ゆずの香り』の作文集

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ゆずの香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

12/23/2023, 6:13:45 AM

#ゆずの香り

高校生がもう終わろうとしているのに
私だけ恋人の1人もできない。
周りの友達はどんどん恋人作っていって…
失恋した時ゆずいっぱいの風呂に入るとゆずの優しい匂いで心が芯からほぐれる。

12/23/2023, 5:56:06 AM

「12月22日は冬至。冬至といえば、カボチャかゆず。まぁ、予想通りよな」
空ネタ、天候ネタ、エモに恋愛に年中行事。
それらでほぼ出題の過半数を占めているだろうこのアプリである。
やっぱりな。某所在住物書きはスマホの通知文を見ながら、ぽつり。
「まぁ、予測可能でも、じゃあそれをお題にしてすぐハナシ書けますかっつーと、別だけど」
「ゆずの香り」ねぇ。物書きはため息を吐く。

ゆず湯くらいしか思い浮かばないが、お風呂シーンなど、誰が求めようか。

――――――

最近最近の都内某所、最低気温0℃な冷え込みの某自然公園を、
藤森という雪国出身者が子犬の日課よろしく、
コンコン子狐にハーネスとリードをつけて、散歩というかマラソンというか、まぁまぁ、しておりました。
藤森のアパートのご近所に、狐住まう稲荷神社がありまして、
子狐はその神社の奥様がいとなむ、茶葉屋の看板狐。
藤森は茶葉屋の常連。お得意様なのです。

藤森がこの茶葉屋に、「冬至限定品のゆず餅とゆず茶、美味しかったです」と、てくてく挨拶に向かったところ、
藤森が来るのを知ってか知らずか、コンコン子狐、ハーネス付けてリードも付けて、「エキノコックス・狂犬病対策済」の木札もぷらぷらさげて、お散歩装備でスタンバイ。
ところでハーネスの胴部分、2次元コードとお店のロゴと、「期間限定!稲荷神社のゆず茶在庫残りわずか」なんてプリントされてますが、気のせいかしらそうかしら……?

『丁度良かった』
茶葉屋の店主さん、言いました。
『ちょっとこの子と一緒に、お散歩に行ってきてくださらない?』
報酬は555円税込みの、5産地から選べる飲み比べお試しティーバッグセットだそうです。


――「おい、子狐、こぎつね!」
ぴょんぴょんぴょん、ぴょんぴょんぴょん!
コンコン子狐、リードをぐいぐい引っ張って、藤森をリードして、人間がいっぱい居る場所探して全速力。
飛んでいく勢いの子狐が、風をきるたび地を跳ねるたび、ふわり、ゆずの香りが周囲に咲きます。
きっと、ハーネスとリードに香り袋か何かで、細工が施されているのでしょう。
わぁ。宣伝上手、商売上手。
だって季節モノのゆず茶の在庫が残りわずか。

「そろそろ止まれ、休憩しよう!」
この藤森、日頃運動なんてしない頭脳派なもので、長距離走など冗談ではありません。
息が上がって、最高気温一桁の空気が、ダイレクトに肺に入ります。マーシレスに肺を冷やします。
子狐コンコン、足を止めてしまった藤森を、振り返って、見上げて、すごく不思議そうです。
だって子狐は疲れてないのです。まだまだ、へっちゃらなのです。

首を傾けて、反対方向にも傾けて、『おとくいさんは、一体全体どうしたのかしら』。
ゆずの香を振りまく子狐は、藤森をじっと観察して、別におやつを持ってる風でも、それを子狐にくれる風でもなかったので、
くるり。 全速力の突撃を、再開しました。

「止まれと、言っているだろう!」
ぴょんぴょんぴょん、ぴょんぴょんぴょん!
コンコン子狐のゆずの香りと、それに引っ張られる藤森の懇願が、最低気温0℃な冷え込みの某自然公園に溶けてゆきます。
「こぎつね!」
悲鳴と香りが、良い具合に宣伝効果になったか、
その日で稲荷神社近くの茶葉屋の、冬至限定品のゆず茶は、無事すべての在庫を捌き終えましたとさ。
おしまい、おしまい。

12/23/2023, 5:51:35 AM

冬至の夜
我が家では柚子を入れて柚子湯にするのが慣わしだった。
ゆずの匂いが充満し、冷えた体を芯から温める。
それだけではなく、いつもと違う浮かんでいるたくさんの柚子が、私はとても楽しみだった。
実家から出た今、わざわざ柚子を入れる暇もなく忙しなく過ごしていたので忘れていた。
今日くらいは、ゆっくりしようかな。

