんだから」
そういう彼はタバコを辞めない。でも私の前でも吸わなかった。
ベランダへと並ぶと、少しだけタバコの残り香を感じた。
カーテン
波音希星作品
柔らかな風が纏うベール
風の声が囁くステージ
夏の風が妖精たちを連れてきて
光と戯れ風を纏う
その手で優しく頬を撫でる
風の妖精たちが舞う
コロコロとした笑い声が空を彩る
木漏れ日に揺れる線
柔らかな羽のようなひととき
その風に秘密を託し
夢の中へと誘われる
見えないけど感じるんだ
透明な翼で舞う彼ら
その声が心に響く
風の詩が続いていく
大自然のエネルギーを感じながら
防犯のため一晩中
門灯を灯す住宅地
門のそばに植えた
朝顔の花は
極端に咲かなかった
人が教えてくれる
朝顔は短日植物
一夜の暗さが必要と
子供部屋のカーテンに
完全遮光を
欲しがる子ら
街灯 門灯で
かなり明るい住宅地
気づかなかったけど
もっと暗さが必要だった
揺れてめぐって 君の偶数
消えて灯って 裸足とマズロー
ヒエラルキーの上のとこ
小さな蜜の花のとこ
テーマ「カーテン」
カーテン…
幕上がってさぁ、だーぃぶ経つのに、わりかしハデな名前もらってんのに、今の未だにモブ中のモブ…いやぁそこそこの役がもらえるなんてかなりかなりウヌボレだったんだワ〜もうモブの中で輝くことを目指したほうがぁ…しゃーわせかも?
カーテン
朝日がのぞき込む、スキマ風
私は、この朝日と、ともに 起きあがる。
たびたび、スキマ風から見える朝日が、
今日格別に、綺麗なものに見えた。
ゆっくりと起きあがるツナミのように
カーテン
冴えた瞳が深い夜の色をした部屋を映している。
小暑の匂いが鼻腔をくすぐる。
汗ばんでしっとりした腕で、
眠れない憎たらしさと明日への恐怖を覆う。
夏が来たんだ。そう私に伝えたいかのように、
夜と同じ色をしたカーテンはひらひらと
部屋を舞った。それはもう気軽に、優雅に。
私もカーテンになれたら楽しいのかな。
なんて馬鹿らしいことを考えて、
少し泣いてしまった。
カーテン
たった1枚の布だけど、これで私の城が完成した
中で何が起きるか誰も知らない
外で何が起きるか私は知らなくてすむ
ちょっとだけ隙間を開けてみる
───分厚いカーテンの奥。
妖精もユニコーンも確かに存在していた。
閉め出したのは、いつからか。
【カーテン】