『ゆずの香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
体が震えて貴方の背中に思わず腕を回す。
貴方の香水の香りが、ふわっと鼻をくすぐった。
甘すぎない、ゆずの香り。
そんな冬至の1日だった。
#9
ぽっかりと雲の空く朝焼けの、眠たい目で日が昇るのを雪をかぶりかぶり見つめている
『ゆずの香り』
吐き気に
良いらしい。
リラックス効果もある。
そう聞いて
アロマオイルを
買ってみた。
確かに
蓋を開けたら
さっぱり
いい香りで
心が
ホッとする
けど
しばらくすると
心のモヤモヤが
また現れる。
気持ちの
切り替えが
下手くそな
わたしは
どうすれば。
#ゆずの香り
ゆずの香り。冬至ってやつだな。ゆず湯とかゆずを食べるとか。漫画で見て知ってたけど具体的な理由とかは知らないな。
なので軽く調べたらゆず湯に入って身を清めるとか運気上昇を願って、優遇をきかせてもらえるようにってのが由来らしい。
ゆずでゆうずう、優遇ってわけだ。昔の由来みたいのって駄洒落とか多いな。くだらない駄洒落でも時間がたてばめでたい行事になるわけだ。
昔の人はこういう駄洒落が好きだったのかね。まぁ今の時代でもくだらない理由で流行らそう、流行ってるものは多いけど。
しかし昨日今日と寒い寒い。あまりにも寒いもんで部屋の中でつける用の手袋を買っちゃったよ。それも二つ。
寒いと言っても去年に比べたらこれでも大したことないと思うんだけど今年の寒さは身にしみる。
年を取るにつれて寒さへの耐性がなくなってるのを実感する。年を取るのは嫌だね。
〚ゆずの香り〛
リンゴ農園を1個のゆずが彷徨っていた
「こんなところで何をしているのですか?」
と聞くと、ゆずは少し困ったように言った
「実はお見合い相手を探しているんです。でもなかなか見つからなくて…」
「なるほど……ゆずとりんごが結婚したなんて話はあまり聞いたことがないですね…」
「そ、そんなんですか。じゃあ僕はどうしたら…」
思い詰めているゆずに、私はアドバイスをしてあげることにした
「あなたと同じ、柑橘系のフルーツとお見合いするのはどうでしょうか。きっと気が合う方が見つかると思いますよ。」
「…なるほど!確かにそうですね。ご助言ありがとうございます。
じゃあ次はみかん農園に行ってみることにします。」
ゆずはペコリと頭を下げ、みかん農園の方へと歩いていった
私はリンゴ栽培の仕事に再び取り掛かった
りんごの香りの中に、かすかなゆずの香りが漂っていた
冬至だからっていっても、ゆずの香りしないお風呂だっていいよね。
「あぁ~、癒やされる。」
とある平日の夜九時半頃。
ゆったりとした湯船に浸かり、お湯にぷかぷかと浮かんでいる柚子を指で啄きながら、散々だった一日を振り返っていた。
朝は寝坊して遅刻して先生に怒られ、クラスで笑われ。
慌てて家を出てきたものだから、昼はお弁当を持ってくるのをすっかり忘れ、財布も中身がジュース1本分しかなく、パン一個買えずに食べられず。
帰り道こそ何もなかったものの、家に着いてさっさと自室に向かえば隠して置いた人には見られたくない本が机の上に堂々とある。もう、少し泣いてしまった。
そのまま不貞寝をしたら、夕ご飯を食べ損ねた。
もう、何も言う事はない。
人生、割と諦めが肝心だ。
そんな微妙に悪い日だった今日の、
沈みに沈んだ気分を癒してくれたのが『ゆず湯』だった。
頭と体を洗い、湯船の中に入る。
すると、ふわりと柚子の柑橘系特有の爽やかで、少し甘い香りがした。
その香りに、落ち込んでいた気分が少しマシになる。
ネガティブだった考えも、明るくなる。
「…明日は早起きしよう。」
ポツリと呟いた言葉は、お風呂に、溶けていった。
『ゆずの香り』