12/23/2023, 5:38:42 AM

何処からともなく柚子の香りが漂う夕刻
駅前の古びた商店街は、全盛期にこそ劣るものの現代では珍しい程活気ついている。

今日は仕事でミスをしてしまった同僚のフォローに追われ昼終わりのシフトだったのがこの時間だ。辺りはすっかり陽が落ちている。まだ午後5時を過ぎた所だと言うのに街頭が無ければ真っ暗だろう。

都会から少し外れただけで、田舎と言うほど田舎でも無い、古き良きが残るこの町が私は気に入っていた。
駅を出て、商店街のアーケードを通りながら、今日はお惣菜でも買って夕食にしようと決めた。
定食屋から漂う良い匂いに釣られてしまいそうだが、今日は消費しなければならない作り置きがある。メインのおかずだけ買って、冷凍してある白米を温めて食べよう。流石に疲れたので、何もしたくない。

それにしても今日は随分と良い匂いがする。柑橘の香り…この香り知っているが、パッと頭に出てこない。なんだったか。
疲れたせいか頭が回らず、いつもならすぐ出てきそうなこの香りの正解を探しながら、行きつけの肉屋へ立ち寄った。
ここのコロッケが好きでよく買いにくる。今日はガッツリメンチカツも悪くない。さてどうするか。
目に入ったのは柚子入りコロッケ。あ。と頭の中で繋がった。

「それは今日だけの特別商品柚子コロッケだよ。サッパリして美味いから1つどうだい?」

奥から出てきた店の息子が私に言った。時期店長の跡取り息子だ。私が通うからよくおまけをつけてくれる有り難い存在。

「今日だけ?」
「そう。今日だけ。ほら、今日は冬至だろ?だからってんで、母さんに言われて。あとカボチャコロッケもおすすめ、今日は冬至だからってみんな食べるんだ。残り2つ、それで最後だからどっちも買ってかないか?」

そうか。今日は冬至だった。すっかり忘れていた。
町に漂うこの香りは、柚子の香りなんだ。
商店街の上の階は住宅の家が多い。何処もこの時間柚子風呂に入っている。思えば商店街で黄色い物を沢山見かけた気がすした。あれも柚子だったんだ。

「じゃあ、かぼちゃコロッケ2つと柚子コロッケ1つ」
「あいよ。少々お待ちを」

息子は紙袋にコロッケを詰め、お金を受け取ると裏に引っ込み再び出てきた。手にはビニール袋を下げている。

「はい。じゃあこれコロッケと、柚子のお裾分け。あとこれはオマケ。揚げたてコロッケ。火傷しないように」
「わっ、沢山……。ありがとう」
「まいど、気を付けて帰るんだぞ〜」

手から伝わる熱々のコロッケの熱が優しさをじんわりと広げていく様に。噛み締めながら頬張った。

「あっつ」

ザクザクの衣と中のホクホクしたジャガイモの食感を楽しみながら、家路につく。
この歳になって食べ歩きながらの帰宅。青春時代に戻ったようだ。
そして、それを違和感なく出来るこの商店街の雰囲気が好き。町では誰かが食べ歩きをし、店先では井戸端会議が開かれ、ベンチで帰宅前の腹ごしらえをする学生が居る日常。

それを微笑ましく眺めながら、商店街を抜けて路地を曲がった所にある小さなアパートに帰ってきた。

買ってきた物を台所に置き、湯船を溜める。
夕食の支度をし、作り置きのおかずとコロッケを堪能してから、風呂へといった。

湯船に入るのは久しぶりだ。いつもシャワーで済ませてしまうから。
年末前にと早めに行った風呂掃除がこんなタイミングで役立つとは思っていなかったが、溜まった湯船にお裾分けの柚子を浮かべた。
先に身体を洗う。温まった柚子が次第に香りを放ち、風呂場は柚子の良い匂いで充満した。

ゆっくりと足から入浴し、肩まで浸かるとじんわり身体が温まっていく。オマケのコロッケを食べていた時と同じだ。
優しさに包まれて身体に染み渡る感覚。久しぶりにゆっくりと入浴した。

