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3/27/2026, 12:34:43 PM

その一挙手一投足に、
その一言、その表情に、
どうしたって乱されている。
知らないところで笑っているだろう君が、
僕のいないところで息をしている君が、心底憎い。
どうか、どうか、君だけは幸せになどなってくれるなと、人でなしのように指を合わせるのだった。

7/1/2025, 10:33:32 AM

じゃんけんで勝った。隠れることにした。
歩いて走って、その先で草いきれの匂いを大きく吸い込んだ。
格好の場所を見つけたから、そこに身を隠した。
見つからないように、見つけられるのを待っていた。見つかりたくなかった。
果たして、見つかることはなかった。

7/1/2025, 3:32:32 AM

自らの半身であるその子は、いつも半透明の向こうに佇んでいる。であるので、顔を見たことがない。見ようとしたこともない、そうあるべきなので。
自分がその顔を見る時は、きっと、自分を手放したときだけ。
ので、風に揺れる半透明に近付くことなく踵を返した。

5/31/2024, 2:59:45 PM

何色にも染まるあなたを、自分の色にだけは染めたくなかった。

ひとつの色だけがないところで、何も問題はなかった。

あなたはきっと、黒がとてもよく似合うから。

4/7/2024, 10:51:25 AM

 ゆうやけこやけで日が暮れる。
 そんな歌を口ずさみながら、あなたは私の隣を歩く。
 少し外れた音、間違えた歌詞、最後のほうは覚えていなくて、声はそのまま消え入った。それを惜しいと思わないくらいには、私の居場所はあなたの隣だった。
 夕日がうんと傾いて、あなたの顔が翳っていく。それが帰路の終わりの合図であることを知っているから、私たちは短い言葉を交わして背中を向けた。
 別れがたくはなかった。だって明日も会えるから。
 私の居場所が、明日も訪れることを知っているから。

 明日の居場所が無かったのは、そんな惨めな傲慢のせい。

 夕日は今日も綺麗なまま。
 私の居場所は、今日もどこかに消えたまま。

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