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自らの半身であるその子は、いつも半透明の向こうに佇んでいる。であるので、顔を見たことがない。見ようとしたこともない、そうあるべきなので。
自分がその顔を見る時は、きっと、自分を手放したときだけ。
ので、風に揺れる半透明に近付くことなく踵を返した。

7/1/2025, 3:32:32 AM