今日は特別だ。残業して頑張った自分へのご褒美。
同僚のミスだって、みんなでカバーしたからどうにか出来たんだ。それで良かった。私もそれに文句は無いし、みんなも文句は言ってない。誰かに優しく出来た。誰かに優して貰えた。今日はその優しさを噛み締める日。そんな事を思いながら、柚子の香りを全身に纏う。

こんな日もたまには悪くない。

#柚子の香り

12/23/2023, 5:38:00 AM

『ゆずの香り』

冬至の柚子湯に使った柚子…捨てるのもったいないよね。まだいい香りするもん。役目が終わったらそこで終わりなんて悲しすぎるもん。突然の解雇。その時浮かんだのは子供の頃の記憶だった。

12/23/2023, 5:30:12 AM

聞きなれた
ベルの音は

もう
あの日から

一度も
鳴ることはなく



名を呼ぶ勇気は
お互い

とうに力尽きて



もう
同じ夢は
二度と

思い描かない



それだけが


哀しく響く確信




「ベルの音」

12/23/2023, 5:23:47 AM

#ゆずの香り

大人になって、恋人を作ろうとアプリを始めた。
気になる人もできて、何だか良い感じ。

でも、今まで恋愛なんてしてこなかったから、
相手の心が分からなくて不安ばかりが募る。

もう一回会いたいって言ってくれたけれど、
私の事どう思っている?何人の中の1人なのかな?
私だけに会いたいって思ってくれていたら嬉しいな…。

今日は2回目のデート。
クローゼットを開けて、私が1番可愛く見える服を探す。
鏡を見て、私が1番可愛く見えるメイクをする。

よし、これで大丈夫。
ドキドキする気持ちを無視して、自分に言い聞かせる。
多分、大丈夫…。
家の鍵を掛けてドキドキする気持ちに蓋をする。

あ、これ忘れてた。
鞄の中からハンドクリームを取り出す。
指の先まで、可愛い私でいたいから。
ゆずの香りがする私のお気に入り。

あなたに可愛いって思ってほしくて、
できる事は頑張った。

可愛いって言ってくれたら嬉しいな。
冷たい風が吹く冬の空に願いを込めて歩き出した。

12/23/2023, 5:04:35 AM

亀「兎さん眉間にシワ寄せてどうかしました?」
兎「アプリで作文の練習をしているんだけど、筆が進まなくて。他の人は上手く書いているのになあ」
亀「テーマは?」
兎「今回はね、『ゆずの香り』」
亀「冬至だけに」
兎「冬至だけに。何かゆずの思い出ない?」
亀「ゆず湯とか」
兎「冬至だけに?」
亀「冬至だけに」
兎「じゃあさ、好きなゆずの食べ物は?」
亀「ゆずゼリーとか」
兎「わりと普通だね」
亀「すみませんね」
兎「あ。あれ、なんて呼ぶんだっけ。汁にのっている、ゆずの皮とかの」
亀「トッピング? 彩り?」
兎「だっけ」
亀「それ、話広がります?」
兎「…………」
亀「…………」
兎「ゆずの香りを嗅いでタイムリープしたことは」
亀「ねえよ」


『ゆずの香り』





(疲れているらしい。ちなみにあれは吸口、香頭)