ゆずの香りがする風呂で熱燗を嗜むのがここ数年の恒例行事。この瞬間を楽しむと、元旦の足音がゆっくりと近づいてくる気がする。年を重ねるにつれて、この酒の美味さも分かってきた俺にも来年はまたやってくるらしい。楽しみだ。
______やまとゆう
ゆずの香り…。
普段は柑橘系の匂いを避けている。
甘い匂いの方が落ち着くから…
でも時々、柑橘系の匂いが欲しくなる。
お風呂に入る時は決まってゆずの香り…。
癒しには色んな種類があるのだと気が付いた…。
恐るべき匂いのパワー。
そして、今晩もゆずの香りに癒されてゆく…。
お風呂にポツンとゆずひとつ。
今日の仕事の疲れを癒やす役割を担ってるのはお前か。
頼りない気もするけど、
お風呂を出る頃には何だか体があったまって、
ゆずの香りに癒やされて、
「やるな、ゆず」
とか思っちゃう単純な自分が、そんなに嫌いじゃない。
テーマ ゆずの香り
湯が溢れ湯気が立ちこもると同時に
包み込むようなゆずの香り
水切りネットにつめたゆずを沈めて
肩まで浸かる私
アヒル隊長を浮かべ
冬至の柚子湯は完成する
「無病息災、無病息災…」
ブツブツと呟く私
それを聞いてフッと笑う母
キッチンのガボちゃの煮物が
ぐつぐつと音を立てて
私の風呂上がりを待っている
『ゆずの香り』
年末が近づいている。仕事が終わらない。年末進行という便利な言葉と今年の仕事は今年のうちになどという誰かの安易な考えで先週の2倍、いや3倍ぐらいに業務が増えているのだ。愚痴を言ってもやることが減るわけでもないので黙々と片付けていると気がつけば広いフロアで照明がついているのは私のシマだけになっていた。残っているのは私と上司だけ。なんでこんなにがんばっているのかとぼうとした気持ちになっていると、上司に呼ばれる。
「君、残業何連目?」
「えっと、先週月曜からずっとです」
「がんばってるねぇ」
「やらないと終わらないので……」
「まぁでも、きょうはもう帰りなさい」
「え、でも」
「いいからいいから」
上司は引き出しをガサゴソと探るとこれあげると言って個包装の入浴剤を差し出した。
「ゆずの、香り」
「きょうはひとっ風呂浴びて暖かくして寝なさい」
「でも私シャワー派なんですけど」
「ええっ?最近の子はそうなのかぁ」
時代だねぇなどと言って額をぺんと叩く様子にふと笑ってしまう。上司がたまに見せるこの仕草がなんとなく好きだった。自分に対しては初めてされた気がする。
「でも、そこまで言うならひとっ風呂、入ってみます」
「うんうん。お風呂と睡眠は大事だよ」
家に帰ってまず浴槽の掃除をしてそれからお湯を貯めた。湯加減がわからず少し熱めになったお湯に個包装をぴりと破いて入浴剤を投入すると、シュワシュワという音とともにお湯は黄色く染まっていき、柑橘系の香りで浴室が満たされていく。浴槽に体を沈めていくとシャワーでは味わえないぬくもりに思わず声が漏れた。
「お風呂、すごいな……」
漂うゆずの香りを胸いっぱいに吸って吐き出す。小さな頃から風呂は面倒くさいものだと思っていた。ひとり暮らしを始めてからは水道代の節約ということにしてシャワーで済ませていたけれど、お風呂派に転向するのはあり寄りのありだと思うぐらいの体験だった。そして言われた通りに湯冷めをしないうちにふとんを敷いて潜り込むといつもはなかなか訪れない眠気にすうと引き込まれる。お風呂派にまた一歩近づいてしまう。
おつかれさまと言って送り出してくれた上司はまだ残っているのだろうか。さすがに帰っただろうか。明日会社でお礼を言わなければ。つらつらとそんなことを思いながら、いつしか眠りに落ちていた。
ゆずの香り
ゆずのような柑橘系の匂いが
風呂に広がる。
このにおいってなんだか
におっているだけで
落ち着く。
体がポカポカした。
その間にこの前あったことを