12/23/2023, 4:58:30 AM

疾き日暮れ 待ち人亡くし 暗い部屋
遠のく声と 薄まる香り
#ゆずの香り

12/23/2023, 4:57:39 AM

『お母さんのバカっ!!』

バタンッッと勢いよく居間の扉を閉めて、二階に続く階段をドタドタと上る。
部屋のドアも思い切り締めて、鍵をかけた。

ベッドにそのままダイブし、布団の中へと潜り込んだ。

誰かと喧嘩した時や上手くいかなかった時に必ず逃げ込む場所であり、自分が唯一素直でいられるのが布団の中……一人でいられる時だった。

母との喧嘩は日常茶飯事なのだが、今日は特に酷かった。

高校一年生である私は、母に進路の相談をした。

服飾デザイナーになりたいから専門学校を目指したいと話したのだが、母は猛反対。

どんなに説得を試みようとしても、大学へ行くべきだと頭ごなしに叱られ、夢を否定されて喧嘩勃発。

大声で怒鳴り散らして今に至る。


母も私の将来を考えて、言ってくれている事は分かる。
それでも、夢を拒絶されたのは本当に悲しかった。

少しでも聞こうとしてくれなかったのが、なんだかとても寂しかったのだ。

簡単になれるものじゃないとわかっているからこそ、本気で今から頑張っているのに、それを一番身近な存在に拒まれるのはかなり辛い。

ダメージが強く、布団の中で体を縮こませることしか出来なかった。


コンコン、

部屋の扉が叩かれて声がする。

「開けて?」

声の主は、私の大好きな兄だ。

幼い頃から母に怒られた時、いつも話を聞いてくれていた。
今日は仕事で遅くなると聞いていたが、もう帰ってきたんだろうか。

のそのそと布団から出て扉の鍵を開けると、ドアノブが周り扉が開いた。

そこには困ったように見つめる兄がいた。

『遅くなるんじゃなかったの?』

「予定よりも早く帰れたんだけど……母さんと喧嘩したのか?」

小声でそう尋ねられ、答えたくなかったのでそっぽを向いた。

「またか……」

『だって!!否定されるだけじゃ納得できない!!』

大きな声に驚いたのか、兄が目を少し見開き私を見る。

『私は遊びでデザイナーになりたいって言ってるわけじゃないんだよ?真面目に考えて、調べた結果で言っているの。それをただ、真っ向から否定だけされても……はい、そうですかとはならない。』

久しぶりに自分の胸の内を話したからか、目にはじんわりと涙が溜まっていく。

涙を流しながらも、自分の中でも整理できてなかった思いをが口から出てくる。
兄は、黙って静かに聞いてくれていた。

全て吐き出し切る頃には、涙で顔はグズグズになっていて、兄は私の頭をポンポンと撫でる。

「お前もきちんと考えていたんだな。さすが高校生。」

子供扱いされている気がしてちょっと不服だが、自分の気持ちを受け入れて貰えた気がしたからか、少し安心した。

「自分の夢を否定されるのは、苦しいと思う。けどお母さんも心配なんだよ。」

優しく兄に諭されるが、今の私にはその言葉を受け取れるほど心に余裕は無い。

むすーっと拗ねていると、兄はフッと笑って頭を撫でてた手を方に移した。

「だから、お母さんが安心できるくらい夢に対する熱意を語ってやれ。俺に色々言えたんだからできるだろ。」

顔を上げ思わず兄を見た。
まさか、そんな肯定的な言葉を貰えると思わなかったからだ。

初めて自分の意見を認めて貰えた気がして、また涙が出た。

「ほら、無くならお風呂で泣いてこい。じゃないと明日目が腫れるぞ。今日せっかく柚子買ってきたんだから、ゆず湯入らないともったいないぞ。」

兄に背中を押され、お風呂場の方へ連れていかれる。

『じ、自分で行くから!!』

「そう?んじゃ、ごゆっくり~」

兄はあっさり手を離して、自室へ戻っていこうと踵をかえす。

『お兄ちゃん。』

「ん?」

『……ありがとう。』

「おうよ。」


準備をして浴室へ入ると、ゆずの香りが充満していた。

柚子が二、三個お風呂に浮かんでいる。

早速湯船に漬かり柚子をちょんちょん触ると、ぷかぷかと浮き沈みする。

『そういえば、子供の頃はよくお母さんとお風呂はいって柚子でも遊んでたな。』

子供の頃はよく母とお風呂に入って、キャッキャと楽しそうに笑っていた。

ふとその頃の思い出が蘇り、笑みがこぼれる。

風呂の中でぼんやりしていると、優しいゆずの匂いとお風呂のおかげで、気持ちが落ち着いていた。
さっきまでこんがらがって纏まらなかった事も、綺麗に纏まっていく。


やっぱり服飾デザイナーは諦めたくない。


すぐ認めて貰えなくてもいい、でも必ず認めさせるんだ。

そう意気込んで、もう一度深く方まで湯船に浸かる。

ポカポカと体が温まっていき、まるでゆず湯から元気を貰えたような気がした。

#ゆずの香り

12/23/2023, 4:51:46 AM

浴槽に湯を張って入浴剤を入れるところに、今日はゆずを入れた。お隣さんがお裾分けしてくれたものだ。
そのまま剥いて食べてしまうのも上手い。が、肌が切れてしまうような寒い冬に、ゆず風呂というのはなんとも風流なものではないか。

あぁ、冷え切った体が芯から温まっていくこの感覚。時間が無くてシャワーだけで済ませている現代人は少しかわいそうに感じるぐらいだ!
さらに今日は、木漏れ日を集めたような色が浮かんでいる。ほのかに香る甘酸っぱい…しかしどこかほっとするような香りを滲ませて。
それだけで浴室は極楽へと変わる。
襲い来る睡魔に白旗を揚げ、甘い夢へと落ちていった。

12/23/2023, 4:48:51 AM

カランカランと、寒空に鳴り響くベルの音。
 先頭の嬉しそうな人を見て驚きと諦めに包まれる待機列。中には項垂れながら列から外れる人もいる。
 前に並んでいた友人が5枚のチケットを持ちながらくるりと、残念そうな顔をして振り返った。

「1等の旅行券、もう当たっちゃったらしいわ」


 屋外市場のクリスマスマーケットでは年末のセールも兼ねた抽選会が行われていた。ちょうどクリスマスから年末に行う色々なパーティーの準備のために、こうして友人と3人で買い出しに来ていたところだ。

 抽選会の景品は豪華旅行券からスポンジ詰め合わせセットまで幅広く取り揃えられている。しかしその景品のほとんどは、どこかの店の在庫処理のようにも受け取れる、当たり外れが大きい印象だった。

 だから参加はやめようと強く言ったのに、休みがなかなか取れない多忙な仕事柄、旅行券の魅力に勝てなかった2人が食べ物やお菓子や、1年にたった2日しか使わないのにクリスマスの飾り物を買い、抽選会に5回ほど参加出来るくらいのチケットを集めていた。それはそれはうきうきと心を踊らせながら並んだ。
 それがこの有様だ。

「雑貨はともかくこの無駄に買った食料はどうするんだ。2日で食べ切れるのか?」

「君んとこの冷蔵庫、なんにも入ってなくてガラガラだからそこに入れればいいじゃん。今年のクリスマスパーティーと年末年始はそっちに集合しよう」

「賛成。良い案ね」

「また勝手に……」

 列に並びながらぼそぼそと話す。もうみんな意気消沈してしまって口喧嘩をする気力も湧かない。ワクワクしていた抽選会も、せめて使える物を引いて帰ろうと思っていた。

 途中で離脱した人がいたのか、前に多く並んでいた割には早く順番が来た。自分はもうあまり興味も無いから、チケットの命運を2人に託し、代わりに荷物を受け取って先に列の出口の方で待つことにした。
 果たして結果は。


「参加賞のポケットティッシュが2つ、6等の食器用スポンジ5個入りセットが2つ、そしてこれが5等の……何だ? 石鹸?」

「裏にシールが貼られてあるわ。ちょっと待ってね。……入浴剤だって。柑橘の……ゆずの香り、って書かれてるわ」

 結果は惨敗。それなりの金をかけて集めたチケットは、そこらでも買える安い消耗品になった。
 この中で1番ランクが高い入浴剤は店員曰く効能が良く質が良いためまだ当たりの方らしいが、それでも大幅に損をしていることは明らかだった。

「5枚中5枚ともハズレかあ。こんなことになるならやらなきゃ良かったね」

「だから最初に無理に集めるのはやめろと言ったんだ。今度からは付き合ってやらないからな」

「ねえねえ、この入浴剤、あたしが貰ってもいい?」

「僕が引いたんだから僕のものだよ!」

「あたしは女の子なんだから譲るべきよ!」


 元気を取り戻したのか、いつも通り始まった些細な喧嘩を尻目にさっさと帰路へ着く。思考の優先順位はこの大量の荷物を狭い部屋の何処に仕舞うべきかへ移っていた。



お題:ゆずの香り

12/23/2023, 4:09:10 AM

#ゆずの香り

「珍しいな。」

「そ、今日は冬至だからね。」

どうりで風呂に柚子の皮が沈んでいた訳だ。
中身はどうしたんだろうと思ったが。
目の前で酒になったようだ。

「年末近いから厄除けしなきゃ。今日はとりわけ夜が長いんだよ。」

「お前はもう風呂は済んだのか。」

「ううん、今から入る。」

「それなら代わる。お前はゆっくり入って来い。」

ちょっとしたサプライズだ。
時間も掛かる、と言えば素直に着替えを取りに行った。

そうは言っても材料は冷蔵庫にある物だけだ。
4個で138円の洋梨のヨーグルト、
238円のホットケーキミックスがあと1袋、それと。

「ん?」

記憶違いが生じたらしい。困ったな。

ーーー

「パンケーキだぁっ。しかもシューアイス乗ってるっ。可愛い。」


ーー可愛いのか。

パンケーキの上にゆずを混ぜたヨーグルトソースの更に上にシュー生地に包まれたバニラアイスを半分に切って乗せた。

「普通のバニラアイスが無くてな。」

「え?全然気にしなぁい。これ可愛いよ。」

「そうか。」

「うん。今度はイチゴ味買う。ピンクだったんだよねー。」


予定では、バニラアイスをカレースプーンで掬って乗せるつもりだったんだが。
シューアイスじゃ、仕方なかった。
そうだな。
前の俺ならダメな奴だな自分は、と責めていただろう。