無意識にたくさん思い浮かべてしまった。
楽しかった事とかね。
今日はゆずをお風呂に入れた。
不織布の袋に入れてある。
子供がテンション高めである。
潰す〜と言ってたけど固くて固くて結局私が潰すことに。
楽しくて思いの外潰しすぎてしまう。
少し肌がピリピリするのが好き。
ゆずの香りがお風呂と手に広がっている。
目をかくと少し痛かった。
#ゆずの香り
冷え切った空気の中で水仕事を終えたあとハンドクリームを手のひらに出してそっと伸ばす、ゆずの香りがふわりと浮かぶ。手を擦り合わせるように、ゆっくりと撫でる。疲れ切った手と心が落ち着いていく。かじかんだ指先を温めるようにそっと口元に手をやる息をかけるとゆずの香りが鼻に届く。
しまった、柚子風呂用の柚子を用意するのをすっかり忘れていた。
夕飯のおかずのカボチャの煮付けを作り、家族で食べ始めた時にその事を思い出した。
折角今日は冬至だというのに……。少し落ち込む。
バスボムを買いに行くという手もあったが、近くのコンビニまで最低五分はかかる。この真冬の真夜中に、バスボムひとつのために外に出るのはいささか気が引けた。
何か柚子の代用品はないか… 食卓を見回す。
そしたら、視界の端にあるものが飛び込んできた
………柚子胡椒…?!
ハッ、と閃いて
()
ゆずの香りがお風呂いっぱいに広がる
ゆず湯
これもよし
お風呂のドア開けてびっくりした。
いつもは見ないゆずがあったから。
「お母さーんこれ何ー?」
「あぁゆずだよ。今日安くなってたから買ったのよ。
冬のゆずと言ったらお風呂に入れるでしょ?」
いつもは入浴剤入れて入ってるけど
今日はゆず。
しっかりゆずの香りがしてて
リラックス出来たと思う。
冬になったらゆず入れてみるのもいいね。
─────『ゆずの香り』
柚子はあまり好きじゃないのに、帰ってきたところに彼がゆずはちみつ茶を出してくれた。
「……柚子、あまり得意じゃないんだけど」
特にこれといった理由があるわけではい。ただ、なんとなく苦手。
テーブルに乗ったお茶からは、湯気と、柑橘の独特な香りが漂ってくる。
「そうなの? まぁとりあえず飲んでみてよ」
それなりの時間一緒にいると思っていたのに、お互いにまだ知らないことは意外と多い。これもその一つ。
知らないからって責めるつもりはない。知らないことがあるのは当たり前だから。
でも、疲れていたから、ちょっとだけ文句を言いたくなってしまった。
「だから、得意じゃないんだってば。いらない」
それでもそんな私を怒ることはなく、彼は少し困ったように笑った。
「まぁまぁ騙されたと思って飲んでみてよ」
「騙されたくないんだけど」
そう言いながら、渋々とお茶を口にする。
「……美味しい」
「でしょ? 俺特製ゆずはちみつ茶! 結構飲みやすいでしょ。……最近疲れた顔してたから。疲労回復にいいんだよ、これ」
私は、飲む前から嫌だって文句ばっかり言ってしまったのに。
彼は嬉しそうに笑ってくれた。私の様子に気付いてくれて、私を思ってくれて、こんなものを作ってくれた。
立ち上がって、彼が自分の分のゆずはちみつ茶を持ってきたところを、ぎゅっと抱き締めた。
「ごめんね。ありがとう」
柚子の優しい香りが、辺りに広がっていた。
『ゆずの香り』
すーっと、鼻いっぱいにこの香りを堪能した。
親友からもらった、このゆず。お風呂に入れるのがおすすめだよ、と言われたため、初めてゆずのお風呂に入ってみた。
お風呂場に入った瞬間に広がるゆずの香り、お湯に浸かったときの鼻の奥まで届く強い、ゆずの香り。今日起きたすべての疲れを癒やしてくれる気がする。長風呂はしないタイプだが、今日はいつもより多く入ってみよう。
さすが私の親友だ。私のこと、よくわかってる。今度、ゆずがある温泉にでも連れて行こう。