何にでも完璧である事を強要する所だが。

彼女が可愛いと言うのなら充分、成功だ。
まじまじとシューアイスの乗ったパンケーキを見る。

その間に彼女が作りかけていたゆず入り酎ハイが出来た。

「いただきまぁーす。」

にこにこしてる彼女が居るなら。
俺は完璧じゃなくて良い。

傾けたグラスからゆずの香り良い匂いがした。

12/23/2023, 4:09:06 AM

ゆずの香り

ころころと 口の中でキャンディーを
転がす そうすると ふわっとゆずの
香りが口の中に広がる。

爽やかで少し苦みのあるゆずの風味が
口の中をしゃっきとさせ 柑橘系の匂いが
鼻腔にも広がる。

「ん~美味しいけど 私は、もうちょっと
甘い方が好きかなあ~ そっちは何味?」
と私は、隣に座る彼氏に話題を振る。

私と同じく キャンディーを口の中で
舐めている彼氏は....

「ん~何だコレ 苺かなあ~ こっちの方が まだ甘いかなあ~ 俺はどっちでもいいけど....」

「あっ 私そっちの方が良かった
交換して!!」

「いや もう口の中に入ってるし無理」
彼氏に断られ 私は、キャンディーボックスに手を伸ばし 苺味のキャンディーを
探す。

もぞもぞもぞもぞと パッケージを
確認し 苺味のキャンディーを見つけ
まだゆず味のキャンディーが口の中に
入っている為 舌で舐めて小さくし
飲み込むのに時間が掛かった。

その為 まだ私の手の中には
苺味のキャンディーのパッケージが封を
切らずに 手の中に残っていた。

やっとゆず味を舐め切り 苺味のキャンディーのパッケージの封を切り 口の中に
放り込もうと キャンディーを指先で
摘まむと 指先が滑り キャンディーが
落ちてしまった。

「あっ!」ころころと床に....
「洗えばたべられるかなあ...」
と彼氏に 驚きの余り食い意地が張った
発言をしてしまう...

「洗ったらドロドロに溶けると思うけど...」と彼氏のもっともなツッコミに

まあ そうだよねぇ...

見るとキャンディーの数も残り少ない

(まあいっか!ゆず味も美味しかったし
また 買って来れば良いよね!)

私が半ばキャンディーの事を追い出して
一人で頭の中で納得していると...

「濡れてても良いならあげるけど...」
と彼氏がそんな事を言うので

まだ苺味あったっけ....
て言うか 私の洗えば食べられる発言を
真に受けて 本当に洗って来たのかなあ...

とそんな事を考えて彼氏の顔を見ると
彼氏の顔が目の前の近くにあり
私の唇と彼氏の唇が重なった

そして いつの間にか 私の口の中に
苺味のキャンディーが転がる。

唾液を含んだ ちょっと溶け掛かっている
キャンディーが...

まだゆず味の香りと風味の余韻が口の中に
残っていたので

苺の甘酸っぱさと ゆずのはっきりした
酸味とが合わさって

爽やかさと甘さが三位一体となり
舌の上で蕩ける。

私は、何が起こったか分からず
一瞬 動きが止まる。

隣を見ると 彼氏が何事も無かった様に
普通に座って居た。

そんな彼氏の顔を見て 私の顔は
逆に真っ赤に染まって行き
彼氏の顔を見ない様に俯いた。

こう言う事が普通に出来るのが
恋人同士と言う物だが 私は、
未だに慣れない為

しばらく沈黙していた。
彼氏は、そんな私を分かって居るのか
居ないのか....

しばらく向こうからも 話し掛けては、
来なかった

少なくとも この口の中の
苺味とゆず味の香りが消えるまでは
私は、無言を貫いた。.....

12/23/2023, 3:55:26 AM

ゆずの香り

 冬至だからゆずをまるごと3つ湯船に浮かべた。
 皮の匂いを嗅いだり、お手玉しながら入浴。
 楽しかった。でも、片付けが大変でした。

12/23/2023, 3:52:35 AM

ゆずの香り

お風呂に入ったら柑橘系のにおいがした。
そうか、今日は冬至か。
ゆず湯はいい香りがして一瞬、体ご健康的に感じになった感じがする。

12/23/2023, 3:51:42 AM

あぁ、君はまた女の子からモテていて…
恋人選び放題じゃん。ポタポタ
鈍感な君は気づいて無いかもしれないけど…私、
『ずっと君のこと好きだったんだよ?』
いつも隣でみてたのに、いつ恋人ができたの?
君の為に努力してたのに気づかないの?
本当、君の鈍感さは計り知れないなぁ
ふわっと香るゆずの香り。
人々を虜にさせる優しい笑顔。
通行人を魅了させる整っている容姿。
全部、ぜんぶ…好きだったのに。
こんなことになるなら、早く告白すればよかった…
でも、君が選んだ人なら笑顔で…
       【祝福するよ】

12/23/2023, 3:47:36 AM

【ゆずの香り】

今回のお題では、まったく物語のネタが思いつかないので、ちょっとした私ごとの雑談を一席。
ゆずは日本原産ではないそうで、けれど奈良時代には伝えられて栽培されていたそうな――というネットからの教えをいただきました。
奈良時代から平安時代。平安時代といえば、来年の大河ドラマは紫式部さまがテーマだそうですね。テレビは滅多に見ないのでよく知らないんですけれど(*_*;
そして紫式部さまといえば源氏物語。古典は好きなので、関連する本をよく読みました。その中で、そう言われればそうだ、なんで今まで気づかなかったんだろう!と教えられた本が多々ありました。まづひとつ挙げると、「平安人の心で「源氏物語」を読む」という御本。“桐壺”の話は、まんま中宮定子と一条天皇のお話なのだという指摘に、強烈な一撃を与えられた思い出があります。「枕草子」も大好きで、歴史上の女性で尊敬する女性を“中宮定子”としている自分でしたが、このことにはまったく、これっぽっちも思い至らなかった、ボーッと読んでちゃいけないな……と恥じ入った経験をしました(^_^;)
そしてもう一冊、「源氏の男はみんなサイテー」。この御本の、冷泉帝に関する……というか、この時代の特殊な考え方への指摘に、またしても間抜けな自分には刮目させられた次第です。現代の人間ならば、自分の本当の父親が別にいて、しかもその人物を部下として使っているということを知ってしまったとしたら。まあ、人によってさまざまな感情が湧くでしょう。今までいた自分の世界の崩壊による情緒不安とか、養父、実父、とくに母親への不信感……などといった精神的混乱などでしょうか。
けれど冷泉帝が恐れたことというのは、“知らなかったとはいえ、実は臣下の子である自分が帝位につき、子である自分が実の父を臣下として侍らせていたとは――なんて愚かな不孝者なんだ、自分は!”と、とにかく己の不明を嘆くという、現代人の発想にはあまりないであろう思いに煩わされるのです。なによりも先祖を敬うべし。ゆずの伝来とともに、腐れ儒者の教えも浸透していたんでしょうね。薄らいだとはいえ、今もまだそんな考え方が残ってはいますが。
最後にもう一冊、「薫の大将と匂の宮」。この御本の「六条の御息所誕生」の章での気づきには、大いに感動しました。夕顔の巻で一番初めに現れた怨霊は、当初は六条の御息所ではなかった!?どういうこと!?こいうこと!!なるほど、腑に落ちました!という、まさに章題のとおりの舞台裏のような物語。これを読んだあとは、ほろ酔い気分のような心地良さにしばし浸れました(*˘︶˘*)♡

以上、少々無理矢理感がありましたが、お題「ゆずの香り」にことよせた雑談、というか、御本の紹介でした。また機会があれば語りたいと思います。では、Ciao!

12/23/2023, 3:46:47 AM

二十四節気「冬至」
無病息災を願い
柚子湯に浸かる
あたたかい
ゆずの香りに癒される



#ゆずの香り
#68

12/23/2023, 3:41:21 AM

あまり深く関わろうとせず
ほんのりと漂うぐらいが
いいときもある


ゆずの香り

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